JPH0333215Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、油圧レバーの操作により作業機を所
定の高さに保持できるようにした農用トラクタの
ポジシヨンコントロール機構における油圧リリー
フ防止装置に係るものである。従来の技術 一般に油圧レバーの操作により切換作動される
油圧バルブと、油圧ケース内に軸支されて上記油
圧バルブの作動により回動するパワーアームとの
間にフイードバツクリンクを配設して、油圧レバ
ーの操作位置に対応した位置に回動するパワーア
ームによつて作業機を保持できるようにした農用
トラクタのボジシヨンコントロール機構において
は、この油圧機構を利用して、各種の作業機を駆
動、移動させるために、最上昇位置よりも更に上
げ側に油圧レバーが移動できるように構成してあ
り、通常の作業状態では第３図に示すように、油
圧レバーａを最上昇位置ｂを通り越したリリーフ
位置ｃまで回動操作すると、パワーアームｄが油
圧ケースｅに当接してフイードバツクリンクｆが
油圧バルブｇを中立位置にもどす方向に作動しき
れなくなつてリリーフ状態となるものである。そ
こで従来は油圧レバーの操作ガイド板にストツパ
ーを設けて油圧レバーがリリーフ位置まで回動し
ないように規制したものが知られている。

本考案が解決しようとする問題点 ところが、ガイド板にストツパーを設けただけ
では、油圧レバーを無理な力で操作したり、機体
の振動等でストツパーを緩むとストツパーが移動
して、リリーフ状態となるまで油圧レバーが移動
する不都合がある。また、これを防止するため、
油圧ケース内部に別にリリーフ防止装置を設けた
ものが提案されているが、いずれもピストン等の
動きを利用した構造が複雑なものであるため、取
付に余分のスペースが必要となり、取付スペース
の少ない小型農用トラクタには不向きである等の
問題点があつた。

本考案は上記の如き実状に鑑み、これらの問題
点を一掃すべく創案されたものであつて、油圧レ
バーを無理な力で操作するようなことがあつても
リリーフ状態となるのを確実に防止することがで
き、しかも構造が簡単で、取付スペースの少ない
小型農用トラクタにも容易に取付けることができ
るポジシヨンコントロール機構における油圧リリ
ーフ防止装置を提供することを目的としたもので
ある。

問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するため、本考案が講じた技
術的手段は、油圧レバーにより中位位置と上昇又
は下降の作動位置に切換操作される油圧バルブ
と、油圧ケース内に軸支され、上記油圧バルブの
作動により回動するパワーアームとの間に、フイ
ードバツクリンクを配設して、油圧レバーの操作
位置に対応した位置にパワーアームを保持できる
ようにしたポジシヨンコントロール機構におい
て、上記パワーアームには油圧ケース側に突出す
る出没自在の回動リンクを設けると共に、上記回
動リンクをフイードバツクリンクに連結して、油
圧バルブの作動により回動するパワーアームが、
油圧ケースに当接するまえに、油圧ケースに当接
した回動リンクが、上記フイードバツクリンクを
介して油圧バルブを中立位置に切換えるべく構成
したことを特徴とするものである。

考案の作用 上記の如く構成することにより、油圧レバーを
任意の位置に操作すれば、油圧バルブが作動して
パワーアームが回動し、パワーアームの回動に応
じてフイードバツクリンクが作動して油圧バルブ
を中立位置に復帰させ、パワーアームを油圧レバ
ーの操作位置に対応した高さとすることができ
る。そして、油圧レバーを無理な力で操作した場
合等、油圧レバーを最上昇位置を通り起して操作
した時に回動したパワーアームが油圧ケースに接
近すると、パワーアームから油圧ケース側に突出
した回動リンクが油圧ケースに当接して回動没入
する。そして回動リンクに連結されたフイードバ
ツクリンクが作動して油圧パルブを中立位置に復
帰させるので、パワーアームが油圧ケースに当接
し、リリーフ状態となるのを防止することができ
る。

実施例 本考案の構成を図面に示された実施例について
説明すれば、１は油圧ケースであつて、該油圧ケ
ース１内にはシヤフト２を介してリンク３が回動
自在に枢着されており、リンク３の一端には、油
圧レバー４が固着されている。そしてリンク３の
他端にリンク５が連結されており、上記リンク５
の中間部が、リンク６、クレビス７を介して油圧
バルブ８のスプール９に連結されていて、上記油
圧レバー４の操作によつて油圧バルブ８を中立位
置と上昇又は下降の作動位置とに切換自在となつ
ている。また油圧ケース１内の後端側には、上記
油圧バルブ８の作動によつて上方に回動するパワ
ーアーム１０がシヤフト１１に軸着されており、
パワーアーム１０と油圧バルブ８間にはフイード
バツクリンク１２が設けられている。すなわち、
シヤフト１３を支点として回動自在に設けられた
後方に向かうリンク１４の後端側が円弧状のリン
ク１５の下端部に連結されており、上記リンク１
４の中間と、リンク５の下端との間にリンク１６
が連結されている。そして、上記円弧状のリンク
１５の上端には、パワーアーム１０に中途部を回
動自在に枢着したリンク１７の上端が連結されて
おり、リンク１５とパワーアーム１０間に張設さ
れたスプリング１８の付勢によつてリンク１７の
下端側が、油圧ケース１側に向つての距離だけ
突出した状態に弾持されており、スプリング１８
に抗して回動すると、パワーアーム１０側に没入
するようになつている。

上記の如き構成において、油圧レバー４を最上
げの位置より更に上げの方向（矢印ｃ方向）に回
動するとパワーアーム１０は油圧バルブ８の作動
により上方に回動するが、パワーアーム１０が油
圧ケース１に当接する前に、パワーアーム１０か
ら突出したリンク１７の下端側が油圧ケース１に
当接して矢印ｈ方向に回動し、リンク１７の上端
に連結された円弧状のリンク１５をスプリング１
８に抗して矢印ｉ方向に移動させる。これに伴つ
てリンク１５の下端部に連結されたリンク１４が
上方に回動するので、リンク１４の中間とリンク
５の下端とを連結するリンク１６が後方に移動す
る。このためリンク１６がリンク５を矢印ｊ方向
に回動させ、リンク５に連結したリンク６、クレ
ビス７を介してスプール９を矢印ｋ方向に移動さ
せて油圧バルブ８を中立位置に復帰させるので、
パワーアーム１０が油圧ケース１に当接してリリ
ーフ状態となるのを確実に防止することができ
る。

考案の効果 これを要するに本考案は、油圧レバーにより中
立位置と上昇又は下降の作動位置に切換操作され
る油圧バルブと、油圧ケース内に軸支され、上記
油圧バルブの作動により回動するパワーアームと
の間にフイードバツクリンクは配設して、油圧レ
バーの操作位置に対応した位置にパワーアームを
保持できるようにしたポジシヨンコントロール機
構において、上記パワーアームには油圧ケース側
に突出する出没自在の回動リンクを設けると共
に、上記回動リンクをフイードバツクリンクに連
結して、油圧バルブの作動により回動するパワー
アームが油圧ケースに当接するまえに、油圧ケー
スに当接した回動リンクが、上記フイールドバツ
クリンクを介して油圧バルブを中立位置に切換え
るべく構成したから、各種の作業機を昇降用の油
圧機構を利用して操作できるようにしたものであ
りながら、たとえ、油圧レバーが無理な力でリリ
ーフを起す側に操作されるようなことがあつて
も、リリーフが起きるのを確実に防止することが
でき、しかもフイードバツクリンクを利用してリ
リーフを防止できるので、構造が簡単となつて取
付スペースの少ない小型農用トラクタにも容易に
取付けることができる等、極めて有用な実用的効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るポジシヨンコントロール機
構における油圧リリーフ防止装置の一実施例を示
すものであつて、第１図は全体側面図、第２図は
作用説明図、第３図は従来例を示す側面図であ
る。 図中、１……油圧ケース、４……油圧レバー、
８……油圧バルブ、１０……パワーアーム、１２
……フイードバツクリンク、１７……回動リンク
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油圧レバーにより中立位置と上昇又は下降の作
   動位置に切換操作される油圧バルブと、油圧ケー
   ス内に軸支され、上記油圧バルブの作動により回
   動するパワーアームとの間にフイードバツクリン
   クを配設して、油圧レバーの操作位置に対応した
   位置にパワーアームを保持できるようにしたポジ
   シヨンコントロール機構において、上記パワーア
   ームには油圧ケース側に突出する出没自在の回動
   リンクを設けると共に、上記回動リンクをフイー
   ドバツクリンクに連結して、油圧バルブの作動に
   より回動するパワーアームが油圧ケースに当接す
   るまえに、油圧ケースに当接した回動リンクが、
   上記フイードバツクリンクを介して油圧バルブを
   中立位置に切換えるべく構成したことを特徴とす
   るポジシヨンコントロール機構における油圧リリ
   ーフ防止装置。