JPH0329662B2 - - Google Patents

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JPH0329662B2
JPH0329662B2 JP59086177A JP8617784A JPH0329662B2 JP H0329662 B2 JPH0329662 B2 JP H0329662B2 JP 59086177 A JP59086177 A JP 59086177A JP 8617784 A JP8617784 A JP 8617784A JP H0329662 B2 JPH0329662 B2 JP H0329662B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、夫々が金属製の無継目カツプ状成形
体から成る上部体と下部体とから構成され、両者
が周状の側面継目を介して接合された金属製容器
の改良に関するものであり、特にカツトエツジか
らの鉄溶出を防止した金属製容器に関する。 夫々が金属の無継目カツプ状成形体から成る上
部体と下部体とから構成され、両者が周状の側面
継目を介して接合されたピン状の金属製容器は、
例えば特開照58−52039号公報に記載されている
ように、軽量性、耐圧性、耐衝撃性に優れたもの
として知られている。 この種の金属性容器においては、上部体或いは
下部体のカツトエツジが、周状側面継目の内側に
必らず位置し、このカツトエツジの腐食や、カツ
トエツジからの金属溶出が重大な問題となる。こ
の継目内側に位置するカツトエツジを、熱接着剤
をも兼ねる熱可塑性樹脂フイルムで被覆し、腐食
や溶出を防止することも、既に特開昭58−52040
号公報で提案されている。 しかしながら、この方法では、継目内側となる
開放端部に樹脂フイルムの被覆層を設けたもの
を、強制的に、相手方の開放端部に嵌込むため、
嵌合時に樹脂フイルムにカツトエツジによる切目
やピンホールが発生する傾向がある。また熱接着
時に、カツトエツジを被覆する樹脂層が溶融流動
し、そのためカツトエツジが部分的に露出する傾
向も認められる。かくして、継目内側のカツトエ
ツジの被覆保護は完全なものではなく、この部分
から鉄が内容物中に溶出して、このフレーバ特性
を失わせるという欠点が生じることになる。 本発明の目的は、この継目内側のカツトエツジ
からの鉄溶出が防止された金属製容器を提供する
ことにある。 即ち、本発明によれば、金属製の無継目カツプ
状成形体から成る下部体と、金属製の無継目カツ
プ状成形体から成る上部体とを、それらの開放端
部同志で重ね合せ接合することにより形成された
周状側面継目を有する金属製容器であつて、前記
下部体が鋼または表面処理鋼から形成されてい
て、そのカツトエツジが周状側面継目の内側に位
置しており、前記上部体がアルミニウムまたはア
ルミニウム合金から形成されていて、その開放端
が周状側面継目の外側に位置していることを特徴
とするカツトエツジからの鉄溶出を防止した金属
製容器が提供される。 本発明を、添付図面を参照しつつ以下に詳細に
説明する。 組立前の上部体及び下部体を示す第1図及び容
器の構成を示す第2図において、本発明において
は、下部体1を鋼或いは表面処理鋼製の無継目カ
ツプ状成形体とし、上部体2をアルミニウムまた
はアルミニウム合金製の無継目カツプ状成形体と
する。鋼或いは表面処理層製の下部体1の開放端
部3を、アルミニウム製の上部体2の開放端部4
の内側に嵌込み、両開放端部3及び4を、接着剤
層5を介して重ね合せ接合し、周状の側面継目6
を形成することにより容器の形に一体化する。 この具体例において、下部体1は錫メツキ鋼板
の高度の絞り−しごき加工で形成された背の高い
薄肉側壁部7と実質上しごき加工を受けていない
厚肉の底部8とから成るカツプであり、一方上部
体2はアルミニウム板の数次の絞り成形で形成さ
れた短い側壁9と上壁10とから成るカツプであ
る。上部体2の側壁部9の高さは、継目6の巾と
等しいか、或いは継目巾よりも若干大きい範囲内
にある。また下部体2の上壁10は上に凸のテー
パー面をなしており、その中央には内容物の充填
用乃至は取出し用の注ぎ口11が形成されてい
る。かくして、上部体2は所謂ビンの肩及び首の
形で下部体上に接合されていることが明らかであ
ろう。 第1図に示す具体例では、下部体1の開放端部
3はそれに近接した部分でのネツクイン加工によ
り、それ以外の胴壁部に比して小径となるように
絞られており、より大径の上部体開放端部4内に
嵌挿される。下部体開放端部3の外面と上部体開
放端部4の内面との間には接着剤層5が設けら
れ、下部体と上部体との接合、固着が行われてい
る。 本発明においては、下部体1を鋼或いは表面処
理鋼で製造するのは、これが安価に且つ容易に入
手し得る金属素材であると共に、アルミニウム等
の他の製缶用素材に比して機械的強度、剛性等に
優れており、落下衝撃や変形を最も受け易い底部
及び側壁部を鋼で形成することにより、高度の絞
り加工やしごき加工を受けている場合にさえも十
分な諸耐性が確保されることによる。 下部体1を鋼或いは表面処理鋼で形成すると共
に、上部体2をアルミニウム或いはアルミニウム
合金で形成し、しかも下部体1の鋼カツトエツジ
12を周状側面継目6の内側に且つ上部体2のア
ルミニウムの開放端部4を継目6の外側に位置さ
せることが本発明の目的に重要である。 鋼のカツトエツジ12が継目6の外側に位置す
る場合には、継目6に手が触れた際シヤープなカ
ツトエツジで怪我をする危険性があるばかりでは
なく、このカツトエツジに錆が発生して容器の外
観特性、商品価値が著しく劣つたものとなる。本
発明においては、鋼のカツトエツジ12を継目の
内側とし、継目の外側をアルミニウム性の開放端
部4とすることにより、かかる欠点が効果的に解
消される。 カツトエツジ12からの鉄溶出が問題となる場
合、普通に考えられる手段は、カツトエツジ12
を継目6の外側に設けることであり、このような
手段では前述した欠陥を免れない。これに対し
て、本発明では、鉄溶出を生じ易い鋼のカツトエ
ツジ12を継目6の内側、即ち内容液と接する側
に設け、しかもカツトエツジ12からの鉄溶出を
効果的に防止するのである。 本発明の金属製容器では、塗装アルミ素材の数
次の絞り成形により形成される上部体2の内面側
において、絞り成形による不可避的な塗膜損傷に
より、アルミニウム素材が表面に露出しているこ
とも重要である。 即ち、本発明の金属製容器では、鋼のカツトエ
ツジ12に近接して上部体2のアルミニウム表面
が存在する。下部体1と上部体2との間に導通が
ある場合、アルミニウム(標準酸化還元電位;−
1.66V)は鉄(標準酸化還元電位;−0.44V)と
比較して卑な金属であるため、内容物を充填する
と、アルミニウムおよび鉄のカツプリングによ
り、アルミニウムが内容物中に犠牲的に溶解し
て、カツトエツジからの鉄の溶解を効果的に防止
することは容易に理解される。また、本発明者等
の研究によると、アルミニウムが内容物中に溶解
した系では、鋼に対する腐食性が弱くなり、下部
体1と上部体2との間に導通がない場合でも、内
容物中へのアルミニウムの溶解により、カツトエ
ツジからの鉄の溶出が効果的に抑制されることが
見出された。鉄イオンの溶出防止に対して、腐食
媒体中のアルミニウムイオン等の異種金属イオン
が、このように大きな効果を与える原因の詳細は
未だ不明であるが、本発明の金属性容器において
は、鋼のカツトエツジに極く近接して、アルミニ
ウム面が存在するので、アルミニウムの内容物中
への溶解により、近傍の内容物の組成、PH等が局
部的に大きく変化し腐食性が弱まるため、カツト
エツジからの鉄溶出が効果的に防止されるものと
考えられる。 本発明において、下部体を構成する金属素材と
しては、未処理の硬板(ブラツクプレート)、各
種表面処理鋼板、例えば錫メツキ鋼板(ブリキ)、
亜鉛メツキ鋼板、アルミニウム鋼板、ニツケルメ
ツキ鋼板、クロムメツキ鋼板等のメツキ鋼板;電
解クロム酸処理鋼板等の電解処理鋼板;リン酸及
び/又はクロム酸処理鋼板等の化学処理鋼板等が
使用される。 絞りしごきカツトを形成するために、上述した
金属素材を円板等の形状に打抜き、絞りポンチと
絞りダイスとの間で、1段或いは多段に絞り加工
に付し、絞りカツプをしごきポンチとしごきダイ
スとの間で多段のしごき加工に賦す。これらの絞
り−しごき加工の操作や条件は、それ自体公知の
ものであり、しごき率を後述する範囲とする点を
除けばそれ自体公知の条件で行うことができる。 加工に付する鋼素材の素板厚は、容器の最終寸
法や素材の種類によつても相違するが、一般に
0.2乃至0.5mm、特に0.2乃至0.35mmの範囲にあるの
が望ましく、一方しごき加工により形成される側
壁部の厚みは、下記式 RI=TB−TW/TB×100 式中、TBはカツプ状成形体の底壁の厚み、TW
はカツプ状成形体の側壁の厚みを夫々表わす、 で定義されるしごき率RIが20%以上、特に好適
には30乃至80%となるようにし、且つその厚み
TWが0.05乃至0.20mm、特に0.06乃至0.17mmとなる
ようにするのがよい。 一般には、ネツクイン加工を行うカツプの開放
端部のしごき率を、他の側壁部のしごき率よりも
5乃至30%低い軽度のものとしておくことが、ネ
ツクイン加工時におけるこの部分の損傷等を防止
する上で有利である。このために、しごき加工
を、ポンチとダイスとの間隙を次第にせばめなが
ら、3段以上の複数段に行い、この際最終段のし
ごきにおいて、カツプの開放端部ではしごきが行
われないようにすることができる。 絞りしごきカツプのネツクイン加工は、下部体
と上部体とがピツタリ嵌合する寸法となるように
行う。本発明においては、周状の重ね合せ接合を
形成する両開放端部の内、内側に位置するものの
外系をrI、外側に位置するものの内径をrO、両者
の間に介在させる接着剤層の厚みをdAとしたと
き、下記不等式 rO−rI<dA が成立するようにこれらの諸寸法を選ぶことによ
り、両開放端部が接着剤を常に圧接して、強固な
接合と継目における確実な密閉とが可能となる。 絞りしごき加工カツプは、トリミングを行い、
必要により洗滌処理、例えばリン酸及び/又はク
ロム酸による方面化学処理を行つた後、少なくと
もその内面に耐腐食性の保護塗料を施こす。本発
明においては、この絞りしごき加工カツプの表面
化学処理により、カツプ開放端部の端縁も必然的
に表面化学処理され、このカツプの開放端部が継
目の内側となつて内容物中に露出する場合にも、
耐腐食性の強いものとなる。また接着剤との密着
性も良好となり、また後で施こす塗料や樹脂被覆
との密着性も良好となる。この保護塗料として
は、熱硬化性及び熱可塑性樹脂から成る任意の塗
料;例えばフエノール・エポキシ塗料、アミノ−
エポキシ塗料等の変性エポキシ塗料:例えば塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体部分ケン化物、塩化ビニル−酢酸
ビニル−無水マレイン酸共重合体、エポキシ変性
−、エポキシアミノ変性−或いはエポキシフエノ
ール変性−ビニル樹脂塗料等のビニル又は変性ビ
ニル塗料;アクリル樹脂系塗料;スチレン−ブタ
ジエン系共重合体等の合成ゴム系塗料等が使用さ
れる。 これらの塗料は、エナメル或いはラツカー等の
有機溶媒溶液の形で、或いは水性分散液又は水溶
液の形で、スプレー塗装、浸漬塗装、静電塗装、
電気泳動塗装等の形でカツプに施こす。勿論、前
記樹脂塗料が熱硬化性の場合には、必要により塗
料を焼付ける。 本発明において上部体を構成する金属素材とし
ては、純アルミニウムの他に、マグネシウム及び
マンガンの少なくとも1種を合金成分として含有
し、場合により鉄、亜鉛、銅、クロム、チタン、
珪素等の微量成分を含有するアルミニウム合金等
が使用される。素材の厚みは、一般的に言つて、
0.15乃至0.5mm、特に0.2乃至0.35mmの範囲にある
のがよい。これらのアルミニウム素材に、前述し
た塗料を予じめ施こし、この塗料金属素材を、プ
レス型或いは絞りポンチと絞りダイスとの組合せ
等を用いて1段或いは複数段の絞り成形すること
によりカツプが形成される。成形後のカツプの上
壁をパンチングして注ぎ口を形成させ、上部体と
する。 下部体と上部体との重ね合せ接合は熱接着剤を
用いて有利に行われる。この接合を行うに当つ
て、下部体及び上部体の接合すべき両開放端部の
何れか一方或いは両方に予じめ接着剤を施こし、
次いで両開放端部を嵌合させる。 接着剤としては、熱融着可能な熱可塑性樹脂か
ら成る任意の接着剤が使用される。かかる接着剤
樹脂は130乃至240℃の融点乃至は軟化点を有する
ものが好ましく、その適当な例は、ナイロン13、
ナイロン12、ナイロン−11、ナイロン6、12、或
いはこれらのコポリアミド乃至はブレンドのよう
なナイロン系接着剤;ポリエチレン・テレフタレ
ート/イソフタレート、ポリテトラメチレン・テ
レフタレート/イソフタレート等のポリエステル
系接着剤;酸変性オレフイン樹脂、エチレン−ア
クリル酸エステル共重合体、イオン架橋オレフイ
ン共重合体(アイオノマー)、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等のオレフイン系接着剤等である。 これらの接着剤は、フイルム、粉末、分散液、
溶液等の任意の形で、接合すべき開放端縁部に施
こし、この開放端縁部全周にわたつて一様に熱接
着剤層を形成させる。 下部体と上部体とを嵌合させるに当つては、継
目の外側となる開放端部を加熱して径を増大させ
るか、或いは継目の内側となる開放端部を冷却し
て径を縮小させるかして、両者の嵌合を容易なら
しめる。このような手段を採用すると、内側端縁
部の外径、外側端縁部の内径及び接着剤層厚みが
前記不等式の関係にあるときにも、嵌合を容易に
行うことができる。 本発明によれば、上述した上部体と下部体との
嵌合部を高周波誘導加熱により加熱し、接着剤樹
脂を溶融し、これにより周状側面継目を形成させ
るが、下部体を鋼、上部体をアルミニウムとし、
下部体の開放端部を内側、上部体の開放端部を外
側とすることにより、接合すべき両開放端部の高
周波誘導加熱が極めて効率的にしかも塗膜の焦げ
等のトラブルを生ずることなしに、短時間の内に
容易に行われることが見出された。 高周波誘導加熱は、例えば、特開昭58−71122
号公報、特開昭58−224032号公報等に記載されて
いる方法により好適に行われる。 この加熱方法を説明するための第3図及び第4
図において、継目となるべき部分6aにおいて
は、両端部3及び4は接着剤層5を介して嵌合に
より機械的に係合されており、しかもこの両端部
3及び4は接着剤層5により少なくとも局部的に
電気絶縁関係となつている。 この継目となるべき部分6aの外側には、全体
として14で示す高周波誘導加熱コイルが次のよ
うな位置関係で配置される。即ち、内側の開放端
部3に連なる鋼製の側壁部7には、電流が図面に
おいて一定時点において上→下垂直方向に流れる
コイル部分15と対面し、一方外側の開放端部4
に連なるアルミニウム製側壁部9には、電流が図
面において、同時点において下→上垂直方向に流
れるコイル部分16と対面し、且つ継目となるべ
き部分6aは両コイル部分15及び16のほぼ中
間に位置している。図において、このコイル部分
15及び16は断面のみで示されているが、図面
のほぼ垂直方向に連なつたループを形成している
ことが理解されるべきである。 上述した位置関係において、高周波誘導加熱コ
イル14に高周波電流を通電すると、第4図の斜
視図に示す通り、コイル部分15に対面した側壁
部7では該コイル部分の電流方向とは逆向きでし
かも開放端部3の部分を同方向となるように通る
うず電流17が誘導される。同様にコイル部分1
6に対面した側壁部9では該コイル部分の電流方
向とは逆向きでしかも開放端部4の部分を同方向
となるように通るうず電流18が誘電される。こ
のうず電流17及び18は、側壁部7及び9の部
分では広い面積に対応してうず電流の電流密度は
比較的低く、一方端部3及び4の部分では、カツ
トエツジとなつていて面積の広がりがないこと及
びエツジへの電流集中効果等によつて、うず電流
の電流密度は比較的高く、この結果として、重ね
合せ部の外側に位置する開放端部4のみならず、
その内側に位置する開放端部3も強く加熱される
ことになる。 本発明においては、外側に位置する開放端部
4、及びそれに連なる側壁部9を、非磁性材料で
あり且つ電気の良導体であるアルミニウムで形成
したことにより、コイル部分16に対面する側壁
部9では、電磁結合が弱く、電流がブロードに分
布する一方、開放端部4の先端に電流が集中して
密度が高くなるため、側壁部9の加熱による塗料
の焦げ等が防止されると共に、開放端部4が短時
間の内に強く加熱されることになる。更に開放端
部4が良導体でこれを流れる電流密度が高いた
め、アルミ製開放端部4がその内側に位置する鋼
製の開放端部3に対して、自ら誘導加熱コイルと
しての二次的作用を行い、これにより鋼製の開放
端部3は、鋼製側壁部7とコイル部分15との電
磁結合に誘導されるうず電流17と共に、二次的
に誘導されるうず電流によつて選択的にしかも強
く加熱されることになる。 第5図及び第6図は、誘電加熱時間と内側開放
端部3及びこれに連なる側壁部7の温度との関係
を示す線図であり、第5図は、上部体及び下部体
が共に鋼製である場合、第6図は上部体がアルミ
ニウム製、下部体が鋼製である場合を夫々示す。
曲線aは内側開放端部3の温度であり、曲線bは
下部体のコイルに対面する側壁部7の最高温度で
ある。加熱条件は、内側開放端部の温度上昇を一
定として、高周波入力電力は7KWで、加熱時間
は第5図で0.5秒、第6図で0.3秒であつた。第5
図及び第6図の結果から、本発明の構成を採用す
ると、内側開放端部の加熱が短時間の内に効率良
く行われると共に、側壁部の不必要な昇温が抑制
されるという驚くべき事実が明白となる。更に、
加熱時間が短時間であると、溶融状態の接着剤の
溢れ出るが少くなり、塗料や接着剤の熱劣化も少
ないという利点を有する。 本発明において、上述した高周波誘導加熱コイ
ルにより円周上の嵌合部全体を加熱するには、円
周状の嵌合部の周囲を実質上覆うように多数個の
高周波誘導加熱コイルを配置し、上下体の嵌合物
を静止させて誘導加熱を行う方法、1個乃至は複
数個の高周波誘導加熱コイルを配置し、上下体の
嵌合物を回転させながら誘導加熱する方法、長い
偏平コイルに沿つて、嵌合部を回転させながら移
動することによつて加熱する方法、或いはこれら
の組合せ方法等が適宜採用される。 コイルに通電する高周波電流は、この種の誘導
加熱に使用されるいるものは全て使用でき、例え
ば一般的に言つて、10KHz乃至500KHzの高周波
が好適に使用される。加熱コイルへの入力は、容
器の大きさや要求される温度や加熱時間によつて
も著しく相違し、一概には規定できない。1例と
して、径110.6mmの周状継目容器をポリエステル
径接着剤を介して接合するに際し、入力7KWで
0.3秒という極めて短時間で熱接着処理が完了す
ることが認められた。 本発明によれば、外側となる端部と内側となる
端部とを等しい温度となるように加熱することも
できるし、またこれらの温度が互いに異なるよう
に加熱することもできる。 本発明の容器は、炭酸飲料、ビール、発泡酒等
の自生圧力を有する内容物に対する容器として、
また窒素ガス、液体窒素等を内容物と共に充填す
る内圧容器等として特に有用である。 本発明の金属製容器においては、上に説明した
以外の変形が可能である。 すなわち、前に示した具体例では、下部体1は
鋼盆の高度の絞り−しごき加工で形成された背の
高い薄肉側壁部7と実質上しごき加工を受けてい
ない厚肉の底部とから成るカツプであり、一方上
部体2アルミニウム板の数次の絞り成形で形成さ
れた短い側壁9と上壁10とから成るカツプであ
るが、第7図に示す通り、下部体1bを塗装鋼板
の高度の絞り加工で形成された側壁部7bと底部
8bとから成るカツプとし、上部体2bを塗装ア
ルミの数次の絞り成形で形成された、比較的長い
側壁9bと上壁10bおよび注ぎ口11とからな
る成形体としてもよい。 本発明を次の例で説明する。実施例及び比較例
において、内容物充填貯蔵試験は、37℃で6ケ月
貯蔵後、各試験項目毎に下記要領により評価を行
なつた。試験容器数は各10ケである。 鉄溶出量:内容物1000gに対する溶出鉄量(mg)
の割合(ppm) アルミニウム溶出量:内容物1000gに対する溶出
アルミニウム量(mg)の割合(ppm) フレーバー:パネル数10人により行なわれたフレ
ーバーテストの結果 5:優秀、4:良好、
3:普通、2:不良、1:劣悪 容器の内面状態:開封後容器内面カツトエツジ
部、及びそれ以外の容器内面部の視覚による評
価(錆の発生状態、塗膜の変化等) 実施例 1 素材厚0.30mmの錫メツキ鋼板を120mm径の円板
に打抜き、常法に従い、絞り、再絞り、しごき加
工により直径66.10mmのカツプ状に成形した。 次いで、この成形体の内外面を脱脂洗浄後、常
法のりん酸系表面処理を行ない、エキポシ系塗料
で内外面の塗装焼付を行なつた後、ネツクイン加
工(ネツクイン部外系径:64.17mm)を行なつた。 次いで、厚さ60μm、巾6mmのポリエステル接
着剤テープを成形体の外側開放端部に高周波誘導
加熱により、開放端部の端縁及びこれに続く内外
面に加熱融着させ、下部体とした。 一方、上部体は予めエポキシ系塗料を両面に施
こした素材厚0.23mmのアルミニウム板(3004、
H19)を、112mm径の円板に打抜き常法のプレス
加工により成形を行ない、上壁に注ぎ口を設けた
(上部体内径64.20mm)。 次いて接着剤テープが施された下部体と前記上
部体とを開放端同志で嵌合し、嵌合部を高周波誘
導加熱により加熱し、接着剤を溶融させた後上部
体中に下部体を更に1mm押し込み、上部体カツト
エツジと下部体外壁との間で電気的に導通させた
後冷却して接合金属容器を作製した。この時の加
熱条件は、加熱コイルへの入力電力7KW、加熱
時間0.3秒であつた。容器各部の最高の最高到達
温度は、接合部においては200℃、下部体側壁体
においては100℃であつた。 次いで、この金属容器内に、下記飲料 A コーラ B ビール C 合成炭酸飲料 を冷間充填し、注ぎ口を封印した。次いでこれら
3種を下記第1表に示す条件で加温殺菌した。
【表】 これら3種の容器詰の何れについても、上記処
理中に周状継目着部の剥離、漏洩を生ずることが
なかつた。 また、これらの容器詰を、カートンケースに詰
め(30個/ケース)、振動試験、落下試験を行な
つたが、上部体と下部体の接着部の変形や破損及
び漏洩は全く認められなかつた。 次いで、これらの容器詰を37℃で6ケ月間貯蔵
後、鉄溶出量、アルミニウム溶出量、フレーバ
ー、容器の内面状態を調べた。それぞれの結果を
第2表に示す。 実施例 2 接着剤を溶融させた後、上部体中に下部体を押
し込まない事以外は実施例1と同じ方法で接合容
器を作製した。上部体及び下部体間の導通はなか
つた。 次いでこの金属容器内に実施例1と同様に、コ
ーラ、ビール、合成炭酸飲料を冷間充填し、注ぎ
口を封印した後、第1表に示す条件で加温殺菌し
た。 これら3種の容器詰の何れについても、上記処
理中に周状継目接着部の剥離、漏洩を生ずること
がなかつた。 また、これらの容器詰を、カートンケースに詰
め(30個/ケース)、振動試験、落下試験を行な
つたが、上部体と下部体の接着部の変形や破損及
び漏洩は全く認められなかつた。 次いで、これらの容器詰を37℃で6ケ月間貯蔵
後、鉄溶出量、アルミニウム溶出量、フレーバ
ー、容器の内面状態を調べた。それぞれの結果を
第2表に示す。 比較例 1 上部体の素材として厚さ0.23mmの錫メツキ鋼板
を用いる以外は実施例1と同様にして接合容器を
作製した。この時の加熱条件は、加熱コイルへの
入力電力7KW、加熱時間0.3秒であつた。容器各
部の最高到達温度は、接合部においては、140℃、
下部体側壁部においては130℃であつた。 次いで、この金属容器内に実施例1と同様に、
コーラ、ビール、合成炭酸飲料を冷間充填し、注
ぎ口を封印した後、第1表に示す条件で加温殺菌
した。 これら3種の容器詰の何れにおいても、上記加
温処理により、周状継目接着部の剥離、漏洩が多
数生じた。 比較例 2 接合時の加熱時間を0.5秒とする以外は、比較
例1と同様にして接合容器を作製した。この時の
容器各部の最高到達温度は、接合部においては
200℃、下部体側壁部においては190℃であつた。 次いでこの金属容器内に実施例1と同様に、コ
ーラ、ビール、合成炭酸飲料を冷間充填し、注ぎ
口を封印した後、第1表に示す条件で加温殺菌し
た。 これら3種の容器詰の何れについても、上記処
理中に周状継目接着部の剥離、漏洩を生ずること
がなかつた。 また、これらの容器詰をカートンケースに詰め
(30個/ケース)、振動試験、落下試験を行なつた
が、上部体と下部体の接着部の変形や破損及び漏
洩は全く認められなかつた。 次いで、これらの容器詰を37℃で6ケ月間貯蔵
後、鉄溶出量、フレーバー、容器の内面状態を調
べた。それぞれの結果を第2表に示す。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の金属製容器の上部体と下部
体をそれぞれ別個に示した断面図、第2図は、本
発明の金属製容器の一部断面図、第3図は本発明
における高周波誘導加熱コイル及び容器の側断面
図、第4図は、高周波誘導加熱コイルによつて誘
導されるうず電流の状態を示す図、第5図及び第
6図は、内側開放端部及び側壁部における温度−
時間曲線を示す線図、第7図は、上部体及び下部
体の両方を数次の絞り成形により形成した場合の
本発明の態様を示す断面図であつて、 引照数字はそれぞれ、1は下部体、2は上部
体、3及び4は開放端部、5は接着剤、6は側面
継目、6aは継目となるべき部分、7及び9は下
部体及び上部体の側壁部、8は底部、10は上
壁、11は注ぎ口、12はカツトエツジ、14は
高周波誘導加熱コイル、15及び16はコイル部
分、17及び18はうず電流を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 金属製の無継目カツプ状成形体から成る下部
    体と、金属製の無継目カツプ状成形体から成る上
    部体とを、それらの開放端部同志で重ね合せ接合
    することにより形成された周状側面継目を有する
    金属製容器であつて、前記下部体が鋼または表面
    処理鋼から形成されていて、そのカツトエツジが
    周状側面継目の内側に位置しており、前記上部体
    がアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成
    されていて、その開放端が周状側面継目の外側に
    位置していることを特徴とするカツトエツジから
    の鉄溶出を防止した金属製容器。
JP8617784A 1984-05-01 1984-05-01 カットエッジからの鉄溶出を防止した金属製容器 Granted JPS60240635A (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58224032A (ja) * 1982-06-22 1983-12-26 Toyo Seikan Kaisha Ltd 金属容器の製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS58224032A (ja) * 1982-06-22 1983-12-26 Toyo Seikan Kaisha Ltd 金属容器の製造方法

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