JPH0330684B2 - - Google Patents

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JPH0330684B2
JPH0330684B2 JP26843685A JP26843685A JPH0330684B2 JP H0330684 B2 JPH0330684 B2 JP H0330684B2 JP 26843685 A JP26843685 A JP 26843685A JP 26843685 A JP26843685 A JP 26843685A JP H0330684 B2 JPH0330684 B2 JP H0330684B2
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JP
Japan
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scroll
side plate
oscillating
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oscillating scroll
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Tsutomu Inaba
Masahiro Sugihara
Tadashi Kimura
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、空気圧縮機、冷媒圧縮機あるいは
膨張機として利用するスクロール流体機械に関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来のスクロール流体機械の原理、具体的な構
成、動作を第7図、第8図、第9図、第10図、
第11図、第12図により説明する。
第7図は、スクロール流体機械の原理を示して
おり、1は固定スクロール、2は揺動スクロー
ル、5は固定スクロール1と揺動スクロール2と
の間隙からなる圧縮室、6は吸入室、8aは最内
周に形成された吐出室である。またOは固定スク
ロール1の中心である。固定スクロール1および
揺動スクロール2はインボリユートあるいは円弧
などを組合せた同一形状の渦巻であり、互いに
180゜ずらして組合せて圧縮室5が形成される。こ
のような状態で第7図a,b,c,dに示すよう
に揺動スクロール2のみを、その姿勢を角度的に
一定に保ちながら、すなわち自転運動をせずに固
定スクロール1の中心Oの回りを回転運動する揺
動運動をする。このような揺動運動に伴い、圧縮
室5は順次その容積を減じ、吸入室6から取込ま
れた気体は固定スクロール1の中央部の吐出室8
aから吐出される。
第8図は、特開昭59−108981号公報に示されて
いる従来のスクロール圧縮機であり、スクロール
圧縮機を例えば冷凍または空気調和用の冷媒圧縮
機あるいは空気圧縮機に応用しようとする場合の
具体的な実施例であつて、フロンなどのガス体の
圧縮機として構成したものである。第8図におい
て、1は固定スクロール、1aは固定スクロール
1の端板であつて、後述するシエルの一部を兼ね
ている。2は揺動スクロール、3は揺動スクロー
ル2の端板、4は揺動スクロール2の端板3の背
面に突設した揺動スクロール軸、5は圧縮室、6
は圧縮室5の吸入室、7は吸入孔、8は吐出孔、
8aは吐出室、9は揺動スクロール2の端板3背
面を支承するスラスト軸受、10は固定スクロー
ル1とボルトなどで固定された軸受支え、11は
揺動スクロール2の自転を防止しこれを揺動させ
るための自動防止機構であるオルダム継手、12
は揺動スクロール2の端板3と軸受支え10の間
に形成されたオルダム室、13は軸受支え10に
あけられてオルダム室12と後述する電動機室を
連絡する返油孔、14は揺動スクロール2を駆動
させる主軸、15は主軸14内に偏心してあけら
れた油孔、16は主軸14に偏心して設けられた
揺動スクロール軸4と嵌合する揺動軸受、17は
主軸14上部と嵌合する主軸受、18は主軸14
下部と嵌合する電動機側軸受、19は電動機ステ
ータ、20は電動機ロータ、21は電動機ロータ
20上部の主軸14に固定された第1バランサ、
22は電動機ロータ20の下端に固定された第2
バランサ、23は固定スクロール1、軸受支え1
0、電動機ステータ19、および電動機側軸受1
8を固定して圧縮機全体を密封するシエル、24
はシエル23底部の油溜に貯溜された油、25は
電動機ステータ19および電動機ロータ20など
を収容した電動機室である。
このように構成されたスクロール圧縮機の動作
を説明する。電動機ステータ19に通電すると、
電動機ロータ20はトルクを発生して主軸14と
共に回転する。主軸14が回転を始めると、主軸
14に偏心して設けた揺動軸受16に嵌合されて
いる揺動スクロール軸4に回転力が伝えられ、揺
動スクロール2はオルダム継手11にガイドされ
て揺動運動を行い、第7図a,b,c,dに示す
上述したような圧縮作用を行う。
気体は、吸入孔7から揺動スクロール2外周部
の吸入室6に吸入されて圧縮室5内に取込まれ、
主軸14の回転と共に順次内側に送込まれて、固
定スクロール1の中央部に設けた吐出孔8から吐
出される。なお、主軸14の回転に伴う揺動スク
ロール2の揺動運動は圧縮機全体に不釣合力によ
る振動を引起そうとするが、第1バランサ21と
第2バランサ22で静的および動的に主軸14回
りの釣合をとることができ、異常な振動を生ずる
ことなく、圧縮機を運転できる。
また、第9図は第8図の部分詳細図でる。第9
図aはガス圧縮が行われず揺動スクロール軸4が
揺動スクロール2とこれの端板3などの遠心力の
みにより揺動軸受16方向へ押付けられた状態の
揺動スクロール軸4、主軸14および渦巻の一部
の軸方向断面図であり、第9図bは第9図aの部
分横断面図である。これらの図において、O1
主軸受17の軸心、O2は主軸14の軸心、O3
揺動軸受16の軸心、O4は揺動スクロール4の
軸心、FCは揺動スクロール2と台板3などの遠
心力、rは揺動軸受16の主軸14に対する偏心
量、d1は揺動軸受16の軸受隙間、d2は主軸受1
7の軸受隙間、Bは固定スクロール1の渦巻間の
溝幅、Dは揺動スクロール2の実際の揺動幅、t
は揺動スクロール2の渦巻の板厚、c及びc1は固
定スクロール1および揺動スクロール2の渦巻間
に形成される半径方向隙間であり、一般には、c
=c1である。
そして、上述のような従来のスクロール圧縮機
では、揺動スクロール2の実際の揺動幅Dは次の
ようになる。
D=2(r+d1/2+d1/2)+t =2r+t+d1+d2 ……(1) したがつて、固定スクロール1と揺動スクロール
2の渦巻間の半径方向隙間Cは、 C=(B−D)/2 ={B−(2r+t+d1+d2)}/2 ={(B-2r-t)−(d1+d2)}/2 ……(2) となる。従来のスクロール圧縮機では、上記2式
の(B−2r−t)が(d1+d2)より大きくなるよ
うに設定しており、このため、固定スクロール1
と揺動スクロール2の渦巻間には常に半径方向隙
間Cが形成されている。しかも、第10図に示す
ように、一般的な運転状態では、揺動スクロール
軸4に対して遠心力FCの他にこれと直角方向の
ガス圧縮負荷Fgが作用するために、これらの合
力Fは第10図に示す方向に作用することにな
り、揺動スクロール軸4は合力Fの方向へ押付け
られる。したがつて、このような状態での固定ス
クロール1と揺動スクロール2の渦巻間の半径方
向隙間C′は遠心力FCのみが作用する場合の半径
方向隙間Cよりさらに大きくなる。このように、
渦巻間の半径方向隙間CあるいはC′が存在する
と、スクロール圧縮機の運転中に固定スクロール
1と揺動スクロール2の渦巻の接触は起り得ず、
したがつて渦巻の側面が摩耗するという問題はな
いが、圧縮室5の半径方向隙間のシールを行いに
くく、上記半径方向隙間CあるいはC′を通じて圧
縮室5のガスが吸入側へ漏れてしまうことが多か
つた。圧縮室5内部のガスが下流側へ漏れると、
最終的に吐出孔8から吐出されるガス量が減少し
て体積効率が低下し、かつ漏れたガスを再度圧縮
することになり、電動機の入力が増加し、成績係
数が低下するという欠点があつた。
また、特開昭59−162383号公報には上述の欠点
を解消するために第11図a,bに示すように主
軸14に設けられた偏心抗に、所定量だけ偏心し
た揺動軸受を有する偏心ブツシユを嵌入し、この
揺動軸受と揺動スクロール軸を嵌入させることに
より、揺動スクロール2の実際の揺動幅Dが自在
に変化できるようにし、圧縮室5の半径隙間を0
とする手段も示されている。以下、この手段につ
いて第11図a、第11図bおよび第12図a、
第12図bにより簡単に説明する。第11図は、
主軸14の偏心孔16aに、偏心ブツシユ26が
回転自在に嵌入され、さらに偏心ブツシユ26に
偏心量eをもつて設けられた揺動軸受16bに、
揺動スクロール軸4が回転自在に嵌入された状態
を示したものであり、第11図aは上方向からみ
た断面図、第11図bは側面からみた断面図であ
る。第12図は、このような手段の動作を示した
ものである。第12図aは、固定スクロール1の
側板が加工や組立のばらつきにより比較的中心寄
りに位置している部分で、揺動スクロール2も中
心寄りに押された形となり、偏心ブツシユ26は
左回りに回転し、揺動半径Rは小さくなつている
状態を示している。また第12図bは、逆に固定
スクロール1の側板が比較的外寄りに位置してい
る部分で、揺動スクロール2は自らに作用してい
る力Fにより偏心ブツシユ26を右回りに回転さ
せ、固定スクロールと半径方向、接触を保つてい
る状態を示している。このように偏心ブツシユを
用いることにより、常に圧縮室の半径方向シール
を行うことが可能である。しかしながら実際には
偏心ブツシユ26には揺動スクロール4から力F
が作用しているため、偏心ブツシユ26の外周と
偏心孔との間には摩擦力(図示せず)が存在し、
このため偏心ブツシユの外周のすべりに対し摩擦
抵抗が働くことになり、偏心ブツシユの回転を阻
止する方向に作用する。したがつて、もし偏心ブ
ツシユ26の外周と偏心孔16a,16との摩擦
係数がそれらの材料、仕上精度、給油状態などに
より過大となれば偏心ブツシユは自由に回転せ
ず、この結果固定スクロール側板と揺動スクロー
ル側板は接触しない状態で運転され、圧縮室5の
半径方向シールが達成できないため、前述のよう
に成績係数が低下するという問題が起こる恐れが
あつた。また、もし上記の摩擦係数が大きくなく
固定スクロール側板と揺動スクロール側板が接触
して圧縮機が運転される場合、固定スクロール側
板と揺動スクロール側板の間には図に示すような
力F′による回転モーメント(図示せず)により接
触荷重FSが作用することになる。接触荷重FSは揺
動スクロール側板が固定スクロール側板に対して
行うすべり運動の抵抗力となり、この抵抗力は圧
縮機運転時に余分な入力を消費させることになる
ため、いわゆる成績係数がいくらか低下するとい
う問題が発生する。
以上のような特開昭59−162383号公報に示す偏
心ブツシユの問題点のうち前述の第1の問題を解
決できる手段を、特公昭57−49721号、特公昭58
−28433号及び特開昭56−129791号の各公報は示
している。特公昭57−49721号公報には揺動スク
ロールに所定の隙間をもつて主軸のピンを係止し
て駆動する手段と、駆動部に従動リンク機構を備
えた手段とが示されており、いずれの手段も固定
スクロール側板に対する揺動スクロール側板の接
触力を制御することを目的としたものである。こ
れらの手段はいずれも特開昭59−162383号公報の
第1の問題点は解決できるものであるが、第2の
問題点は解決されていない。すなわち、揺動スク
ロール側板と固定スクロール側板との接触力は緩
和されてはいるが、接触力を0とする手段ではな
い。したがつていくらかの接触力により揺動スク
ロールの運動は抵抗力を受けることになり、圧縮
機の成績係数を低下させるとになる。また特公昭
58−28433号公報および特開昭56−129791号公報
も構造的に類似している。つまりクランク軸に立
てられたピボツトピンに係止された揺動リンクを
備え、揺動リンクの一端に設けられたブツシング
あるいはピンに揺動スクロールを嵌入するように
構成されており、これらも特開昭59−162383号公
報の第1の問題点を解決できるものである。しか
し、揺動スクロール側板と固定スクロール側板と
の接触力をやはり発生させる手段であり、圧縮機
の成績係数は低下する結果となる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上述べたように、従来のスクロール圧縮機で
は、圧縮室の半径方向隙間のシールを行いにく
く、体積効率の低下および成績係数の低下などの
問題があつた。また、半径方向のシールを行うた
めに指示されている偏心ブツシユを使用する従来
の圧縮機では、偏心ブツシユ外周の摩擦のために
安定したシールを得ることは困難であり、やはり
体積効率の低下および成績係数の低下という問題
があつた。さらに、その他の半径方向シールを行
うように構成された従来のスクロール圧縮機で
も、揺動スクロール側板と固定スクロール側板と
の摩擦抵抗のために成績係数が低下するという問
題があつた。
この発明は、上記の欠点に鑑み、圧縮室の半径
方向隙間のシールを達成しながら、同時に揺動ス
クロール側板と固定スクロール側板との間の摩擦
抵抗をなくして体積効率および成績係数の良いス
クロール圧縮機のようなスクロール流体機械を提
供することを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明は上記のような問題点を解消するため
に、主軸と揺動スクロールの一方に設けた偏心孔
のような凹部に同心円筒状のブツシユを圧入し、
主軸と揺動スクロールの他方に設けた揺動スクロ
ール軸のような凸部に嵌入させ、運転中に揺動ス
クロール側板と固定スクロール側板との隙間がほ
ぼゼロとなり、同時に固定スクロール側板に対し
揺動スクロール側板が押付力を発生しないよう
に、上記主軸の偏心孔のような駆動部の偏心量を
設定したものである。
〔作用〕
この発明におけるスクロール流体機械は上述の
ように構成したので、圧縮室の半径方向隙間がほ
ぼゼロとなり、半径方向シールが達成され、同時
に固定スクロール側板と揺動スクロール側板の間
の摩擦抵抗もほぼ0となり、余分な入力増加がな
い。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例を第1図a,b、第
2図、第3図、第4図、第5図及び第6図により
説明する。
第1図において、16aはクランク軸14に所
定量だけ偏心して設けられた偏心孔、27は偏心
孔16aに嵌入されたいわゆる軸受材でできた円
筒状のブツシユ、16bはブツシユ27の内周面
に相当する揺動軸受、d1はブツシユ27の内周と
揺動スクロール軸4との隙間、O1は主軸の軸心、
O4は揺動スクロール軸4の軸心、O16は偏心孔1
6aの中心、Rは偏心孔16aの軸心O1に対す
る偏心量、R′はO1とO4の距離すなわち揺動スク
ロール軸の揺動半径である。その他の符号は第1
1図もしくは第12図と同一部分であるため説明
は省略する。また第1図a,bにおいて主軸受1
7と主軸14の間には軸受隙間が存在するが、と
くに必要ないので図示は省略する。
以上のように構成されたスクロール圧縮機にお
いては、偏心孔16aの偏心量Rは、圧縮機運転
中において揺動スクロール側板と固定スクロール
側板との半径方向隙間C′が0となるように、同時
に互いに接触力を発生しないような偏心量に設定
してある。このことによる効果を第2図、第3
図、第4図、第5図および第6図により以下説明
する。
第2図、第3図、第4図において1は固定スク
ロール(側板)、2は揺動スクロール(側板)、F
は第10図に示したものと同じで揺動スクロール
2に作用する遠心力と同じく揺動スクロール2に
作用するガス負荷との合力、Mは合力Fによりブ
ツシユ27が偏心孔16a内周に押付けられる接
点である。その他の符号は第1図と同じである。
第2図は、偏心量Rが小さい値R1の場合で、接
点Mは合力Fの作用線上にあり、固定スクロール
側板と揺動スクロール側板との間には半径方向隙
間C′が存在している。この場合、合力Fはすべて
接点Mにおいて主軸に作用している。
第3図はこの発明の意図するものであり、偏心
量Rが適切な値R2の場合で、接点Mはやはり合
力Fの作用線上にあるが、半径方向隙間C′は0に
なるように設定されている。この場合も、合力F
はすべて接点Mにおいて主軸に作用し、固定スク
ロール側板と揺動スクロール側板との間には接触
力は発生していない。第4図は、偏心量Rがさら
に大きい値R3となつた場合で、接点Mは合力F
の作用線から外れ、半径方向隙間C′は0つまり固
定スクロール側板と揺動スクロール側板は接触し
ている。この場合、揺動スクロールからの合力F
は、主軸に作用する合力Fbと固定スクロール側
板に作用する分力FSに分けられる。このFbが固
定スクロール側板と揺動スクロール側板との接触
力となつている。
以上のように偏心量Rの大小によつて隙間C′と
接触力FSが変化する様子を第5図により示す。第
5図に示すように、偏心量RがR2より小さい場
合、接触力Fbは0となるが半径方向隙間C′は増
加していく。したがつて、固定スクロール側板と
揺動スクロール側板の接触によつる抵抗力のため
の圧縮機入力増加はないが、圧縮室5の半径方向
隙間が増大するため漏れが発生し、再圧縮などに
よる圧縮機入力の増加を招くことになる。これは
Rが小さくなるほど大きくなる。また、偏心量R
がR2より大きい場合、半径方向隙間C′は0とな
るが、接触力FSは増加していく。したがつて圧縮
室5の半径方向の漏れによる圧縮機入力の増加は
ないが、固定スクロール側板と揺動スクロール側
板の接触による抵抗力のため圧縮機入力が増加す
ることになる。これはRが大きくなるほど著し
い。以上のような特性から圧縮機の成績係数
(COP)は第6図に示すような傾向を示すことに
なり、偏心量RはR2において最大となり、R2
り小さくても大きくても成績係数は減少すること
になる。
以上のように偏心量をRをR2に設定すること
により、すなわち固定スクロール側板と揺動スク
ロール側板との半径方向隙間が0となるように、
同時に互いの接触力も0となるように設定するこ
とにより、圧縮機の性能(成績係数)を最大とす
ることができる。もちろん、現実の圧縮機におい
ては、上記のような理想的な偏心量に設定するこ
とは不可能である。これはスクロール側板の加工
精度にいくらかばらつきがあつたり、また組立時
にばらつきを生じたりするためである。しかし、
これらのばらつきは、工作的に十分な管理をする
ことによつて、ブツシユ27と揺動スクロール軸
4との隙間d1により第3図の接点Mの位置が合力
Fの作用線から大きく外れないようにすることが
できるので、スクロール側板の接触が問題となる
ほど増大することはない。また、スクロール側板
間の半径方向隙間も、加工精度のばらつき分だけ
増加する可能性があるが、これは従来例について
も同様であり、性能的にも問題にならない程度で
ある。したがつて、現実のスクロール圧縮機にお
いては成績係数が第6図の最大点のごく近くにな
る。
さらに、この発明の実施例のものは、スクロー
ル側板間の接触力が0近くになるため、従来のス
クロール側板間に接触力を発生させる形式のもの
に比べて、運転時の騒音が小さいという効果があ
る。
なお、この発明において、揺動スクロールの被
駆動部は、上部実施例では揺動スクロール軸とし
たが、揺動スクロールの端板背面に設けたボスの
凹部にブツシユを圧入し、このブツシユに主軸に
突出させた偏心ピンのような凸部を回転自在に嵌
入させるようにしても、実施例のものと同様な効
果が得られる。
また、この発明は、スクロール圧縮機以外の膨
張機、流体ポンプなどのスクロール流体機械に適
用できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明は、主軸に設け
た偏心孔、揺動スクロールに設けたボスのような
凹部に円筒部に円筒状のブツシユを嵌入させ、こ
のブツシユの内周に揺動スクロールの揺動スクロ
ール、主軸の偏心ピンのような凸部を回転自在に
嵌入させたスクロール流体機械において、固定ス
クロール側板と揺動スクロール側板との隙間がほ
ぼゼロとなり、かつ互いの側板間の接触力がゼロ
となるように偏心孔、偏心ピンのような偏心駆動
部の偏心量Rを設定することにより、高性能で騒
音も低く、また信頼性の高い圧縮機を提供できる
という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの本発明の一実施例を示す部分断面
図である。第2図、第3図、第4図はこの本発明
の効果を説明するための部分断面図である。第5
図および第6図も同じくこの本発明の効果を説明
するための図である。第7図はスクロール圧縮機
の原理図、第8図はスクロール圧縮機の全体構造
を示す断面図、第9図、第10図、第11図およ
び第12図は従来の圧縮機の要点を示す部分断面
図である。 図中、1は固定スクロール、2は揺動スクロー
ル、3は端板、4は揺動スクロール軸(凸部)、
5は圧縮室、10は軸受支え、11はオルダム継
手(自動防止機構)、14は主軸、16aは偏心
孔(凹部)、17は主軸受、27はブツシユであ
る。なお、図中同一符号は同一または相当部分を
示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 インボリユートなどの渦巻状の側板を端板面
    に突設して構成され、上記側板を互いに組合わせ
    ることにより圧縮室を構成する固定スクロールお
    よび揺動スクロールと、この揺動スクロールの側
    板と反対側に設けられた揺動スクロール軸または
    揺動スクロールボスのような被駆動部を所定量だ
    け偏心して設けられた偏心孔または偏心ピンのよ
    うな駆動部により支承し、上記揺動スクロールを
    揺動運動させる主軸と、この主軸を主軸受を介し
    て支承する軸受支えと、上記揺動スクロールを上
    記被駆動部の軸回りに自転することを阻止して主
    軸回りに公転させる自転防止機構とを備え、上記
    駆動部と被駆動部の一方に設けた凹部に円筒状の
    ブツシユを嵌入させ、このブツシユに駆動部と被
    駆動部の他方に設けた凸部を回転自在に嵌入させ
    たスクロール流体機械において、この流体機械が
    運転されている状態で、上記揺動スクロールの側
    板と固定スクロールの側板との隙間がほぼゼロと
    なり、同時に固定スクロールの側板に対して揺動
    スクロールの側板が押付力を発生しないように、
    上記主軸の駆動部の偏心量を設定したことを特徴
    とするスクロール流体機械。
JP26843685A 1985-05-16 1985-11-27 スクロ−ル流体機械 Granted JPS62126206A (ja)

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JP26843685A JPS62126206A (ja) 1985-11-27 1985-11-27 スクロ−ル流体機械
US06/842,235 US4715796A (en) 1985-05-16 1986-03-21 Scroll-type fluid transferring machine with loose drive fit in crank shaft recess
DE19863610302 DE3610302A1 (de) 1985-05-16 1986-03-26 Maschine mit fluiddurchsatz der spiralbauart

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