JPH0335434B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明はシヤワーパイプの摺動装置に係り、
特に抄紙用フエルトの高圧シヤワー洗浄に用いる
シヤワーパイプを、無理な抵抗を吸収しながら摺
動させることのできるシヤワーパイプの摺動装置
に関する。

（従来の技術） 従来製紙工程において、無端状に走行する抄紙
用ウエツトフエルトの洗浄用高圧シヤワーパイプ
を、該フエルトに沿つて進退させるシヤワーパイ
プの摺動装置として、例えばクランクまたはカム
機構を利用した各装置がある。それらの装置はい
ずれもその進退（往復動）に当つて、機構上どう
しても摺動装置の摺動ロツド端部をシヤワーパイ
プと平行状に取付金具を介して取付ける必要があ
り、また、摺動装置のロツド端は機械加工により
精度の高い平行及び水平作動を行うことから、摺
動装置の取付けに当つては、シヤワーパイプとの
平行及び水平移動に正確に合わせた取付けを必要
としていた。

（発明が解決しようとする課題） 前記従来装置において、シヤワーパイプと摺動
装置との取付けが平行及び水平に対して不正確な
場合には、摺動装置に異常な抵抗力が発生し、摺
動装置の正常な連動を阻害すると同時に終局的に
は摺動装置の故障を招き、かつ耐久性を損なうと
いう問題点があつた。

また、シヤワーパイプと摺動装置の取付部の平
行精度を確保しようとすれば、取付けを慎重に
し、多大な労力を要するという問題点があつた。

（課題を解決するための手段） この発明は上記のような従来装置における問題
点を解決して、シヤワーパイプと摺動装置とを簡
単に平行に取付けることができ、かつ稼働中にお
いて摩耗等により両者の平行精度が不安定となつ
ても摺動装置に無理な抵抗力が発生することのな
いシヤワーパイプの摺動装置を提供することを目
的としており、該目的を達成するための手段とし
て、洗浄用シヤワーパイプの摺動装置において、
シヤワーパイプの摺動方向へ平行に摺動する摺動
桿端部に、揺動継手を装脱自在に装着し、該揺動
継手は、摺動桿の進退方向に対して先端部を揺動
可能状に構成すると共に、該揺動継手の先端部を
前記シヤワーパイプの端縁周面に固定した、とい
う技術的手段を講じた。

（作用） 上記のように構成したこの発明においては、摺
動装置を駆動させると、その摺動桿が進退運動を
繰り返す。この摺動桿の進退連動に伴つて、シヤ
ワーパイプは揺動継手を介して摺動桿に連結され
ているために、摺動桿の進退運動に共動して平行
方向に進退する。

ここにおいて、前記摺動桿の端部には揺動継手
が揺動可能状に装着されていて、該揺動継手の先
端部がシヤワーパイプに固定されていることから
シヤワーパイプと摺動桿の平行精度が不安定とな
つても、その平行精度の差違を揺動継手が吸収し
てしまう作用を有している。

（実施例） この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図はこの装置の平面図であり、第２図はそ
の正面図である。

シヤワーパイプの摺動装置１は主体となる駆動
装置２と、これから所定の位置だけ離間して配置
されたパイプ支持機構３と、該駆動装置２とパイ
プ支持機構３との間に横架されてその長手方向へ
摺動するシヤワーパイプ４とから構成されてい
る。

以下、前記駆動装置２について詳述する。

駆動装置２は機台２Ａ上部にギヤハウジング２
Ｂが固定されている。該ギヤハウジング２Ｂは平
面において前後に長い長方形とし、正面における
左右方向へ軸方向を向けて摺動桿２Ｃを軸長手方
向に進退自在に配設されている。

前記摺動桿２Ｃは、基端部並びに先端部をギヤ
ハウジング２Ｂの外方へ各々突出させてギヤハウ
ジング２Ｂに貫通状態で水平に支持されており、
該ギヤハウジング２Ｂ内に納まる長手中間部の周
面には図示しない減速機構の伝動歯車と歯合する
歯溝が螺刻形成されている。

また、摺動桿２Ｃの外部へ突出した基端部に
は、フランジ部材２Ｄが固設されて、摺動桿２Ｃ
の退行が規制されている。

この摺動桿２Ｃの先端部には、揺動継手５が装
着されている。該揺動継手５は次のように構成さ
れている。先ず前記揺動継手５は、二叉金具５
Ａ，５Ｂと、両端部にピン５Ｃ，５Ｃを有する揺
動桿５Ｄ並びにホルダ５Ｅ、パイプホルダ５Ｆか
ら構成されている。

前記駆動桿２Ｃの先端部は段差部を形成して先
端縁部を細径に形成されており、その先端面に二
叉金具５Ａが固定されている。該二叉金具５Ａの
先端部は二叉状に挟持部が構成されており、該挟
持部の間に揺動桿５Ｄの一端部が嵌入されて、水
平なピン５Ｃを介して上下方向の揺動自在に枢着
されている。

前記揺動桿５Ｄの先端部には前記した二叉金具
から成る揺動金具５Ｂをその挟持部を対向状と
し、ピン５Ｃを介して揺動自在に枢着されてい
る。この場合、前記揺動桿５Ｄが摺動桿２Ｃの先
端部の二叉金具５Ａに対して上下方向に揺動する
構成とし、この揺動桿５Ｄ先端部の揺動金具５Ｂ
は揺動桿５Ｄに対して上下方向に揺動するように
ピン５Ｃ，５Ｃの位置が水平に設定されている。

該揺動桿５Ｄ先端部の揺動金具５Ｂの先端面に
は、これと直交して先端部を機台２Ａの正面方向
に水平に向けてホルダ５Ｅをねじ止めにより固定
されている。

該ホルダ５Ｅは平面で略Ｔ字形として、広面に
形成した先端面を前記摺動桿２Ｃの摺動方向と平
行に形成してあり、その先端面に環状のパイプホ
ルダ５Ｆがねじ止めにより固定されている。該パ
イプホルダ５Ｆは、内周面を前記シヤワーパイプ
４の外周面に外嵌させて固定できるように、止め
ねじ５Ｇを有している。

前記ギヤハウジング２Ｂの平面における後面に
駆動機６が、その出力軸が前記摺動桿２Ｃと直交
するように、かつ摺動桿２Ｃより相対的に下方に
なるように配設されている。該駆動機６の図示し
ない出力軸は、ギヤハウジング２Ｂ内に装設した
図示しない減速機構に連結されており、かつ該減
速機構の図示しない伝動歯車は前記摺動桿２Ｃの
歯溝に歯合されており、駆動機６の駆動によつ
て、減速機構を介して摺動桿２Ｃがその長手方向
に進退摺動できるように構成されている。すなわ
ち前記駆動機６は例えばサーボモーターを使用
し、別途図示しないタイマー制御装置によつて、
所定の時間設定により駆動機６の正回転、逆回転
を制御する。

前記機台２Ａのギヤハウジング２Ｂより正面側
にローラ台７が固設され、その上にパイプ受ロー
ラ８が配設されている。該パイプ受ローラ８は、
その軸８Ａを前記摺動桿２Ｃと直交するように水
平に設けられており、その周面に軸８Ａ方向に直
交する凹溝を形成し、該凹溝の溝底は前記シヤワ
ーパイプ４の周面に合つた彎曲面に形成されてい
る。また、該パイプ受ローラ８の高さは、前記摺
動桿２Ｃ先端部に装設した揺動継手５のパイプホ
ルダー５Ｆに挿通したシヤワーパイプ４を水平
に、かつ摺動軸２Ｃと平行になるよう支持できる
高さ並びに配列位置とされる。

前記駆動装置２の図中左方には、所定の間隔を
おいて、パイプ支持機構３が配置されている。

該パイプ支持機構３は台座３Ａ上部に軸受３
Ｂ，３Ｂを固定し、該軸受３Ｂ，３Ｂに横架支持
した軸３Ｃを介してパイプ受ローラ９が回転自在
に枢着されている。前記軸３Ｃは前記摺動桿２Ｃ
と直交し、かつ水平に設けられ、パイプ受ローラ
９の周面には、軸３Ｃと直交する方向に凹溝が形
成されている。該凹溝の溝底は、前記シヤワーパ
イプ４の周面に合つた彎曲面に形成されている。

前記パイプ支持機構３の高さは、パイプ受ロー
ラ９の凹溝に前記シヤワーパイプ４を載置したと
きに前記駆動装置２のパイプ受ローラ８とでシヤ
ワーパイプ４を水平に維持できる高さに設定し、
かつ前記パイプホルダ５Ｆ、両パイプ受ローラ
８，９が同一直線上に並ぶように配置されてい
る。

前記シヤワーパイプ４は、その長さを例えば５
ｍとし、その先端部と、後端縁部を各々パイプ受
ローラ９，８の凹溝上に載置し、その状態で前記
揺動継手５のパイプホルダ５Ｆをシヤワーパイプ
４と対面する部位外周に外嵌させてねじ５Ｇ締め
により固定される。

前記シヤワーパイプ４には、長手中間部の所定
区間に複数のノズル４Ａ……が水平向きに配設さ
れ、また後端部にはエルボ４Ｂを螺着して該エル
ボ４Ｂに連結した高圧ホース４Ｃの先端部は図示
しない高圧ポンプに接続されている。

なお、図中符号１０は、一端を摺動桿２Ｃの段
差部に固定し、一端部は揺動継手５の先端部にま
で延長してこれを防水のためにカバーする蛇腹状
の防水カバーである。

以上のように構成されたこの実施例の作用を説
明する。

まず前記駆動装置２の駆動機６を駆動させるこ
とによつて、図示しない減速機を介して摺動桿２
Ｃが図中左右方向へ摺動する。これに伴つて揺動
継手５を介して連結させたシヤワーパイプ４も両
パイプ受ローラ８，９上を摺動桿２Ｃの進退方向
に進退を繰り返す。

一方、図示しない高圧ポンプから例えば通常圧
力35Kg／cm²〜50Kg／cm²の高圧水を高圧ホース４
Ｃ、エルボ４Ｂを経てシヤワーパイプ４に圧送す
ると、前記ノズル４Ａ，４Ａ……から高圧シヤワ
ー水がその前方に配置されている無端状のフエル
ト（図示せず）に噴射されて衝撃を与えると共
に、フエルト内部にシヤワーの水流を貫通させる
ことによつて汚れを排出除去する。前記ノズル４
Ａ，４Ａ……は所定の間隔おきにシヤワーパイプ
４の長手方向に例えば2500mm間に複数個配列され
ているが、シヤワーパイプ４はその長手方向に摺
動するために、ノズル４Ａとノズル４Ａとの間隔
における空間を埋めて高圧シヤワー水をフエルト
に噴射させることができる。

また、摺動桿２Ｃとシヤワーパイプ４との取付
手段について、揺動継手５を用いたことによつ
て、摺動桿２Ｃの先端部と、シヤワーパイプ４に
固定したパイプホルダー５Ｆとの間に、２本のピ
ン５Ｃ，５Ｃを中心として揺動する複数の部材５
Ｂ，５Ｄがあるために、取付精度を厳密にして取
付られなくても、稼動後においてノズル４Ａ，４
Ａ……から噴射される高圧水によつてシヤワーパ
イプ４の後部に異常な揺動力が生じても、揺動継
手５がその異常な力を吸収してしまうため、駆動
装置２の摺動桿２Ｃには上下もしくは水平方向の
異常な力がかからず、シヤワーパイプの摺動装置
は安定した運転が保持される。

以上のように、この発明は、駆動装置の摺動桿
の先端部に揺動継手を装着して該揺動継手をシヤ
ワーパイプに固定させたために、摺動桿とシヤワ
ーパイプ間の平行摺動に対する精度の不備から異
常な力が発生しても揺動継手によつて、これら異
常な力を吸収して駆動装置の円滑運転を保持する
ことができる。

なお、本発明は上記実施例に限定されるもので
なく適宜設計変更をすることができる。例えば揺
動継手は本目的に適する構造ならどのような形式
のものであつてもよい。また、駆動機もサーボモ
ータに限定されず、１方向回転を維持し、減速機
構によつて正逆回転をさせるようにすることもで
きる。

（発明の効果） この発明は以上詳述したように、駆動装置の摺
動桿先端部に、摺動桿の進退方向に対して先端部
を揺動可能な揺動継手を装着し、該揺動継手の先
端部を摺動桿の進退方向に平行に進退するシヤワ
ーパイプに固定してあるため、摺動桿の進退に伴
つてシヤワーパイプを進退共動させることができ
ると同時に、摺動桿とシヤワーパイプの厳密な平
行状の取付けに不備があつて、異常な力が発生し
ても、揺動継手が異常力を、揺動可能な構造によ
つて吸収するので、摺動桿に異常かつ無理な力が
かからず、駆動装置は安定した円滑な連続運転が
保持される効果がある。このようなことから、摺
動装置の耐久性が向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例に係り、第１図はシヤワ
ーパイプの摺動装置の平面図、第２図はシヤワー
パイプの摺動装置の正面図である。 １……シヤワーパイプの摺動装置、２……駆動
装置、２Ｂ……ギヤハウジング、２Ｃ……摺動
桿、３……パイプ支持機構、３Ａ……台座、３Ｂ
……軸受、３Ｃ……軸、４……シヤワーパイプ、
４Ａ……ノズル、４Ｃ……高圧ホース、５……揺
動継手、５Ａ……二叉金具、５Ｂ……揺動金具、
５Ｃ……ピン、５Ｄ……揺動桿、５Ｅ……ホル
ダ、５Ｆ……パイプホルダ、６……駆動機、８，
９……パイプ受ローラ、１０……防水カバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 機台上に配設されたギヤハウジングに駆動機
   と連動するギヤによつて水平横進退をするように
   摺動桿をその長手両先端部をギヤハウジング外に
   突出させて配設し、該摺動桿先端部に水平なピン
   を介して揺動桿を軸着し、該揺動桿の先端部にピ
   ンを介して揺動金具を軸着し、前記ギヤハウジン
   グ前部にはローラ台を配設し、該ローラ台には摺
   動桿に対して直交状に配した水平な支軸を介して
   パイプ受ローラを配設し、該パイプ受ローラをも
   つてシヤワーパイプを摺動桿と軸心が同水準かつ
   平行となるように支持すると共に、シヤーパイプ
   の基端縁部はホルダを介して前記揺動金具に連結
   し、摺動桿の進退によりシヤワーパイプをパイプ
   受ローラ上で水平に摺動させるように構成したこ
   とを特徴とするシヤワーパイプの摺動装置。