JPH033224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、抽斗と、該抽斗が嵌め込まれる枠体
からなる抽斗装置に関する。

従来技術とその問題点 和だんす、整理だんす等に備えられている抽斗
装置は、枠体に抽斗が嵌入されているだけのもの
が一般的であつた。このような抽斗装置である
と、抽斗が引き出される際に、枠体下部を構成す
る受板から外れて抜け落ちるということが多々あ
つた。抽斗が抜け落ちることによつて、抽斗内部
に収納されていた物品（たとえば、衣服等）が散
乱してしまうのである。このため、前記物品を元
通りに整理しなければならず、不要な作業に時間
を消耗するという問題があつた。

上記問題を解消するため、抽斗の抜け落ちを防
止するストツパが配設されている抽斗装置が開発
されている。このような抽斗装置であると、抽斗
の抜け落ち等を推察して躊躇するということな
く、一杯に抽斗を引出すことができる。前記のよ
うな抽斗装置は、例えば、事務机等として用いら
れるスチール机に多く利用されている。

しかしながら、このような抽斗装置は、抽斗を
案内するガイドレール等を製作しなければなら
ず、その構造が複雑である。このため、製造コス
トが高くなるという問題があつた。しかも、スト
ツパが邪魔になつて抽斗を取り外す、または、取
り付けるという作業が行われ難く、改善が望まれ
ていた。

そこで、本考案の目的は、抽斗の枠体からの抜
け落ちが防止され、かつ、抽斗の取り外し、取り
付けが容易に行われ、それでいて、簡素な構造を
有する抽斗装置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 本考案の上記目的は、抽斗と、該抽斗が嵌め込
まれる枠体とを備える抽斗装置において、前記抽
斗後端部外面には、抽斗側摩擦抵抗体が設けられ
ているとともに、前記抽斗が前記枠体から引き出
されて該枠体からの引き出し許容限度に達したと
きに、前記抽斗側摩擦抵抗体が摺擦するように前
記枠体内側面に枠体側摩擦抵抗体が設けられてい
て、該両摩擦抵抗体相互の摩擦抵抗により前記抽
斗の抜け落ちが防止され、前記抽斗が前記両摩擦
抵抗体の摩擦抵抗に抗する引張り力および押力を
受けることによつて、枠体から引き抜きおよび嵌
め込みされるようになつていることを特徴とする
抽斗装置により達成される。

前記両摩擦抵抗体は、表面が適当に加工され、
あるいは、表面に適当な手段が施されて、摩擦抵
抗体が大きくされたものであつてもよく、素材自
体の摩擦抵抗が大きいものであつてもかまわな
い。前記両摩擦抵抗体は、弾性を有する材料から
なるものであることが好ましい。何故なら、弾性
材であると、前記抽斗と枠体が互いに押圧し合つ
て、抽斗が一層抜け落ち難くなり、それでいて抽
斗の枠体からの引き抜き、および再嵌め込みが可
能だからである。

前記抽斗側摩擦抵抗体は、一例として、前記抽
斗の下面に設けられる。この場合、前記枠体側摩
擦抵抗体は、枠体下部に配されて前記抽斗を受け
るようになつている受板に設けられていなければ
ならない。もちろん、前記枠体側摩擦抵抗体は、
前記抽斗が引き出される際に、前記抽斗側摩擦抵
抗体に摺擦される位置に設けられる。しかしなが
ら、前記両摩擦抵抗体は、前記抽斗の下面および
枠体の下部内面の他に設けられてもよく、要する
に、前記抽斗が引き出されて該枠体からの引き出
し許容限度に達したときに前記抽斗の抜け落ちを
防止するためのスツトパ的役割を果すのであれ
ば、どの位置に設けられていてもかまわない。

前記両摩擦抵抗体の相互の摺擦により摩擦低効
力は、通常、人が前記抽斗を引つ張る力、また
は、押す力よりも大きくなければならないが、人
が抽斗を枠体から引き出せる、または、枠体に嵌
め入れることができる抵抗力でなければならな
い。

前記両摩擦抵抗体は、前記抽斗および枠体に貼
着されていてもよく、埋め込まれて取り付けられ
ていてもかまわない。要は、両摩擦抵抗体の表面
が相互に摺擦されるのであれば、その取り付け状
態にこだわらない。前記両摩擦抵抗体の材料とし
て、たとえば、ゴム、布、フエルト合成樹脂等が
ある。

実施例 以下に、本考案の実施例を、図面を参照しなが
ら詳しく説明する。

第１図、第２図にあらわされる抽斗装置は、抽
斗１と、該抽斗１が嵌め込まれるようになつてい
る開口部８を有する枠体２とを備えている。枠体
２は、前記抽斗１が複数個収納できるようになつ
ている。すなわち、前記枠体２は、前記開口部８
を複数有しているのである。図にみるように、前
記抽斗１は、、把手３を備える前板４、２枚の側
板５，５、底板６および後板７が四角に組まれて
形成されている。前記前板４は、枠体２の開口部
８周縁前面に当接するようになつていて、前記抽
斗１が枠体２の奥まで入り込まないようにされて
いる。側板５，５は、その下面に、表面がフツ素
樹脂等からなる滑りテープ１２が取り付けられて
いて、抽斗１のすべりが良くなるようにされてい
る。底板６は、側板５，５および後板７の下面よ
りも高い位置に取り付けられていて、前記枠体２
の抽斗１を受ける受板９との間に空〓が設けられ
ている。底板６下面の後端部中央には、弾性を有
し、かつ、摩擦抵抗の大きいゴム製の抽斗側摩擦
抵抗体１０が、後板７に接するようにして貼着さ
れている。該抽斗側摩擦抵抗体１０は、その下面
と前記受板９との間に少しの隙間が設けられるよ
うにして取り付けられており、受板９上面と抽斗
側摩擦抵抗体１０が接触しないようにされてい
る。受板９上面で枠体２の開口側中央部には、前
記抽斗側摩擦抵抗体１０と同じ材料からなる枠体
側摩擦抵抗体１１が受板９に埋め込まれるように
して配設されている。該枠体側摩擦抵抗体１１
は、その上面が受板９の上面よりも少し突出する
ように取り付けられている。

この抽斗装置は、つぎのようにして使用され
る。

従来のように、抽斗１を枠体２の開口部８から
引き出して、前記抽斗１の内部に衣類、小物等を
収納し、または、取り出す。このように、衣類、
小物等を収納または、取り出す際に、通常の力で
前記抽斗１を枠体２から引き出した場合、第３図
ａにみるように、抽斗１が抜け落ちる前の引き出
し許容限度位置に達したときには前記両摩擦抵抗
体１０，１１が接触するようになつている。すな
わち、枠体２から抽斗１が抜け落ちるのを防止す
るようになつているのである。したがつて、前記
抽斗１が前記枠体２から抜け落ちるのではないか
ということを推察することなく、安心して抽斗１
を引き出すことができるのである。前記抽斗１の
収納物を整理するため、または、目的の収納物を
探すためなどで、枠体２から抽斗１を取り外すこ
とがある。この場合は、第３図ｂにみるように、
前記両摩擦抵抗体１０，１１の摺擦による摩擦低
効力に抗する引張り力で前記抽斗１を引き抜くこ
とによつて容易に抽斗１を前記枠体２から取り外
すことができる。枠体２の開口部８に前記抽斗１
を嵌め込むときには、前記摩擦抵抗力に抗する押
圧力で前記抽斗１を前記開口部８に押しこめばよ
い。簡単に前記枠体２の開口部８に抽斗１を嵌め
入れることができる。

考案の効果 かくの如く本考案によれば、抽斗の枠体からの
抜け落ちが防止され、かつ、抽斗の取り外し、取
り付けが容易に行われ、それでいて、簡素な構造
となるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はその一部の側面断面図、第２図は一部を切り欠
いて表わす正面図、第３図ａ，ｂは枠体に対する
抽斗の動きをあらわす一部拡大断面図である。 １……抽斗、２……枠体、６……底板、９……
受板、１０……抽斗側摩擦抵抗体、１１……枠体
側摩擦抵抗体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 抽斗と、該抽斗が嵌め込まれる枠体とを備え
   る抽斗装置において、前記抽斗後端部外面に
   は、抽斗側摩擦抵抗体が設けられているととも
   に、前記抽斗が前記枠体から引き出されて該枠
   体からの引き出し許容限度に達したときに、前
   記抽斗側摩擦抵抗体が摺擦するように前記枠体
   内側面に枠体側摩擦抵抗体が設けられていて、
   該両摩擦抵抗体相互の摩擦抵抗により前記抽斗
   の抜け落ちが防止され、前記抽斗が前記両摩擦
   抵抗体の摩擦抵抗に抗する引張り力および押力
   を受けることによつて、枠体から引き抜きおよ
   び嵌め込みされるようになつていることを特徴
   とする抽斗装置。 前記抽斗側摩擦抵抗体が前記抽斗の下面に設
   けられていて、前記枠体側摩擦抵抗体が、前記
   枠体下部に配されて前記抽斗を受けるようにな
   つている受板に設けられている実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の抽斗装置。