JPH0335386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、給湯器における出湯管の先端部等に
取付けられて使用される出湯具で、詳しくは、流
路切換または流路形状変更によりシヤワー出湯状
態とストレート出湯状態とに切換える出湯状態切
換手段を有する出湯具に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の出湯具においては、前記の出湯
状態切換手段が人為的にのみ操作可能に構成され
ていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前記従来の出湯具によるときは、シヤ
ワー出湯状態とストレート出湯状態との切換えが
人為操作にのみ依存し、かつ、シヤワー出湯状態
とストレート出湯状態との切換えが自由に行えて
しまうため、次のような不都合があつた。

つまり、食器洗い用や洗面用等の低・中温出湯
においては、出湯具がシヤワー出湯状態、ストレ
ート出湯状態のいずれに切換わつていても良いの
であるが、飲料用や食器消毒用等の高温出湯（90
〜100℃）において出湯具がシヤワー出湯状態に
切換わつていると、出湯中に混在している空気が
弾けること等のために、低・中温出湯時よりも湯
が激しく飛散し、危険である。そして、従来の出
湯具によるときは、そのような危険があつても出
湯が行えてしまうのであり、しかも、出湯状態の
確認を忘れたり、あるいは、切換え装置を誤るこ
とによつて、前記の危険な出湯が不用意に行われ
てしまうのである。

本考案の目的は、高温出湯時の安全性を保証す
る点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による出湯具の特徴構成は、給湯器から
の湯の熱エネルギーを駆動源として設定温度以上
の湯が供給されると前記シヤワー出湯状態からス
トレート出湯状態に前記出湯状態切換手段を自動
操作する感熱型操作手段を設けてある点にある。
そして、それによる作用・効果は次の通りであ
る。

〔作用〕

設定温度以上の湯が供給されるとシヤワー出湯
状態からストレート出湯状態に自動的に切換わる
ように構成してあるため、前記の設定温度を高温
出湯温度にしておくことにより設定温度未満の
低・中温出湯時には、シヤワー出湯状態とストレ
ート出湯状態との人為的な切換操作を自由に許し
てシヤワー出湯とストレート出湯とを任意に行え
ながらも、高温出湯時には必ずシヤワー出湯を阻
止できる。しかも、例えば、高温出湯操作に連動
して、ソレノイド等のアクチユエータで出湯状態
切換手段をストレート出湯状態に自動操作するこ
とにより、高温出湯時のシヤワー出湯を牽制する
ことも考えられるが、これによるときは、給湯器
への高温出湯検出手段の組込みや高温出湯検出手
段とアクチユエータとの連動等、出湯具以外に対
する改造が必要で、全体構造の複雑化およびコス
トアツプを招来する。これに対し、本考案による
ときは、供給されてくる湯の熱エネルギーを駆動
源として作動す感熱型操作手段によつて出湯状態
切換手段を自動操作するため、出湯具のみの改造
で済む。

〔考案の効果〕

したがつて、本考案は、低・中温出湯時にはシ
ヤワー出湯とストレート出湯とを任意に行えて使
い勝手に勝れながらも、高温出湯時におけるシヤ
ワー出湯を牽制して、高温出湯が激しく飛散する
ことによる危険を確実に回避でき、しかも、構造
簡単、かつ、安価に実施できる出湯具を提供でき
た。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第３図に示すように、給湯器１における左右首
振り自在な出湯管２の先端部に取付けられて使用
される出湯具３であつて、これは、第１図に示す
ように、前記出湯管２の先端部に取付けられるカ
バー４と、これの下端に螺合連結する外胴５と、
これの下端に螺合連結するとともに、多数の小径
吐出孔６ａに水（湯も含む）を案内するシヤワー
出湯用流路Ａと１つの大径出口６ｂに水を案内す
るストレート出湯用流路Ｂとが分水カバー７で仕
切り形成されたヘツド６とを備えている。

前記カバー４内には、出湯管２の先端部を外胴
５内に連通させる状態に差込まれる出湯管受け８
ａと、差込まれた出湯管２の先端部に形成の周溝
２ａに水密状態に係合して出湯管２の先端部を抜
止めするＯリング８ｂとが設けられている。

前記外胴５は、底板５ａを有し、この底板５ａ
には、出湯管２からの水を前記シヤワー出湯用流
路Ａに導く連通口５ｂと、ストレート出湯用流路
Ｂに導く連通口５ｃとが形成されている。

かつ、外胴５内には、第１図にも示すように、
出湯状態切換手段９と、感熱型操作手段１０とが
設けられている。

前記出湯状態切換手段９は、前記２つの連通口
５ｂ，５ｃを択一的に開くことにより、つまり、
流路切換えにより、シヤワー出湯状態とストレー
ト出湯状態とに切換える手段であつて、具体的に
は、前記連通口５ｂ，５ｃを開閉可能な１つのボ
ール弁体９ａと、揺動によりこのボール弁体９ａ
を各連通口５ｂ，５ｃを閉塞する位置に移動させ
るアーム９ｂとから構成されており、前記アーム
９ｂには、これをシヤワー出湯位置とストレート
出湯位置とに人為操作するための操作レバー１１
が付設されている。１２は、前記ボール弁体９ａ
を底板５ａ側に押付けて、各連通口閉塞位置にお
いて連通口５ｂ，５ｃの周縁からボール弁体９ａ
が浮上することを阻止する、つまり、ボール弁体
９ａを閉塞状態に保持するスプリングである。

前記感熱型操作手段１０は、前記外胴５に、出
湯管２から供給される湯の熱エネルギーを駆動源
として、設定温度未満の湯が供給されると収縮し
てアーム９ｂのシヤワー出湯位置とストレート出
湯位置との間での揺動を許し、設定温度以上の湯
が供給されると伸長してアーム９ｂをシヤワー出
湯位置からストレート出湯位置に押圧揺動するコ
イルスプリング状の形状記憶合金１０ａを取付け
て、構成されている。前記の設定温度は、90℃程
度である。なお、前記形状記憶合金１０ａとして
は、第４図や第５図に示すように変形するもので
あつても良い。

上記の構成によれば、設定温度未満の低・中温
出湯時には、形状記憶合金１０ａが収縮している
ことにより、操作レバー１１を介して、シヤワー
出湯状態とストレート出湯状態とに自由自在に人
為操作することができ、設定温度以上の高温出湯
時には、形状記憶合金１０ａが伸長することによ
り、シヤワー出湯状態にあつた場合にはストレー
ト出湯状態に自動操作され、ストレート出湯状態
にあつた場合にはその状態に保持され、結果とし
て、シヤワー出湯状態が牽制される。

〔別実施例〕

本考案の別実施例を次に示す。

感熱型操作手段１０を構成するに、形状記憶合
金ではなく、バイメタルを用いる。

感熱型操作手段１０を構成するに、、熱膨張す
るワツクスペレツトを用いる。

なお、本考案で言う出湯管とは、給湯器１の出
湯管の他に、給湯蛇口を含む。つまり、本考案の
出湯具は、給湯蛇口に取付けられて使用されるの
も含む。

また、本考案は、温度によつて色が変化する感
温体を表示可能に併設して実施しても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の実施例を示し、
第１図イ，ロは出湯状態切換を示す横断面図、第
２図は縦断面図、第３図は給湯器の正面図であ
る。第４図イ，ロおよび第５図イ，ロは形状記憶
合金の変形例を示す正面図である。 ９……出湯状態切換手段、１０……感熱型操作
手段、１０ａ……形状記憶合金。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 流路切換または流路形状変更によりシヤワー
   出湯状態とストレート出湯状態とに切換える出
   湯状態切換手段９を有する出湯具であつて、湯
   の熱エネルギーを駆動源として設定温度以上の
   湯が供給されると前記シヤワー出湯状態からス
   トレート出湯状態に前記出湯状態切換手段９を
   自動操作する感熱型操作手段１０を設けてある
   出湯具。 前記感熱型操作手段１０が形状記憶合金１０
   ａから成る実用新案登録請求の範囲第項に記
   載の出湯具。