JPH0331126B2

JPH0331126B2 -

Info

Publication number: JPH0331126B2
Application number: JP58104944A
Authority: JP
Inventors: Nobuya Asahioka
Original assignee: Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Current assignee: Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date: 1983-06-14
Filing date: 1983-06-14
Publication date: 1991-05-02
Also published as: JPS59230022A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は厚さむらの少ないポリエステル二軸延
伸中空成形体に関する。更に詳しくはテレフタル
酸を含む分岐ポリエステルからなる二軸延伸中空
成形体に関する。ポリエチレンテレフタレート樹脂（以下、
PETと呼ぶ場合がある）の二軸延伸成形品は、
機械的強度、剛性、耐熱性、耐薬品性、耐油性、
軽量性、透明性等の優れた性質を活かして、フイ
ルム、シートあるいは容器等の包装材料として広
く用いられている。しかしながらPETを主体とした二軸延伸中空
成形体にも欠点がないわけではなく、例えば充分
な熱固定ができないこと、耐ガス透過性が充分で
ないこと、あるいは底部に比べ胴部の厚さがかな
り薄くなること等の欠点を有している。中でも厚
さむらと耐ガス透過性の不充分さは、PET本来
の材質に基因するものであり、成形加工により解
決することは困難であつた。 PETの二軸延伸中空成形体の耐ガス透過性あ
るいは機械的強度等は通常最も厚さが薄い胴部の
厚さに依存するので、耐ガス透過性や機械的強度
を改善するために胴部の厚さを増す、すなわちよ
り厚い予備中空成形体を用いることになり、結果
として得られる二軸延伸中空成形体の重量（目
付）が重くなり、ポリエステル樹脂本来の特徴で
ある軽量性が損われる虞れがあつた。そのこと
は、ガス透過性を改良するために、共重合に用い
るテレフタル酸の一部をイソフタル酸に代えた共
重合ポリエステル樹脂において、特に胴部の厚さ
が薄くなる傾向が大きく、耐ガス透過性と目付の
バランスがとれた二軸延伸中空成形体が得難かつ
た。一方、ポリエステルの製造方法において、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の
多官能性ヒドロキシ化合物を共重合させて分岐ポ
リエステルを製造し、該ポリエステルを押出中空
成形に用いることは、例えば特開昭53−94596号
公報、特開昭54−137095号公報、特開昭55−
92730号公報等に記載されている。しかしながら
これらの技術はポリエステルを溶融押出し、次い
で未だ溶融状態（融点以上）にあるパリソンを金
型で挟み、該パリソン内に加圧ガスを吹込んで金
型内面に密着させて中空容器となす、所謂中空成
形に関するものであり、得られた容器は全く延伸
も配向もなされておらず、二軸延伸中空成形方
法、すなわち射出成形あるいは押出成形により成
形された予備中空成形体を融点未満の温度で縦及
び横方向に延伸して中空成形体を製造することに
関しては全く開示されていないのである。本発明者は、かかる状況に鑑み、厚さむらの少
ないポリエステル二軸延伸中空成形体を得るべく
種々検討した結果、テレフタル酸、イソフタル酸
及びエチレングリコールとからなるポリエステル
に少なくとも３つのヒドロキシ基を有する多官能
性ヒドロキシ化合物を特定量共重合させた分岐ポ
リエステルを用いると、厚さむらの少ないポリエ
ステル二軸延伸中空成形体が得られることが分か
り、本発明を完成するに至つた。すなわち本発明は、ポリエステル二軸延伸中空
成形体において、該ポリエステルが、ジカルボン
酸成分単位に対してテレフタル酸：80ないし95モ
ル％とイソフタル酸：20ないし５モル％とからな
るジカルボン酸成分(A)、エチレングリコールを主
成分とするグリコール成分(B)、及びジカルボン酸
成分(A)単位100モル部に対して少なくとも３つの
ヒドロキシ基を有する多官能性ヒドロキシ化合物
(C)：0.05ないし1.0モル部とから構成される分岐
ポリエステルであることを特徴とする厚さむらの
少ないポリエステル二軸延伸中空成形体を提供す
るものである。本発明に用いる分岐ポリエステルを構成するジ
カルボン酸成分(A)は、ジカルボン酸成分単位に対
して、テレフタル酸：80ないし95モル％、好まし
くは85ないし90モル％とイソフタル酸：20ないし
５モル％、好ましくは15ないし10モル％とからな
る。イソフタル酸が20モル％を越えると非晶性樹
脂となり二軸延伸中空成形が不可能となる、また
５モル％未満では、耐ガス透過性に優れた二軸延
伸中空成形体は得られない。また前記ジカルボン
酸成分(A)は、本発明の目的を損わない範囲で、少
量の他のジカルボン酸成分、具体的には、例えば
ジフエニルエーテル−４，4′−ジカルボン酸、ナ
フタリン−１，４または２，６−ジカルボン酸等
の芳香族ジカルボン酸、シユウ酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸等
の脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸等の脂環族ジカルボン酸等を含んでいてもよ
い。本発明に用いる分岐ポリエステルを構成するグ
リコール成分(B)は、エチレングリコールを主成
分、通常全グリコール成分単位に対して80ないし
100モル％、好ましくは90ないし100モル％とする
ものである。残余のグリコール成分としては、プ
ロピレングリコール、１，４−ブタンジオール、
ジエチレングリコール等の直鎖状脂肪族グリコー
ル、あるいはビス・フエノールＡ等の芳香族ジヒ
ドロキシ化合物等が挙げられるが、ネオペンチル
グリコール等の分岐状脂肪族グリコールあるいは
シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコー
ルは耐ガス透過性を低下させるので好ましくな
い。本発明に用いる分岐ポリエステルを構成する多
官能性ヒドロキシ化合物(C)は、少なくとも３つの
ヒドロキシ基を有する化合物であり、具体的に
は、例えばトリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールヘキサン、グリセリ
ン、ソルビトール、１，２，６−ヘキサントリオ
ール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。こ
れらの中ではトリメチロールプロパン及びグリセ
リンが好ましい。該多官能性ヒドロキシ化合物(C)
分岐ポリエステルに占める量は、ジカルボン酸成
分(A)単位100モル部に対して0.05ないし1.0モル
部、好ましくは0.1ないし0.5モル部の範囲であ
る。0.05モル部未満では、厚さむらの改良効果が
少なく、1.0モル部を越えるとポリエステルがゲ
ル化して、溶解しなくなり、二軸延伸中空成形す
る前の予備中空成形体の成形ができなくなつた
り、中空成形体の収縮が著しく大きくなるので好
ましくない。本発明に用いる分岐ポリエステルは通常フエノ
ール／テトラクロルエタン＝1/1重量比溶媒中、
25℃で測定した極限粘度〔η〕が0.6ないし
1.5dl／ｇ、好ましくは0.8ないし1.2dl／ｇの範囲
である。本発明に用いる分岐ポリエステルは、ポリエチ
レンテレフタレートの製造に使用されている従来
から公知の重縮合の方法に準じて製造することが
できる。本発明に用いる分岐ポリエステルには、本発明
の目的を損わない範囲で耐熱安定剤、耐候安定
剤、滑剤、核剤、顔料、染料、無機あるいは有機
充填剤を添加しておいてもよい。本発明のポリエステル二軸延伸中空成形体は前
記分岐ポリエステルからなる。該中空成形体は、
通常縦方向に２ないし３倍、好ましくは2.3ない
し2.8倍、横方向に３ないし５倍、好ましくは3.5
ないし4.5倍に延伸されてなる。また厚さは用途
に応じて種々決定されるべきであるが、通常中空
体胴部で200ないし800μ、好ましくは400ないし
600μの範囲内にあるのが実用的である。また延
伸の際に胴部密度が1.35ｇ／cm³以上になるように
延伸すると、剛性に優れた中空成形体となるので
好ましい。本発明のポリエステル二軸延伸中空成形体は、
従来のPETの二軸延伸中空成形方法に準じて製
造することができる。すなわち、通常の射出成形
機により成形された予備中空成形体（パリソン）
あるいは押出成形機により成形されたパイプの一
端を有底化して得られたパリソンを分岐ポリエス
テルの延伸温度である110ないし150℃（分岐ポリ
エステルの融点は約230ないし255℃）で中空成形
金型内で軸方向に移動するロツドと、加圧気体の
吹込み圧力により、縦方向に1.5ないし2.5倍及び
横方向に２ないし５倍に延伸する方法が例示でき
る。また成形方法としてはコールドパリソンによ
る２ステージ方式、或いはホツトパリソン方式の
いずれでもよいが、コールドパリソンによる方法
が延伸温度をより正確に制御することができるの
で好ましい。本発明のポリエステル二軸延伸中空成形体は、
前記分岐ポリエステルから構成されるが、再に耐
ガス透過性、印刷性、紫外線カツトを改良する目
的で、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体鹸化物等を積層してもよい。本発明のポリエステル二軸延伸中空成形体は、
従来のポリエチレンテレフタレートからなる直鎖
ポリエステルからなる成形体に比べ、厚さむらが
少ないので、更に軽量化が計れ、とくにイソフタ
レートを共重合させた分岐ポリエステルは軽量で
衝撃性が良好で且つ耐ガス透過性に優れているの
で、ビール容器、炭酸飲料容器等に特に好適であ
る。次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明
する。実施例１テレフタル酸（以下、TAと略す）：90モル％、
イソフタル酸（以下、IAと略す）：10モル％、エ
チレングリコール（以下、EGと略す）：100モル
％及びグリセリン（以下、GCと略す）：0.3モル
部の割合で共重合させてなる〔η〕：1.05dl／ｇ
の分岐ポリエステルを150℃の温度で４時間乾燥
し、胴部肉厚：４mm、重量：45ｇのプリフオーム
を射出成形機（各機製作所製：ダイナメルタ
M100DM）を用いて成形し、PET延伸ブロー成
形機（コーポプラスト社製）により、前記プリフ
オームを120〜130℃に加熱し、縦方向に2.5倍、
横方向に４倍延伸し、１の二軸延伸中空成形瓶
を得た。次いで得られた成形瓶にドライアイスを
23℃で内圧５Kg／cm²になるように封入後、該成形
瓶を23℃で放置し、経時の重量変化より、CO₂透
過係数を算出したところ、0.63c.c.／day・atmで
あつた。実施例２、３実施例１で用いた分岐ポリエステルの代わりに
GCをトリメチロールプロパン（以下TMPと略
す）に代えた分岐ポリエステル（〔η〕：1.07dl／
ｇ）、及びGCの量を0.2モル部とした分岐ポリエ
ステル（〔η〕：1.04dl／ｇ）を用いる以外は実施
例１と同様に行つた。結果を第１表に示す。比較例１〜４ TA、IA及びGCを第１表の如く代えたポリエ
ステルを用いる以外は実施例１と同様に行つた。
結果を第１表に示す。尚各々の〔η〕は、比較例
１：1.01dl／ｇ、比較例２：1.04dl／ｇ、比較例
３：1.07dl／ｇ及び比較例４：1.09dl／ｇであつ
た。比較例５実施例１で用いた分岐ポリエステルを用いて、
通常の中空成形方法、すなわち40mmφ押出機より
溶融状態の1.6mm厚の円形パリソンを押出し、次
いで金型で型締し、吹込み成形することにより、
無延伸の１中空成形瓶を得た。該成形瓶の評価
結果を第１表に示す。比較例６、７ EGの１部をシクロヘキサンジメタノール（以
下CHDMと略す）及びネオペンチルグリコール
（以下NPGと略す）に代える以外は実施例１と同
様に行つた。結果を第１表に示す。尚、各々の
〔η〕は比較例６：1.10dl／ｇ及び比較例７：
1.07dl／ｇであつた。【表】

Claims

【特許請求の範囲】

１ポリエステル二軸延伸中空成形体において、
該ポリエステルが、ジカルボン酸成分単位に対し
てテレフタル酸：80ないし95モル％とイソフタル
酸：20ないし５モル％とからなるジカルボン酸成
分(A)、エチレングリコールを主成分とするグリコ
ール成分(B)、及びジカルボン酸成分(A)単位100モ
ル部に対して少なくとも３つのヒドロキシ基を有
する多官能性ヒドロキシ化合物(C)：0.05ないし
1.0モル部とから構成される分岐ポリエステルで
あることを特徴とするポリエステル二軸延伸中空
成形体。