JPH0331901Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は水道管が引込まれている建売り家屋、
その他、管理者が居ない水道施設で、止水バルブ
を止水の位置にして盗水されるのを防ぐ盗水防止
バルブ装置に関するものである。

（従来の技術） 従前の盗水防止バルブは、弁杆に回転不能に嵌
めて摺動だけを自由にしたコネクターと、常にハ
ンドルを盗水防止バルブに装着し、止水と通水を
必要とするときのみに長いねじをハンドルととコ
ネクターに挿入し、コネクターを弁杆との連結の
まま引上げてハンドル連結し、盗水防止のときに
はコネクターに届かないい短いねじをハンドルに
螺合するものであつて、その盗水防止バルブは長
いねじを使用するときに通水量を調節するこそも
できる盗水防止と、通水量調節の兼用型をなして
いるものである。このため盗水防止のための短か
いねじを連結したハンドルを盗まれてしまうこと
もあり、この場合には新しいハンドルを補充しな
ければならない欠点がある。また、盗水防止への
処理を施したあとでハンドルを徹去して置くこと
もできるが、現場の作業者が必ずそうしてくれる
ものでないから、なお改良を必要としている。そ
の他弁杆を突出した弁函の外周部分にシリンダ錠
を固定し、該シリンダ錠キーにより回転できる回
転子を前記弁杆に取付けた考案が実開昭58−
169286号公報に開示されている。この場合キーを
外して置けるが錆易いシリンダ錠回転子を外すこ
とはできないから高価な不錆性のものしか使用で
きない欠点を免れない。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は前記した従来装置の改善を目的とし、
長いねじと短いねじの使い分けを施さず、符合溝
を外周に設けた特殊構造の回転子のみで盗水防止
と通水とができるようにし、符合溝のない回転子
を使用できないようにすると共に、止水位置で回
転子を盗まれないように弁函から簡単に抜き取つ
て徹去できるようにしたものである。

（課題を解決するための手段） 本考案の盗水防止バルブ装置は、90゜前後の可
逆回転により止水と通水の二位置への回転を制御
される止水弁１３に連結した弁杆１９を弁函１の
外部に突出し、前記弁杆１９の外周に止水、通水
何れの方向にも係合する操作片２２を設けると共
に、該操作片２２を囲んだ挿入許容筒２４を弁函
１に固定し、その挿入許容筒２４の内周壁２５ａ
から係合片２７を突出し、さらに前記の内周壁２
５ａにほぼ接して前記操作片２２に自由回転不能
に係合する回転子３１の周面に、前記の止水と通
水の各回転位相において、前記の係合片２７に合
致しかつ回転子３１の端縁で解放された軸方向の
平行溝３４，３５と、該回転子３１の可逆回転方
向で前記の係合片２７を通しかつ平行溝３４，３
５を連通する連絡溝３６からなるコ形の符合溝３
３を設けたことを特徴とするもので、回転子が錆
易くても、盗水防止の長い時間外して置くもので
あるので、錆付きもほぼ完全に防ぐことができ
る。

（実施例） 添付図面は盗水防止バルブＡと通水加減弁Ｂと
を連装した水道用バルブを示し、流入口２と流出
口３を有する弁函１の内部に区劃壁４を設けて中
心に流入口２と流出口３を連通する通水口５を形
成し、その通水口５の上部の周りに弁座６を設
け、該弁座６に接する平型弁体７の弁杆状突起８
を、弁函上に設けたパツキン箱９の中心部に上下
動を自由にして螺合したスピンドル１０の下面か
ら嵌め、パツキン箱９から突出するスピンドル１
０の上端にハンドル１１を取付けてなる。

通水口５の下面にはツキン１２に嵌めて回転を
自由にした球形の止水弁１３を嵌め、該止水弁１
３に第１図の通水位置において流入口２と通水口
５とを連通状にする弁路１４を形成する。止水弁
１３は第１図の左方向に約90゜回転して球面を通
水口５に対応させる止水位置にされる。

弁函１の側面には第２図に示すように弁杆１９
の挿入孔構成片１７を突出状に形成し、該挿入孔
構成片１７の挿入孔々壁にＯリング２０を弾接し
た弁杆１９を挿入し、その弁杆１９に球形弁１３
の側面の角形孔１５に挿入して連結した非円形突
片２１を設け、挿入孔から突出する弁杆１９の端
部に止水、通水何れの方向にも係合する歯車形の
操作片２２を設けると共に、挿入孔構成片１７の
挿入孔孔壁に向かつて突出するストツパピン２３
を設け、挿入孔構成片１７の挿入孔孔壁にストッ
パピン２３の約90゜の可逆回転を許容して嵌める
欠部１８を形成する。挿入孔構成片１７にはスト
ツパピン２３を押さえ内向きのリング２５を設
け、かつ操作片２２の周りに環溝２６を設けた挿
入許容筒２４を嵌めて固定し、該許容筒２４の環
溝２６内周面から中心方向に突出する係合片２７
を設ける。

３１は挿入許容筒２４にほぼ緊密に、かつ回転
自由に挿入でできる外径をもたせた回転子であつ
て、その先端に前記の弁杆１９の歯車形の操作片
２２に嵌まつて係合する内歯車形の連結部３２を
設けると共に該回転子３１の周面に前記の止水と
通水の各回転位相において、前記の係合片２７に
合致しかつ回転子３１の端縁で解放された軸方向
の平行溝３４，３５と、該回転子３１の可逆回転
方向で前記の係合片２７を通しかつ平行溝３４，
３５を連通する連絡溝３６からなるコ形の符合溝
３３を設ける。この回転子３１の連結部３２と反
対側の端部にハンドル３７を嵌めて固定する。

本実施例の盗水防止バルブ装置は、止水のとき
には符合溝３３の一方の平行溝３４を符合片２７
に合致させて挿入許容筒２４に嵌め、止水弁１３
を通水位置にしている弁杆１９の操作部２２に連
結部３２を押込む。そのときは第４図に示すよう
に係合片２７が一方の平行溝３４内で連絡溝３６
に臨む位置に相対的に進んでいるから係合片２７
が連絡溝３６内で他方の平行溝３５の方向に進む
ように回転子３１をハンドル３７により回転して
止水弁１３を止水位置にする。このときには第５
図のように係合片２７が他方の平行溝３５に合致
しているので、回転子３１を抜取ることができ
る。その抜取りのあとは挿入許容筒２４に樹脂製
キヤツプ、ねじ栓などを嵌めて係合片２７及び操
作部２２を保護する。

止水弁１３を通水位置に回転するには回転子３
１を前記と反対に操作する。

（考案の効果） 本考案は前記の実施例に説明したように、止水
弁１３を約90゜可逆回転して止水位置と通水位置
にした角度で、挿入許容筒２４の係合片２７に合
致して連結部３２を弁杆１９の操作部２２に嵌
め、さらに係合片２７に妨害されることなく止水
位置から通水位置に、若しくは通水位置から止水
位置に約90゜可逆回転できる符合溝３３を設け、
その使用後は挿入許容筒２４から徹去できる回転
子３１を専用にして止水弁１３の止水及び通水を
制御できるもので、符合溝３３がない同径の回転
子３１を使用しても、係合片２７により妨害され
て連結部３２を挿入できない。本考案は回転子３
１の挿入許容筒２４への挿し込み、抜き取りを、
用法に従つて簡単にすることができるので、回転
子３１の保管のための前記の抜き取りを習慣的に
行つて、止水弁１３を盗水防止の状態に保持する
ことが極く簡単になる等の効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施例を示し、第１図は中
心部縦断側面図、第２図は一部の一部切欠正面
図、第３図は一部の側面図、第４、５図は回転子
３１の符合溝３３と挿入許容筒２４の係合片２７
の関係を示した説明図である。 １→弁函、２２→流入口、３→流出口、４→区
劃壁、５→通水孔、１２→パツキン、１３→止水
弁、１９→弁杆、２２→操作部、２４→挿入許容
筒、２７→係合片、３１→回転子、３２→連結
部、３３→符合溝、３４，３５→平行溝、３６→
連絡溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 90゜前後の可逆回転により止水と通水の二位置
   への回転を制御される止水弁１３に連結した弁杆
   １９を弁函１の外部に突出し、前記弁杆１９の外
   周に止水、通水何れの方向にも係合する操作片２
   ２を設けると共に、該操作片２２を囲んだ挿入許
   容筒２４を弁函１に固定し、その挿入許容筒２４
   の内周壁２５ａから係合片２７を突出し、さらに
   前記の内周壁２５ａにほぼ接して前記操作片２２
   に自由回転不能に係合する回転子３１の周面に、
   前記の止水と通水の各回転位相において、前記の
   係合片２７に合致しかつ回転子３１の端縁で解放
   された軸方向の平行溝３４，３５と、該回転子３
   １の可逆回転方向で前記の係合片２７を通しかつ
   平行溝３４，３５を連通する連絡溝３６からなる
   コ形の符合溝３３を設けたことを特徴とする盗水
   防止バルブ装置。