JPH0330394Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、台車或いはベルトコンベヤ等の搬送
装置によつて搬送されてきた車輌を、次工程に移
送するための、例えばハンガー等の移送装置に移
載するための車輌位置決め装置付テーブルリフタ
に関する。

（従来技術） 車輌の生産ラインにおいては、車輪を装着する
以前の車輌本体を、次工程に移送するために台車
等に載せる場合があり、台車等によつて所定の箇
所に運搬されてきた車輌本体は、台車等からテー
ブルリフタに持ち上げられハンガーに移載され
る。

車輌本体は、通常、車輪装着側が下側になるよ
うにして台車等に載置され、ハンガーに車輌本体
の下端部に係合するようになつているが、車輌本
体の台車等からハンガーへの移載は、台車等上に
おいては直接行われず、車輌本体を一旦テーブル
リフタに保持させた後、テーブルリフタを上昇さ
せ、ハンガーに車輌本体を移載する。

ところで、テーブルリフタ上の車輌本体の位置
が適正な位置にない場合には、車輌本体は、傾い
て吊り上げられることになり、したがつて車輌本
体の台車等及びテーブルリフタ上における位置の
精度を上げることは重要な問題であつた。

従来、車輌本体のかかる位置決めは、台車等及
びテーブルリフタに溝等のガイドを設け、該ガイ
ド溝に車輌本体の下端部を嵌入することにより行
つていた。しかしガイド溝の幅が大き過ぎる場合
には、車輌本体の動き得る余地が生ずるため、精
度の良い位置決めができず、このためガイド溝の
幅を小さくしていた。

しかし、ガイド溝の幅は固定しているため、車
輌本体が適正な位置にない場合には、車輌本体の
位置が矯正されるにしてもその間車輌本体は傷付
くことが多く不都合であつた。しかも台車等のガ
イド溝の精度を上げるには多額の投資を要するこ
とになるばかりか定期的なメンテナンスも必要に
なる、という難点があつた。

（考案の目的） 本考案の目的は、車輌本体を損傷させることな
く、かつ車輌本体の位置決め精度を向上させ得る
テーブルリフタを提供することにある。

（考案の構成） 本考案は、車輌搬送装置の搬送面に載置された
車輌を、次工程に移送装置に移載するためのテー
ブルリフタにおいて、左右一対に設けたリフタ本
体の夫々に取付けられたフオークに、車輌本体の
の横部材に対し前後方向からローラを当接させて
該横部材を挾持することにより車輌本体の前後方
向の位置決めをを行うとともに前記車輌本体の縦
部材に対して左右方向からローラを当接させて該
部材に左右方向の押圧力を与えることにより該車
輌本体の左右方向の位置決めを行う位置決めプツ
シヤと、前記車輌本体が載置自在で前記位置決め
時における該車輌本体の移動により中央部を中心
にして全方向に変位自在でかつ弾性力により原位
置に復帰自在な可動アタツチメントと、前記ハン
ガーの先端部を当接させて該ハンガーの位置決め
を行う規制板とを設けることにより、車輌本体を
可動自在なアタツチメントに保持し、前後位置決
め用及び左右位置決め用のプツシヤを作動させる
と、車輌本体はアタツチメント上で動きつつ位置
を矯正され、プツシヤの作動停止時に車輌本体
は、所定の位置に位置決めされる、というもので
ある。

（実施例） 以下図面に示す実施例を参照しながら本考案を
説明する。第１図及び第２図に示すように、支柱
１に摺動自在に保持されたリフタ本体２には、フ
オーク３が摺動自在に取付けられており、該フオ
ーク３には、車輌本体Ｂの前後方向の位置決めを
行う前後位置決めプツシヤ４と、左右方向の位置
決めを行う左右位置決めプツシヤ１１とが設けら
れている。

上記前後位置決めプツシヤ４は、第３図ａ，ｂ
に詳細に示すように、相対向する１対のプツシヤ
部材４ａ，４ｂと、該部材４ａ，４ｂの夫々に回
転自在に取付けられたローラ５，５ｂとを有して
いる。プツシヤ部材４ａ，４ｂは、夫々取付枠６
にボルト等の軸７を介して回転自在に取付けられ
ており、さらに該部材４ａ，４ｂの相対向する面
には歯７ａ，７ｂが形成されており、これら歯７
ａ，７ｂは、互いに噛合自在となつている。プツ
シヤ部材の一方４ａには、取付部８が突設されて
おり、該取付部８は上記取付枠６に保持されたシ
リンダのピストンロツド９ａに回転自在に取付け
られている。したがつてピストンロツド９ａを伸
縮させると、一方のプツシヤ部材４ａは軸７を中
心にして回動することになり、この回動に応じて
他方のプツシヤ部材４ｂも回動する。つまり、ピ
ストンロツド９ａが伸長すると、一方のプツシヤ
部材４ａは反時計方向に回動し、他方のプツシヤ
部材４ｂは、逆に時計方向に回動することにな
り、かかる両部材４ａ，４ｂの回動時、ローラ５
ａ，５ｂは互いに接近し、車輌本体Ｂのメンバー
１０に、その両側から当接することになる。

上記左右位置決めプツシヤ１１は、所定の間隔
をおいて配置された１対のローラ１１ａ，１１ｂ
と、該ロール１１ａ，１１ｂを回転自在に保持
し、前後位置決めプツシヤ４方向に移動自在な可
動プツシヤ１１ｃとを有している。可動プツシヤ
１１ｃの移動は、リフタ本体２に装着されたシリ
ンダ１２によつて行われるようになつている。即
ち、可動プツシヤ１１ｃの略中央部には、シリン
ダ１２のピストンロツド１２ａの先端面が取付け
られており、ピストンロツド１２ａが縮むと、可
動プツシヤ１１ｃは前後位置決めプツシヤ４から
遠ざかる方向に移動し、車輌本体Ｂのロツカーフ
ランジ１３をロール１１ａ，１１ｂに押圧する。

上記ローラ１１ａ，１１ｂの両側には、可動ア
タツチメント１３ａ，１３ｂが取付けられてい
る。該アタツチメント１３ａ，１３ｂは、第４図
に詳細に示すように、載置板１４と複数のボール
ベアリング１５とバネ材１６とを有している。即
ち、載置板１４は、ロツカーフランジ１３の長手
方向と平行状の両側端部１４ａ，１４ｂが上方に
屈曲されており、さらに該載置板１４の下面に
は、環状フランジ１４ｃが突設されている。該フ
ランジ１４ｃの中央部には、円盤状の部材１４ｄ
が突設されており、フランジ１４ｃと該部材１４
ｄとによつて画成される通路１７にボールベアリ
ング１５が配設されている。さらに載置板１４の
４つの隅角部と、フオーク３上であつて該隅角部
の近傍には夫々４つのピン１８が突設されてお
り、夫々近傍のピンを対として４つのバネ材１６
の両端が取付けられている。該バネ材１６は、載
置板１４を所定の位置に復帰させるために使用さ
れる。

上記フオーク３は、シリンダ１９によつてメン
バー１０の長手方向に移動されるようになつてお
り、さらに上記アタツチメント１３ａ，１３ｂの
両側のフオーク３上には、規制板２０が取付けら
れている。この規制板２０に、ハンガー２１の先
端部が当接可能になつており、この当接によつて
ハンガー２１の位置が規制されるようになつてい
る。

ここで上記構成に係るテーブルリフタの作用に
ついて述べると、車輌本体Ｂのメンバー１０を前
後位置決めプツシヤ４のローラ５ａ，５ｂ間に配
置すると共にロツカーフランジ１３をローラ１１
ａ，１１ｂの外側に配置し、さらに該ロツカーフ
ランジ１３を可動アタツチメント１３ａ，１３ｂ
上に載置した後、シリンダ９，１２を作動させる
と、メンバー１０はローラ５ａ，５ｂによつて押
圧され、またロツカーフランジ１３はローラ１１
ａ，１１ｂにより第１図において右方向に押圧さ
れ、これと同時にロツカーフランジ１３と対称位
置にある図示しないロツカーフランジは図示しな
いローラ（第１図に示すローラ１１ａ，１１ｂと
同一の装置）によつて左方向に押圧され、シリン
ダ９，１２の作動中、アタツチメント１３ａ，１
３ｂは自由に動くことになる。

第５図は本考案の他の実施例を示すもので、前
後左右の位置決めは、１個のプツシヤ２２と１個
のシリンダ２３とによつて行われるようになつて
いる。即ち、第６図に詳細に示すように、プツシ
ヤ２２は、略くの字状の１対リンク２２ａ，２２
ｂを有しており、該リンク２２ａ，２２ｂの夫々
の一端部は、ピストンロツド２３ａの先端部に回
転自在に連結され、さらに該リンク２２ａ，２２
ｂの屈曲部２４ａ，２４ｂはフオーク３に取付け
られた保持板２５に回転自在に取付けられてい
る。

第７図は、可動アタツチメント２５ａ，２５ｂ
を示すもので、載置板２６とフオーク３との間に
は、ゴム２７が配設されており、載置板２６に荷
重が加わると、ゴム２７は同図ｂに２点鎖線で示
すようにたわむことになる。

ここで上記構成に係る装置の作用について述べ
ると、メンバー１０を両屈曲部間に配置しかつロ
ツカーフランジ１３をピストンロツド２３ａの長
手方向に対し直交状に配置してシリンダ２３を作
動させ、ピストンロツド２３ａを伸長させると、
リンク２２ａ，２２ｂの他端部のローラ２２ｃ，
２２ｄは互いに接近し、メンバー１０はローラ２
２ｃ，２２ｄによつて押圧挾持されるとともにロ
ツカーフランジ１３はローラ２２ｃ，２２ｄによ
り第５図ａにおいて右方向に押圧されることにな
る。

（効果） 本考案は、以上から明らかなように、移動自在
なプツシヤを備えているので、車輌本体の前後左
右の位置決めの精度が向上すると共に車輌本体は
自由に動き得る可動アタツチメント上で位置決め
されかつ車輌本体がアタツチメント上に載置され
た後、プツシヤのローラを車輌本体に接近させる
ようにすれば、車輌本体の損傷が未然に防止され
ることになる。またプツシヤは簡単かつ小型に形
成できるので、装置全体の小型簡略を達成でき
る。しかも規制板により車輌本体とハンガーとの
相対位置を正確に決めることができるので、車輌
本体のハンガーへの移載も安定する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る装置の平面図、第２図は
同装置の側面図、第３図ａは前後位置決めプツシ
ヤの平面図、同図ｂは側面図、第４図ａはアタツ
チメントの平面図、同図ｂは側面図、第５図ａは
他の実施例の平面図、同図ｂは正面図、第６図ａ
はプツシヤの平面図、同図ｂは側面図、第７図ａ
はアタツチメントの平面図、同図ｂは正面図であ
る。 ２……リフタ本体、３……フオーク、４……前
後位置決めプツシヤ、１１……左右位置決めプツ
シヤ、１３ａ，１３ｂ，２５ａ，２５ｂ……可動
アタツチメント、２２……プツシヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輌搬送装置の搬送面に載置された車輪未装着
   の車輌を、次工程に移送するための昇降自在なハ
   ンガーに移載するためのテーブルリフタにおい
   て、左右一対に設けたリフタ本体の夫々に取付け
   られたフオークに、車輌本体の横部材に対し前後
   方向からローラを当接させて該横部材を挾持する
   ことにより車輌本体の前後方向の位置決めを行う
   とともに前記車輌本体の縦部材に対して左右方向
   からローラを当接させて該縦部材に左右方向の押
   圧力を与えることにより該車輌本体の左右方向の
   位置決めを行う位置決めプツシヤと、前記車輌本
   体が載置自在で前記位置決め時における該車輌本
   体の移動により中央部を中心に全方向に変位自在
   でかつ弾性力により原位置に復帰自在な可動アタ
   ツチメントと、前記ハンガーの先端部を当接させ
   て該ハンガーの位置決めを行う規制板とを設けた
   ことを特徴とする車輌位置決め装置付テーブルリ
   フタ。