JPH0336788Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は離脱防止管継手に関し、特に受口内周
面と挿口外周面との間で環状のシール材を圧縮し
てなるスリツプオンタイプの離脱防止管継手に関
する。

従来の技術 従来のスリツプオンタイプの離脱防止管継手と
して、受口内周面に形成した環状溝にロツクリン
グを嵌め込み、このロツクリングを、前記環状溝
および挿口外周面に形成した挿口溝にともに掛け
合わせたものが提案されている。

考案が解決しようとする問題点 ところが、このような従来のものでは、継手の
接合の際にロツクリングを受口側の環状溝と挿口
溝との双方に同時に嵌め込む作業が必要となるた
め、接合作業性が悪いという問題点がある。

そこで本考案はこのような問題点を解決し、接
合作業性の良好な離脱防止管継手を提供すること
を目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため本考案は、 受口内周面に内周突部を形成し、 内周突部よりも受口奥側における受口内周面と
挿口外周面との間に、挿口外周面に抱付可能であ
るとともに、受口内周面に対しスライド可能で、
かつ前記スライドにより内周突部に掛け合わされ
る掛止リングを配置し、 この掛止リングは、 受口内周面と挿口外周面との間で圧縮される環
状のゴムリングと、 このゴムリングの外面に設けられて受口内周面
に対し管軸心方向にスライド可能とされた金属製
外面リングと、 ゴムリングに埋設されて挿口外周面に抱付可能
であるとともに、掛止リングが内周突部に掛り合
つたときに挿口外周面に押圧される内周鋸歯状の
金具と、 を有するようにしたものである。

作 用 このような構成において、継手の接合に際して
は、掛止リングを予め受口内に預けた状態でこの
受口内に挿口を挿入するだけでよく、容易に接合
作業を行なうことができる。掛止リングはゴムリ
ングと外面リングと内周鋸歯状の金具とが一体化
された構成であるため、部品点数の低減が可能で
ある。またゴムリングの弾性により、金具を挿口
外周面に確実に抱付かせることが可能である。外
面リングが受口内面に対しスライド可能であるた
め、継手の伸縮が容易に行われる。継手部に引抜
力が作用すると、掛止リングは挿口に抱付いた状
態でこの挿口とともに受口開口端に向けて移動
し、内周突部に掛け合わされることになつて、所
要の離脱防止機能が発揮される。

実施例 第１図は、本考案の一実施例を示すものであ
る。ここで１は一方の管に形成された受口、２は
他方の管に形成された挿口である。３は環状のシ
ール材で、受口１の内面と挿口２の外面との間で
圧縮されて、所定のシール機能を発揮している。
４はバツクアツプフランジで、シール材３よりも
開口端側における受口１の内周に形成されてい
る。

受口１の開口端には内フランジ構造の内周突部
５が形成されており、またこの内周突部５とバツ
クアツプフランジ４との間には、管軸心方向の内
周面６が形成されている。

内周面６と挿口２の外周面７との間には、掛止
リング８が配置されている。ここで９は掛止リン
グ８の本体部を構成する環状のゴムリングで、内
周面６と外周面７との間で圧縮されるようになつ
ている。ゴムリング９の外面には、内周面６に沿
つて管軸心方向にスライド可能な金属製外面リン
グ１０がかぶせられている。この金属製外面リン
グ１０は、周方向複数に分割されてゴムリング９
の外面に接着され、内周突部５およびバツクアツ
プフランジ４に係り合う縁部１１，１２が管軸心
方向両端部にそれぞれ形成されている。また金属
製外面リング１０の管軸心方向中央部には、管径
方向内向きに突出する突部１３が形成されてい
る。

ゴムリング９の内部には、金具１４が埋設され
ている。この金具１４は、挿口２の外周面７に接
触可能な内周鋸歯状に形成され、外面リング１０
の突部１３によりゴムリング９内の所定位置に位
置決めされている。また金具１４は、突部１３と
縁部１１との間に入り込むヒール部１５を有して
いる。

継手の接合に際しては、まず予め受口１内所定
位置にシール材３を嵌め込むとともに、内周面６
に掛止リング８を嵌め込み、次に受口１内に挿口
２を挿入する。すると、シール材３が受口１、挿
口２間で圧縮されることによつて所期のシール性
能が得られ、かつ受口１の内周面６と挿口２の外
周面７との間で掛止リング８のゴムリング９が圧
縮される。この結果、ゴムリング９の弾性によ
り、外面リング１０が内周面６に当てられるとと
もに、金具１４が外周面７に抱付けられる。

このように本考案によると、通常必要とされる
シール材３の他に掛止リング８を受口１内に嵌め
込み、その状態で受口１内に挿口２を挿入するだ
けで継手接合作業が完了するため、接合作業を容
易に実施することが可能となる。

受口１、挿口２間に伸縮力が作用した場合に
は、前述のように金具１４が挿口２の外周面７に
抱付いているとともに、外面リング１０が受口１
の内周面６に管軸心方向にスライド可能に接触し
ているため、掛止リング８は挿口２と一体に変位
する。このため、掛止リング８がバツクアツプフ
ランジ４および内周突部５に当たるまでの範囲
で、継手部の伸縮が許容される。具体的には外面
リング１０の縁部１１，１２がこれらバツクアツ
プフランジ４および内周突部５に当たることによ
り、上記一定範囲以上の伸縮が阻止される。な
お、継手部の伸縮代は、バツクアツプフランジ４
と内周突部５との距離を変更することにより調節
できる。

受口１、挿口２間に大きな引抜力が作用した場
合には、まず掛止リング８が内周突部５に当た
り、この段階で金具１４がヒール部１５を中心と
して管径方向に立上がつてくる。これにより金具
１４が挿口２の外周面７に喰込むように押圧さ
れ、もつて継手部の離脱防止が図られることにな
る。

第２図は、本考案の他の実施例を示すものであ
る。本例では、受口１の開口端側にシール材３を
配置し、このシール材３よりも受口奥側に内周突
部５を形成するとともに、この内周突部５と受口
奥端面１６との間に内周面６を形成して、この内
周面６と挿口２の外周面７との間に掛止リング８
を配置している。継手部に伸縮力や大きな引抜力
が作用したときの動作は、前述の第１図のものと
同様である。

考案の効果 以上述べたように本考案によると、接合作業性
の良好なスリツプオンタイプの離脱防止管継手を
得ることができる。またゴムリングと外面リング
と内周鋸歯状の金具とを一体化して掛止リングを
構成しているため、部品点数を低減することがで
きる。掛止リングのゴムリングの弾性により、金
具を確実に挿口外面に抱付かせることができる。
外面リングが受口内面に対しスライド可能である
ため、継手の伸縮を容易に行わせることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
本考案の他の実施例の断面図である。 １……受口、２……挿口、３……シール材、５
……内周突部、６……内周面、７……外周面、８
……掛止リング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 受口内周面と挿口外周面との間で環状のシール
   材を圧縮してなるスリツプオンタイプの管継手に
   おいて、 受口内周面に内周突部を形成し、 内周突部よりも受口奥側における受口内周面と
   挿口外周面との間に、挿口外周面に抱付可能であ
   るとともに、受口内周面に対し管軸心方向にスラ
   イド可能で、かつ前記スライドにより内周突部に
   掛け合わされる掛止リングを配置し、 この掛止リングは、 受口内周面と挿口外周面との間で圧縮される環
   状のゴムリングと、 このゴムリングの外面に設けられて受口内周面
   に対し管軸心方向にスライド可能とされた金属製
   外面リングと、 ゴムリングに埋設されて挿口外周面に抱付可能
   であるとともに、掛止リングが内周突部に掛り合
   つたときに挿口外周面に押圧される内周鋸歯状の
   金具と、 を有することを特徴とする離脱防止管継手。