JPS6015574Y2

JPS6015574Y2 - ゴルフクラブヘツド

Info

Publication number: JPS6015574Y2
Application number: JP1981093871U
Authority: JP
Inventors: 辰行有馬; 一治清水
Original assignee: 東レ株式会社
Priority date: 1981-06-26
Filing date: 1981-06-26
Publication date: 1985-05-16
Also published as: JPS581469U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はゴルフクラブヘッドに関しさらに詳しくは、通
称ウッドと呼ばれるゴルフクラブのヘッドに関する。

ウッドと呼ばれるゴルフクラブのヘッド（以下ヘッドと
いう）は、従来、柿の木で作られている。

しかし、柿の木は天然材料であるので均質なものを大量
に得ることが難しく、そのため、柿の木で作ったヘッド
は品質のバラツキが大きいという欠点があった。

また、温度や湿度の影響を受けやすいという欠点もあっ
た。

柿の木で作ったヘッドの上記欠点を解決するために、柿
の木に代えて、発泡樹脂を炭素繊維の短繊維のみによっ
て強化してなるＦＲＰ（繊維強化樹脂）を使用したもの
が提案されている。

このＦＲＰ製のヘッドは、柿の木で作ったものにくらべ
て品質のバラツキが少なく、かつ温度や湿度の影響をほ
とんど受けないという特長を有している。

しかしながら、一方で、短繊維のみを使用しているため
に、音の減衰が速くて打球時の音に伸びがなく、快い打
球音が得られないこと、柿の木のような木目調が得られ
ないこと、といった欠点があった。

これらの欠点は、ゴルファはフィーリングを特に大切に
するということもあって、ゴルファに違和感を与え、普
及を妨げる原因になっている。

また、上記のようなＦＲＰに柿の木に近い比重を与え、
柿の木で作ったヘッドを使用したゴルフクラブと同様の
重量バランスを得ようとすれば、樹脂の気泡率をかなり
高くする必要があるが、そうすると、短繊維のみによる
樹脂の補強効果はそう高いものではないから、結局ヘッ
ドの機械的強度が不足し、打球時にひび割れを起したり
、一部が欠損するという欠点もあった。

本考案の目的は、従来のヘッドの上記欠点を解決し、快
い打球音が得られ、木目調を有し、柿の木に近い比重で
ありながら機械的強度の高いヘッドを提供するにある。

上記目的を達成するための本考案は、発泡樹脂と、この
発泡樹脂を強化している繊維材料とを有し、かつ前記繊
維材料は、強化用繊維の連続繊維とマットとを交互に積
層してなるゴルフクラブヘッドを特徴とするものである
。

本考案のヘッドの一実施例を説明するに、図面において
、ヘッド２はシャフト１の先端に取り付けられている。

３は、ヘッド２の打球面に装着された樹脂製のフェース
プレートである。

そして、上記ヘッド２は、独立気泡４を有する発泡樹脂
５と、この発泡樹脂５を強化している繊維材料とからな
っている。

上記発泡樹脂５はエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性
樹脂からなっていて、その気泡率を適当な値に選ぶこと
によって、ヘッドの比重を柿の木のそれに近いものとす
ることができ、柿の木のヘッドを使用したゴルフクラブ
と同様の重量バランスを得ることができるようになる。

また、気泡率を変えることによって音の減衰速度を制御
することができるから、打球時の音の響きを調節するこ
とができるようになる。

この気泡率は、後述する、連続繊維６による層とマツド
アによる層では異なるものの、通常、２０〜８０（％）
の範囲に選定する。

音の響きをよくするということのみに着目すると３０〜
５０（％）程度であるのが好ましい。

上記繊維材料は炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、有機
高弾性繊維（たとえば、米国デュポン社のポリアラミド
繊維゛Ｋｅｖｌｅｒ”などの高強度、高弾性繊維を単独
で、または組み合せて用い、そのような繊維を一方向に
シート状に引き揃えたり、あるいは織成してなる、いわ
ゆる連続繊維６と、上記繊維の短繊維からなるマツドア
とを交互に積層したものでる。

なかでも、より高強度、高弾性であるために発泡樹脂５
の補強効果が大きく、かつヤング率をＥ１密度をρとし
たときのｊＥ／ρ３の値が大きくて音の響きのよい炭素
繊維や黒鉛繊維、有機高弾性繊維が特に好ましく用いら
れる。

上記のように、本考案においては、連続繊維とマットと
を交互に積層しており、これによってマットの間に位置
する連続繊維があたかも木目のように見え、木目調のヘ
ッドが得られる。

この場合、実際の木目により近い調子を得るために、連
続繊維による層の厚みは０．２〜４（ｍｍ）、好まし
くは０．５〜１（ｍｍ）とするのがよく、またマット
による層の厚みは０．０５〜２（Ｔｆｇｎ）、好ましく
は０．１〜０．５（ｍｍ）とするのがよい。

また、上記範囲内で、連続繊維による層の厚みをｌとし
たときにマットによる層の厚みが０．０２〜１になるよ
うに選定すると、最も自然に近い調子が得られる。

すなわち、連続繊維やマットによる各層の厚みや両者の
厚みの関係は、連続繊維による、いわゆる木目を十分に
目視することができ、しかもそれがあまり大きくなくて
自然に近い調子が得られるような範囲に選定する。

連続繊維やマットの含有率については、連続繊維による
層にあっては４０〜１２０（体積％）程度であるのがよ
く、またマットによる層にあっては５〜２０（体積％
）であるのがよい。

含有率を上記範囲で選定したとき、機械的強度と音の響
きのよさを兼ね備えたヘッドを得ることができる。

上記実施例においては、繊維材料をその連続繊維６の繊
維軸の方向がシャフト１の軸方向であるように配置して
いる。

連続繊維６を上記のように配置すれば、ゴルフクラブの
長さ方向における強度や弾性率が向上し、たとえスィー
トスポットをはずれて打球した場合でもヘッド２が破損
する心配が少なく、かつインパクトのフィーリングの変
化も少なくなるので好ましい。

また、実施例に示したように、繊維材料をその積層端面
が打球面を向くように配置すると、連続繊維６で構成さ
れる面を打球面に向けて配置した場合のように、連続繊
維６の面を介してマツドアに力が加わることによるへこ
みを防止することがでるので好ましい。

本考案のヘッドは、たとえば、繊維材料に発泡剤を混合
した樹脂を含浸し、加圧加熱して樹脂の発泡と硬化とを
同時に行い、しかる後ヘッドの形状に加工することによ
って製造する。

以上説明したように、本考案のヘッドは、強化用繊維の
連続繊維とマットを交互に積層してなる繊維材料を用い
て発泡樹脂を強化しているので、マットを介して位置し
ている連続繊維があたかも木目のように見え、木目調を
呈する。

また、連続繊維が音の減衰を遅くするので、伸びのある
快い打球音が得られる。

さらに、柿の木に近い比重を得ようとして樹脂の気泡率
を高くしても、連続繊維による高い補強効果が得られる
ので機械的強度の低下が少なく、打球時にひび割えを生
じたり、一部が欠損するといったトラブルを防止するこ
とができる。

そして、本考案のヘッドの上述したような作用効果は、
全体として、柿の木で作ったヘッドに極めて近いフィー
リングをゴルファに与えるものである。

次に、実施例に基いて本考案をさらに詳細に説明する。

実施例炭素繊維の連続繊維を互いに並行かつシート状に引き揃
え、これに東し株式会社製プリプレグ用エポキシ樹脂＃
２５００を含浸してなる一方向性プリプレグ（炭素繊
維日付：約２７０ｇ／ｒｒｌ、厚み：約０．２５ｍｍ）
と、炭素繊維マット（日付：約２５１／ポ、厚み：約０
．１ｍｍ）に上記樹脂を含浸してなるマットプリプレグ
とを用意した。

上記樹脂は、発泡剤たるアゾビスイソブチロニトリルを
約７重量％含んでいる。

次に、上記一方向性プリプレグ３枚を１組とし、これと
マットプリプレグ１枚とを交互に７明積層し、これを金
型に入れ、約１３０°Ｃで約１時間加熱して樹脂の発泡
と硬化とを行い、長さ１５０閣、幅１００ｍｍ、高さ８
５ｒｒｒＩｎの成層体を得た。

この成形により、厚み０．２５ＴｒｒｆＩｔの一方向性
プリプレグによる層は約０．３３ｍｍ厚み（合計厚み：
約０．９９ｍｍ）になり、また厚み０．１ｍｍのマッ
トプリプレグによる層は約０．１８７７１１７１厚みに
なった。

一方向性プリプレグによる層の気泡率は約４０％であり
、マットプリプレグによる層のそれは約４８％である。

次に、上記成層体をグラインダで削り出し、図面に示す
ようなヘッドを得た。

このヘッドは、自然に近い木目調を有し、またその比重
は約０．９５で柿の木のそれの約０．７に近かった。

気泡を有しない樹脂を使用した場合には比重が約１．５
になるから、本考案に係るヘッドは柿の木に非常に近い
といえる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案のヘッドの一実施例を示す概略斜視図であ
る。１：シャフト、２：ヘッド、３：フェースプレト、４：
独立気泡、５：発泡樹脂、６：連続繊維、７：マット。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

発泡樹脂と、この発泡樹脂を強化している繊維材料とを
有し、かつ前記繊維材料は、強化用繊維の連続繊維とマ
ットとを交互に積層してなることを特徴とするゴルフク
ラブヘッド。