JPH0337293B2 - - Google Patents
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- JPH0337293B2 JPH0337293B2 JP60021515A JP2151585A JPH0337293B2 JP H0337293 B2 JPH0337293 B2 JP H0337293B2 JP 60021515 A JP60021515 A JP 60021515A JP 2151585 A JP2151585 A JP 2151585A JP H0337293 B2 JPH0337293 B2 JP H0337293B2
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Description
産業上の利用分野
この発明は、電解コンデンサ用陰極材料に関す
る。 なお、この明細書においてアルミニウムの語は
その合金を含む意味で用いる。 従来の技術及び課題 電解コンデンサの電極材料としては、一般的に
は陽極用と陰極用とに分かれているが、コンデン
サの静電容量を増大させるためには、陽極材料の
みならず、特に陰極材料自体の静電容量の向上を
図ることも有効である。 このため、アルミニウム電解コンデンサでは陰
極材料の静電容量を高めるべく、エツチングによ
りアルミニウム陰極箔の表面積を拡大することが
行われているが、エツチングが過大になるとアル
ミニウム波表面の溶解が同時に進行して却つて拡
面率の増大を妨げることなどから、エツチング技
術による陰極材料の静電容量の増大化には限界が
あつた。 この発明はこのような事情を背景になされたも
のであつて、従来のエツチング技術による限界を
越えた大きな静電容量を有する電解コンデンサ用
陰極材料の提供を目的とするものである。 課題を解決するための手段 この目的においてこの発明に係る電解コンデン
サ用陰極材料は、エツチングにより粗面化された
アルミニウム箔の表面に、不活性ガス雰囲気中で
形成された、平均粒子径0.02〜1.0μmのチタン微
粒子からなる厚さ0.2〜5.0μmのチタン蒸着皮膜
が被覆されてなることを特徴とし、これによりチ
タン蒸着皮膜の表面を微細に粗面化したものとな
し、もつて従来のものよりはるかに優れた拡面率
の向上ひいては静電容量の増大を実現したのであ
る。 上記において、基材となるアルミニウム箔は、
化学的あるいは電気化学的な湿式エツチングを施
されて予め表面を粗面状態となされる。このよう
にアルミニウム箔表面を粗面化するのは、アルミ
ニウム箔表面の凹凸をその上に被覆形成されるチ
タン蒸着皮膜に波及せしめてチタン蒸着皮膜の表
面積拡大効果を顕出ないしは助長するためであ
る。なお、の粗面化はアルミニウム箔自体の拡面
率の向上を目的とするものではないから、エツチ
ングは従来の陰極材料としてのアルミニウム箔の
エツチングよりも軽度で良い。従つてアルミニウ
ム箔は従来よりも薄箔のものを使用可能となる。 アルミニウム箔の表面に形成されるチタン蒸発
皮膜は、その平均粒子径が皮膜の拡面率向上の点
から0.02〜0.1μmの範囲とされなければならな
い。即ち、0.02μm未満では皮膜が平滑化されて
拡面効果に寄与しないためであり、また逆に1.0μ
mを越えて粗大化しても却つて拡面効果に乏しく
静電容量の小さいものとなつてしまうからであ
る。またチタン蒸着皮膜の厚さは0.2〜5.0μmの
範囲とされなければならない。0.2μm未満では、
同じく皮膜の粗面化による拡面効果を期待し得な
いからであり、逆に5.0μmを越えても使用合金材
料の増大、コスト上昇、作業性の悪化に見合うだ
けの効果が得られないからである。好ましくは
1.0μm以下の膜厚とするのが良い。 このようなチタン蒸着皮膜の形成は、アルゴ
ン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中でチタン
をアルミニウム箔に蒸着することにより行われ
る。ここに、蒸着皮膜としてチタンを採用したの
は、次の理由による。即ち、チタ蒸着皮膜に代え
て、銅や鉄等の他の金属皮膜を形成した場合にも
静電容量の増大効果は得られるが、鉄や銅の金属
皮膜では、酸化膜の成長により静電容量の低下が
顕著であり、耐久性の点で劣るものとなる。これ
に対し、チタン蒸着皮膜では酸化膜の成長によつ
ても静電容量の低下を来たさず、このため鉄や銅
などの金属皮膜のものに較べて耐久性に優れた陽
極材料となしえ、ひいてはコンデンサの長寿命
化、高信頼性を実現しうるものとなる。なお、チ
タン蒸着が行われる不活性ガス中の圧力は1×
10-4〜1×10-1Torrの範囲とするのが好ましい。
下限値未満の圧力では、皮膜が平滑化して静電容
量の小さいものとなるためであり、逆に上限値を
越えて大きくなると、チタンが蒸発しにくくなる
うえ、皮膜がすす状となつて密着性が悪くなるか
らである。また蒸発源とアルミニウム箔との蒸着
距離は100〜1000mmの範囲で、また蒸着速度は50
〜10000Å/secの範囲で、雰囲気圧、膜厚との関
連で適宜選択するのが好ましい。このようなチタ
ン蒸着皮膜の蒸着形成処理は、コイル状のアルミ
ニウム箔を巻き取りながら半連続的に行いうるも
のである。 発明の効果 この発明は、上述の次第で、まずエツチングに
より粗面化したアルミニウム箔の表面にチタン蒸
着皮膜が形成されたものであるから、アルミニウ
ム箔表面の微細凹凸をチタン蒸着皮膜の表面に波
及させることができる。加えて、チタン蒸着皮膜
は、不活性ガス雰囲気中で平均粒子径0.02〜1.0μ
mのチタン微粒子により厚さ0.2〜5.0μmに形成
されているから、チタン蒸着皮膜自体の表面を微
細凹凸を呈する状態となすことができ、この蒸着
皮膜自体の微細凹凸と皮膜に波及したアルミニウ
ム箔表面の前記微細凹凸とが相俟つてそれらの相
乗的効果により、チタン蒸着皮膜表面を微細凹凸
状の著しく粗な状態となしえて拡面率の向上を図
りうる。このため後述の実施例の参酌によつても
明らかなように、エツチングのみによつて拡面率
の向上を図つた従来のアルミニウム陰極材料に較
べて格段に大きな静電容量を有するものとなしう
る。その結果、アルミニウム電解コンデンサの小
型化、高性能化に極めて有効なものとなしうる。 さらには、アルミニウム箔表面に形成されたチ
タン蒸着皮膜は、その表面に経済的に酸化皮膜が
形成された場合においても静電容量の大きな低下
を派生することがないため、耐久性に優れた陰極
材料となしえ、ひいては高寿命、高性能の電解コ
ンデンサの提供が可能となる。 実施例 次にこの発明の実施例を比較例とともに示す。 実施例 1 化学的エツチングで表面積を50倍に拡大した厚
さ0.1mmのアルミニウム箔の両面に、5×
10-3Torrのアルゴンガス雰囲気中でチタンを蒸
発させることにより、平均粒子径0.3μmのチタン
微粒子からなる厚さ0.5μmのチタン蒸着皮膜を形
成し、本発明に係る陰極材料を作製した。 実施例 2 化学的エツチングで表面積を40倍に拡大した厚
さ0.1mmのアルミニウム箔基材の両面に、5×
10-3Torrのアルゴンガス雰囲気中でチタンを蒸
発させることにより、平均粒子径0.5μmのチタ微
粒子からなる厚さ0.8μmのチタン蒸着皮膜を形成
し、本発明に係る陰極材料を作製した。 比較例 1 実施例2と同じアルミニウム箔を基材として用
い、かつ実施例2と同一圧力のアルゴンガス雰囲
気中で鉄を蒸発させて、アルミニウム箔基材の両
面に平均粒子径0.1μmの鉄微粒子からなる厚さ
0.5μmの鉄蒸着皮膜を形成し、比較材とした。 比較例 2 基材として表面を粗面化していない厚さ0.1mm
の圧延アルミニウム箔を用い、5×10-3Torrの
アルゴンガス雰囲気中でチタンを蒸発させること
により、アルミニウム箔基材の両面に平均粒子径
0.2μmのチタン微粒子からなる厚さ0.7μmのチタ
ン蒸着皮膜を形成し、比較材とした。 比較例 3 厚さ0.1mmの純度99.8wt%アルミニウム箔を、
液温60℃の2wt%塩酸水溶液中でDC20A/50cm2の
電流密度にて300秒間エツチングし、従来のアル
ミニウム陰極材料を作製した。 尚、上記実施例1、2及び比較例1、2におけ
るアルミニウム箔への蒸着は、いずれも蒸発源と
アルミニウム箔との蒸着距離を250mm、蒸着速度
を200Å/secとして行つた。 上記のようにして得た7種類の陰極材料の静電
容量を、30℃、10wt%ホウ酸アンモニウム溶液
中で測定すると共に、実施例2及び比較例1〜3
の各試料については、純水中にて4時間煮沸後の
静電容量も測定し、強制的劣化による耐久試験を
併せて行つた。その結果を次表に示す。
る。 なお、この明細書においてアルミニウムの語は
その合金を含む意味で用いる。 従来の技術及び課題 電解コンデンサの電極材料としては、一般的に
は陽極用と陰極用とに分かれているが、コンデン
サの静電容量を増大させるためには、陽極材料の
みならず、特に陰極材料自体の静電容量の向上を
図ることも有効である。 このため、アルミニウム電解コンデンサでは陰
極材料の静電容量を高めるべく、エツチングによ
りアルミニウム陰極箔の表面積を拡大することが
行われているが、エツチングが過大になるとアル
ミニウム波表面の溶解が同時に進行して却つて拡
面率の増大を妨げることなどから、エツチング技
術による陰極材料の静電容量の増大化には限界が
あつた。 この発明はこのような事情を背景になされたも
のであつて、従来のエツチング技術による限界を
越えた大きな静電容量を有する電解コンデンサ用
陰極材料の提供を目的とするものである。 課題を解決するための手段 この目的においてこの発明に係る電解コンデン
サ用陰極材料は、エツチングにより粗面化された
アルミニウム箔の表面に、不活性ガス雰囲気中で
形成された、平均粒子径0.02〜1.0μmのチタン微
粒子からなる厚さ0.2〜5.0μmのチタン蒸着皮膜
が被覆されてなることを特徴とし、これによりチ
タン蒸着皮膜の表面を微細に粗面化したものとな
し、もつて従来のものよりはるかに優れた拡面率
の向上ひいては静電容量の増大を実現したのであ
る。 上記において、基材となるアルミニウム箔は、
化学的あるいは電気化学的な湿式エツチングを施
されて予め表面を粗面状態となされる。このよう
にアルミニウム箔表面を粗面化するのは、アルミ
ニウム箔表面の凹凸をその上に被覆形成されるチ
タン蒸着皮膜に波及せしめてチタン蒸着皮膜の表
面積拡大効果を顕出ないしは助長するためであ
る。なお、の粗面化はアルミニウム箔自体の拡面
率の向上を目的とするものではないから、エツチ
ングは従来の陰極材料としてのアルミニウム箔の
エツチングよりも軽度で良い。従つてアルミニウ
ム箔は従来よりも薄箔のものを使用可能となる。 アルミニウム箔の表面に形成されるチタン蒸発
皮膜は、その平均粒子径が皮膜の拡面率向上の点
から0.02〜0.1μmの範囲とされなければならな
い。即ち、0.02μm未満では皮膜が平滑化されて
拡面効果に寄与しないためであり、また逆に1.0μ
mを越えて粗大化しても却つて拡面効果に乏しく
静電容量の小さいものとなつてしまうからであ
る。またチタン蒸着皮膜の厚さは0.2〜5.0μmの
範囲とされなければならない。0.2μm未満では、
同じく皮膜の粗面化による拡面効果を期待し得な
いからであり、逆に5.0μmを越えても使用合金材
料の増大、コスト上昇、作業性の悪化に見合うだ
けの効果が得られないからである。好ましくは
1.0μm以下の膜厚とするのが良い。 このようなチタン蒸着皮膜の形成は、アルゴ
ン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中でチタン
をアルミニウム箔に蒸着することにより行われ
る。ここに、蒸着皮膜としてチタンを採用したの
は、次の理由による。即ち、チタ蒸着皮膜に代え
て、銅や鉄等の他の金属皮膜を形成した場合にも
静電容量の増大効果は得られるが、鉄や銅の金属
皮膜では、酸化膜の成長により静電容量の低下が
顕著であり、耐久性の点で劣るものとなる。これ
に対し、チタン蒸着皮膜では酸化膜の成長によつ
ても静電容量の低下を来たさず、このため鉄や銅
などの金属皮膜のものに較べて耐久性に優れた陽
極材料となしえ、ひいてはコンデンサの長寿命
化、高信頼性を実現しうるものとなる。なお、チ
タン蒸着が行われる不活性ガス中の圧力は1×
10-4〜1×10-1Torrの範囲とするのが好ましい。
下限値未満の圧力では、皮膜が平滑化して静電容
量の小さいものとなるためであり、逆に上限値を
越えて大きくなると、チタンが蒸発しにくくなる
うえ、皮膜がすす状となつて密着性が悪くなるか
らである。また蒸発源とアルミニウム箔との蒸着
距離は100〜1000mmの範囲で、また蒸着速度は50
〜10000Å/secの範囲で、雰囲気圧、膜厚との関
連で適宜選択するのが好ましい。このようなチタ
ン蒸着皮膜の蒸着形成処理は、コイル状のアルミ
ニウム箔を巻き取りながら半連続的に行いうるも
のである。 発明の効果 この発明は、上述の次第で、まずエツチングに
より粗面化したアルミニウム箔の表面にチタン蒸
着皮膜が形成されたものであるから、アルミニウ
ム箔表面の微細凹凸をチタン蒸着皮膜の表面に波
及させることができる。加えて、チタン蒸着皮膜
は、不活性ガス雰囲気中で平均粒子径0.02〜1.0μ
mのチタン微粒子により厚さ0.2〜5.0μmに形成
されているから、チタン蒸着皮膜自体の表面を微
細凹凸を呈する状態となすことができ、この蒸着
皮膜自体の微細凹凸と皮膜に波及したアルミニウ
ム箔表面の前記微細凹凸とが相俟つてそれらの相
乗的効果により、チタン蒸着皮膜表面を微細凹凸
状の著しく粗な状態となしえて拡面率の向上を図
りうる。このため後述の実施例の参酌によつても
明らかなように、エツチングのみによつて拡面率
の向上を図つた従来のアルミニウム陰極材料に較
べて格段に大きな静電容量を有するものとなしう
る。その結果、アルミニウム電解コンデンサの小
型化、高性能化に極めて有効なものとなしうる。 さらには、アルミニウム箔表面に形成されたチ
タン蒸着皮膜は、その表面に経済的に酸化皮膜が
形成された場合においても静電容量の大きな低下
を派生することがないため、耐久性に優れた陰極
材料となしえ、ひいては高寿命、高性能の電解コ
ンデンサの提供が可能となる。 実施例 次にこの発明の実施例を比較例とともに示す。 実施例 1 化学的エツチングで表面積を50倍に拡大した厚
さ0.1mmのアルミニウム箔の両面に、5×
10-3Torrのアルゴンガス雰囲気中でチタンを蒸
発させることにより、平均粒子径0.3μmのチタン
微粒子からなる厚さ0.5μmのチタン蒸着皮膜を形
成し、本発明に係る陰極材料を作製した。 実施例 2 化学的エツチングで表面積を40倍に拡大した厚
さ0.1mmのアルミニウム箔基材の両面に、5×
10-3Torrのアルゴンガス雰囲気中でチタンを蒸
発させることにより、平均粒子径0.5μmのチタ微
粒子からなる厚さ0.8μmのチタン蒸着皮膜を形成
し、本発明に係る陰極材料を作製した。 比較例 1 実施例2と同じアルミニウム箔を基材として用
い、かつ実施例2と同一圧力のアルゴンガス雰囲
気中で鉄を蒸発させて、アルミニウム箔基材の両
面に平均粒子径0.1μmの鉄微粒子からなる厚さ
0.5μmの鉄蒸着皮膜を形成し、比較材とした。 比較例 2 基材として表面を粗面化していない厚さ0.1mm
の圧延アルミニウム箔を用い、5×10-3Torrの
アルゴンガス雰囲気中でチタンを蒸発させること
により、アルミニウム箔基材の両面に平均粒子径
0.2μmのチタン微粒子からなる厚さ0.7μmのチタ
ン蒸着皮膜を形成し、比較材とした。 比較例 3 厚さ0.1mmの純度99.8wt%アルミニウム箔を、
液温60℃の2wt%塩酸水溶液中でDC20A/50cm2の
電流密度にて300秒間エツチングし、従来のアル
ミニウム陰極材料を作製した。 尚、上記実施例1、2及び比較例1、2におけ
るアルミニウム箔への蒸着は、いずれも蒸発源と
アルミニウム箔との蒸着距離を250mm、蒸着速度
を200Å/secとして行つた。 上記のようにして得た7種類の陰極材料の静電
容量を、30℃、10wt%ホウ酸アンモニウム溶液
中で測定すると共に、実施例2及び比較例1〜3
の各試料については、純水中にて4時間煮沸後の
静電容量も測定し、強制的劣化による耐久試験を
併せて行つた。その結果を次表に示す。
【表】
上記結果から明らかなように、この発明に係る
陰極材料(実施例1、2)は、従来のエツチング
によつて拡大率の向上を図つたアルミニウム陰極
材料(比較例3)と較べた場合はもとより、アル
ミニウム箔を粗面化していないもの(比較例2)
と較べた場合にも優れた静電容量を有するもので
あることを確認しえた。 また、アルミニウム箔の表面に不活性ガス雰囲
気中でチタン蒸着膜を形成した本発明実施品(実
施例2)の方が、鉄蒸着膜を形成したもの(比較
例1)よりも耐久性の点で有利であることもわか
る。
陰極材料(実施例1、2)は、従来のエツチング
によつて拡大率の向上を図つたアルミニウム陰極
材料(比較例3)と較べた場合はもとより、アル
ミニウム箔を粗面化していないもの(比較例2)
と較べた場合にも優れた静電容量を有するもので
あることを確認しえた。 また、アルミニウム箔の表面に不活性ガス雰囲
気中でチタン蒸着膜を形成した本発明実施品(実
施例2)の方が、鉄蒸着膜を形成したもの(比較
例1)よりも耐久性の点で有利であることもわか
る。
Claims (1)
- 1 エツチングにより粗面化されたアルミニウム
箔の表面に、不活性ガス雰囲気中で形成された、
平均粒子径0.02〜1.0μmのチタン微粒子からなる
厚さ0.2〜5.0μmのチタン蒸着皮膜が被覆されて
なることを特徴とする電解コンデンサ用陰極材
料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60021515A JPS61180420A (ja) | 1985-02-05 | 1985-02-05 | 電解コンデンサ用陰極材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60021515A JPS61180420A (ja) | 1985-02-05 | 1985-02-05 | 電解コンデンサ用陰極材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61180420A JPS61180420A (ja) | 1986-08-13 |
JPH0337293B2 true JPH0337293B2 (ja) | 1991-06-05 |
Family
ID=12057104
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60021515A Granted JPS61180420A (ja) | 1985-02-05 | 1985-02-05 | 電解コンデンサ用陰極材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61180420A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019069917A1 (ja) | 2017-10-04 | 2019-04-11 | 日本ケミコン株式会社 | 電解コンデンサ及びその製造方法 |
US10854393B2 (en) | 2016-03-31 | 2020-12-01 | Nippon Chemi-Con Corporation | Electrolytic capacitor and manufacturing method therefor |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63100711A (ja) * | 1986-10-16 | 1988-05-02 | 昭和アルミニウム株式会社 | 電解コンデンサ用電極材料の製造方法 |
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