JPS5933036B2 - 継目を被覆したテイン・フリ−・スチ−ル製溶接罐及びその製法 - Google Patents

継目を被覆したテイン・フリ−・スチ−ル製溶接罐及びその製法

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JPS5933036B2
JPS5933036B2 JP8296480A JP8296480A JPS5933036B2 JP S5933036 B2 JPS5933036 B2 JP S5933036B2 JP 8296480 A JP8296480 A JP 8296480A JP 8296480 A JP8296480 A JP 8296480A JP S5933036 B2 JPS5933036 B2 JP S5933036B2
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seam
thermoplastic resin
paint
welded
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誠七 小林
達男 森
哲夫 宮澤
和雄 平
誠 堀口
進 高橋
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
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Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、樹脂保護被覆の溶性継目への密着性に優れ、
しかも継目の腐食防止作用がフランジ加工、巻締加工、
ビード加工、ネツクイン加工等の加工後においても永続
して保持される継目被覆テイン・フリー・スチール製溶
接罐及びその製造法に関する。
従来、製罐法としてはブリキ等の罐用素材を円筒状に成
形し、その両端縁部を・・ンダ、接着剤等を用いてラツ
プシーム、ロツクシーム或いはこれらの組み合わせシー
ムに接合する方法が一般に行われている。
しかしながら、この製罐方法ではシーム部にかなりの面
積が必要であり、資源節約の点で問題があるとともに、
・・ンダ罐の場合にはハンダによる好ましくない影響も
あり、また接着罐の場合には継目の強度及び耐久性の面
で問題がある。更に・・ンダ及び接着剤による継目罐の
場合には、側面継目にかなりの段差があるため罐蓋との
2重巻き締めに際して段差部での漏洩を屡々生じやすい
という問題がある。従来、・・ンダ罐に代わる製罐法と
して絞りしごき加工による無継目(シームレス)罐があ
る分野では用いられているが、無継目罐は圧力による罐
胴側壁の変形が大であるため、バキユーム罐、即ち内容
物をレトルト殺菌する用途の罐に用いることは到底不可
能である。
ハンダ罐に代わる製罐法の他の例として罐用素材の両端
縁部を溶接によりラツプ(重ね合わせ)接合した溶接罐
も既に知られている。
このような溶接罐は、ラツプシーム部の面積がハンダ罐
に比して著しく小であり、またシーム部の厚みも比較的
小さいため前述した段差に伴う問題が緩和され、更にハ
ンダの様な格別な接合剤を必要としないという利点を有
しているが、罐用素材の種類によつてはその製造操作が
面倒であり、また継目の耐腐食性、塗料密着性及び外観
特性においても未だ充分満足し得るものではなかつた。
例えば、圧延鋼板を電解クロム酸処理して得られるテイ
ン・フリー・スチールは、ブリキ等の罐用素材に比して
安価にしかも容易に入手でき、またブリキ罐に認められ
る内容物中への錫溶出の問題もなく更に耐腐食性及び塗
料の密着性にも優れて(・るという利点を有しているが
、このテイン・フリー・スチール(以下に単にTFSと
呼ぷことがある)の溶接継目を形成するには、高電気抵
抗の含クロム被覆層を除去して後溶接を行う必要があり
、このために含クロム被覆層を除去した鋼板基質露出部
には不可避的に多孔質の厚い鋼酸化物層が形成されるこ
と、及び溶接時の圧力により溶融した鋼が継目断面部に
はみ出し、このはみ出された鋼は一層このような酸化を
受け易いことが問題となる。
この鋼酸化物は性質においてもろく、しかも多孔質であ
るため、これに保護樹脂被膜を施した場合にも密着性に
乏しく、内容物への鉄溶出や継目の腐食を防止すること
が困難である。
しかも、TFS溶接罐が継目での被膜密着性や耐腐食性
に劣るという欠点は、この継目がフランジ加工、2重巻
締加工、ネツクイン加工、或い{;ビード加工等の製罐
上必要な苛酷な加工に賦され、内容物充填後レトルト殺
菌等の苛酷な熱水処理を受けることによつて一層倍加さ
れる。このように不都合な鋼酸化物層を除去するために
、溶接後のTFS罐を酸洗浄(ピツクリング)に賦する
ことが考えられるが、個々の溶接罐を酸洗浄に賦するこ
とは操作及び設備の点で著しいコストの増加をもたらす
ばかりではなく、処理後の溶接罐においても、樹脂保護
被覆の継目への密着性は思つた程向上せず、継目の腐食
防止作用、特に加工後の腐食防止作用も然程改善されな
いことがわかつた。
このように、溶接TFS罐の継目の被覆には、継目の金
属基質そのものが塗料密着性等に欠けるという問題に加
えて、用いる被覆用塗料も継目への密着性、腐食成分に
対するバリヤー性及び二重巻締等の加工性の組合せ特性
に欠け、更に継目における段差のあるカツトエツジを完
全に被覆するという目的にも未だ不満足なものであると
いう欠点がある。
例えば、熱可塑性樹脂から成る被覆材料は、加工性には
優れているとしても、熱可塑性樹脂は継目への密着性に
欠けると共に、前述したバリヤー性も低く、熱可塑性樹
脂で被覆した継目は、内容物等により容易に腐食や、硫
化黒変等の欠点を生じるようになる。
一方、熱硬化性樹脂から成る塗料は、継目への密着性や
腐食成分に対するバリヤー性には優れているが、その反
面加工性に欠けるのが欠点であり、継目を熱硬化性樹脂
で被覆した罐体では、二重巻締部分から金属溶出がひん
ぱんに生ずることが認められる。
更に、これら何れの樹脂を使用する場合にも、これらの
塗料は溶液或いは溶融状態で継目に存在する段差を埋め
るように流動を生ずるから、カツトエツジの角の部分で
は塗膜が切れるか或いはそうでないとしても塗膜が著し
く薄いものとなり、また段差部の部分の塗膜には気泡が
人り易い等、素材のカツトエツジ部に完全な被覆を形成
させることは不可能に近い。
金属露出部があると内容物の種類によつては穴開き缶、
水素膨張缶等の重大な欠陥をもたらすと同時に内容物の
フレーバ一をも著しく損うことになる。
本発明者等は、前述したTFS溶接罐の製造に際して、
継目の鋼板基質露出部におけるポーラスな厚い鋼酸化物
層の形成を抑制し、その代りに、厚さが50乃至400
オングストローム(んの範囲にあるマグネタイト(Fe
3O4)を主体とする緻密な金属酸化物層を形成させる
と、罐継目の耐腐食性、塗料密着性が向上すること、及
びこの継目に対して、熱硬化性樹脂と軟化点が一定の範
囲にある熱可塑性樹脂とを一定の量比で含有する塗料組
成物を施こすと、一方の樹脂が連続相、他方の樹脂の少
なくとも一部が分散相となつた被覆が、カツトエツジ部
をも含めて全ての継目に完全な形で有効に形成され、そ
の結果継目の全ての部分の完全被覆、継目の耐腐食性及
び継目への被膜密着性に優れ、しかも種々の加工やレト
ルト殺菌に賦した場合にも、これらの利点が実質上損わ
れない被覆溶接シーム罐が得られることを見出した。
本発明によれば、金属クロム層及びその上のクロム酸化
物層から成る被覆層を鋼板基質上に設けた罐用素材を溶
接により側面で接合した溶接継目罐において、この側面
継目は厚みが50乃至800オングストロームの範囲に
あるマグネタイトを主体とする緻密な鋼酸化物から成る
鋼板基質露出部を有し、該側面継目の少くとも一方の表
面部には熱硬化性樹脂と50乃至300℃の環球法軟化
点を有する熱可塑性樹脂とを、の体積比で含有し、何れ
か一方の樹脂が被覆層中に連続相の形で存在し、他方の
樹脂の少なくとも一部が前記連続相中に微細な分散粒子
の形で存在する被覆層が設けられていることを特徴とす
る継目を被覆した溶接罐が提供される。
本発明によれば更に、側面に継目を有する溶接罐胴の少
なくとも一方の表面側継目に、樹脂塗料を塗布し、次い
でこの塗料を焼付けて継目を被覆する塗膜を形成させる
ことから成る継目被覆溶接罐の製法において、該罐胴は
金属クロム層及びその上のクロム酸化物層から成る被覆
層を鋼板基質上に設けた罐用素材を溶接により側面で接
合した溶接継目罐であつて、この側面継目は厚みが50
乃至800オングストロームの範囲にあるマグネタイト
を主体とする緻密な鋼酸化物から成る鋼板基質露出部を
有するものとし、前記樹脂塗料は、熱硬化性樹脂の溶液
から成る分散媒と0,1乃至80μmの数平均粒径と5
0乃至300℃の環球法軟化点とを有する熱可塑性樹脂
粒子の分散質とから成る塗料であり、前記塗料中の熱硬
化性樹脂と熱可塑性樹脂とは(A) 95:5乃至25
:75或いは(B) 20:80乃至1:99の体積比
で存在するものとし、継目に塗布した塗料を、最初に前
記溶液中の溶媒の蒸発が生じ、次いで熱可塑性樹脂の軟
化が生じる条件下で焼付けることを特徴とする継目被覆
溶接罐の製造法が提供される。
本発明の溶接シーム罐を示す第1図において、製罐用T
FS素材1を円筒状に成型し、その両端縁部2,2を重
ね合わせ、後に詳述する特定の溶接手段により接合して
側面継目3を形成する。この側面継目3の少なくとも内
面側には、後に詳述する樹脂乃至は樹脂組成物の被覆層
4が形成されている。この側面継目3及びその近傍の表
面を、被覆層4を剥離した状態で拡大して示す第2図に
おいて、継目3及びその近傍には、クロム被覆部分Aと
鋼板基質露出部Bとが存在し、このクロム被覆部分Aに
おいては、鋼板基質5、金属クロム層6及び表面クロム
酸化物層7から成つている。
溶接による継目の形成に際しては、電気導通の目的で、
クロム被覆層6及び7が除去されて、鋼板基質5が露出
されるが、この鋼板基質露出部Bにお(・ては、溶接時
に必然的に鋼酸化物層8が形成される。これは継目の内
外側面について全く同様である。TFS素材における鋼
板基質5は、例えば低炭素鋼の冷間圧延により製造され
るものであり、一方金属クロム層6及びクロム酸化物層
7の厚みや、その比は溶接罐の用途や、罐の容積によつ
てもかなり相違するが、一般に金属クロム層が10乃至
100T!1f!!/M2、特に20乃至80即/M2
、クロム酸化物層が0.5乃至20TV!/m゛、特に
1乃至10ワ/Trlの被覆量を夫々有する。本発明の
重要な特徴の一つは、前述した鋼酸化物層8をマグネタ
イト(Fe3O4)を主体とする緻密な鋼酸化物から形
成させると共に、その厚みを50乃至800特に50乃
至400オングストローム(代)の範囲に抑制する点に
存する。
従来のTFS溶接罐においては、継目となるべき鋼板基
質の露出部において、鋼酸化物層が1000乃至300
0人の厚みに形成され、しかもこの酸化鉄層は非常にポ
ーラスであり、また化学組成的にはFe原子に対する酸
素原子の比が比較的大きいものを主体とするものである
。この酸化鉄層は、非常に雰囲気の影響を受け易く、例
えば空気との比較的短時間の接触で含水第2酸化鉄(所
謂赤錆)に容易に変化する傾向がみられる。これに対し
て、本発明の溶接罐においては、鋼酸化物層がマグネタ
イトを主体とする緻密な酸化物から形成され、しかも厚
みが50乃至800λの極めて薄いレベルに抑制されて
いることに関連して、塗膜の密着性、耐腐食性が顕著に
向上し、継目の加工後におけるこれらの特性が優れたレ
ベルに維持されるものである。例えば、このマグネタイ
ト酸化物層の厚みが、上記範囲よりも小さいと、塗膜の
密着性が低下し、上記範囲よりも厚いと加工後における
塗膜の密着性や耐腐食性が低下する。更に、酸化物層が
マグネタイト主体の緻密層から成ることは、耐腐食性の
点で望ましい効果をもたらす。鋼酸化物層がマグネタイ
トから成る事実は、X線回折や電子線回折により確認で
き、また酸化物層の化学組成は、ESCA(Elect
rOnSnectrOscOpyfOrChemica
lAnalysis)により、表面をArガスでエツチ
ングし、0,.Feの原子濃度比を測定することにより
求め得る。
また、厚みは、走査型電子顕微鏡X線マイクロアナライ
ザーで求め得る。本発明の溶接シーム罐を製造するに当
つて、守らなければならない幾つかの制限が存在する。
側面継目の電気抵抗溶接は、TFS罐用素材を円筒状に
成形し、形成される重ね合わせ部を1対の電極ローラー
間に通過せしめるか、或は電極ワイヤーを介して上下1
対の電極ローラー間に通過せしめることによつて行われ
るが、この溶接操作を不活性雰囲気中で行い、且つ溶接
部の表面温度が550℃に低下するまでの雰囲気を不活
性雰囲気とすることがまず重要である。溶接雰囲気及び
その後の放冷雰囲気を不活性雰囲気即ち非酸化性雰囲気
とすることは、酸化物の層厚を減少させ且つ鋼酸化物を
マグネタイトとするという点で2重の作用効果を有して
いる。不活性雰囲気としては、窒素、アルゴン、ネオン
、水素、一酸化炭素等を使用することができる。
上述した不活性気体の気流中に溶接接合部を保持して作
業を行うのが好ましいが、上記気体を充填した密閉容器
内で作業を行つてもよい。本発明の被覆溶接罐において
、側面継目の幅は罐の径によつても相違するが、0.2
乃至1.2mmのような比較的小さい幅でよく、罐用素
材の使用量を少くできることも本発明の利点の1つであ
る。
被覆された継目及びその近傍の断面を示す第3図及び第
4図において、この罐胴の内面側に位置する継目3には
、素材のカツトエツジ9及び溶接の際金属素材の溶融物
が圧力によりはみ出すことにより形成されたはみ出し部
10が存在している。第2図に関して説明したクロム被
覆層が除去された部分、カツトエツジ9及びはみ出し部
10を含めて、鋼板基質露出部には、鋼酸化物層8が存
在し、その他の部分には金属クロム層6及び表面クロム
酸化物層7が存在する。この継目3には、この部分を被
覆する樹脂層4が設けられている。この罐胴の内面は、
前述した継目3或いはその近傍の部分を除いて樹脂保護
塗膜11で被覆されていてもよい。本発明の重要な特徴
は、この樹脂被覆層4を、前記特定の体積比の熱硬化性
樹脂と熱可塑性樹脂とから構成すると共に、この内の一
方の樹脂を連続相、他方の樹脂の少なくとも=部を該連
続相中に分散した微細粒子相とすることにある。
本発明において、何れの樹脂が連続相を構成するかは、
両樹脂の体積比によつて決定され、熱硬化性樹脂と熱可
塑性樹脂とが、の体積比で存在する場合には、熱硬化性
樹脂が連続相、熱可塑性樹脂が分散相となり、の体積比
で存在する場合には、熱可塑性樹脂が連続相で、熱硬化
性樹脂の少なくとも一部が分散相、残りの一部が連続相
となる。
第3図は、上述した囚の場合を示し、前記樹脂被覆層4
は、熱硬化性樹脂から成る連続相12と熱可塑性樹脂粒
子から成る分散相13とから成り、前記熱可塑性樹脂粒
子13は0.1乃至80ミクロンの数平均粒径を有して
いる。
第4図は、上述した(8)の場合を示し、前記熱可塑性
樹脂は被覆層4中に連続相14の形で存在し、一方熱硬
化性樹脂の一部は熱可塑絶樹脂連続相14と継目内面側
との界面に連続薄層15の形で存在し、残りの一部は前
記連続相中に数平均粒径が0.1乃至80ミクロンの微
細な分散粒子16の形で存在している。
熱硬化性樹脂が金属への密着性や腐食性成分に対するバ
リヤー性に優れている反面として加工性に欠けること、
及び一方熱可塑性樹脂が加工性に優れている反面として
、密着性及びバリヤー性に欠けることは既に前述した通
りである。
更に、熱硬化性樹脂溶液単独を継目3に塗布した場合に
は、この溶液は、カツトエツジ9或いははみ出し部10
の段差のある部分に流れ出し、これによつてカツトエツ
ジの角部17の部分では塗膜が切れたり或いは薄くなる
等の欠点を生ずることも既に前述した。
これに対して、本発明に従い、熱硬化性樹脂溶液を分散
媒、熱可塑性樹脂粒子を分散質とし、しノかも熱硬化性
樹脂と熱可塑性樹脂との体積比を前述した範囲に選択す
ると、この塗料のチクソトロピツクな性質により、継目
3の角部17上にも塗料が厚盛りされた状態で、塗装及
び焼付けが可能となる。
しかも厚盛りされた塗料の部分では熱可塑性樹脂粒子が
その表面に熱硬化性樹脂溶液を有効に保持し、この溶液
が段差の空隙部分に流出して塗膜が平滑化しようと傾向
を抑制する。かくして、本発明の形態の塗料を使用する
と、カツトエツジの角部17の部分においても、施され
たのとほぼ同様な厚みの塗膜を保持せしめることが可能
となり、カツトエツジ9全体の完全な被覆が可能となる
のである。
前記(A)の場合、この状態は、熱硬化性樹脂が連続相
12(第3図)を保ちつつ焼付終了迄保持されると共に
、分散粒子たる熱可塑性樹脂が焼付条件下で軟化乃至は
溶融して、熱硬化性樹脂相と熱可塑性樹脂相との相互接
着も完全なものとなり、機械的強度、耐衝撃性、加工性
等に一層優れたものとなるのである。
また両者の相互接着が完全なものとなることにより、前
述した腐食性成分等に対するバリヤー性も一層顕著に向
上することになる。本発明のこの好適な態様によれば、
熱硬化性樹脂を塗膜中に連続相の形で含有せしめること
により、継目への密着性や腐食性成分(例えば水、酸、
酸素、硫化水素等)のバリヤー性を顕著に向上せしめな
がら、しかも熱可塑性樹脂粒子を分散相の形で塗膜中に
含有せしめることにより、二重巻締力旺やビード加工等
に耐え得る加工性を賦与するに至つたものである。
また、前記(B)の場合、溶媒の蒸発に伴つて、熱硬化
性樹脂の一部は継目の金属面に連続薄層15の形で沈着
し、他の」部は熱可塑性樹脂粒子表面に沈着する。
この状態で、塗膜の焼付が更に進行し、熱可塑性樹脂粒
子の溶融が行われる。両樹脂の比率を前述した範囲に選
択することにより、熱可塑性樹脂が連続相14となり、
その粒子表面に残存した熱硬化性樹脂は微細な分散オ旧
6となつて、相の逆転が生じ、最後に熱硬化性樹脂の硬
化が完了する。本発明のこの後者の態様によれば、この
ように熱硬化性樹脂の一部が継目の金属面の全てに密着
した薄層の形で存在することにより、被覆の密着性及び
耐腐食性が顕著に向上する。
のみならず、この熱硬化性被膜は薄層、特に0.01乃
至5μmの範囲に抑制されており、更にこの上の熱可塑
性被膜が連続相となつているため、加工性の著しい改善
がもたらされ、特にネツクインのような苛酷な加工を行
つた場合にも、継目からの金属溶出や腐食が顕著に抑制
されるのである。本発明の塗料に使用する熱可塑性樹脂
粒子は、50乃至300′C、特に120乃至27『C
の環球法軟化点を有することも本発明の目的に関して重
要である。
即ち熱可塑性樹脂の軟化点が上記範囲よりも低い場合に
は、両樹脂は均質な混合物となつて、本発明の分散形態
をとることは困難となり、カツトエツジの被覆能も、加
工性及び耐腐食性も低下する。一方、この軟化点が上記
範囲よりも高い場合には、加工性が本発明範囲内のもの
に比して劣るようになり、また界面での相互接着が困難
となるため、バリヤー性が低下するようになるこの熱可
塑性樹脂粒子は0,1乃至80ミクロン、特に0.5乃
至50ミクロンの数平均粒径を有することが望ましい。
即ち、粒径が上記範囲よりも小さい場合及び大きい場合
の何れの場合にも、厚盛り塗装性、熱硬化性樹脂溶液の
流展抑制の最適な組合せが得られない傾向がある。特に
、前記(4)の態様において、この分散粒子の粒径が上
記範囲よりも小さい場合には、単位塗膜体積当りの粒界
面積があまりにも大きくなるために、塗膜のバリヤー性
が低下し、内容物による硫化黒変等の腐食が容易に進行
するようになり、更に硬化後の塗膜の加工性も低下する
ようになる。
また、この粒径が上記範囲を越えると、塗膜内に熱硬化
性樹脂の連続相と熱可塑性樹脂の分散相とから成る組織
を一様に形成させることが困難となり、このような塗膜
は、カツトエツジ部の完全被覆性も、加工性や耐腐食性
も著しく低下する傾向がある。かかる傾向は、熱可塑性
樹脂粒子と熱硬化性樹脂溶液連続相との相逆転を生じる
前記(B)の態様においても同様に認められる。
本発明に用いる塗料において、熱硬化性樹脂と熱可塑性
樹脂との体積比が、前記(4)と(B)との中間の範囲
にある場合には、何れか一方の樹脂を明確な連続相にす
ることが困難となり、カツトエツジの完全被覆が困難と
なり、加工性も低下する傾向が著しい。
また熱可塑性樹脂の配合比が上記範囲の下限よりも低く
なると、カツトエツジの完全被覆が困難となり、この部
分の腐食を避けることが困難となる。更に形成される塗
膜は加工性も低くなる。更に、熱硬化性樹脂の配合比が
上記範囲の下限よりも低くなると、被覆の継目への密着
性や、カツトエツジの耐腐食性が低下するようである。
両樹脂相間の界面接着性を向上させるという見地から、
本発明においては、熱可塑性樹脂としてカルボン酸、カ
ルボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、
カルボン酸アミド、ケトン、炭酸エステル、エリア、ウ
レタン等に基ずくカルボニル基(−C−)を主鎖或いは
側鎖に含有する熱可塑性重合体を使用することが望まし
い。カルボニル基を12乃至1400meq(ミリイク
イバレント)/1007重合体の濃度、特に50乃至1
200meq/1007重合体の濃度で含有する熱可塑
性重合体を使用した場合に、加工性及び耐腐食性の点で
最も良好な結果が得られる。このような熱可塑性重合体
は、前述した官能基を有する単量体を、重合或いは共重
合のような手段で重合体の主鎖中に組込むか、或いはグ
ラフト重合乃至は末端処理のような形で熱可塑性重合体
に結合させることにより得られる。
またオレフイン樹脂のような炭化水素系重合体にあつて
は、この重合体を酸化処理することにより、前述した範
囲のカルボニル基を含有する熱可塑性樹脂とすることが
できる。このような熱可塑性重合体の適当な例は、これ
に限定されるものでないが次の通りである。
(a) 一般式或いは 式中R1は炭素数2乃至6のアルキレン基、R2は炭素
数2乃至24のアルキレン基又はアリーレン基である、
で表わされる反復単位から成るポリエステル。
例えば、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンセバテ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレ
ンイソフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソ
フタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ
エチレン/テトラメチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン/オキシベンゾエート。(b) 一般式 式中、R3は水素原子又は低級アルキル基、R4は水素
原子、又は炭素数1乃至12のアルキル基であるの単量
体のホモ重合体又は共重合体、或いは、上記(3)の単
量体とオレフイン類、又は他のビニルモノマーとの共重
合体或いはアクリル変性ポリオレフイン類。
例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エ
ステル、エチレン/アクリル酸エステル共重合体、アク
リル酸エステル/アクリル酸共重合体、エチレン/アク
リル酸エステル/アクリル酸共重合体、エチレン/アク
リル酸共重合体、スチレン/メタクリル酸エステル/ア
クリル酸共重合体、アクリル酸エステル/塩化ビニル共
重合体、アクリル酸エステルグラフトポリエチレン、メ
タクリル酸エステル/塩化ビニル共重合体、スチレン/
メタクリル酸エステル/ブタジエン共重合体、メタクリ
ル酸エステル/アクリロニトリル共重合体。
(c) 一般式 式中、R5は水素原子、アルキル基、又はフエニル基で
ある、のビニルエステルとオレフイン類又は他のビニル
モノマーとの共重合体或いはその部分ケン化物。
例えば、エチレン一酢酸ビニル共重合体部分ケン化物、
エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン/酢
酸ビニル共重合体、 アクリル酸エステル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
/酢酸ビニル共重合体。
1)アイオノマー オレフイン類と不飽和カルボン酸、或いは更に他のビニ
ルモノマーとの共重合体をアルカリ金属、アルカリ土類
金属、或いは有機塩基で中和して得られる樹脂。
例えば、米国デユポン社から市販されているサーリン類
ト)無水マレイン酸と他のビニルモノマーとの共重合体
或いは無水マレイン酸変性ポリオレフイン例えば、無水
マレイン酸/スチレン共重合体、無水マレイン酸変性ポ
リプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン。
「) 一般式 式中R6は炭素数8乃至15の炭化水素基、で表わされ
るポリカーボネート。
例えば、ポリ−p−キシレングリコールビスカーボネー
ト、ポリージオキシジフエニルーメタンカーボネート、
ポリージオキシジフエニルエタンカーボネート、ポリー
ジオキシジフエニル2・2−プロパンカーボネート、ポ
リージオキシジフエニル1・1−エタンカーボネート。
(g)一般式 又は 式中nは3乃至13の数、mは4乃至11の数であるで
表わされる反復単位から成るポリアミド類。
例えば、ポリ一ω−アミノカプロン酸、ポリω−アミノ
ヘプタン酸、ポリ−ω−アミノカプリル酸、ポリ一ω−
アミノペラゴイン酸、ポリ−ω−アミノデカン酸、ポリ
一ω−アミノウ 2ンデカン酸、ポリ一ω−アミノドデ
カン酸、ポリ−ω−アミノトリデカン酸、ポリヘキサメ
チレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポ
リヘキサメチレンドデカミド、ポリヘキサメチレントリ
デカミド、ポリデカメチレンア 2ジパミド、ポリデカ
メチレンセバカミド、ポリデカメチレンドデカミド、ポ
リデカメチレントリデカミド、ポリドデカメチレンアジ
パミド、ポリドデカメチレンセバカミド、ポリドデカメ
チレンドデカミド、ポリドデカメチレントリデ 3力ミ
ド、ポリトリデカメチレンアジパミド、ポ※式中、R,
は炭素数3乃至24のアルキレン基、ポリエーテル残基
又はポリエステル残基;R,Oぱ炭素数3乃至24のア
ルキレン基又はアリーレン基:Rllは炭素数1乃至1
3のアルキレン基又はアリーレン基;kはO又は1の数
である:で表わされるポリウレタン又はポリ尿素ウレタ
リトリデカメチレンセバカミド、ポリトリデカメチレン
ドデカミド、ポリトリデカメチレントリデカミド、ポリ
ヘキサメチレンアゼラミド、ポリデカメチレンアゼラミ
ド、ポリトリデカメチレンアゼラミド、ポリトリデカメ
チレンアゼラミド。
(h) 一般式 又は 式中R7及びR8の各々は、炭素数1乃至13のアルキ
レン基である、で表わされる反復単位から成るポリ尿素
例えば、ポリヘキサメチレン尿素、ポリヘプタメチレン
尿素、ポリウンデカメチレン尿素、ポリノナメチレン尿
素。
1) 一般式 又は 例えば、ポリテトラメチレンヘキサメチレンウレタン、
ポリヘキサメチレンテトラメチレンウレタン、イソシア
ネート末端ポリエステル又はポリエーテルをジアミン又
は水で鎖伸長したポリ尿素ウレタン。
)ポリエチレン、ポリプロピレン、結晶性エチレンプロ
ピレン共重合体の粒子を、酸素酸化、オゾン酸化或いは
その他の酸化剤等で酸化して得られる樹脂粒子。
本発明の目的に特に望ましい樹脂は重要な順に、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリアミド、アイオノマー
、酸変性ポリオレフイン類である。
これらの樹脂は、少なくともフイルムを形成し得るに足
る分子量を有すべきであり、これらの樹脂粒子には所望
に応じて、それ自体周知の配合剤、例えば紫外線吸収剤
、安定剤、滑剤、酸化防止剤、顔料、染料、帯電防止剤
等を、公知の処方に従つて配合することができる。熱可
塑性樹脂を前述した粒度の粉体とするには、それ自体公
知の任意の手段を用い得る。
例えば、付加重合体の場合には、構成単量体を乳化重合
或いは懸濁重合することにより、所定粒度の樹脂粒子を
得ることができる。また、樹脂を冷却下に粉砕する方法
、或いは樹脂を高温で溶解した溶液を冷却して樹脂を粒
子の形に析出する方法、或いは樹脂溶液を非溶媒と接触
させて粒子の形に凝固析出させる方法、或いは樹脂溶液
を気流中に噴霧して粒子の形に析出させる方法等が何れ
も採用し得る。得られた樹脂粉末は、必要により篩分け
して所定粒度の樹脂粒子とする。熱硬化性樹脂としては
、従来塗料の用途に使用されている熱硬化性樹脂は全て
使用できる。
その適当な例は、フエノール・ホルムアルデヒド樹脂、
フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアル
デヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホル
ムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、
アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂
、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、
熱硬化型アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂等で
あり、これらは単独で或いは2種以上の組合せで使用で
きる。継目に対する密着性、耐腐食性の点で好適な熱硬
化性樹脂は、エポキシ樹脂成分と、フエノール樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂及び熱硬化型アクリル樹脂から成
る群より選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂との組
合せから成るものであつて、これらの塗膜形成樹脂は、
混合物の形で或いは予備縮合物の形で塗料に使用する。
本発明に使用する塗料は、前述した熱硬化性樹脂を適当
な有機溶媒に溶解し、この溶液に熱可塑性樹脂粒子を分
散させることにより容易に得られる。
この際、溶媒としては、熱硬化性樹脂を溶解するが、熱
可塑性樹脂を溶解しないものが選択される。一般には、
キシレン、トルエン等の芳香族溶媒;アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;エ
タノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン各種セロソルブ等の環状或いは
線状エーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類等を単独或いは2種以上の組合せで使用する。熱可塑
性樹脂粒子は分散液の形で熱硬化性樹脂溶液に添加して
もよい。本発明に使用する塗料は、25℃の温度で、ガ
ラス板上、0.2mi,の試料量で滴下1分後に測定し
て18.5乃至45度の接触角、特に19.0乃至43
度の接触角を有することが、カツトエツジ部を完全に覆
う厚盛り塗装を可能にするために特に望ましい。
塗料中の固形分濃度は、一般に5乃至50%の範囲から
、適度の作業性と厚盛り塗装性とが得られるように、樹
脂の組合せに応じて適当な濃度を選べばよい。罐体継目
乃至はその近傍への塗料の塗布は、ローラ塗布、スプレ
ー塗布、・・ケ塗り、フローコート浸漬塗布等のそれ自
体公知の手段で行うことができ、粉末塗装の如き格別の
手段を必要とせず、従来の設備をそのまま利用できるこ
とが本発明の顕著な利点である。
継目のカツトエツジの角部をも完全に被覆する目的には
、焼付後のカツトエツジの角部における塗膜厚が5乃至
70ミクロンの範囲とすることが望ましく、本発明で規
定した塗料を使用すると、このような塗膜形成が至つて
容易である。
本発明によれば、継目に塗布した塗料を、最初に前記溶
液中の溶媒の蒸発が生じ、次いで熱可塑性樹脂の軟化が
生じる条件下で焼付け、前述した構造の被覆を一挙に形
成させる。
加熱手段としては、直火、熱オーブン、熱風オーブン、
誘導加熱、抵抗加熱、赤外線加熱等を用いることができ
る。用いる硬化条件は、熱硬化性樹脂が架橋により網状
化すると共に、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との界面に
おける接着が十分に生ずるように、150乃至400℃
の温度及び1秒乃至20分間の範囲から適当な条件を選
択する。塗膜の機械的強度の点からは、用いる熱可塑性
樹脂は結晶性であることが望ましく、この場合には、塗
膜中の熱可塑性樹脂の結晶化が抑制されるように、塗膜
の焼付温度からその樹脂の結晶化温度よりも少なくとも
10℃低い温度迄急冷すること特に10秒以内、好適に
は1秒以内に急冷することが、加工性やバリヤー性(粒
界での良好な接着による耐腐食性)の点で望ましい。
このような急冷は、焼付後の塗膜を冷却水、液化窒素気
流、冷風等の冷却媒体と接触させるか、或いは塗膜焼付
後の継目を冷却ローラ等の冷却機構と接触させることに
より容易に行い得る。本発明による継目被覆罐は、内容
物をレトルト殺菌するバキユーム罐、炭酸飲料等を充填
する内圧罐、エアゾール罐等の種々の分野に用いること
ができる。
本発明を次の例で説明する。
本発明の実施例に用いる熱硬化性樹脂溶液は以下に述べ
る方法により作成する。
(1)エポキシーユリア系樹脂溶液 ビスフエノールAとエピクロルヒドリンとの縮合生成物
で平均分子量2900のエポキシ樹脂70部とブチルエ
ーテル尿素ホルムアルデヒド樹脂30部を、それぞれ(
1)ジオキサン50部、キシレン15部、シクロヘキサ
ノン15部、メチルエチルケトン10部、トルエン10
部、および(6)メチルエチルケトン50部、トルエン
50部からなる混合溶剤に溶解させ、固型分25%の溶
液を得る。
溶液(1)は実施例3で、溶液01)は実施例3および
5でのベース塗料として使用する。(2)エポキシ・フ
エノール系樹脂溶液 石炭酸0.5モルとp−クレゾール0.5モルを37%
ホルムアルデヒド水溶液1.5モルに溶かし、触媒とし
てアンモニア0.15モルを加えて95℃で3時間反応
させる。
反応生成物はケトン、アルコール、炭化水素などから成
る混合溶剤で抽出し、水で洗滌した後水層を取り除き、
更に共沸法で残つた少量の水分を除去し、冷却してレゾ
ール型フエノール樹脂の30%溶液を得る。上記レゾー
ル型フエノール樹脂溶液と予めケトン、エステル、アル
コール、炭化水素などから成る混合溶剤に溶解させて得
られた、ビスフエノールAとエピクロルヒドリンの縮合
生成物で平均分子量2900のエポキシ樹脂の30%溶
液とを混合する。フエノール樹脂とエポキシ樹脂の重量
比は40:60である。この混合物を還流下で2時間予
備縮合してエポキシ・フエノール樹脂溶液とする。この
溶液は実施例1、2および4でのベース塗料として使用
する。溶接缶缶胴の製造方法は以下の通りである。すな
わち、以下の実施例2〜4のTFS溶接缶では板厚0.
17mm硬度T−4のTFS板に、エポキシフエノール
系塗料(エポキシ系樹脂とフエノール樹脂の比率1:1
の混合物)を缶胴の継目部分にあたる場所を除(・て、
焼付後の膜厚が内面側5μ、外面側3μになるようにマ
ージン塗装し、200℃の熱風乾燥炉中で10分間焼付
硬化させた後、7号缶のボデーブランク(ブランクレン
グス206.4mu1ブラックバイト104.5mm)
に切断し次に接合部のカツトエツジ近傍の重ね合わせ部
となる部分の両面ともカツトエツジより幅約1詣にわた
つて表面のクロム層および酸化クロム層を除くため切削
法でエツジクリーニングを行う。前記エツジクリーニン
グ後のブランクを、ロールフオーマ一により短辺が軸方
向になるように円筒状にし、溶接ステーシヨンで重ね合
わせて固定した後、線電極を介した2個のロール電極か
ら成る不活性ガス供給ノズルを設けた市販のシーム溶接
機を用いて、成形体の重ね合わせ部に押圧力(40k9
/Md)を加え、51/Mi!Lの供給量の混合不活性
ガス(窒素90モル%、水素10モル%)気流中製缶ス
ピード30Tn/Mmで溶接缶胴(211径内容積31
8.2m17号缶)を得た。溶接前の重ね合わせ巾は0
.3mmで溶接後の重ね合わせ巾は0.4mmであつた
。なお、実施例1では、後述するように種々の流速の前
記混合不活性ガス、および窒素ガス気流中で前記の方法
に従つて溶接缶胴を作製した。
本発明における実缶試験評価並びに塗料の物性評価並び
に缶継目近傍の塗膜の構造評価および物性評価、更に、
溶接部の金属表面層の分析は次の通り行う。(1)接触
角 ガラス板としてMicrOSlideGlass(1級
、厚さ0.9〜1.2mTfL)を用い、クロム混酸中
に一昼夜浸漬後、純水で十分に洗浄し、乾燥後デシケー
タ一中に絶乾保存して用いる。
測定は25℃の恒温室で行い、空気雰囲気中でマイクロ
シリンジで所定の塗料を0.2mdだけガラス板上に滴
下し、1分経過後の接触角をゴニオメータ一により直続
する。
(2)溶接部金属表面層の分析 表面酸化膜(マグネタイト)厚;溶接罐より溶接ラツプ
のみを切り取り、テープで貼り合わせ、ほぼ8×8mm
とし、サンプルとする。
このサンプルの表面をArガスでエツチングしながらE
SCAを用い、0.Feの原子濃度比を測定する。酸化
物中の酸素は15λ/分の割合でエツチングされ又、エ
ツチングしていくと酸素は原子濃度比10〜20%でほ
ぼ一定となるため、酸化膜厚としては酸素が20%以上
の部分とする。(3)分散状態の観察 缶継目部分の硬化塗膜を引きはがし、継目に平行に巾2
mm長さ15muの試験片を切り取る。
この試験片をエポキシ樹脂中に包埋固化させ、ステンレ
ス製ミクロドームによる、缶継目に垂直な断面を得るよ
うに約15μの厚さの薄片を切り出す。この薄片をブル
ーダイ(メチルバイオレツト)水溶液中に常温で10分
間浸漬し、熱硬化性樹脂のみを選択的に染色した後に水
でよく洗浄し、光学顕微鏡によりその構造を、特に分散
状態に着目して、観察を行う。その際、視野中に存在す
る粒子の平均的な粒径をも写真撮影した後に測定する。
なお以下では、平均粒径として数平均粒径を用い、この
場合ただ単に粒径もしくは平均粒径と称する。(4)継
目部分の被覆性(定電圧電解時の電流値)所定の塗料を
塗布後焼付硬化させた缶継目部分を巾2cTrLにわた
つて切り出し、この継目に直角方向に巾3關、平行方向
に100mmの部分を除いてビニールテープでシールし
て試験片とする。
この試験片を3%食塩水より成る25℃の電解液に3分
間浸漬した後に炭素棒を対極に用い、電圧10.0Vで
10秒間にわたつて定電圧電解を行い、その時に流れる
平均の電流値を測定する。各試料で5試1験片の測定値
の算術平均値を結果として採用する。(5)加工性 所定の塗料を塗布後焼付硬化させた缶継目部分より、継
目部を中心に巾40mm、長さ60龍にわたつて切り出
し試験片とする。
折り曲げ試験はJISK54OOl6.l6耐屈曲性に
従つて行う。折り曲げ後の試験片を継目部を中心に巾3
m77!、折り曲げ先端を中心に継目部と平行方向に6
m11の部分を除いてビニールテープでシールし、(4
)と同様なる条件で、定電圧電解を行う。
いずれも5試験片の平均を結果として採用した。3)密
着性 焼付硬化後の溶接部の塗膜に1ミリ角の基盤目の切れ目
を入れ、これにゼロテープを密着した後に、はく離試験
を行つた。
任意の5缶について行い、全くはく離の認められないも
のを○、平均で1〜2点認められるものを△、それ以上
認められたものを×として以下の表では示す。7)ネツ
クイン加工性 ネツクイン加工後に継目部分の被覆膜のはく離、われ等
の有無を各試料黒について任意に50缶選んで観察する
8)実缶試験の評価方法 (a)水素発生量 開缶時に缶内のガス分を採取し、ガスクロマトグラフイ
一により水素量を調べ、10缶の算術平均値を示す。
また、膨張缶についてはそのまま膨張缶である事を示す
。(b)溶出鉄量 アツプルドリンクとコンソメスープの場合について行い
、開缶の後内容品の全量を灰化する。
次にこの灰分を塩酸で再溶解した後、上澄液を原子吸光
分析して内容品中の鉄量を求める。任意に選んだ10缶
当たりの算術平均値を結果として採用する。(c)孔あ
きおよび缶内面接合部の状態 缶詰を37℃で1年間保存した後、目視観察して内容品
(液)の漏洩の認められる缶詰については、開缶後缶継
目近傍の補正部を顕微鏡観察し、貫通孔の認められるも
のを孔あき缶とし、全試験缶数に対する孔あき缶の比で
示す。
また、開缶後、継目近傍の補正部分を目視あるいは顕微
鏡観察して腐食状態を調べる。保存試験に供する缶数は
夫々100缶であり、腐食状態を調べるのは任意に抽出
した50缶である。実施例 1 ここでは、熱可塑性樹脂粉体としてナイロン12(軟化
点178℃カルボニル基濃度508meq当量/100
7)ペレツトを機械粉砕して得られる平均粒径約10μ
mの粉体を使用し、熱硬化性樹脂として前記エポキシフ
エノール系樹脂溶液を使用した。
固形分約25%、固形分中の熱可塑性樹脂と熱硬化性樹
脂の割合が30:70となるように、希釈溶剤として熱
硬化性樹脂溶液と同一の溶剤を用いて高速ミキサーで塗
料を作成した。種々の異なる溶接部の金属表面層を得る
ため、混合不活性ガス気流の流速として201/Mln
(試料黒1)、51/Mm(同、黒2)、また窒素ガス
気流2f/Mm(同、&3)、比較のため窒素ガス02
f/Mm(同、黒4)、更に空気中でガスを流さない場
合(同、黒5)の各条件で先に述べた方法により溶接加
工を行つて缶胴を得た。これらに加えて應1の試料を更
に70y/fの硫酸水溶液中で30秒間酸洗浄(ピツク
リング)を行つたものを試料&6とした。これらの缶胴
の継目部分の内面および外面にエアレススプレーガンを
用い、前記塗料をスプレー時の塗料温度を40〜70゜
Cに保ちつつ巾約10mm、乾燥塗膜の厚みが40μm
になるようにスプレー塗装した後に缶内面継目が上向き
の状態で下部よりホツトエア一を約10秒吹き当て、溶
媒をほとんど蒸発させた後に、220℃のガスオーブン
中で約60秒かけて焼付硬化させ、継目部分を被覆した
缶胴を得た。続いてこの缶胴について、表に示す各項目
の評価を行い、塗料塗布前の溶接缶胴については、溶接
部の金属表面層の分析を行つた。次に、上記方法で得ら
れた継目を被覆した缶胴を通常の方法により、ビード加
工し、ネツクイン加工、フランジ加工した後、内外面に
エポキシ・フエノール系塗膜を有する呼び内径65.3
mm缶用のTFS蓋を二重巻締めし、得られた空缶に9
0゜Cに加熱したアツプルドリンクおよびトマトソース
の2種類をそれぞれ充填し、前記と同じTFS蓋を真空
巻締機により二重巻締めした。
トマトソースを充填した缶詰については118℃で90
分間加熱殺菌を行い、(・ずれの缶詰も37℃で1年間
貯蔵したのち、各試料で100缶中任意に抽出した10
缶について鉄溶出量および水素量を調べ更に任意に抽出
した50缶を開缶して缶胴継目部分の腐食状態を調べた
。それぞれ結果を表1に示す。実施例 2 ここでは、熱硬化型塗料として前記エポキシフエノール
系樹脂溶液を用いた。
熱可塑性樹脂としては、ナイロン12(環球法で測定さ
れる軟化点178゜Cカルボニル基濃度508meq当
量/1007)を用い、上記樹脂ペレツトを機械粉砕し
て平均粒径約25μの粉末を得、これを上記塗料に固形
分の熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の体積比が表2に示す
値になるようにそれぞれ混合し、高速ミキサーで20分
間攪拌し、分散させ継目補正用塗料を得た。前述の方法
で測定したこれらの塗料の25゜Cガラス板上での接触
角を表2に示す。次に、上記各種塗料を実施例1の試料
黒2と同一の方法により溶接加工して得られたTFSX
)f力)ら成る缶胴の継目部分(マグネタイト厚さ22
0〜250λ)の内面および外面にエアレススプレーガ
ンを用い、スプレー時の塗料温度を40〜70′Cに保
ちつつ巾約10mm1乾燥塗膜の厚みが40μmになる
ようにスプレー塗装した後に、缶内面継目が上向きの状
態で下部よりホツトエア一を約10秒吹き当て、溶媒を
ほとんど蒸発させた後に220℃のガスオーブン中で約
60秒かけて焼付硬化させ、継目部分を被覆した缶胴を
得た。続いて、この焼付塗膜の構造を前述の方法に従つ
て観察する一方、この缶胴について表の各項目について
評価を行つた。次に、上記方法で得られた継目を被覆し
た缶胴を通常の方法により、ビード加工し、ネツクイン
、フランジ加工した後、内外面にエポキシ・フエノール
系塗膜を有する呼び内径65.3mm缶用のTFS蓋を
二重巻締めし、得られた空缶にコンソメスープおよびト
マトソースの2種類をそれぞれパツクし、前記と同じT
FS蓋を真空巻締機により二重巻締めした。
これらの缶詰は118℃で90分間加熱殺菌を行い、3
7℃で1年間貯蔵したのち、各試料で100缶中任意に
抽出した10缶について鉄溶出量および水素量を調べ、
更に任意に抽出した50缶を開缶して缶胴継目部分の腐
食状態を調べた。それぞれの結果を表2に示す。実施例
3ここでは、試料X).19を除いて熱硬化型塗料と
して前記エポキシーユリア系樹脂溶液(11)を用いた
試料黒19では溶剤組成の異なる前記エポキシエリア系
樹脂溶液(1)を用いた。熱可塑性樹脂としては、ポリ
ブチレンテレフタレート(PBT)−ポリブチレンイソ
フタレート(PBI)共重合体(PBT8OmOl%、
カルボニル基濃度909meq・当量/100y、環球
法による軟化点205℃)を用いた。黒17、18、2
0の試料では、上記樹脂ペレツトを常温で機械粉砕した
ものをふるい分けして用いる。また扁16および19の
試料では、上記樹脂ペレツトを液化窒素を用いて凍結粉
砕して平均粒径約15μの粉末にして用いる。一方、黒
15の平均粒径1.1μの試料は上記樹脂ペレツトを一
たん高温での溶媒に溶解させた後、この溶液の温度を徐
々に下降させ粒子を析出沈降させて得た。これらの樹脂
粉末を上記塗料中に固形分中の体積分率が25%になる
ようにそれぞれ混合し、高速ミキサーで20分間撹拌し
分散させ継目補正用塗料とした。前述の方法で測定した
これらの塗料の接触角を表3に示す。次に、上記各種塗
料を実施例2と同一の方法により溶接加工して得られた
TFS材から成る缶胴の継目部分の内面および外面にエ
アレススプレーガンを用い、スプレー時の塗料温度を4
0〜70℃に保ちつつ、巾約10mm、乾燥塗膜の厚み
が40乃至60μになるようにスプレー塗装した後に缶
内面継目が上向きの状態で下部よりホツトエア一を約1
0秒吹き当て、溶媒をほとんど蒸発させた後に、220
℃の熱風乾燥炉中で約30秒かけて焼付け、継目部分を
被覆した缶胴を得た。続いて、この硬化塗膜中の熱可塑
性樹脂粉末の分散状態を前述した方法で観察し、更にこ
の缶胴について、表に示す各項目を評価した。次に、上
記方法で得られた継目を被覆した缶胴をフランジ加工し
た後、内外面にエポキシ・フエノール系塗膜を有する呼
び内径65.3mm缶用のTFS蓋を二重巻締めし、得
られた空缶にコンソメスープとトマトソースの2種類を
それぞれパツクし、前記と同じTFS蓋を真空巻締機に
より二重巻締めした。
これらの缶詰はそれぞれ118℃で90分間加熱殺菌を
行い、37゜Cで1年間貯蔵したのち、各試料で100
缶中任意に抽出した10缶について水素量を調べ、更に
任意に抽出した50缶を開缶して缶胴継目部分の腐食状
態を調べた。それぞれ結果を表3に示す。実施例 4 ここでは、表4に示す各種熱可塑性樹脂粉体を使用し、
熱硬化性樹脂として前記エポキシフエノール系樹脂溶液
を使用した。
主に機械的粉砕によりそれぞれ表4に示す平均粒径を持
つ粉体を作成し、いずれも固形分約25%、固形分中の
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の割合が85:15となる
ように、希釈溶剤に熱硬化性樹脂溶液と同一の溶剤を用
いて高速ミキサーで塗料溶液を作成した。これらの塗料
のガラス板上での接触角を測定したところ、試料黒21
〜27では殆んど熱可塑性樹脂の種類に依存せず26〜
33度で、黒28では22度であつた。次に、上記各種
塗料を実施例2と同一の方法により溶接加工して得られ
たTFS材から成る缶胴の継目部分の内面および外面に
エアレススプレーガンを用い、スプレー時の塗料温度を
40〜70゜Cに保ちつつ巾約10m77!、乾燥塗膜
の厚みがおよそ50μmになるようにスプレー塗装した
後に缶内面継目が上向きの状態で下部よりホツトエア一
を約10秒吹き当て、溶媒をほとんど蒸発させた後に2
20℃のガスオーブン中で約60秒かけて焼付硬化させ
、継目部分を被覆した缶胴を得た。
続いて、この硬化塗膜中の熱可塑性樹脂粉末の分散状態
を前述した方法で観察し、更に表4に示す各項目を評価
した。次に、上記方法で得られた継目を被覆した缶胴を
通常の方法により、ビード加工し、ネツクイン、フラン
ジ加工した後、内外面にエポキシ・フエノール系塗膜を
有する呼び内径65.3mm缶用のTFS蓋を二重巻締
めし、得られた空缶に9『Cに加熱したアツプルドリン
クおよびトマトソースの2種類をそれぞれパツクし、前
記と同じTFS蓋を真空巻締機により二重巻締めした。
トマトソースを充填した缶詰については118℃で90
分間加熱殺菌を行い、いずれの缶詰も37℃で1年間貯
蔵したのち、各試料で100缶中任意に抽出した10缶
について水素量を調べ、更に任意に抽出した50缶を開
缶して缶胴継目部分の腐食状態を調べた。それぞれの結
果を表4に示す。実施例 5 熱可塑性樹脂粉体としてナイロン11(環球法による軟
化点185℃カルボニル基濃度546meq当量/10
07)ペレツトを機械粉砕して得られる平均粒径約20
1tmの粉体を使用し、熱硬化性樹脂として前記エポキ
シ・エリア系樹脂溶液を使用した。
固形分25%、固形分中の熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
の割合が20:80になるように、希釈溶剤として熱硬
化性樹脂溶液と同一の溶剤を用いて高速ミキサーで塗料
を作成した。次に、板厚0.24m1LのTFS板にエ
ポキシ・エリア系塗料(エポキシ樹脂とブチルエーテル
尿素ホルムアルデヒド樹脂の重量比3:1の混合物)を
先に述べたと同じ方法で塗装焼付して得られた塗装板を
ブランクレングス206.40mmブラックバイト12
5,40mmのボデイーブランクに切断し、51/Mi
!lの混合不活性ガス(窒素90モル%、水素10モル
%)気流中で先に述べた方法に従つてTFSの溶接缶胴
を作成した。溶接部の金属表面層を分析したところ、マ
グネタイト厚みが200〜230λであつた。得られた
缶胴の継目部分の内面及び外面に、エアレススプレーガ
ンを用い上記塗料をスプレー時の塗料温度を40〜70
℃に保ちつつ巾約10U77!、乾燥塗膜の厚みが50
μmになるようにスプレー塗装した後に、缶内面継目が
上向きの状態で下部よりホツトエア一を約10秒吹き当
て、溶媒をほとんど蒸発させた後に220℃のガスオー
ブン中で約30秒かけて焼付硬化させ継目物分を被覆し
た缶胴を得た。次に、この継目部分の塗膜の構造を前述
した方法で観察したところ、熱硬化性樹脂連続相中に粒
径約17μの熱可塑性樹脂粒子がほぼ均一に分散してい
るのが認められた。
また、この被覆物の被覆性および加工性を先述の方法に
より調べたところ、非加工部分および折曲加工部分も完
全に被覆されており、加工による割れクラツク等は全く
見られなかつた。更に上記方法で得られた缶胴を、常法
によりネツクイン、フランジカ旺した後、内外面にエポ
キシ・エリア系塗膜を有する呼び内径65.3mm缶用
のブリキ蓋及び内外面にエポキシ・フエノール系塗膜を
有する目金をそれぞれ二重巻締めし、得られたエアゾー
ル用空缶に常法によりガラスクリーナー及び洗濯のりを
パツクし、マウンテイングカツプを取り付け45℃で3
ケ月及び6ケ月間貯蔵した後に、内容品の重量変化の有
無を確認した後にそれぞれ50缶開缶し、缶胴継目部分
の腐食の有無を観察した。
その結果、上記いずれの場合も、漏洩および継目部分の
腐食は全く認められず極めて良好であつた。実施例 6 表5に示す各種熱可塑性樹脂粉体を使用する以外は実施
例5と同様にして塗装溶接罐を製造した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属クロム層及びその上のクロム酸化物層から成る
    被覆層を鋼板基質上に設けた罐用素材を溶接により側面
    で接合した溶接継目罐において、この側面継目は厚みが
    50乃至800オングストロームの範囲にあるマグネタ
    イトを主体とする緻密な鋼酸化物から成る鋼板基質露出
    部を有し、該側面継目の少なくとも一方の表面部には熱
    硬化性樹脂と50乃至300℃の環球法軟化点を有する
    熱可塑性樹脂とを、(A)95:5乃至25:75 或
    いは (B)20:80乃至1:99 の体積比で含有し、何れか一方の樹脂が被覆層中に連続
    相の形で存在し、他方の樹脂の少なくとも一部が前記連
    続相中に微細な分散粒子の形で存在する被覆層が設けら
    れていることを特徴とする継目を被覆した溶接罐。 2 前記樹脂被覆層は、熱硬化性樹脂から成る連続相と
    熱可塑性樹脂粒子から成る分散相とから成り、前記熱可
    塑性樹脂粒子は0.1乃至80ミクロンの数平均粒径と
    50乃至300℃の環球法軟化点とを有し、前記熱硬化
    性樹脂と前記熱可塑性樹脂とは95:5乃至25:75
    の体積比で存在することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項の罐。 3 前記熱可塑性樹脂は、カルボン酸、カルボン酸塩、
    カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、カルボン酸ア
    ミド、ケトン、炭酸エステル、ユリア、ウレタン等に基
    づくカルボニル基を主鎖或いは側鎖に12乃至1400
    meq/100g重合体の濃度で有する樹脂である特許
    請求の範囲第1項の罐。 4 前記熱可塑性樹脂がポリエステル、ポリカーボネー
    ト、ポリアミド、アイオノマー或いは酸変性ポリオレフ
    ィンである特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の罐
    。 5 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂とフェノール樹
    脂、尿素樹脂、メラミン樹脂及び熱硬化型アクリル樹脂
    の少なくとも1種との組合せから成る特許請求の範囲第
    1項又は第2項に記載の罐。 6 側面に継目を有する溶接罐胴の少なくとも一方の表
    面側継目に、樹脂塗料を塗布し、次いでこの塗料を焼付
    けて継目を被覆する塗膜を形成させることから成る継目
    被覆溶接罐の製法において、該罐胴は金属クロム層及び
    その上のクロム酸化物層から成る被覆層を鋼板基質上に
    設けた罐用素材を溶接により側面で接合した溶接継目罐
    であつて、この側面継目は厚みが50乃至800オング
    ストロームの範囲にあるマグネタイトを主体とする緻密
    な鋼酸化物から成る鋼板基質露出部を有するものとし、
    前記樹脂塗料は、熱硬化性樹脂の溶液から成る分散媒と
    0.1乃至80μmの数平均粒径と50乃至300℃の
    環球法軟化点とを有する熱可塑性樹脂粒子の分散質とか
    ら成る塗料であり、前記塗料中の熱硬化性樹脂と熱可塑
    性樹脂とは(A)95:5乃至25:75或いは(B)
    20:80乃至1:99の体積比で存在するものとし、
    継目に塗布した塗料を、最初に前記溶液中の溶媒の蒸発
    が生じ、次いで熱可塑性樹脂の軟化が生じる条件下で焼
    付けることを特徴とする継目被覆溶接罐の製造法。
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