JPH0330659Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ガス湯沸器等の各種ガス燃焼器具
におけるガスバーナの燃焼促進装置に関する。

〔従来の技術〕

従来一般に使用されているこの種のガスバーナ
は、たとえば、第６図に示したように、複数のバ
ーナを等間隔に並設せしめたガス湯沸器のブンゼ
ンバーナ１′において、各々のバーナ炎a′間を該
バーナ炎a′と並行して流れる二次空気流b′はその
まま上方へストレートに流過してしまうためバー
ナ炎a′との接触は十分行われない。このため燃焼
完結時間が長くなり、炎形状は縦長の長炎になる
傾向があつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来のガスバーナではガス器具の燃焼室高
さが縦長となつて大型化し、高負荷燃焼には不向
きであつた。

この考案は、バーナ炎の上方への伸びを抑えて
炎先部を分割するとともにその下方部を膨らませ
て二次空気流をバーナ炎に積極的に接触混入せし
めることで上記従来の欠点を解消したガスバーナ
の燃焼促進装置の提供を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は上記目的を達成するために、複数の
バーナを等間隔に並設せしめフアンにより強制的
に給気して燃焼するガスバーナにおいて、該ガス
バーナの各々のバーナ１の炎口２の直上でバーナ
炎ａの炎先部に、該炎先部の上方への伸びを抑え
て炎先部を左右に分割するとともにその下方部を
膨らませて二次空気流ｂをバーナ炎ａに積極的に
接触混入するための邪魔部材３を設けたのであ
る。

〔作用〕

上記構成において、バーナ炎ａは邪魔部材３に
より上方への伸びが抑えられてその炎先部は左右
に分割され、炎先部の下方部は左右に膨らむか
ら、該バーナ炎ａの両側を上方に流れる二次空気
流ｂは下方の膨らみと炎先部の分炎a″，a″におい
て十分に接触混合するので、燃焼時間が短くなり
その燃焼を促進するとともに、前記二次空気流ｂ
の十分な接触混合と相まつて該バーナ炎ａは全体
として左右に膨らんだ短炎に形成される。

〔実施例〕

以下この考案によるバーナの燃焼促進装置の実
施例を図面に基づき説明する。

第１図ないし第５図において、実施例は強制給
気式ガス湯沸器におけるガスバーナに適用したも
のであつて、該ガスバーナは複数のバーナ１を等
間隔に並設せしめたブンゼン式ガスバーナとなつ
ている。２は前記ガスバーナの各々のバーナ１の
炎口、ａは各々のバーナ１に形成されるバーナ
炎、ｂは各々のバーナ１間を直上に向けて流れる
二次空気流、３は各々のバーナ１の炎口２の直上
でバーナ炎ａの炎先部に位置して設けた邪魔部材
で、バーナ炎ａの炎先部の上方への伸びを抑えて
炎先部を左右に分割し、かつ、その下方部を左右
に膨らませて二次空気流ｂをバーナ炎ａに積極的
に接触混入するためのものである。

この邪魔部材３としては、たとえば、第１図及
び第２図に例示した断面Ｖ字状の邪魔板とするほ
か、第３図に例示した断面形状を三角形状とした
邪魔管、第４図に例示した断面形状を偏平な楕円
形状とした邪魔管、第５図に例示した断面円弧形
状の邪魔板などを用いるものである。上記邪魔部
材３には冷却手段を要しない耐熱材を用いるのが
実施上有益であるが、冷却などの手段をもつてこ
れを強制冷却することによりその耐久性を高める
こともできる。

なお、第１図において、Ｆは給気用フアンで、
その吹出口４を外胴５と中間胴６との間に形成さ
れた外側給気路７の下部に接続開口して該吹出口
４から外側給気路７の下部に吹込まれた風が周囲
の外側給気路７を上向きに流れ、中間胴６と内胴
８との間に形成せる内側給気路９へ反転流入し、
該内側給気路９を下向きに流れて燃焼室１０の下
部開口１１から燃焼室１０へ上向きに供給される
ようになつている（第１図の矢印参照）。１２は
吹出口４に回動変位調節自由に設けた風量調節用
ダンドーで、該ダンドー１２の開度は最大インプ
ツト時と最小インプツト時の２段又は最大インプ
ツトから最小インプツト間を多段に切替え調節で
きるようになすものである。１３は内胴８の上部
に設置した熱交換器、１４はガスバーナ１へのガ
ス供給用ノズル管、１５は排気管である。

しかして、各々のバーナ１に形成されるバーナ
炎ａは邪魔部材３に邪魔されてその上方への伸び
が抑制され炎先部において左右に分割されるとと
もにその下方部は左右に膨らむため、各々のバー
ナ炎ａ間を上方に流れる二次空気流ｂは下方の膨
らみ部と炎先部の分炎a″，a″に十分接触混入する
ためその燃焼を飛躍的に促進し短時間の間に完全
燃焼させることができるとともに、二次空気流ｂ
の十分な接触混合と相まつてバーナ炎ａは全体と
して左右に膨らんだ短炎に形成されるものであ
る。

〔考案の効果〕

この考案は以上説明したように、複数のバーナ
を等間隔に並設しフアンにより強制給気して燃焼
するガスバーナにおいて、該ガスバーナの各々の
バーナ１の炎口２の直上でそのバーナ炎ａの炎先
部に、該炎先部の上方への伸びを抑えて炎先部を
左右に分割するとともにその下方部を膨らませて
二次空気流ｂをバーナ炎ａに積極的に接触混合す
るための邪魔部材３を設けたので、バーナ炎ａの
炎先部は邪魔部材３に邪魔されて上方へ伸びるの
が抑制され左右に分割して分炎a″，a″を形成する
とともに炎先部の下方部は左右に膨らみ、該膨ら
みと分炎に二次空気流ｂの接触混入が積極的に行
われるためにその燃焼を飛躍的の促進し短時間の
間に完全燃焼させることができる。そして、前記
二次空気流ｂの積極的な接触混入でバーナ炎ａは
全体として左右に膨らんだ短炎となる。したがつ
て、燃焼室の高さを低くすることができるので小
型で、しかも、高負荷燃焼に耐えうるガス器具が
提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案によるガスバーナの燃焼促進
装置の実施例を示した全体断面図、第２図は要部
の一部拡大断面図、第３図ないし第５図は異なる
実施例の一部拡大断面図、第６図は従来例の全体
断面図である。 １……ガスバーナ、２……炎口、ａ……バーナ
炎、３……邪魔部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のバーナを等間隔に並設せしめフアンによ
   り強制的に給気して燃焼するガスバーナにおい
   て、該ガスバーナの各々のバーナ１の炎口２の直
   上でバーナ炎ａの炎先部に、該炎先部の上方への
   伸びを抑えて炎先部を左右に分割するとともにそ
   の下方部を膨らませて二次空気流ｂをバーナ炎ａ
   に積極的に接触混入するための邪魔部材３を設け
   てなるガスバーナの燃焼促進装置。