JPH0330638Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエゼクタ装置に関し、一層詳細には、
エゼクタ本体に形成される管体等の接続部にチヤ
ツク、コレツト等からなる管体接続機構を一体的
に組み付けたエゼクタ装置に関する。

蒸気、空気あるいは水をノズルより噴出させて
空気を吸引し真空を得る装置として従来からエゼ
クタが用いられている。この種のエゼクタは一般
的にノズル部とデイフユーザ部とを含み、ノズル
出口の圧力降下並びに運動のエネルギによつて負
圧を発生させるように構成したものである。な
お、前記エゼクタ装置には圧力流体供給源、方向
制御弁、圧力制御弁、サイレンサ等が接続され
る。

ところで、従来技術に係るエゼクタ装置におい
ては、通常、ねじ部を形成しており、このねじ部
に管継手を介して圧力流体供給源等に連結される
管体を接続している。この場合、前記管継手は、
一般に、前記管体の端部に一体的に取着されてお
り、この管継手を前記ねじ部に螺合させることに
より当該管体をエゼクタ装置に接続するよう構成
されている。従つて、エゼクタ装置には各接続部
にねじ部を予め形成しておかなければならず、そ
の製作に相当な時間を要している。また、エゼク
タ装置と圧力流体供給源とを連結する場合には、
前記管継手を前記エゼクタ装置の各接続部に螺合
させなければならず、その作業が極めて煩わしい
という欠点が露呈している。しかも、この螺合時
において、管体が管継手と共に捩じれ、その接続
状態に支障が生ずるという問題がある。そして、
管体の捩じれによつて亀裂等の障害が発生した場
合には、管体と管継手とが一体的に形成されてい
るため管継手を交換しなければならず、極めて不
経済である。さらに、管体とエゼクタ装置との間
には管継手が介在することとなり、装置の取り付
け時に前記管継手の分だけ余剰なスペースを予め
考慮しておかなければならないという不都合があ
る。

本考案は前記の不都合を克服するためになされ
たものであつて、エゼクタ本体に形成された管体
等の接続部にチヤツク、コレツト等から構成され
る管体接続機構を一体的に組み込み、これによつ
て前記管体等のエゼクタ本体に対する着脱動作を
容易とし、しかも、コンパクトで且つ製作が容易
で取付スペースを一段と減少することが可能なエ
ゼクタ装置を提供することを目的とする。

前記の目的を達成するために、本考案は圧力流
体供給ポートから送給される当該圧力流体をノズ
ル部を介して排気ポートより排出することにより
真空ポートに接続される機器の内圧を低減させる
エゼクタ装置において、 前記所定方向に延在する本体部に画成された各
ポートの少なくとも一つにボデイとこのボデイに
嵌合するチヤツクコレツト機構を設け、前記ボデ
イは本体部のポートに臨み該ポートの内周壁に噛
合するリング状の爪部を有することを特徴とす
る。

次に、本考案に係るエゼクタ装置について好適
な実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下
詳細に説明する。

第１図および第２図において、参照符号１０は
本考案に係るエゼクタ装置を示す。このエゼクタ
装置１０は三つの接続部１１ａ乃至１１ｃを有す
る本体部１２と、前記各接続部１１ａ乃至１１ｃ
に組み付けられる管体接続機構１４ａ乃至１４ｃ
とから基本的に構成される。

ここで、管体接続機構１４ａには図示しない圧
力空気供給源からの圧力空気Ａを本体部１２に供
給する管体１６が接続され、管体接続機構１４ｂ
には本体部１２より排出される圧力空気Ａによつ
て発生する騒音を低減させるためのサイレンサ２
０が接続される。また、管体接続機構１４ｃには
エゼクタ装置１０によつて空気が吸引されこの吸
引力によつて物品を吸着して搬送するアクチユエ
ータと前記本体部１２とを連結する管体１８が接
続される。

本体部１２は略Ｔ字状の管体より構成され、前
記管体接続機構１４ａ乃至１４ｃが接続される各
接続部１１ａ乃至１１ｃの中、接続部１１ａ側に
は室２４が画成される。この室２４は接続部１１
ａおよび１１ｃに連通されると共に、排気通路２
６を介して接続部１１ｂに連通される。

一方、接続部１１ａに組み付けられる管体接続
機構１４ａは大径部２８ａおよび小径部２８ｂか
らなるボデイ３０を有し、このボデイ３０の小径
部２８ｂはＯリング３２を介し接続部１１ａに嵌
合される。この場合、小径部２８ｂの外周にはリ
ング状の爪部３４が突出形成されており、この爪
部３４が接続部１１ａの内周壁に刺入されること
によりボデイ３０が接続部１１ａに固着される。
一方、ボデイ３０には大径部２８ａ側から小径部
２８ｂに指向して段階的に小径となる導通路３６
が形成されており、この導通路３６の小径部２８
ｂ側出口には本体部１２内への塵埃等の混入を防
止するため金属ネツト３８が介装される。また、
大径部２８ａ側からはリング状のシール部材４０
が挿入され、大径部２８ａ側の段部４２に着座す
る。このシール部材４０はシール効果を増大する
ために断面円状を構成し、さらに、その両面部に
周回する溝を刻設している。なお、シール部材４
０はその機能上、例えば、天然ゴム若しくは合成
ゴムの如き弾性体で形成しておくと好適である。

ボデイ３０の大径部２８ａ側には、さらに、円
筒状のガイド部材４４とチヤツクコレツト機構を
構成するコレツト４６およびチヤツク部材４８を
介してリリースブツシユ５０とが挿入される。こ
の場合、ガイド部材４４はその外周部に周回する
爪部５２を有し、この爪部５２が大径部２８ａの
内周壁に刺入されることによりボデイ３０側に固
定される。ガイド部材４４の内周にはコレツト４
６が嵌合する。このコレツト４６も、好ましく
は、合成樹脂等の可撓性部材から構成され、その
シール部材４０側には等間隔にスリツト５４が複
数本画成される。また、コレツト４６にはチヤツ
ク部材４８が嵌挿される。このチヤツク部材４８
は一般的には弾力性に富む金属体を円筒状に構成
し、そのシール部材４０側の端部にスリツト５６
を等間隔に複数本画成したもので、前記スリツト
５６の端部は内側に折曲し爪部５８を形成する。

リリースブツシユ５０は円筒状に構成され、ボ
デイ３０より突出する一端部には外方に指向して
延在するフランジ６０が形成される。このリリー
スブツシユ５０の他端部には複数本のスリツト６
２が画成されると共に、このスリツト６２とフラ
ンジ６０との間には前記リリースブツシユ５０の
肉厚を薄く形成して段部６４が形成される。ここ
で、リリースブツシユ５０はガイド部材４４、コ
レツト４６およびチヤツク部材４８に嵌合し、前
記段部６４がコレツト４６に係合する。なお、リ
リースブツシユ５０には管体１６が嵌合されると
共に本体部１２へ圧力空気Ａを送給する圧力空気
供給ポート６６が画成される。

一方、前記管体接続機構１４ａにおいてボデイ
３０の小径部２８ｂには室２４側よりノズル部材
８０が螺着される。このノズル部材８０には中央
部において直径が極小となる孔部８２が貫通す
る。すなわち、この孔部８２はノズル部を構成す
る。なお、前記孔部８２は一端部が金属ネツト３
８を介してボデイ３０の導通路３６に連通し、他
端部がデイフユーザ部を構成する室２４を介して
排気通路２６に連通する。

管体接続機構１４ｂおよび１４ｃは前記管体接
続機構１４ａと同様に構成される。すなわち、管
体接続機構１４ｂは本体部１２の接続部１１ｂに
嵌合固定されるボデイ６８と、前記ボデイ６８に
嵌挿されるチヤツク、コレツト、ガイド部材およ
びリリースブツシユ７０とを有し、このリリース
ブツシユ７０等を利用してサイレンサ２０が接続
される排気ポート７２が画成される。同様に、管
体接続機構１４ｃは本体部１２の接続部１１ｃに
嵌合固定されるボデイ７４と、前記ボデイ７４に
嵌挿されるチヤツク、コレツト、ガイド部材およ
びリリースブツシユ７６とを有し、このリリース
ブツシユ７６等を利用して管体１８が接続される
真空ポート７８が画成される。

本考案に係るエゼクタ装置は基本的には以上の
ように構成されるものであり、次にその作用並び
に効果について説明する。

先ず、図示しない圧力空気供給源に連通する管
体１６をエゼクタ装置１０に接続する場合につき
説明する。

管体接続機構１４ａを構成するリリースブツシ
ユ５０のフランジ６０をボデイ３０に指向して押
圧する。この場合、リリースブツシユ５０の端部
はチヤツク部材４８における爪部５８の傾斜面を
押圧し、前記爪部５８を外方向に拡開する。すな
わち、チヤツク部材４８には複数本のスリツト５
６が画成されているため、爪部５８は容易に外方
向に拡開されることとなる。なお、チヤツク部材
４８に外嵌するコレツト４６もチヤツク部材４８
の爪部５８によつて押圧され外方向に拡開する。

次に、前記の状態において、圧力空気供給ポー
ト６６に管体１６の端部を挿入する。この場合、
管体１６の端部は爪部５８の端部が刺入すること
なく導通路３６内に導入される。管体１６が導通
路３６内の所定部位まで挿入された後、リリース
ブツシユ５０をボデイ３０より所定量だけ引き抜
く。この時、リリースブツシユ５０の端部によつ
て外方に押圧されていたチヤツク部材４８の爪部
５８はその弾性力により内方向に指向し復帰す
る。この結果、爪部５８は管体１６の外周部に刺
入ししつかりとこの管体１６を保持するに至る。
このようにして、管体１６とエゼクタ装置１０と
が管体接続機構１４ａを介して気密に連通される
ことになる。

同様に、管体接続機構１４ｂの排気ポート７２
にサイレンサ２０を接続すると共に、管体接続機
構１４ｃの真空ポート７８に管体１８を接続す
る。

以上のように接続動作が完了した後、圧力空気
供給ポート６６より管体１６を介して圧力空気Ａ
が導通路３６内に送給される。この圧力空気Ａは
金属ネツト３８によつてその中に混在する塵埃等
が除去された後、ノズル部材８０の孔部８２を介
して室２４内に放出される。この場合、前記圧力
空気Ａは孔部８２の中央部において絞られた後排
気通路２６に指向して放出される。このため、室
２４内には負圧が生じ、管体１８を介して接続部
１１ｃより導入される図示しないアクチユエータ
側の空気が前記負圧によつて吸引される。この結
果、管体１６より挿入される圧力空気Ａは室２４
において管体１８側の空気を吸引しつつ排気通路
２６を介して排気ポート７２より外部へ送出され
る。ここで、排気ポート７２にはサイレンサ２０
が接続されており、圧力空気Ａの排気時に発生す
る騒音が効果的に低減される。

次に、管体接続機構１４ａより管体１６を取り
外す場合、管体１６を接続した場合と同様にして
行う。すなわち、リリースブツシユ５０のフラン
ジ６０をボデイ３０に指向して押圧すると、チヤ
ツク部材４８の爪部５８はリリースブツシユ５０
の端部によつて押圧され外方向に拡開する。この
時、爪部５８の端部は管体１６より離脱する。従
つて、管体１６はチヤツク部材４８によつて把持
されない状態となり、リリースブツシユ５０より
容易に抜き取ることが出来る。同様に、管体接続
機構１４ｂに接続されたサイレンサ２０および管
体接続機構１４ｃに接続された管体１８も取り外
される。

第３図は本考案に係るエゼクタ装置の他の実施
例を示したものである。すなわち、同図に示すエ
ゼクタ装置９０は略Ｔ字状の管体より形成される
本体部９２と、前記本体部９２の接続部９４ａお
よび９４ｂに組み付けられる管体接続機構９６ａ
および９６ｂとから基本的に構成される。この場
合、管体接続機構９６ａは圧力空気供給ポート９
８を構成し、この圧力空気供給ポート９８には図
示しない圧力空気供給源に連通する管体１００が
接続される。また、管体接続機構９６ｂは排気ポ
ート１０２を構成し、この排気ポート１０２には
サイレンサ１０４が接続される。一方、本体部９
２の接続部９４ｃには真空ポート１０５を構成す
るねじ部１０６が一体的に形成される。そして、
この真空ポート部１０５には図示しないアクチユ
エータが螺着される。

このように構成されたエゼクタ装置９０は図示
しないアクチユエータがねじ部１０６に螺着さ
れ、管体１００より送給される圧力空気Ａによつ
て前記アクチユエータの空気が吸入される。な
お、管体１００より送給された圧力空気Ａは本体
部９２を介してサイレンサ１０４より外部に送出
される。そして、この場合も前記エゼクタ装置１
０の場合と同様に管体接続機構９６ａおよび９６
ｂによつて管体１００およびサイレンサ１０４の
着脱が自在である。また、アクチユエータとエゼ
クタ装置９０との接続はねじ部１０６の螺合によ
るため、その連結状態は前記エゼクタ装置１０の
場合よりも一層堅牢なものとなる。

以上のように本考案によれば、エゼクタ本体の
接続部にチヤツクコレツト機構より構成される管
体接続機構を一体的に組み付けているため、エゼ
クタ装置全体をコンパクトに構成することが出来
る。また、前記エゼクタ本体にねじ溝を螺刻する
手数を削減出来るため、その製作が容易となる利
点が得られる。さらに、前記管体接続機構によつ
て管体等の着脱動作が容易となり、しかも、管体
等を従来の如くエゼクタ本体に螺着する必要がな
く、前記管体等が捩じれるといつた虞れもない。

以上、本考案について好適な実施例を挙げて説
明したが、本考案はこの実施例に限定されるもの
ではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の改良並びに設計の変更が可能なことは勿
論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るエゼクタ装置を示す斜視
図、第２図は本考案に係るエゼクタ装置の部分側
面断面図、第３図は本考案に係るエゼクタ装置の
他の実施例を示す斜視図である。 １０……エゼクタ装置、１１ａ〜１１ｃ……接
続部、１２……本体部、１４ａ〜１４ｃ……管体
接続機構、１６，１８……管体、２０……サイレ
ンサ、３０……ボデイ、４０……シール部材、４
４……ガイド部材、４６……コレツト、４８……
チヤツク部材、５０……リリースブツシユ、６６
……圧力空気供給ポート、６８……ボデイ、７０
……リリースブツシユ、７２……排気ポート、７
４……ボデイ、７６……リリースブツシユ、７８
……真空ポート、８０……ノズル部材、９０……
エゼクタ装置、９２……本体部、９４ａ〜９４ｃ
……接続部、９６ａ，９６ｂ……管体接続機構、
９８……圧力空気供給ポート、１００……管体、
１０２……排気ポート、１０４……サイレンサ、
１０５……真空ポート、１０６……ねじ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 圧力流体供給ポートから送給される当該圧力
   流体をノズル部を介して排気ポートより排出す
   ることにより真空ポートに接続される機器の内
   圧を低減させるエゼクタ装置において、 前記所定方向に延在する本体部に画成された
   各ポートの少なくとも一つにボデイとこのボデ
   イに嵌合するチヤツクコレツト機構を設け、前
   記ボデイは本体部のポートに臨み該ポートの内
   周壁に噛合するリング状の爪部を有することを
   特徴とするエゼクタ装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置に
   おいて、排気ポートには管路接続機構を介して
   サイレンサを接続してなるエゼクタ装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置に
   おいて、真空ポートには前記機器に螺着される
   ねじ部を形成してなるエゼクタ装置。