JPH0332382Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、例えばトンネル等の通路内の消火
に適した消火装置に関するもので、使用状態にお
いて、ホースの格納箱から突出する部分が無いの
で、監視通路が無く、通過車両との間隔に余裕の
無い場所でも設置できる非回転リール式消火装置
を提案するものである。

〔従来の技術〕

例えばトンネル内の通路は、工事費低減のため
に自動車等の通行限界幅に、トンネルの内側壁を
なるべく接近させて設計しているので、通路使用
者によつて操作される消火装置は、内側壁からな
るべく突出しないように設ける必要があり、消火
作業中であつても、自動車等を退避移動できる間
隔が、消火装置との間に保持されていなければな
らない。

そして、トンネルなどに適した消火栓装置とし
て、水平状の起伏中心ピンにて下部を枢支された
前傾式の扉にホースリールを設けて、起立してい
る収納姿勢の扉を手前に倒伏回動操作した使用姿
勢のとき、ホースリールの回転中心が鉛直状とな
つてホースの引出方向がホースリールの回転方向
に一致するように構成して、引出しが円滑となる
ように工夫した装置が、実公昭52−41279号とし
て知られている。

したがつて、この装置では、使用姿勢のとき、
扉からリールが手前に大きく突出するため、幅の
広い監視通路などの広いスペースのない場所で
は、自動車等の移動が妨げられると云う問題があ
る。

又、リールの起伏回動機構及び、リール自体の
回転機構などが必要となるので、構造が複雑化
し、リールを収納している装置箱及びリール支持
部分も、充分に大きい支承剛性を必要とすること
になつて、形状、重量が大きくなると云う問題が
ある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この考案は、使用状態における装置箱からの突
出量が無いために狭い場所であつても、自動車等
の移動に支障することが無く、しかも、回転構造
で無いので、構成が簡易で小型となるように工夫
して、従来の消火装置の前記問題点を解決するも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するためにこの考案は次の技
術手段を講じた。

即ち、前面にホース出入用の開口部３があり、
外周壁部２を備え、装置箱１に固定されているホ
ース収納部５と、基部が消火剤供給源に連結され
て先端部にノズル１０を有したホース９とを有
し、開口部３からホース９を、ホースの引出し時
にホースが中心側から順次に繰り出されるよう
に、ホース収納部５の外周壁部２の内面に沿つて
順次中心側に向つて巻き付けることができるよう
に構成したことを特徴とする非回転リール式消火
装置である。

［作用］ ホース９を、開口部３からホース収納部５の内
壁に沿つて順次中心側に向つて内巻式に容易に巻
き付けることができ、ホース収納部５の開口部３
をくぐらせてホース９を引出すことによつて、中
心側から順次、ホース９が引出されることにな
り、そして、引出されたままで該ホース９を消火
個所に直ちに指向できて、装置箱１からの突出量
が無い状態で使用できることになる。

〔実施例〕

次にこの考案の一実施例を図にもとづいて説明
する。

第１図に内部正面視を、第２図に内部側面視
を、第４図に内部平面視を、夫々示したが、略、
長方体状の装置箱１内に、正面視円形状の外周壁
部２と、中央に開口部３のある前面としての円板
状の前板４とからなるホース収納部としてのホー
スリール５を固設し、装置箱１内に固設している
消火液供給源としての原液タンク６に、接続して
ある放出弁７と配管８を介してホース９の基部９
ａを接続し、外周壁部２の貫挿孔からホースリー
ル５内にのぞませているホース９を、外周壁部２
の内面に沿つて順次、中心側に向つて渦巻状に内
巻式に巻き付けできるようにし、ホース９の先端
部に取付けているノズル１０を、開口部３の附近
に置き、円形断面への強い保形性のあるこのホー
ス９は、上記のように巻かれたときに現われる強
い複元力によつて内周壁部２へ圧接されて、開口
部３の附近が空隙に保たれるようにし、ホース９
は適宜な長さに分割しておき、第５図に例示した
如き、２つの接手体１１，１２が、ボール１３，
１３，…によつて互に回転自在に嵌合するよう形
成してあるより戻し器具１４によつて、隣合うホ
ース９，９を互に接続した構造のものとしてい
る。

装置箱１の表板１５には、開口部３に接近した
位置にホース引出口１６を設け、ホース引出口１
６を閉じる扉１７，１８を、表板１５に沿つて開
くことができるように設けたものであつて、図示
例では互に上位と下位に配置された扉１７，１８
を、ばね等からなる釣合機構１９，２０によつ
て、第２図の如く、閉じ位置に保持され、或いは
第３図の如く、上位の扉１７は上方に、下位の扉
１８は下方に、夫々移動した開放位置に保持され
るようにし、扉１７，１８は、何れもレール２
１，２２に沿つて移動するようにしている。

ホースリール５には、ガイドロール２３，２
３，…を、開口部３の附近に設けているので、ホ
ースリール５から引き出されるとき、又は、ホー
スリール５に収納するときに、ホース９が、これ
らのガイドロール２３によつて案内されて軽く移
動することになる。

図示例では、給水源に接続される給水管２４か
ら流入する水が、圧力調整弁２５、放出弁７を経
て混合器２６に流入し、原液タンク６内の消火原
液が、管２７を経て混合液２６に流入して混合液
２６内にて作られる消火液が、ホース９に送られ
るものであり、又、給水管２４には、消防隊用栓
２７と放水用ホースを接続できる消防隊用差込金
具２８が設けられ、原液タンク６の前方には、点
検扉２９が表板１５に設けてあつて、消防隊用栓
２７、消防隊用差込金具２８の前方には、操作用
扉３０を、点検扉２９に蝶着している。

前板４と外周壁部２とにて形成される隅部に
は、ホース９を引出し易いように傾斜板３１を設
けている。

ホースリール５の正面視形状は、多角形状であ
つても良く、扉１７，１８は、１枚又は３枚以上
でも差支えは無く、開閉方向も左右でもよく、
又、巻込み式シヤツタであつても良い。

より戻し器具１４は、図示例のほか、同様な機
能を有している他のものを使用できる。

そして、装置箱１は、例えばトンネル内の通路
の内側壁に設けた収納凹穴に嵌入して、例えば表
板１５が内側壁と略、面一となるように設置して
おけば、通路からの突出量が殆んど無くなつて、
内側壁と自動車等との間の間隔の狭いトンネルに
も、使用できるものとなる。

なお、地下街やビルなどの汚損の少ない場所で
使用する場合には、ホース引出口１６の扉１７，
１８は省略しても良い。

〔考案の効果〕

この考案に係る非回転リール式消火装置は上述
のように構成したものであつて、ホース９は開口
部３よりホース収納部５の内壁に沿つて容易に巻
き付けることができ、又、引出す時には、ホース
収納部５内に内巻式に巻き付けたホース９を開口
部３をくぐらせて装置箱１から外に引き出すこと
になるので、引き出し中及び、消火作業中におけ
る装置箱１からの突出量が、ホース９を主なもの
とするていどの極めて小さいものとすることがで
きたのであり、消火活動のために自動車等の退避
移動が妨げられることが無くなつて、地下街やビ
ルなどにはもちろん、内側壁と自動車等の通行空
間との間隔の狭いトンネルにも、安全に使用でき
るものとなつた。

そして、ホース収納部５は、非回転式であるの
で、従来のホースリールの如き起伏機構や、リー
ル自体の回転機構が不要となり、回転支承部の支
承剛性も不要となつて、この考案では構造が簡易
で、剛性が小さくて済み、小形で軽量なものとな
つたのである。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の１実施例を示し、第１図は装置
箱の内部正面図、第２図と第３図は夫々の状態に
おける装置箱の内部側面図、第４図は装置箱の内
部平面図、第５図はより戻し器具の縦断面図であ
る。 符号説明、１……装置箱、２……外周壁部、３
……開口部、５……ホース収納部、９……ホー
ス、１０……ノズル、１４……より戻し器具、１
５……表板、１６……ホース引出口、２３……ガ
イドロール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 前面にホース出入用の開口部があり、外周壁
   部を備え、装置箱に固定されているホース収納
   部と、基部が消火剤供給源に連結されて先端部
   にノズルを有したホースとを有し、開口部から
   ホースを、ホースの引出し時にホースが中心側
   から順次に繰り出されるように、ホース収納部
   の外周壁部の内面に沿つて順次中心側に向つて
   巻き付けることができるように構成したことを
   特徴とする非回転リール式消火装置。 ２ 装置箱は、ホース出入口を有する表板を備え
   ているものである実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の非回転リール式消火装置。 ３ ホース引出し口は、開閉自在の扉で閉じられ
   ているものである実用新案登録請求の範囲第２
   項記載の非回転リール式消火装置。 ４ ホースは、途中部により戻し器具を備えてい
   るものである実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の非回転リール式消火装置。 ５ ホース収納部は、開口部付近の前面にガイド
   ロールを備えているものである実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の非回転リール式消火装
   置。