JPH0332383B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はゴルフクラブ用ヘツドの製造方法に関
する。

ゴルフクラブ用ヘツド、主にウツド用クラブの
ヘツドとしては柿の木等の木製、金属製及び繊維
強化プラスチツク製等がある。

木製は耐水性を始めとする耐久性、良質の原木
の確保、品質の安定性の問題がある。また金属製
は比重が大きいため外形が小さくなることや、打
撃音に問題がある。そこで最近になつて繊維強化
プラスチツク製のゴルフヘツドが注目され種々タ
イプが開発されてきた。繊維強化プラスチツク製
ゴルフヘツドの製造法としては英国特許1201648
のようなカーボン短繊維を用いた成形材料をコン
プレツシヨン成形したもの、特開昭58−133272の
実施例のようにカーボン短繊維入り熱可塑性プラ
スチツクを射出成形したものがある。

またカーボンクロスプリプレグや編組プリプレ
グを発泡芯の周囲にレイアツプして金型で加熱加
圧したものや、発泡芯のまわりにカーボンクロス
を配置し金型に入れ樹脂を注入するレジンインシ
エクシヨン法で製造したものがある。

短繊維を用いコンプレツシヨン成形や射出成形
する方法は製造コストが安くできるが短繊維を用
いているため、剛性や強度が低く反発特性や耐久
性が劣つている。また成形時の成形材料の流れに
よつて短繊維が配向し、期待する強度が得られな
いということも起こる。

カーボンクロスあるいはカーボンクロスプリプ
レグや編組あるいは編組プリプレグを用いたもの
はクロスや編組にしたり、さらにプリプレグにし
たりするため、歩留りが悪くまた工数が多いため
コストが高くつく。

そこで本発明者らはロービングを直接フイラメ
ントワインデイングしつゴルフヘツドを製造する
ことを考えた。

芯体の周囲にロービングを直接フイラメントワ
インデイングするとロービングは芯体の表面をす
べり巻きたいパターンを現出させることができ
ず、ヘツド全体をロービングで覆うことができな
かつた。

そこで複数個のロービング固定用のピンを表面
に設けた芯体の周囲をフイラメントワインデイン
グして強化プラスチツク製の外殻を形成させる方
法を発明した。

フイラメントワインデイングによつて形成され
た繊維強化プラスチツクの外殻よりなるゴルフヘ
ツドは次の特長を有し従来のヘツドやヘツドの製
造法に較べ著しくすぐれている。

ロービングをクロスや編組にせず直接フイラメ
ントワインデイングして用いるため工数が少なく
コストが安くなる。またクロスや編組は切断して
用いるため歩留りがフイラメントワインデイング
法に較べ劣る。

またロービングを設計通り配向させることが可
能であるため品質の安定性がよく、クロスや編組
のハンドレイアツプに較べ自動機械による製造が
出来る。また特性的にはロービングが連続してお
り一体の殻構造が出きるため構造強度が強く、反
発特性がよく繊維の特性を極限まで利用すること
ができる特徴を有する。

本発明の芯体としては中実や中空でもよい。中
実の場合は発泡体が好ましいが比重の大きい中実
体を用いる場合はフイラメントワインデイングを
樹脂硬化後除去すればよい。樹脂硬化後除去する
には塩や低熔融金属を用いるのがよいし熱可塑性
樹脂を射出あるいはブロー成形したものでもよ
い。射出成形の場合は最中の殻のように分割成形
したものを組合せて用いてもよい。又強化繊維と
熱硬化性樹脂を用い、プレス成形やコンプレツシ
ヨン成形する場合も最中の殻のように分割成形す
ればよい。

発泡体芯の場合はウレタンやアクリル、フエノ
ール等が用いられる。発泡体の剛性や強度を向上
させるために短繊維を混ぜてもよい。また発泡体
は独立気泡を有するものが好ましいが連続気泡で
あつてもよい。

ロービング固定用のピンは芯体と一体であつて
もよいし別々に製造され組込まれてもよい。固定
用のピンの形状は凸型であればロービングのすべ
りをふせぐことができる。たとえば円錐状、金米
糖の角や、ノコギリの刃状あるいは栗の殻の針状
でもよいが好ましくはピンの形状がよい。ロービ
ング固定用のピンと芯体との位置関係として固定
用ピンが芯体表面全体にあつてもよいが、巻きパ
ターンによつて必要な場所のみ設けるのが好まし
い。多種数の巻きパターンが可能な固定用ピンの
配置としては固定用ピンを芯体のソール面、フエ
ース面、側面、上面の交差線上に設ける方法であ
る。

またゴルフシヤフトがネツク部に差し込まれる
部分にも固定用ピンを設けるとネツク部も設計通
りのパターンでフイラメントワインデイングする
ことができる。

固定用のピンを表面に設けた芯体の周囲にロー
ビングを巻きつけるにはすべて手で巻くとこもで
きるし、ロービングボビンを治具で回転させ芯体
を手でコントロールして巻いてもよい。しかし量
産するにはロービングの糸ガイドを捲回させる回
転駆動装置と、芯体を把持し空間的に移動させる
マニプレータと、回転駆動装置とマニブレータを
制御する装置と、制御手順を記憶する装置よりな
るようなフイラメントワインデイング機を用いる
のが好ましい。

フイラメントワインデイングして強化プラスチ
ツク製外殻を成形する際ロービングに樹脂を含浸
させるのは芯体に巻く前でもよいし、樹脂が含浸
されていないロービングをフイラメントワインデ
イングした後、樹脂を含浸させてもよい。樹脂と
してはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等が好ま
しい。又ロービングはカーボン繊維、ガラス繊
維、アラミツド繊維を単独あるいは併用してもよ
い。またロービングとしてプリプレグロービング
を用いてもよい。

また芯体に重量調節用の金属片やフエースプレ
ート、ソールプレート等をあらかじめ設けておい
てもよいし、樹脂硬化後取りつけてもよい。又部
分的あるいは全面にカーボンクロス、編組やそれ
らのプリプレグを用いることもできる。又樹脂含
浸したロービングをフイラメントワインデイング
した後、あるいは未含浸のロービングをフイラメ
ントワインデイングし樹脂を含浸した後はそのま
ま硬化させてもよいし型に入れて硬化させてもよ
い。

つぎに本発明の実施例について説明する。

第１図は本発明のゴルフヘツドの製造法を示す
斜視図であり、第２図は第１図とは反対側から見
たゴルフヘツドの製造法を示す斜視図である。芯
体１は発泡ウレタン製である。芯体１は芯体差込
み治具２によつてささえられている。上面３、側
面４、フエース面５、ソール面６が交差する線上
にピン７、ピン８、ピン９、ピン１０、ピン１１
が設けてある。またネツク部１２にもピン１３が
設けてある。ボビン１５に巻かれたカーボンロー
ビング１４は第１図、第２図に示されるようにピ
ンによつてすべるのを防止されてフイラメントワ
インデイングする。ロービングが芯体の表面を全
面覆い終ると芯体１を芯体差込み治具２から取り
はづし、エポキシ樹脂浴に入れて繊維含有率が60
重量％になるようにエポキシ樹脂を含浸させた。
その後樹脂浴から取り出し、表面に離型紙を巻き
つけオートクレープで加熱硬化した。エポキシ樹
脂硬化後離型紙を取りはづし、表面を研磨した後
ソール面にアルミ製のソールを接着した。そして
ゴルフシヤフトを取りつけネツク部に糸を巻きつ
け、グリツプをシヤフトに挿入して取りつけゴル
フクラブとした。

第３図は本発明の製造法によるゴルフクラブを
示す斜視図である。フイラメントワインデイング
１６のネツク部１２にゴルフシヤフト１８を取り
つけ糸１７を巻いた。

第４図は第３図のＡ面の断面図である。ウレタ
ン発泡の芯体１にピン７、ピン８、ピン９、ピン
１０が差し込んである。ピンはカーボン繊維強化
プラスチツクの引抜き成形した棒を短く切つて用
いた。アルミ製ソール２０がソール面に接着され
ている。

第５図は芯体に射出成形製の最中の殻状体用い
た場合の第３図のＡ面断面図である。フイラメン
トワインデイングによる強化プラスチツク外殻２
２にアルミ製ソール２１が接着されている。芯体
は半殻２３と半殻２４を組み合せたものである。
この半殻２３、半殻２４はポリカーボネイトを射
出成型して成形したものでピン２５とピン２８は
半殻２３と同時に成形されピン２６とピン２７は
半殻２４と同時に成形される。

第６図は本発明の製造方法を用いてヘツドを製
造する装置を示す斜視図である。

この装置は、マニブレータと糸ガイド３２を回
転させるモータ３４と制御装置４０と記憶装置４
１とからなつている。ピン付き芯体２９をハンド
３５で把持する。ハンド３５、フオアアーム３
６、アツパアーム３７、ボデイ３８の動きは制御
装置４０で制御される。なおボデイ３８はベース
３９に取りつけられている。一方ボビン３１から
のロービング３０は糸ガイド３２を通つてピン付
き芯体２９に巻かれる。巻くにあたつて糸ガイド
３２はアーム３３の回転とともに回転する。アー
ム３３はパルスモータ３４によつて回転する。パ
ルスモータ３４も制御装置４０によつてマニブレ
ータと連携をとつて制御される。パルスモータ３
４とマニブレータの関係によつて目的とするフイ
ラメントワインデイングパターンが得られるがこ
の関係は記憶装置４１に記憶され順次制御装置４
０に呼び出されて目的とするパターン、厚さのフ
イラメントワインデイングヘツドを製造する。

ロービングに樹脂を含浸させておいてもよい
が、作業上樹脂の機械への付着を考慮した場合フ
イラメントワインデイングした後樹脂を含浸する
ことが望ましい。

本発明は、ロービングを固定用のピンによつて
設計通り配向させることができるため、品質の安
定化が図れるとともに、ロービングが連続して一
体の殻構造を形成することができるため、反発特
性及び強度に優れたゴルフクラブ用ヘツドが安価
に提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のゴルフクラブ用ヘツドの製造
法を示す斜視図であり、第２図は第１図とは反対
側から見たゴルフクラブ用ヘツドの製造法を示す
斜視図である。第３図は本発明の製造法によるゴ
ルフクラブを示す斜視図である。第４図は第３図
のＡ面断面図である。第５図は芯体に射出成形製
の最中の殻状体を用いた場合の第３図のＡ面断面
図である。第６図は本発明の製造方法を用いてヘ
ツドを製造する装置を示す斜視図である。 符号の説明、１……芯体、２……芯体差込み治
具、３……上面、４……側面、５……フエース
面、６……ソール面、７……ピン、８……ピン、
９……ピン、１０……ピン、１１……ピン、１２
……ネツク部、１３……ピン、１４……ロービン
グ、１５……ボビン、１６……フイラメントワイ
ンデイングヘツド、１７……糸、１８……ゴルフ
シヤフト、１９……フイラメントワインデイング
による強化プラスチツク外殻、２０……アルミ製
ソール、２１……アルミ製ソール、２２……フイ
ラメントワインデイングによる強化プラスチツク
外殻、２３……半殻、２４……半殻、２５……ピ
ン、２６……ピン、２７……ピン、２８……ピ
ン、２９……ピン付き芯体、３０……ロービン
グ、３１……ボビン、３２……糸ガイド、３３…
…アーム、３４……パルスモータ、３５……ハン
ド、３６……フオアアーム、３７……アツパーア
ーム、３８……ボデイ、３９……ベース、４０…
…制御装置、４１……記憶装置、４２。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数個のロービング固定用のピンを表面に設
   けた芯体の周囲をフイラメントワインデイングし
   て強化プラスチツク製外殻を形成することを特徴
   とするゴルフクラブ用ヘツドの製造方法。 ２ 芯体が強化プラスチツク製外殻を形成後除去
   可能な材質である特許請求の範囲第１項記載のゴ
   ルフクラブ用ヘツドの製造方法。 ３ 芯体が中空体又は発泡体である特許請求の範
   囲第１項記載のゴルフクラブ用ヘツドの製造方
   法。 ４ ピンを芯体のソール面、フエース面、側面、
   上面の交差線上に設けた特許請求の範囲第１項記
   載のゴルフクラブ用ヘツドの製造方法。