JPH0810741Y2 - 燃焼装置の排気部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は静音ならびに高負荷燃焼が可能な燃焼装置の
排気部構造に関する。

〈従来の技術〉 従来、この種の燃焼装置は第７図および第８図に示す
如く、複数のバーナ１を収納するバーナ室２に燃焼室３
が連通し、その燃焼室３内には熱交換器４が設けられて
おり、この熱交換器４は燃焼室３内に横架した５本の伝
熱管５と、その各伝熱管が貫通する複数のフィン６とか
ら形成されている。

また、排気室７は箱体形状で、排気口８を有するとと
もに、熱交換器４を介して燃焼室３に連通するように形
成されている。

ところで、燃焼ガス９は上記各バーナ１に対応したノ
ズル（図示省略）からバーナ１の内部へ噴射される一
方、燃料用空気は送風機10から供給されるが、その燃料
用空気の一部は、一次空気として上記燃料ガス９ととも
にバーナ１の内部へ流入し、また残りの空気は、二次空
気としてバーナ１の周囲から燃焼室３に向かって流入
し、これにより上記燃料ガス９が燃焼室３内部で完全燃
焼するように構成されている。

したがって、上記のような燃焼装置は、燃焼室３にお
いて完全燃焼した結果発生する高温の燃焼ガスａが（第
９図参照）、各伝熱管５の間をぬって排気室７に流入す
る。

この際、燃焼ガスａは各伝熱管５の内部を流れる被加
熱体11を加熱した結果温度が低下し、かつ排気口８より
排ガスｂとして外部へ放出されるように構成されてい
る。

〈考案が解決しようとする課題〉 ところで、上記のような燃焼装置にあっては、第９図
に示す如く排気室７側において、燃焼ガスａの流れを抑
制するような構造を何等有していないため、各伝熱管の
うち排気室７側に位置する２本の伝熱管5,5において、
燃焼ガスａの下流側に矢印イで示すような渦が発生し、
これにより矢印ロで示すように、排気室７側においてガ
スの流れが乱れることは避けられず、また、このような
燃焼装置の小型化を図る場合には、燃焼室３の容積のみ
ならず、それに付随する熱交換器４および排気室７等に
ついても小型に形成する必要がある。

ところが、上記のように装置を小型化すると、装置内
部を流れる燃焼ガスａや排ガスｂの流速が速くなるとと
もに、上記のような乱れが増し、かつ騒音が増大する等
の問題点があった。

特に、流れの乱れにより生ずる騒音は、一般に流速の
６〜８乗に比例するので、例えば装置の小型化により流
速が1.5倍になると、このような装置では渦による流れ
の乱れで発生する騒音のレベルが10dB以上増大する。

このため、従来は第10図に示すように渦の周波数に起
因した卓越音が発生する、あるいは比較的広い周波数帯
の騒音が増大し、かつ騒音レベル全体の増大を招いてい
た。

また、上記のように従来の小型化した燃焼装置を用い
て形成された給湯機および給湯付風呂釜にあっても、当
然のことながら上記と同様な問題点があった。

本考案は、上述の事情に鑑みてなされたもので、その
目的とするところは、簡単な構造で渦を抑制して騒音を
低減せしめる燃焼装置の排気部構造を提供するものであ
る。

〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するために請求項１の考案は、バーナ
を収納するバーナ室、バーナ室に連通する燃焼室、燃焼
室内に横架した複数の伝熱管およびこの各伝熱管が貫通
する複数のフィンからなる熱交換器、ならびに熱交換器
を介して上記燃焼室に連通する排気室を備え、上記燃焼
室の燃焼ガスが各伝熱管の間をぬって排気室に流入する
燃焼装置において、 上記各伝熱管のうち排気室側に位置する伝熱管側で、
かつその伝熱管における燃焼ガスの下流側直後に設けら
れるとともに、伝熱管の長手方向にわたって燃焼ガスの
流れと平行に配設した渦抑制板を設けたことを特徴とす
る。

請求項２の考案は、上記渦抑制板の断面形状を、平
形，流線形，または底辺が伝熱管の径以下に形成された
三角形のうち、いずれか１つの形で，もしくは上記各形
を組み合わせた形状であることを特徴とする。

請求項３の考案は、請求項１または請求項２に記載の
燃焼装置の排気部構造を備えた給湯機または給湯付風呂
釜であることを特徴とする。

〈作用〉 本考案によれば、燃焼ガスが渦抑制板に沿って流れ、
これにより排気室側に位置する伝熱管において、燃焼ガ
スの流れに生ずる渦が抑制され、燃焼ガスが円滑に流れ
る。

〈実施例〉 以下、本考案になる燃焼装置の排気部構造について第
１図ないし第６図を用いて詳細に説明する。

なお、燃焼装置の基本的な構成は従来と同一なため、
同一部材には同一符号を付して、その詳細説明は省略す
る。

第１図に示すものは、本考案になる排気部構造の第１
の実施例を示すもので、12は断面平形の渦抑制板であ
り、この渦抑制板12は第２図に示す如く、各伝熱管のう
ち排気室７側に位置する伝熱管5,5側で、かつその２本
の伝熱管5,5における燃焼ガスａの下流側直後に設けら
れている（第３図参照）。

また、上記のような渦抑制板12は、伝熱管５の長手方
向Ｌにわたって燃焼ガスａの流れと平行に配設されてい
る。

ところで、上記のような燃焼ガスａは、第３図に示す
ように各伝熱管の間をぬって排気室７に流入する際、渦
抑制板12に沿って流れる。そのため、この燃焼ガスａは
排気室７側で流れに渦が発生せず、かつ乱れが生ずるこ
となく円滑に流れる。

したがって、上記のような実施例にあっては、例えば
燃焼装置を小型化した場合、その装置内を流れる燃焼ガ
スの流速が速くなるものの、その燃焼ガスは円滑に流れ
るので、第４図に示す如く騒音のスペクトルが平坦とな
り、かつ騒音レベルを従来（第10図参照）に比し大幅に
低減できる。

第５図に示すものは、本考案の第２の実施例を示すも
ので、これは第１図に示すような断面平形の渦抑制板12
に代えて、断面流線形の渦抑制板13が設けられており、
このように構成しても上記と同様に燃焼ガスは流れに渦
が発生せず、かつ乱れが生ずることなく円滑に流れる。

また、第６図に示すものは、本考案の第３の実施例を
示すもので、これは上記渦抑制板12に代えて、断面三角
形の渦抑制板14を設けたもので、その三角形の底辺は伝
熱管の径以下に形成されており、このような構成であっ
ても、上記と同様に燃焼ガスは円滑に流れる。

さらに、上記渦抑制板12の断面形状は、上記のような
平形，流線形，および二角形を組み合わせた形状であっ
てもよいことは勿論である。

しかして、本考案になる排気部構造を備えた給湯機お
よび給湯付風呂釜について説明すると、第１図に示すよ
うな燃焼装置を外装で囲んだもので、一方、給湯付風呂
釜は第１図に示すような燃焼装置を２台並設し、これを
同一の外装を囲んだものであり、このような名給湯機お
よび給湯付風呂釜は、当然のことながら騒音レベルが大
幅に低減される。ただし伝熱管５内の被加熱体は両者と
も水とする。

〈考案の効果〉 本考案になる燃焼装置の排気部構造は、上記の如く各
伝熱管のうち排気室側に位置する伝熱管側で、かつその
伝熱管における燃焼ガスの下流側直後に設けられるとと
もに、その伝熱管の長手方向にわたって燃焼ガスの流れ
と平行に配設した渦抑制板を設けたため、燃焼室の燃焼
ガスが伝熱管の間をぬって排気室に流入する際、その燃
焼ガスは渦抑制板に沿って流れるので、排気室側で流れ
に渦が発生せず、かつ乱れが生ずることなく、円滑に流
れる。

そのため、燃焼装置の小型化により、たとえ燃焼ガス
や排ガスの流速が速くなったとしても、上記の如く燃焼
ガスは排気室側で円滑に流れて渦が発生しないので、そ
の渦の周波数に起因する騒音や、渦による流れの乱れに
起因する騒音の発生を防止でき、かつ騒音レベルを大幅
に低減することができる。

また、請求項２の考案にあっても、上記と同様な効果
が得られ、さらに請求項３の考案によれば、騒音レベル
を大幅に低減した給湯機または給湯付風呂釜を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる排気部構造の第１の実施例を示す
正面図、第２図は第１図に示すＡ−Ａ線断面図、第３図
は本考案における燃焼ガスの流れを説明する説明図、第
４図は本考案における騒音のスペクトルを示す特性図、
第５図は本考案の第２の実施例を示す断面図、第６図は
本考案の第３の実施例を示す断面図、第７図は従来の燃
焼装置の正面図、第８図は第７図に示すＢ−Ｂ線断面
図、第９図は従来の燃焼装置における燃焼ガスの流れを
説明する説明図、第10図は従来の燃焼装置における騒音
のスペクトルを示す特性図である。 １…バーナ ２…バーナ室 ３…燃焼室 ４…熱交換器 ５…伝熱管 ６…フィン ７…排気室 12,13,14…渦抑制板

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】バーナを収納するバーナ室、バーナ室に連
   通する燃焼室、燃焼室内に横架した複数の伝熱管および
   この各伝熱管が貫通する複数のフィンからなる熱交換
   器、ならびに熱交換器を介して上記燃焼室に連通する排
   気室を備え、上記燃焼室の燃焼ガスが各伝熱管の間をぬ
   って排気室に流入する燃焼装置において、 上記各伝熱管のうち排気室側に位置する伝熱管側で、か
   つその伝熱管における燃焼ガスの下流側直後に設けられ
   るとともに、伝熱管の長手方向にわたって燃焼ガスの流
   れと平行に配設した渦抑制板を設けたことを特徴とする
   燃焼装置の排気部構造。
2. 【請求項２】上記渦抑制板の断面形状を、平形，流線
   形，または底辺が伝熱管の径以下に形成された三角形の
   うち、いずれか１つの形で，もしくは上記各形を組み合
   わせた形状であることを特徴とする請求項１に記載の燃
   焼装置の排気部構造。
3. 【請求項３】請求項１または請求項２に記載の燃焼装置
   の排気部構造を備えた給湯機または給湯付風呂釜。