JPH0333072Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電気素子用放熱器に関し、詳しくは、
金属製基板に立設したフイン取付板に複数のフイ
ンを設けてあり、トランジスタ、ダイオード、サ
イリスタ等の発熱部品を上記金属製基板に取付
け、発熱部品の内部で発生した熱を放熱する電気
素子用放熱器に関するものである。

〔従来の技術〕

トランジスタ等の発熱部品を金属製基板の一面
に取付け、該金属製基板の他面には複数のフイン
を設け、発熱部品から発生した熱を放熱する電気
素子用放熱器としては、従来から種々の構造のも
のが提供されている。例えば、金属製基板にフイ
ン取付板を立設し、該フイン取付板の両側面にロ
ウ材を被覆したり、ロウ材を被覆した材料からな
り、かつ、断面ジグザグ状に折曲したフインをロ
ウ付けしたものがある。しかしながら、この従来
品は、特別の治具を使用しなければ、フインを所
定の位置に取付けるのが困難であつた。また、金
属製基板に立設したフイン取付板の両側面を鋤起
すことによつて、複数のフインを設けたものも提
供されているが、このものは鋤起すのが容易では
なく、しかも、使用時にフインから共振音が生ず
るという欠点があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、上述のような従来の欠点を解消した
もので、フイン取付板に環状部と切込溝とを形成
すると共に、複数のフインには環状部に対応する
位置に通孔を突設し、それぞれのフインを通孔と
環状部とが合致する如く上記切込溝に挿し込み固
着し、冷媒がフイン取付板及び各フイン内を通る
ように構成することによつて、放熱効率が良好と
なる他、組立の簡易化を図つた電気素子用放熱器
を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、発熱部品を取付ける金属製基板にフ
イン取付板を立設し、該フイン取付板に複数のフ
インを設けた電気素子用放熱器であり、上記フイ
ン取付板にはその長手方向に沿い環状部を形成す
ると共に、複数の切込溝を所定間隔に形成してあ
る。また、各フインには上記フイン取付板の環状
部に対応する位置に通孔を穿設してある。これら
のフインを該通孔がフイン取付板の環状部に合致
する如く各切込溝に挿し込み固着してあることを
特徴としている。

〔考案の作用〕

本考案の電気素子用放熱器は、金属製基板にフ
イン取付板を立設し、該フイン取付板に複数のフ
インを取着してあり、上記金属製基板にトランジ
スタ等の発熱部品を取付けて、発熱部品からの熱
を放熱する。上記フイン取付板には切込溝を形成
してあり、該切込溝にフインを挿し込むものであ
るから、治具を使用することなくフインを所定間
隔に取付けられ、各フインはフイン取付板と接触
する。また、フイン取付板の環状部とフインの通
孔とが合致する如くフインを各切込溝に挿し込
み、固着してあるから、冷媒がフイン取付板の環
状部内及びフインの通孔内を通過する。

なお、フイン取付板の環状部とフインの通孔と
に管状体を挿通し、該管状体を拡径してあると、
フイン取付板とフインとが一層密着すると共に、
該管状体内を冷媒が通る。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を添附の図面において説明
する。

第１図は分解斜視図、第２図は一部分を切除し
た斜視図、第３図は一部分の断面図、第４図は別
の実施例を示す分解斜視図である。

本考案に係る電気素子用放熱器は、第１図乃至
第３図に示す如く、金属製基板１の下面に発熱部
品２が取付けられ、該金属製基板１の上面中央に
は金属製基板１の長手方向に沿つてフイン取付板
３を立設してある。金属製基板１及びフイン取付
板３は、例えば、アルミニウム合金、銅等の熱良
導部材からなり、押出成形により一体に形成され
る。また、このフイン取付板３は複数のフイン４
を取着するためのもので、その長手方向に沿つて
２条の環状部５を形成してある。また、フイン取
付板３には複数の切込溝６を金属製基板１に向
い、しかも、その長手方向に沿つて所定間隔に形
成してある。切込溝６の幅はフイン４の中央部の
厚さと略同一である。フイン４は、上記金属製基
板１及びフイン取付板３と同様に、アルミニウム
合金、銅等の熱良導部材からなり、中央部の上記
環状部５に対応する位置に２つの通孔７を穿設し
てある。このフイン４を該通孔７がフイン取付板
３の環状部５に合致する如く各切込溝６に挿し込
み、固着してある。フイン４の固着はロウ付、溶
着、その他いずれの手段であつてもよい。また、
各フイン４の通孔７と上記フイン取付板３の環状
部５とに管状体８を挿通し、該管状体８を拡径し
たものを例示してある。管状体８は、上記フイン
取付板３やフイン４と同様、アルミニウム合金、
銅等の熱良導部材からなり、例えば、外周にロウ
材を被覆してもよい。管状体８を拡径するには、
外径が管状体８の内径よりも大きい挿入具（図示
せず）を管状体８内に圧挿すればよい。管状体８
を拡径すると、フイン取付板３とフイン４とが一
層密着状態になる他、冷媒が該管状体８内を通過
するようになる。

第４図に示すものは別の実施例で、断面略長方
形のフイン４を例示してある。このフイン４の場
合は、フイン取付板３に形成してある複数の切込
溝６のうち、２つの切込溝６に同時に挿し込み、
前述のように管状体８を挿通し、該管状体８を拡
径したものである。

本考案は例示したものに限定されない。例え
ば、フイン取付板は環状部と切込溝とを形成して
あり、フインには通孔が穿設してあれば、それら
の形状や大きさ等は問わない。

上述のような本考案は、金属製基板１にトラン
ジスタ等の発熱部品２を取付ける。この発熱部品
２から発生する熱は金属製基板１、フイン取付板
３、フイン４に順次伝達されて放熱する。金属製
基板１に立設してあるフイン取付板３と該フイン
取付板３に挿し込んであるフイン４とが密接し、
フイン熱伝導性が良い。また、冷媒がフイン取付
板３の環状部５内及びフイン４の通孔７内を通過
する。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、フイン取付板と
フインとが密接状態になつて熱伝導性が良く、し
かも、冷媒がフイン取付板の環状部及び各フイン
の通孔を通過するから、放熱効率が極めて良好な
電気素子用放熱器である。また、フイン取付板に
所定間隔に形成した切込溝に各フインを挿し込む
から、特別の治具を使用する必要がなく、組立が
簡単であり、共振音も発生しない電気素子用放熱
器である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る電気素子用放熱器の一実施
例を示し、第１図は分解斜視図、第２図は一部分
を切除した斜視図、第３図は一部分の断面図、第
４図は別の実施例を示す分解斜視図である。 図中１は金属製基板、２は発熱部品、３はフイ
ン取付板、４はフイン、５は環状部、６は切込
溝、７は通孔、８は管状体を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 発熱部品を取付ける金属製基板にフイン取付
   板を立設し、該フイン取付板に複数のフインを
   設けた電気素子用放熱器において、上記フイン
   取付板にはその長手方向に沿い環状部を形成す
   ると共に、複数の切込溝を所定間隔に形成し、
   上記フインにはフイン取付板の環状部に対応す
   る位置に通孔を穿設し、それぞれのフインを該
   通孔がフイン取付板の環状部に合致する如く各
   切込溝に挿し込み、固着してなる電気素子用放
   熱器。 (2) 各フインの通孔とフイン取付板の環状部とに
   管状体を挿通し、該管状体を拡径したことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の
   電気素子用放熱器。