JPH0336617Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は水栓の殻体の少なくとも下面側を合成
樹脂製のアンダーカバーで構成した水栓に関する
ものであり、更に詳しくはポツプアツプシヤフト
の挿通部の構成に改良を加えた水栓に関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来、水栓は鋳物製であつたが、鋳造及び仕上
作業にコストが嵩むところから、近年、水栓を成
型の容易な合成樹脂製とすることが検討されてい
る。即ち、アンダーカバー及びアツパーカバーを
係着させて水栓殻体となし、この水栓殻体内部に
金属製の通水管部材を設置するものであり、かつ
上記アンダーカバーとアツパーカバーのうち少な
くともアンダーカバーを合成樹脂製とするもので
ある。

ところで、洗面器等に設置される水栓において
は、洗面器の開口に設けられたポツプアツプ弁を
上下動させるためのポツプアツプシヤフトを当該
水栓に設けることがある。従来の鋳物製の水栓に
おいては、このポツプアツプシヤフトを挿通させ
るための開口を上下方向に貫通させ、シヤフトを
該貫通口に挿入して支持する構成となつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、水栓のアンダーカバー等を合成樹脂
製とした場合、このアンダーカバー開口にポツプ
アツプシヤフトの径よりも大きめの開口を開ける
と、ポツプアツプシヤフトがガタつき、使用感が
極めて悪い。また、アンダーカバー等に設ける開
口をポツプアツプシヤフトの外径とほぼ等しくし
た場合には、アンダーカバーが合成樹脂製である
ので比較的早期に摩耗し、該開口が大きくなり、
同様にポツプアツプシヤフトにガタつきが生じや
すい。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の水栓は、アツパーカバーと合成樹脂製
のアンダーカバーとを係着させて水栓殻体とな
し、この水栓殻体内部に金属製の通水管部材を設
置した水栓である。このアツパーカバーとアンダ
ーカバーとには、それぞれポツプアツプシヤフト
の挿通用の開口が設けてあり、かつ少なくとも一
方の開口にポツプアツプシヤフトのガイドパイプ
を固着せしめ、このガイドパイプにポツプアツプ
シヤフトを挿通させて支持した。

〔作用〕

本考案の水栓においては、ガイドパイプに挿通
された状態でポツプアツプシヤフトが案内される
から、このガイドパイプ内径をポツプアツプシヤ
フトよりも僅かに大きな径となるように選定する
ことにより、ガタつきのないポツプアツプシヤフ
トの操作を行うことができる。また、ガイドパイ
プの材質として、金属や硬質合成樹脂等とするこ
とにより、その耐久性も極めて高いものとなり、
長期間に亙つて使用しても摩耗によりその内径が
大きくなることがなく、ガタつきのないポツプア
ツプシヤフトの操作が行える。

〔実施例〕

以下図面を参照して実施例について説明する。

第１図は本考案の実施例に係る水栓を洗面器に
装着した状態を示す概略的な断面図、第２図は水
栓の縦断面図、第３図は同組立斜視図、第４図は
アンダーカバーの斜視図、第５図は水栓の後側下
方より見た組立斜視図である。

第１図において符号２は洗面器であり、水栓
（本実施例では、湯水混合水栓）４がその奥側に
取り付けられている。また、洗面器２の排水口２
ａにはポツプアツプ装置６が装着されている。こ
のポツプアツプ装置６は、排水口２ａに取り付け
られるケーシング部６ａと、該ケーシング部６ａ
の上面部分に取付軸（図示せず）によつて上下動
可能に支持されたポツプアツプ弁６ｂと、この取
付軸を上下動させるためのレバー６ｃとを備えて
構成されている。このレバー６ｃを上下動させる
ために、水栓４を貫通してポツプアツプシヤフト
８が設置されており、該レバー６ｃとポツプアツ
プシヤフト８が連結金具８ａによつて連結されて
いる。なおポツプアツプシヤフト８の上端にはつ
まみ８ｂが固着されている。

以下、まず水栓４の構成について第２図ないし
第５図を参照して説明する。

この湯水混合水栓４は、樹脂又は金属製のアツ
パーカバー１０と、合成樹脂製のアンダーカバー
１２と、鋳物製の通水管部材１４とを有してい
る。アンダーカバー１２は、洗面器上面に着座さ
れる底座部１２ａと、この底座部１２ａの中央か
ら前方側へ延出する吐水部１２ｂとを備えてい
る。アツパーカバー１０は、このアンダーカバー
１２の底座部１２ａに上側から被さる本体部１０
ａと、吐水部１２ｂに被さる吐水カバー部１０ｂ
とを有している。また、アンダーカバー１２には
その吐水部１２ｂの側周に沿つて爪１８が複数個
立設されており、アツパーカバー１０の吐水カバ
ー部１０ａには、該爪１８と係合する凹部２０が
立設されており、これら爪１８と凹部２０との係
合によりアツパーカバー１０とアンダーカバー１
２とが係着され、水栓躯体２２を構成する。

通水管部材１４は、基端部１４ａと、該基端部
１４ａから前方に延出する吐水部１４ｂとを有し
ており、基端部１４ａには水用脚部２４と湯用脚
部２６とが接続されている。また、基端部１４ａ
の上面側にはバルブケース２８，３０が設けられ
ており、水用脚部２４及び湯用脚部２６から通水
管部材１４の基端部１４ａへ流れ込む水及び湯の
止水及び流量調整をなすようになつている。な
お、アツパーカバー１０の本体部１０ａには、該
バルブケーシング２８，３０から上方に突出する
スピンドル（図示せず）を挿通するための孔３
２，３３が設けられており、このスピンドルの上
端に湯用ハンドル（図示せず）と水用ハンドル３
４を取り付けるようになつている。また、前記ア
ンダーカバー１２の底座部１２ａには、水用脚部
２４及び湯用脚部２６を挿通するための透孔３
６，３８が設けられている。

通水管部材１４の先端には吐水口４０が開口し
ており、またアンダーカバー１２の吐水部１２ｂ
先端には開口４２が設けられており、吐水口口金
４４が該開口４２を通して吐水口４０に螺装可能
とされている。

なお、通水管部材１４の基端部１４ａと、アン
ダーカバー１２の底座部１２ａとはボルト４６に
よつて連結、固定されている。

しかして、アンダーカバー１２の底座部１２ａ
にはポツプアツプシヤフト８を挿通するための開
口４８が開設され、一方アツパーカバー１０の吐
水カバー部１０ａには同様の開口５０が設けられ
ている。また、アンダーカバー１２には、該開口
４８の部分から立設する円筒状のボス部５２が一
体的に形成されている。このボス部５２は、その
上端がアツパーカバー１０の吐水カバー部１０ａ
に当接する高さを有しており、かつ吐水カバー部
１０ａの開口５０の下面側縁部には該ボス部５２
の頂部を受け入れるための段部５０ａが設けられ
ている。

更に、通水管部材１４は、基端部１４ａの後方
に延在する盤状部１４ｃを備え、この盤状部１４
ｃにはボス部５２を受け入れる開口５４が上下方
向に貫通されている。この開口５４は、ボス部５
２とほぼ等しい内径とされており、該ボス部５２
の直立姿勢の保持をなすようにしている。このよ
うに、ボス部５２は通水管部材１４によつて保持
され、更にその上端がアツパーカバー１０の段部
５０ａと係合することにより保持されており、ぐ
らついたりすることが全くない。

しかして、ボス部５２には、金属又は硬質の合
成樹脂等からなるガイドパイプ５６が下方から差
し込まれるようにして固着されている。本実施例
では、ガイドパイプ５６の先端側には雄ねじが刻
設され、一方ボス部５２の内周面には雌ねじが刻
設され、これら雄ねじと雌ねじとの螺合によりガ
イドパイプ５６をアンダーカバーに固着させる構
成となつている。

このガイドパイプ５６の内径は、ポツプアツプ
シヤフト８よりも僅かに大きく設定されており、
該シヤフト８はガイドパイプ５６内を円滑にかつ
ガタつきなく上下動することができるようになつ
ている。

このように構成された水栓において、水用脚部
２４及び湯用脚部２６から供給される湯及び水は
バルブケーシング２８，３０内の弁体（図示せ
ず）によつて通水、止水及び流量制御を受けつつ
通水管部材１４内に流れ込み、次いで吐水口４
０、口金４４を経て流出可能である。そして、ポ
ツプアツプシヤフト８のつまみ８ｂをつまんで該
シヤフト８を引き上げることによりポツプアツプ
シヤフト弁６ｂが排水口２ａを塞ぎ、洗面器２内
に水又は湯を溜めることができる。また、つまみ
８ｂを押し込んでポツプアツプシヤフト８を下げ
ることにより、ポツプアツプ弁６ｂが上昇し、水
又は湯の排出をなすことができる。

しかして、本実施例においては、金属又は硬質
の合成樹脂からなるガイドパイプ５６がアンダー
カバー１２に固着されており、このガイドパイプ
５６によつてポツプアツプシヤフト８をガイドす
るようにしているので、該シヤフト８の操作が極
めて円滑である。また、長期間使用しても該ガイ
ドパイプ５６は殆ど摩耗せず、長期間に亙つて快
適なポツプアツプシヤフトの操作を行うことがで
きる。

なお、上記実施例ではアンダーカバー１２にガ
イドパイプ５６を固着しているが、本考案におい
てはアツパーカバー１０にガイドパイプ５６を固
着するようにしてもよい。第６図ないし第８図は
そのような実施例を示す要部断面図であり、第６
図の実施例においてはアツパーカバー１０の開口
５０にガイドパイプ５６ａを螺着させるようにし
たものである。また、第７図の実施例は、開口５
０の下面側に台座部５８を設け、該台座部５８に
ガイドパイプ５６ｂを螺着させるようにしたもの
である。（なお、第７図の場合、アンダーカバー
１２の開口４８に、例えば上記符号５６で示した
ガイドパイプ等を設けても良い。）また、第８図
の実施例は第７図においてガイドパイプ５６ｂの
代りに更に長いガイドパイプ５６ｃを螺着させ、
該ガイドパイプ５６ｃの下端をアンダーカバー１
２の底座部１２ａを貫通して下方に延出させたも
のである。第６，８図の実施例によれば、ガイド
パイプ５６ａ，ｃ内に流れ込んだ水、湯等が殻体
２２内に入り込むことがないという効果が装され
る。

〔考案の効果〕

以上の通り、本考案の水栓においては、ポツプ
アツプシヤフトをガイドパイプで支持するように
したので、ポツプアツプシヤフトの操作にガタつ
きがなく、使用感に優れる。また、このガイドパ
イプとして金属又は硬質の合成樹脂を採用するこ
とにより、極めて長期間に亙つてガタつきのない
円滑なポツプアツプシヤフト操作を行うことが可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る水栓の装着状態
を示す斜視断面図、第２図は実施例に係る水栓の
断面図、第３図は同組立斜視図、第４図はアンダ
ーカバーの斜視図、第５図は水栓後方より見た組
立斜視図、第６図、第７図及び第８図はそれぞれ
別の実施例に係る水栓の要部断面図である。 ８……ポツプアツプシヤフト、１０……アツパ
ーカバー、１２……アンダーカバー、１４……通
水管部材、４０……吐水口、４４……口金、４
８，５０……開口、５６……ガイドパイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アツパーカバーと合成樹脂製アンダーカバーと
   を係着させて水栓殻体となし、この水栓殻体内部
   に金属製通水管部材を設置した水栓であつて、前
   記アツパーカバーとアンダーカバーとにポツプア
   ツプシヤフトの挿通用の開口を設けると共に、該
   アツパーカバーとアンダーカバーとの少なくとも
   一方の開口にシヤフトのガイドパイプを固着し、
   前記シヤフトを該ガイドパイプに挿通支持したこ
   とを特徴とする水栓。