JPH0331639Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のランプ収納型バンパの改良に
関するものである。

（従来技術） バンパは車両の前端と後端に取付けられ、衝突
時における衝撃を吸収し、ボデーを保護するため
のものである。しかし、近年のバンパの大型化及
びデザイン上の要請により、照明灯あるいは信号
灯などのランプをこれらのバンパに一体に取付け
た構造のものが多く用いられている。

第５図はこの構造の一例を示したものである。
すなわち、バンパ本体１に、ランプハウジング及
びランプハウジング２の前面開口部を覆うレンズ
３が、ビス４により一体に取付けられている。ラ
ンプハウジング２には孔２ａが設けられ、ランプ
５が取付けられると共に配線材６が引き出されて
いる。そして、ランプハウジング２の内面には反
射板７がかしめられて取り付けられている。この
反射板７を用いる代りに、ランプハウジング２の
内面をアルミ等で塗装したものもよく用いられて
いる。

しかし、このような構造のものは、バンパ本体
１とランプハウジング２とが別部材となつている
ことに起因して、部品点数が多くなり、そのため
取付け等の作業工数も多くなつてしまうという難
点を有していた。

また、バランスとランプハウジングを一体に成
形するものとして、実開昭55−25539に示す構造
のものが開示されているが、この構造においては
ランプハウジング内面に反射板を使用しておら
ず、ランプハウジング内面自体の色（一般にバン
パ色と同じ黒色）の反射では必要な光量を得られ
ないという問題があつた。

（考案の目的） 本考案は上述した事情に鑑みなされたものであ
り、その目的とするところは、ランプ及びその関
連部品のバンパへの取付けを容易にし、かつラン
プの機能を有効に発揮し得るランプ収納型バンパ
を提供することにある。

（考案の構成） 本考案は上記目的を達成するため、バンパ本体
の一部に凹部を一体に成形してランプハウジング
を形成し、該ランプハウジングの内部には該ラン
プハウジングを横に並んだ２室に区画する縦リブ
を設けると共に、該縦リブに小間隔の溝を形成
し、該溝に、前記２室に対応した複数個のランプ
を装着したランプ取付板を嵌合させ、該ランプ取
付板の前記リブより前方に突出させた部分を、前
記ランプハウジングの開口部を覆うように設けた
レンズの内側に形成した溝に嵌合させて挟持した
構成としたことを特徴とするものである。

かかる構成においては、ランプハウジングをバ
ンパ本体に取付ける工程が不要となり、また、ラ
ンプの取付作業をランプハウジング内で行う必要
はなく、予めランプを固定した取付板をランプハ
ウジングに装着してレンズで覆うことだけで、ラ
ンプの確実な取付けを行うことができる。そして
ランプの縦置きと横置きとを選択することができ
るから、設計の自由度が増す上に、これによる照
明度を適宜設定できることになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第１図乃至第４図に基
き説明する。第１図は第２図の−面に沿う部
分断面図、第３図は第１図の−面に沿う断面
図、第４図は第３図の−面に沿う断面図であ
る。

バンパ本体８には凹部が設けられ、この凹部が
バンパ本体８と一体のランプハウジング８ａを形
成している。ランプハウジング８ａの内部には、
階段状に折曲形成され、２個のランプ９，１０が
それぞれ異なる向きに固定された取付板１１が装
着されている。

この取付板１１が装着された状態を示すと、ま
ずランプ１０が固定された、取付板１１の平面部
１１ａが、ランプハウジング８ａ内部に一体に形
成された二つのリブ８ｂ，８ｃの間の空間部８ｄ
に置かれて、リブ８ｂ，８ｃにより挟持された状
態となつている。リブ８ｃには第４図に示すよう
に、リブ１０の固定位置に応じて切欠き８ｅが設
けられている。リブ８ｂの側にも、図示は省略し
たが、同様の切り欠きが取付板１１の形状に応じ
て設けられている。取付板１１の中間部１１ｂは
第３図に示すように、ランプハウジング８ａの内
部に一体に形成された取付座８ｆ，８ｆにより、
上下が挟持された状態となつている。ランプ９が
固定された取付板１１の端部１１ｃは、回り止め
のための突部１１ｄを有しており、端部１１ｃ及
び突部１１ｄは、これらの形状に対応して形成さ
れたランプ８ａ内の凹部に嵌着された状態となつ
ている。また、ランプ９，１０に接続された配線
材１２は、ランプ９の下方に設けられた孔８ｇよ
りランプハウジング８ａの外部へ引き出されてい
る。

このように取付板１１が装着されたランプハウ
ジング８ａの前面開口部は、レンズ１３により覆
われる。レンズ１３の略中央部には溝部１３ａが
設けられており、この溝部１３ａに取付板１１の
端部１１ｅが係着される。そして、レンズ１３の
両端はビス１４によりランプハウジング８ａの取
付座８ｈへ取付けられている（第１図、第４図参
照）。尚、レンズ１３のレンズ素子には光束を拡
散させるものではなく、光束を収束させるレンズ
素子が用いられている。

次に、上述のように構成された本実施例のラン
プ収納型バンパの組付を説明すると、まず取付板
１１に予め固定されたランプ９，１０及びランプ
９，１０に接続された配線材１２のうち、配線材
１２をランプハウジング８ａの前面開口部より孔
８ｇに通して外部へ引き出す。そして、取付板１
１をランプハウジング８ａの前面開口部よりさら
に奥へ進入させる。このとき、リブ８ｂ，８ｃに
は既述した切り欠きが設けられているため、中間
部１１ｂ及びランプ１０が、リブ８ｂ，８ｃにぶ
つかることなく、スムースに進入させることがで
きる。そして、取付板１１を、既述したような状
態にランプハウジング８ａ内部に装着したあと、
端部１１ｅに溝部１３ａを係着させて、レンズ１
３をビス１４により取付座８ｈに取付ければよ
い。

このようにランプハウジング８ａ内に装着さ
れ、レンズ１３の溝部１３ａに係着された取付板
１１は、ビス等のネジ部材を用いていないにもか
かわらず、前後左右及び上下のいずれの方向にも
動くことなく確実に保持されている。

本実施例のバンパにおいては、ランプハウジン
グ８ａの内面に反射板が取付けられていないが、
これを補うものとして、レンズ１３のレンズ素子
として、光束を収束させるレンズ素子を用いてい
る。すなわち、レンズ１３にこのようなレンズ素
子を用いることにより、視認位置で必要とされる
光量を確保することができるのである。

また、本バンパにおいては取付板１１の平面部
１１ａにより、ランプハウジング８ａ内が仕切ら
れて二つの室が形成されるため、２種類の異なる
信号を送ることが可能である。

さらに、ランプハウジング８ａ内にリブ８ｂ，
８ｃが設けられたことにより、バンパ本体８自体
も相対的に強度が向上したものとなつている。

（考案の効果） 本考案は上述のように構成されたものであり、
次のような効果を有する。

ランプ取付板がランプハウジングの溝とレン
ズの溝の両方に嵌合して位置決めすることがで
きるので、ランプとレンズの相対位置の向上が
図れ、光ビームの方向性が容易に得られること
になる。

２種のランプを収納する大きな開口部を設け
るが、２室に区画する縦リブをランプ支持のた
めに設けたので、バンパの強度が低下しない。

ランプの縦置きと横置きとを選択することが
できるので、設計の自由度が向上する。これに
よりランプのワツト数を同一にしても、縦置き
の場合のレンズに近くできて明るいのと、横置
きのレンンズから遠ざかつて暗いのとを、適宜
選択することができることになる。

ランプ交換時にはレンズを外せば簡単に取付
板を抜き出すことができるので、ランプハウジ
ング外で容易にランプ交換作業を行うことがで
きる。

部品点数が減少するので、組付をけの作業工
数を短縮させることができ、またコストダウン
を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る実施例のバンパの要部を
示したもので、第２図の−線に沿う部分断面
図、第２図は本考案に係る実施例のバンパの斜視
図、第３図は第１図の−線に沿う断面図、第
４図は第３図の−線に沿う断面図、第５図は
従来のバンパの要部を示した部分断面図である。 ８……バンパ本体、８ａ……ランプハウジン
グ、９……ランプ、１０……ランプ、１１……取
付板、１３……レンズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バンパ本体の一部に凹部を一体に成形してラン
   プハウジングを形成し、該ランプハウジングの内
   部には該ランプハウジングを横に並んだ２室に区
   画する縦リブを設けると共に、該縦リブに小間隔
   の溝を形成し、該溝に、前記２室に対応した複数
   個のランプを装着したランプ取付板を嵌合させ、
   該ランプ取付板の前記リブより前方に突出させた
   部分を、前記ランプハウジングの開口部を覆うよ
   うに設けたレンズの内側に形成した溝に嵌合させ
   て挟持したことを特徴とするランプ収納型バン
   パ。