JPH0333803Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、操向用油圧ポンプからの余剰油量
をシヨベル用油圧ポンプの吐出管路へ合流させる
建設車両の油圧制御装置に関するものである。

〔従来の技術〕

２個の油圧ポンプとこの各ポンプで夫々駆動さ
れる２個の油圧アクチユエータを有する油圧装置
において、一方の油圧ポンプの吐出管路から余剰
油量を他方の油圧ポンプの吐出管路へ合流させる
ものは種々提案されており、操向用油圧ポンプか
らの余剰油量をシヨベル用油圧ポンプの吐出管路
へ合流させる建設車両用油圧制御装置としては、
従来、第２図や第３図に示すものが用いられてい
た。第２図の油圧制御装置は、シヨベル用油圧ポ
ンプ１の吐出管路２がシヨベル用制御弁３を介し
てシヨベル用シリンダ４に接続され、戻り管路５
がシヨベル用制御弁３から直接タンク６に接続さ
れている。また、操向用油圧ポンプ７の吐出管路
８は、流量制御弁９、操向用制御弁１０を介して
操向用シリンダ１１に接続され、戻り管路１２は
操向用制御弁１０から冷却器１３を介してタンク
６に接続され、さらに、流量制御弁９で吐出管路
８から分岐した合流管路１４が操向制御弁１０及
び逆止弁１５を介してシヨベル用油圧ポンプ１の
吐出管路２に接続されていて、操向用油圧ポンプ
７からの余剰油量が常時シヨベル用油圧ポンプ１
の吐出管路２に合流するようになつている。

第３図の油圧制御装置では、シヨベル制御弁３
からの戻り管路５と操向制御弁１０からの戻り管
路１２とが共に冷却器１４を介してタンク６に接
続される点を除き、第２図に示す油圧制御装置と
同じであり、同様に常時操向用油圧ポンプからの
余剰油量がシヨベル用油圧ポンプ１の吐出管路２
に合流する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記の如き従来の油圧制御装置では、操向用油
圧ポンプ７からの余剰油量はシヨベル用制御弁３
の作動の有無に拘らず、常にシヨベル用油圧ポン
プ１の吐出管路５に合流するように構成されてい
るが、車輪式建設車両では土砂等の運搬のために
長距離直進走行を行なうことが多く、このような
場合には操向用制御弁１０が作動しないので、第
２図の油圧制御装置では、作動油が、全く冷却器
１３へ流れない状態となり、油温が高くなり過ぎ
て、作動油や油圧部品に悪影響を与える。一方、
第３図の油圧制御装置では、２個の油圧ポンプ
１，７から吐出される全油量が冷却器へ流れるた
め、管路の抵抗が大きくなり、また、冬期や寒冷
地等では、油温が低くなりすぎるという問題があ
つた。

この考案は、建設車両の油圧制御装置における
上記問題を解決するものである。

而して、この考案は、操向用油圧ポンプからの
余剰油量をシヨベル用油圧ポンプの吐出管路へ合
流させる建設車両の油圧制御装置において、作動
油の油温を適正温度範囲に保ち、油圧部品の劣
化；破損を防止して、信頼性を向上させることを
目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案では、操向用油圧ポンプとシヨベル用
油圧ポンプとを備え、シヨベル用油圧ポンプの吐
出油は、全油量がシヨベル用制御弁を介してシヨ
ベル用油圧シリンダへ供給され、操向用油圧ポン
プの吐出油は、操向に必要な所定油量が操向用制
御弁を介して、操向用シリンダへ供給され、余剰
の油量が操向用制御弁からシヨベル用油圧ポンプ
の吐出管路へ接続された合流管路を介してシヨベ
ル用油圧ポンプの吐出油と合流するように構成し
た建設車両の油圧制御装置において、シヨベル用
制御弁の不作動時に合流管路を切換えて冷却器へ
接続させる切換弁を設けている。

〔作用〕

この考案の油圧制御装置は、上記の如く構成さ
れているので、操向用油圧ポンプからの吐出油の
うち操向に必要な油量を除く余剰油量は、シヨベ
ル用制御弁が作動した時だけシヨベル用油圧ポン
プの吐出管路に合流されて冷却器を経ず直接タン
クへ戻り、シヨベル用制御弁が作動しない時に
は、余剰油量は冷却器を通つてタンクへ戻る。従
つて、建設車両が長距離直進走行を行ない操向用
制御弁が作動しない場合でも適量の作動油が冷却
器を通り、作動油温を適正温度範囲に保つ。

〔実施例〕

以下、図面を参照し、この考案の実施例を説明
する。第１図は、この考案の油圧制御装置の構成
を示す油圧回路図であり、基本的には第２図に示
す従来の油圧制御装置と同様に構成されている。
即ち、シヨベル用油圧ポンプ１の吐出管路２がシ
ヨベル用制御弁３を介してシヨベル用シリンダ４
に接続され、戻り管路５がシヨベル用制御弁３か
ら冷却器１３を経ずに直接タンク６に接続されて
いる。また、操向用油圧ポンプ７の吐出管路８
は、流量制御弁９、操向用制御弁１０を介して操
向用シリンダ１１に接続され、戻り管路１２は操
向制御弁１０から冷却器１３を介してタンク６に
接続され、さらに、流量制御弁９で吐出管路８か
ら分岐した合流管路１４が操向制御弁１０を介し
てシヨベル用油圧ポンプ１の吐出管路２に接続さ
れている。１６，１７はシヨベル用油圧ポンプ１
の吐出管路２と操向用油圧ポンプ７の吐出管路８
との圧力を規制するリリーフ弁、１８は原動機で
ある。

この回路において、合流管路１４の途中に切換
弁１９が設けられている。この切換弁１９は２位
置のパイロツト操作切換弁であり、シヨベル用油
圧ポンプ１の吐出管路２から分岐したパイロツト
管路２０によつて切換えられる。而して、シヨベ
ル用制御弁３が作動位置にあるときには、合流管
路１４は切換弁１９のＡポートを経てシヨベル用
油圧ポンプ１の吐出管路２に接続されて余剰油を
合流させ、シヨベル用制御弁３が不作動位置にあ
るときには、合流管路１４は、切換弁１９のＢポ
ートを経て冷却器１３へ接続され余剰油量は冷却
器１３を通つてタンク６へ戻る。

〔考案の効果〕

この考案の建設車両の油圧制御装置は、上述の
如く構成しているため、建設車両が長距離直進走
行し、操向用制御弁が作動しない場合でも余剰油
量が適度に冷却器を通過し、作動油温を適正温度
に保ち、油圧部品の故障や作動の不具合を防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す油圧回路
図、第２図、第３図は従来の油圧制御装置の油圧
回路図である。 図中、１はシヨベル用油圧ポンプ、３はシヨベ
ル用制御弁、４はシヨベル用シリンダ、７は操向
用油圧ポンプ、９は流量制御弁、１０は操向用制
御弁、１１は操向用シリンダ、１３は冷却器、１
４は合流管路、１９は切換弁である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操向用油圧ポンプとシヨベル用油圧ポンプとを
   備え、シヨベル用油圧ポンプの吐出油は、全油量
   がシヨベル用制御弁を介してシヨベル用油圧シリ
   ンダへ供給され、操向用油圧ポンプの吐出油は、
   操向に必要な所定油量が操向用制御弁を介して操
   向用シリンダへ供給され、余剰の油量が操向用制
   御弁からシヨベル用ポンプの吐出管路へ接続され
   た合流管路を介してシヨベル用油圧ポンプの吐出
   油と合流するように構成した建設車両の油圧制御
   装置において、シヨベル用制御弁の不作動時に前
   記合流管路を切換えて冷却器へ接続させる切換弁
   を設けたことを特徴とする建設車両の油圧制御装
   置。