JPH0333205Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は農用牽引車輌の三点リンクの農作業
機取付装置の改良に関するものである。 従来、農作業機を牽引車輌で牽引する場合、ト
ラクターの後部に三点リンクを設け、該リンクの
ロアーリンク及びトツプリンクの端部に直接農作
業機の機枠を冷媒熱して牽引するのが普通であ
る。この場合、農作業機は常に圃場面にそつて進
行さす必要があるが、圃場に起伏があつたり凹凸
があると、トラクターが農作業機を引き上げたり
押し下げたりして正常な作業を阻害する。例えば
トラクターが上り勾配に差しかかると後部は当然
さがるので農作業機を押し下げ、下り勾配に差し
かかると後部を上げて農作業機を引き上げる。こ
れを防止するため農作業機に四連リンクを設け上
下可動とし、前記上下動を吸収さすとか、ロアー
リンクと連結する農作業機の機枠の係合孔に遊び
を設けて嵌合ピンを挿入し、上下動を吸収する等
の対策が講じられている。しかし農作業機に四連
リンクを設けると、機体が長くなり枕地での回向
その他の作業に困難をきたすばかりでなく、農作
業機を吊り上げて走行する場合回転半径が大きく
なる不利があり好ましい事ではない。又前記嵌合
ピンによる場合は小許の凹凸には対応できても、
大きい凹凸とか急傾斜の勾配には対応できない。
この現象は特に農作業機として成畦施肥機を使用
し、これを高畦で作業する場合に嫌われ、高畦の
高さ面に変動を生じ、更に施肥深さは波状となつ
て肥効を低下させる。また地中において作業する
サブソイラーのような場合は脚が長いので吊り上
げ回向時にストロークの不足を生じ作業を困難に
する場合が往々にしてある。 この考案者は、上記のような農作業機連結手段
の欠陥を是正せんと鋭意研究を進めた結果、三点
リンクのロアーリンクと農作業機との間に中間リ
ンクを回動可能に配し、ロアーリンクの連結部が
農作業機の機枠の連結部と重複可能に連結し、農
作業機の吊り上げに際しては中間リンクをロアー
リンクの係合点を基点にしてロアーリンクの上方
に回動させ、ロアーリンク上に作業機の機枠の連
結部が重複した状態としてロアーリンクを上昇せ
しめ農作業機を吊り上げることによりロアーリン
クの上昇限度高さを変えることなく農作業機の吊
り上げ高くして解決したのである。 以下図面の例により説明する。第１図は農作業
機としてサブソイラーを連結し吊り上げた場合の
例を示し、１はトラクターで、前部は省略してあ
る。トラクター１の後部にはサブソイラー２が機
枠３に固定され、機枠３とトラクター１の間に三
点リンク４を設けて連結し矢印方向に牽引する。 この考案の三点リンク４は、前方をトラクター
１の中央部機枠にその基部をピン止めしたトツプ
リンク５と、トラクターの機枠の両側に固定した
ブラケツト６にピン７で遊動可能に係止したロア
ーリンク８，８を具備する。前記トツプリンク５
は長さ調節自由としてあり、前記ロアーリンク
８，８はそれぞれ中間部にピン９を植設し、これ
に昇降ロツド１０の一端を遊動可能に軸支し、昇
降ロツド１０の他端はユニバーサルジヨイント１
１を設けてトラクター１の後部に設けたアーム１
２に連結し、該アーム１２は図示しない動力源に
より上下回動できる如くしてある。前記動力源と
しては通常油圧が仕様されロアーリンク８，８を
引き上げてサブソイラー２を吊り上げる。 一方、ロアーリンク８，８の端部にはピン１３
を設け、これに中間リンク１４の一端を遊嵌さ
せ、中間リンク１４の他端は機枠３の前端のピン
１５に遊嵌させる。このとき、機枠３の側面とロ
アーリンク８の側面が同一面上にあるようにし、
両面の片側に中間リンク１４が取付けられるよう
にする。このため、機枠３は下側を揺動可能な中
間リンク１４を介してロアーリンク８に連結し、
上部は機枠３上に立上らせた取付枠１６を介して
トツプリンク５と連結することになる。 運転に際しては、連結後第２図イに示すように
中間リンク１４が長さ方向に水平になるようトツ
プリンク５を調節し、トラクター１で矢印方向に
牽引し、サブソイラー２で耕土する。このとき、
機枠３、サブソイラー２は上下揺動可能な中間リ
ンク１４により連結されているので、圃場の起伏
凹凸によりトラクター１が上下してもこの上下動
は第２図ハに示される状態で中間リンク１４の回
動に吸収され、耕土深さは常に一定となる。又、
サブソイラー２に余分な荷重がかかるのを防止す
る。 また走行、回行に際しサブソイラー２を吊りあ
げるとき、従来はロアーリンク８を一杯の角度ま
で上昇させても脚が長いので吊り上げ高さが不足
したが、この考案の装置では第２図ニに示すよう
に中間リンク１４をピン１３を支点として牽引車
輌方向に回動させロアーリンク上に農作業機の機
枠３の連結部を重複させので、ロアーリンク８の
上昇角、長さ等を変えることなく充分の高さに上
昇させることができ、吊り上げ高さの不足を補う
ことができる。この例を第１図で説明すると、ロ
アーリンクの高さを一定とした場合、従来の装置
ではＢの高さであるに対し本考案の装置では
B′の高さとなる。 中間リンクの牽引車輌方向への回動は、ロアー
リンクと中間リンクを略水平として、牽引車輌を
少し後退せしめると、容易にピン１３を基点とし
て中間リンクは、反時計方向に回動し、ロアーリ
ンク上に農作業機機枠連結部を重複せしめること
ができる。 この考案の中間リンク１４の長さはあまり長く
するとロアーリンク８の先端のピン１３を支点に
牽引車輌方向回動させたときトラクター１の機枠
あるいはタイヤと接触し、作業を不能とするので
回動させた時にトラクターに接触しない程度の長
さとするのがよい。 上記例はサブソイラーを牽引する場合について
説明したが、この考案ではこれに限定されるもの
でなく移植機、肥料撒布機、薬剤撒布機、収穫機
等の総べての農作業用機枠を連結することがで
き、場合によつては機枠３がロアーリンク８の下
になるよう連結してもよい。このように中間リン
クを設けたことにより、圃場の凹凸等によるトラ
クターの上下動を農作業機に伝達させることなく
正常な対地高さで作業ができ、かつ農作業機の吊
り上げ高さをロアーリンクの上昇高さを変ること
なく高くすることができる利点を有し、構造が簡
単で取扱いが便利なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の農作業機取付装置の側面
図、第２図はロアーリンクと農作業機の機枠とに
回動自在とした中間リンクのそれぞれの状態を示
し、イは始動に先行して調節された状態、ロはイ
の平面視図、ハは作業時の状態で農作業機が若干
下がつた状態を示し、ニは農作業機の吊上げ時の
状態を示す図面である。 １……トラクター、３……機枠、４……三点リ
ンク、５……トツプリンク、８……ロアーリン
ク、１０……昇降ロツド、１４……中間リンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 牽引車輌に装着した三点リンクのロアーリンク
   に農作業機の前端を連結するに当り、連結部に中
   間リンクを回動可能に連結し、該中間リンクが牽
   引車輌方向に回動した時、ロアーリンクの一端と
   農作業機の連結部が重複部を構成するよう設けて
   連結すると共に、該中間リンクは牽引車輌に接触
   しない長さとしてあることを特徴とする三点リン
   クの農作業機取付構造。