JPS6135263Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は新規な構成を有する走行式動力噴霧機を
提供しようとするものである。

従来提供されているトラクタ・マウント型スプ
レヤー１２にあつては、第９図を参照して、トラ
クタが前進し防除作業をしている時に、急な上り
坂に向つて上り切る時にトラクタのフロント１２
Ａが上がり、尾輪が平らな地面に行くまで危険で
作業ができない状態になる。これはトラクタのロ
アリングで機体の重量を尾輪全部にもたすことな
く、又、全重量を尾輪でささえると尾輪が地面に
うまつたり、トラクタ後輪に荷重がかからないと
走行に対してタイヤがからまわりしやすくなるの
で、ロアリングで約半分の重量を支持するように
なつている。本来であればトラクタのロアリング
は上方へは自由に上がり、又、下方へも自由に下
がるようにできてはいるが、油圧をきかしてロア
リングで支持するため下方へ下げることができな
い。また、第１０図、第１１図を参照して矢印Ｂ
方向に傾斜している圃場で作業する場合、スプレ
ヤー１２は先行しているトラクタ２より傾斜方向
に流された状態となり作物Ｖを踏みつけたり損傷
してしまう。

本案はかかる問題を充分解決しようとするもの
で、以下図面を参照しながら、その１実施例の詳
細を説明する。

１は本案の走行式動力噴霧機である。そして、
その構成は、トラクタ２でけん引可能に構成した
走行式動力噴霧機用フレーム３における尾輪取付
け個所に、油圧シリンダー４により上下方向に伸
縮する上下のガイドケース５，６を設け、上記下
方のガイドケースの下端には上記フレームの進行
方向と直交方向に支持されるべき足部８の前後面
８Ａ，８Ｂを上方から挾持するブラケツト１７を
取付け、上記ブラケツト１７には上記足部８と平
行な状態の長穴１７Ａを開口させて、この長穴に
は上記足部８の中央に当該足部の長手方向とは直
交方向に突設した支点７を貫入させてある。ま
た、上記足部８は角筒状に構成されているが、こ
の足部内には当該足部の長さより長く構成された
中足部１１を摺動自在に嵌合し、上記足部の後面
に添設せしめた油圧シリンダー１８のラム１８Ａ
は上記中足部の後面に連結されている。そして、
上記中足部の両端下面にはベアリングケース９を
介して尾輪１０が取付けられている。図中、１９
は本竿、１３はブーム中間竿、１４はブーム先
竿、１５は角型のタンク、１６は支脚、Ｒはロー
ラーをそれぞれ示す。なお、上記ケース５はフレ
ームに固定されている。

ついで、本案のものの作用を効果と共に説明す
る。

上記上下のガイドケースを油圧シリンダーによ
り伸縮させることによりフレーム３を上下させる
ことができ、かつ、支点を中心として足部をロー
リングさせることができる。足部と中足部をスラ
イドさせることができるから、作物による畦幅の
相違に対応することができる。なお、上記尾輪は
自在輪方式となつている。また、上述の如く、支
点を中心としてのローリングの作用により、地面
に凹凸部があつても、フレームに対するねじれ、
狂いなどの弊害を防ぐと共に、走行時での横ぶれ
現象を防止できる。特に本願のものの場合、尾輪
部分に油圧シリンダーが設けられているから、急
な上り坂をのぼる際、尾輪の油圧シリンダーを伸
ばすことによりトラクタのフロントが上がらず安
全な作業ができ、又、平らな地面に行くにしたが
い油圧シリンダーを縮め機体を下げながら走行す
る。最近は農業道路が非常に良く完備され、畑地
より非常に高くなつているために、畑地への取付
道路が急角度になる。そのため、畑地へ道路から
入る場合、又、畑地より道路に出る道は一般的に
道が悪く特に急角度であつたり、又、極端な凸部
があつたりし、この場合にはこの上下装置がなけ
れば作業が困難であるが、この場合でも上記に述
べてあるようになるので、作業がスムーズにでき
るものである。

また、後部尾輪を２個設けたから、トラクタの
後部に確実に追従することができ作物の種類に関
係なく使用できる。

さらに、油圧シリンダーによる尾輪の昇降を可
能にすると共に、ローリング機構を採用したか
ら、従来の機械より安全性が増し、この結果、た
とえば1500程度の大型スプレヤーをマエント型
として使用できるようになつた。かつ、この場
合、タンクの形を長方形に構成することにより機
体の長さや高さなどを制限することができる。加
えて、第９図、第１０図の如く傾斜地でスプレヤ
ーが進行方向に対して直交する方向に流れようと
する場合、上記油圧シリンダー１８を伸縮させる
ことにより中足部は上記長穴１７Ａに誘導されな
がら所望する範囲で移動させることができ、作物
の損傷をさけることができる。

など、数多くの利点を有する有用な考案と言う
べきものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の１実施例を示すもので、第１図は
左側面図、第２図は背面図、第３図は斜視図、第
４図は要部拡大背面図、第５図は同上のＡ−Ａ線
断面図、第６図は作用を示す側面図、第７図は作
用を示す背面図、第８図は作用を示す側面図、第
９図は従来のものの状態を説明する側面図、第１
０図は作業状態を説明する平面図、第１１図は従
来の状態の問題点を説明する平面図である。 １……走行式動力噴霧機、２……トラクタ、３
……走行式動力噴霧機用フレーム、４……油圧シ
リンダー、５，６……ガイドケース、７……支
点、８……足部、９……ベアリングケース、１０
……尾輪、１１……中足部、１７Ａ……長穴、１
８……油圧シリンダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクタ２でけん引可能に構成した走行式動力
   噴霧機用フレーム３における尾輪取付け個所に、
   油圧シリンダー４により上下方向に伸縮する上下
   のガイドケース５，６を設け、上記下方のガイド
   ケース６の下端にはブラケツト１７を設け、上記
   ブラケツトにはフレーム３の進行方向と直交する
   方向をもつて長穴１７Ａを設け、上記ブラケツト
   には足部８を当接足部８の中心に突設した支点７
   を長穴に貫入した状態で取付け、上記足部８には
   当該足部８の長手方向をもつて移動自在に中足部
   １１を取付け、上記中足部の両端下面には尾輪１
   ０が取付けられていることを特徴とする走行式動
   力噴霧機。