JPH0247860Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、収納家具の転倒防止装置に関する。
該収納家具には、各種たんす、本棚、食器棚、ロ
ツカー等を広く含むものとする。

従来の技術及びその問題点 収納家具の転倒防止設置手段は、従来多くのも
のが提案され実施されてきたが、実用性あるもの
の全ては、収納家具を家屋の壁や柱等に繋ぎ留め
るものであつた。従つて壁や柱に適当な繋止用部
材を固設できない場合は転倒防止手段を講じ得
ず、また壁や柱が脆弱である場合は確実な転倒防
止効果が得られないという問題があつた。

本考案はこのような従来技術の問題点を解決
し、壁や柱に繋止用部材を固設できない場合や、
壁や柱が脆弱な家屋である場合にも、確実に転倒
を防止し得る装置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案の前記目的は、収納家具設置面に人手に
より刺入されうる彎曲した挿入針と、下端部が収
納部本体に一体的に結合された収納家具の該下端
部に設けられ、前記挿入針を摺動可能に保持し、
該摺動に伴つて収納家具設置面に刺入するように
前記挿入針を案内するガイド部とを備え、前記挿
入針は前記刺入時にガイド部に当接する係止部を
基端部に有していることを特徴とする収納家具の
転倒防止装置により達成される。

実施例 以下、本考案の実施例を添附図面と共に説明す
る。

第１図は収納家具Ａの側部に本考案装置を設け
た例を示している。転倒防止装置１は、略円弧状
に彎曲した鋼製挿入針２と、収納家具Ａの側部下
端部に取付けられたガイド部３とを備えている。
挿入針２は人手により収納家具設置面に刺入され
得るように先端部が先鋭とされ基端部には係止部
２０が設けられている。ガイド部３は挿入針２を
摺動可能に保持する溝を有し、金属板により形成
されており、該摺動により収納家具設置面に刺入
するように挿入針２を案内する。この例ではガイ
ド部３が収納家具側面の前後部に設けられている
が、その設置箇所及び設置数は、収納家具の重量
やそのバランス、設置面の強度等を考慮して適宜
決められる。収納家具を壁際に設置する場合は前
方へ転倒を防止すべく、後部のみに設けてもよ
い。

この転倒防止装置を使用して収納家具Ａを設置
するには、先ず収納家具Ａを所定位置に配置し、
次に挿入針２をガイド部３による案内に従つて人
手により収納家具設置面に刺入し、係止部２０が
ガイド部３に接するまで押込めばよい。第１図に
おける収納家具前部の装置１は挿入針刺入前の状
態、後部の装置１は挿入針刺入後の状態を示して
いる。このように刺入された挿入針２はその彎曲
形状に基き収納家具設置面に係合して上方への引
抜き力に対抗する。したがつて収納家具Ａは、ガ
イド部３及び該ガイド部に係止部２０でもつて係
止する挿入針２を介して設置面と一体性をもつて
結合され、これにより転倒を防止される。

第２図は本装置を収納家具Ｂの後部に設けた例
を示している。収納家具Ｂは下端部に台輪ｂを備
えるが、該台輪ｂは本体と一体的に結合されてい
る。挿入針２ａは第１図のものと同様に彎曲し、
先端部が先鋭とされてものであるが係止部２０ａ
は基端部を折り曲げることにより形成されてい
る。ガイド部３は台輪ｂと収納家具本体との間に
スペーサ４を介在させ、収納家具Ｂに固着されて
いる。その取付け位置や数は前述の如く、適宜決
められる。この例では、収納家具前方から人手を
差入れて挿入針２刺入の操作を行なえるよう、収
納家具Ｂの後壁には開閉部５が設けられている。

第３図は本装置を収納家具Ｃの台輪内部に設け
た例を示している。台輪ｃは収納部本体と一体に
結合されている。挿入針２ｂは前述の例と同様に
彎曲し先鋭とされたものであるが、係止部２０ｂ
は人手による刺入操作をし易くするために挿入針
の彎曲面に略垂直に基端部を折り曲げて形成され
ている。収納家具ｃの底板には台輪内部を収納家
具外に開くため開閉部６が設けられている。本装
置の配設位置は台輪内周面における後部、前部、
側部等、必要に応じて選択される。また台輪内部
に水平な桟を設け、該桟に設けることも可能であ
る。第３図において、左側の装置１は刺入前の状
態、右側の装置１は刺入後の状態を示している。

挿入針の彎曲は、以上の例の如く円弧状とされ
た場合は人手による設置面への刺入が容易とな
る。しかし、該彎曲を円弧から若干外れた形状と
しても刺入時の挿入針及び設置面の変形に基づき
刺入が可能であり、刺入後は円弧状の彎曲の場合
より強い保持力を発揮するようにすることもでき
る。

本考案に適する収納家具設置面としては、挿入
針の刺入が容易であること、刺入後の保持力が十
分強いこと、及びそれ自身の設置面が広く且つ十
分な剛性を有していることが要求される。これを
満足する代表的なものは畳であるが、発泡合成樹
脂等、該要求を満たしうる他の材料からなるなる
ものにも勿論適用することができる。

考案の効果 以上から明らかな如く、本考案に係る収納家具
の転倒防止装置によれば、挿入針は収納家具設置
面への刺入後、その彎曲により上方への引抜きを
阻止するため、収納家具は下端部のガイド部及び
該ガイド部に係止部により係止する前記挿入針を
介して設置面と一体性をもつて結合され、これに
より地震等の際の転倒を防止される。

したがつて本考案装置によれば、収納家具を家
屋の壁や柱等に繋ぎ止める必要がなく、壁や柱に
繋止用部材を固設できない場合や、壁や柱が脆弱
な家屋である場合にも、確実に収納家具の転倒を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図は本
装置を収納家具の側部に備えた例の要部を示す斜
視図、第２図は本装置を収納家具の後部に備えた
例の要部を示す斜視図、第３図は本装置を収納家
具の台輪内部に備えた例の透視図である。 １……転倒防止装置、２，２ａ，２ｂ……挿入
針、３……ガイド部、２０，２０ａ，２０ｂ……
係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 収納家具設置面に人手により刺入されうる彎曲
   した挿入針と、下端部が収納部本体に一体的に結
   合された収納家具の該下端部に設けられ、前記挿
   入針を摺動可能に保持し、該摺動に伴つて収納家
   具設置面に刺入するように前記挿入針を案内する
   ガイド部とを備え、前記挿入針は前記刺入時にガ
   イド部に当接する係止部を基端部に有しているこ
   とを特徴とする収納家具の転倒防止装置。