JPH032942B2 - - Google Patents
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- JPH032942B2 JPH032942B2 JP57187353A JP18735382A JPH032942B2 JP H032942 B2 JPH032942 B2 JP H032942B2 JP 57187353 A JP57187353 A JP 57187353A JP 18735382 A JP18735382 A JP 18735382A JP H032942 B2 JPH032942 B2 JP H032942B2
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
本発明は、複合成形加工性および短時間急速加
熱焼入性にすぐれた精密打抜き(以下FBと略称
することがある)加工用鋼板に関する。 最近のFB加工においては、コイニング、張出
し、パーニング等も加味された複合成形加工に発
達しつつある。また、部品によつては、成形加工
後に、誘電加熱、高周波焼入れ等の短時間熱処理
により、部品の寸法変化が少ない焼入れ処理を施
し、耐摩耗性を向上させる必要がある。 本発明は、このような背景から、複合成形性に
すぐれかつ短時間加熱焼入性にすぐれた安価な材
料を提供することを目的とする。この目的のた
め、機械的性質については、素材(熱延材)が軟
質でかつ延性にすぐれることに加え、低歪み領域
におけるn値の向上、衝撃特性の向上および降伏
比の低下をはかる観点から、また短時間加熱特性
については、焼入性の向上をはかりおよびオース
テナイトを容易にするという観点から、化学成分
を選択バランスさせた。 かくして本発明は、重量でC:0.10〜0.19%,
Si:0.50%以下,Mn:0.70〜1.50%,Cr:0.05〜
0.80%,B:0.0005〜0.005%およびA1:0.08%以
下、さらに場合によつてはTi:0.05%以下を含有
し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる複
合成形加工性および短時間急速加熱焼入性にすぐ
れた精密打抜き用鋼板を提供する。 本発明鋼板の製造にあたつては、前記成分の鋼
の鋼片をオーステナイト域温度に加熱し、熱間圧
延工程において仕上温度;800〜950℃および巻取
温度;530〜690℃の温度制御下でこれを熱間圧延
するのがよい。 本発明における化学成分値限定の技術的理由を
説明する。 Cは、0.19%を越えると鋼が硬質になりFB性
およびFB複合成形性が阻害される。また、Cが
0.10%よりも低いと、高周波焼入のような短時間
加熱焼入で十分な表面硬さが得られない傾向があ
る。 Siは、鋼のAc3点を高め、高周波加熱のような
短時間加熱における鋼のオーステナイト化を阻害
する傾向にある。また、Siは、焼入性を高めるに
は有効であるがMnには及ばず、母材の強度を高
める作用が大きくFB性の観点からは不利である。
それ故、上限を0.50%と規制した。 Mnは、一方においては鋼のAc3点を低めるの
で鋼のオーステナイト化に有利であり、他方にお
いては焼入性を高める有効な元素である。それ
故、0.70%以上の添加が必要である。だが、1.50
%を越えると、母材強度の上昇が過大となり、引
張り強さがしばしば50Kg/mm2を越え、加工性およ
びFB性が阻害されることがあるので、上限を
1.50%とした。 Crは、SiやMnにくらべ、母材強度をあまり上
昇させることなく、焼入性を向上させる有効な元
素である。本発明では、Mnとの相乗的焼入性向
上効果を意図してCrを添加する。前記Mn量の範
囲において、有意の相剰効果を達成するためには
0.05%以上のCrが必要であるが、Cr量が0.80%を
越えると、FB性および加工性の劣化が生じやす
くなるので、上限は0.80%とした。 Bは、本発明において短時間加熱材の焼入性の
観点から極めて重要な元素である。ただし、含有
量が0.0005%よりも少ないとその効果は発揮され
ず、また0.0050%を越えてもその効果は飽和し、
かえつて鋼の清浄性を害する不都合がある。 A1は鋼の脱酸剤として添加するものであるが、
A1量は0.08%までにすることが必要である。こ
れを越す過量のA1は、鋼の清浄性を害する不都
合がある。 Tiは、Bの酸化および窒化による添加歩留の
低下を防ぐために添加する。このため、Ti無添
加でもよいが、Tiを添加した方が焼入性は安定
する。だがTiが0.05%を越えると、析出強化の作
用が大きくFB性とくに型寿命性を害することに
なるので上限規制をした。 本発明鋼板の製造に当つては、前記成分の鋼の
鋼片を常法に従い、例えば1100〜1350℃のオース
テナイト域温度に加熱した後熱間圧延に付す。熱
延条件としては仕上温度を800〜950℃の範囲と
し、巻取温度は530〜690℃の範囲とするのがよ
い。 第1図は、本発明鋼(鋼E)と比較鋼(鋼A)
とを、第2表に示した熱延条件に付して得た熱延
材の衝撃値、低歪み域n値、およびパーライト群
間の距離(第2表参照)と熱延条件(巻取温度)
との関係を示したグラフである。同図によれば、
衝撃値および低歪み域n値は、発明鋼の方が比較
鋼よりも高い値を示しており、巻取温度を本発明
が規定する550〜690℃の範囲とすることにより明
瞭な差異が現れている。 発明鋼が衝撃値において優れるのは、ボロン添
加にともなつて生成した炭窒化物がパーライトの
Fe3Cの発生核となり、細かいパーライトの分布
を呈することが一つの理由であろう。 また、低歪み域n値が優れるのは、ボロン添加
により窒素が固定されるために、歪みの伝播能が
向上するためと考える。 FB性の観点からは、とくに、衝撃値が高く、
複合成形性からは低歪み域n値が高いことが望ま
しい。また、いずれも降伏強度も低いことが必要
である。このような発明鋼における優れた特性を
得るには、熱延仕上温度を800〜950℃の範囲とす
るのが望ましい。仕上温度を800℃以下とした場
合には、熱間圧延における加工歪みが残留しやす
く、降伏強度が増加し、低歪み域n値が低下する
ことになるからである。また仕上温度を950℃以
上とした場合には、熱間圧延において表面の脱炭
および表面肌が不良となりやすい。 一方、短時間急速焼入性の観点からは、パーラ
イト群間距離が小さいことが望ましい。パーライ
ト群間距離が小さいと、短時間加熱におけるオー
ステナイト中への炭素の固溶が容易になり、均質
なオーステナイトが得られやすい。第1図によれ
ば、一般に高温巻取の場合低温巻取の場合よりも
パーライト群間距離が大きくなる傾向があるが、
本発明鋼では、巻取温度を高く設定しても、パー
ライト群間距離は大きくなりにくい。 第2図に、パーライト群間距離の異なる試料、
すなわち、1230℃に加熱した鋼Eに対し、仕上温
度840℃そして巻取温度690℃の熱延を施して得た
パーライト群間距離が9.8μの試料と、仕上温度同
じく840℃そして巻取温度730℃の熱延を施して得
たパーライト群間距離が15.4μの試料とについて、
100kHz高周波焼入(回転端面の焼入)を行つた
場合の硬度分布(端面からの深さと硬度との関
係)を示す。パーライト群間距離が小さい前者の
試料は、同一加熱条件での均質オーステナイト深
さおよび90%マルテンサイト深さが大きくかつ硬
度のバラツキが小さい。 かくして本発明によれば、コイニング、張出し
等が組み合わされた複合成形加工性に優れるよう
に、降伏強度が低く、低歪み域n値が高いという
特性を備え、かつ短時間加熱において均質な焼入
組織が得られる精密打抜き用材料が提供される。 次に具体例を挙げ、本発明をさらに説明しよ
う。 第1表に供試鋼の化学成分を示す。50mm(板
厚)×60mm(幅)×150mm(長さ)の小鋼片を1230
℃の温度に加熱した後、小型熱延機を用いて、50
mm(元厚)→32mm→20.8mm→14.6mm→10.0mm→7.0
mmに圧延し、研削加工により6.0mmとした。圧延
温度は、1150℃,1100℃,1060℃,1020℃そして
第2表に示した仕上温度であつた。圧延後第2表
および第3表に示した巻取温度で巻取り、同温度
のソルトバス中に1時間保持した後徐冷した。 第2表および第3表に、熱延材の機械的特性お
よび高周波表面焼入(950℃)特性を示す。 第2表の実験番号1〜10については、第1図お
よび第2図を参照して既に説明した。
熱焼入性にすぐれた精密打抜き(以下FBと略称
することがある)加工用鋼板に関する。 最近のFB加工においては、コイニング、張出
し、パーニング等も加味された複合成形加工に発
達しつつある。また、部品によつては、成形加工
後に、誘電加熱、高周波焼入れ等の短時間熱処理
により、部品の寸法変化が少ない焼入れ処理を施
し、耐摩耗性を向上させる必要がある。 本発明は、このような背景から、複合成形性に
すぐれかつ短時間加熱焼入性にすぐれた安価な材
料を提供することを目的とする。この目的のた
め、機械的性質については、素材(熱延材)が軟
質でかつ延性にすぐれることに加え、低歪み領域
におけるn値の向上、衝撃特性の向上および降伏
比の低下をはかる観点から、また短時間加熱特性
については、焼入性の向上をはかりおよびオース
テナイトを容易にするという観点から、化学成分
を選択バランスさせた。 かくして本発明は、重量でC:0.10〜0.19%,
Si:0.50%以下,Mn:0.70〜1.50%,Cr:0.05〜
0.80%,B:0.0005〜0.005%およびA1:0.08%以
下、さらに場合によつてはTi:0.05%以下を含有
し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる複
合成形加工性および短時間急速加熱焼入性にすぐ
れた精密打抜き用鋼板を提供する。 本発明鋼板の製造にあたつては、前記成分の鋼
の鋼片をオーステナイト域温度に加熱し、熱間圧
延工程において仕上温度;800〜950℃および巻取
温度;530〜690℃の温度制御下でこれを熱間圧延
するのがよい。 本発明における化学成分値限定の技術的理由を
説明する。 Cは、0.19%を越えると鋼が硬質になりFB性
およびFB複合成形性が阻害される。また、Cが
0.10%よりも低いと、高周波焼入のような短時間
加熱焼入で十分な表面硬さが得られない傾向があ
る。 Siは、鋼のAc3点を高め、高周波加熱のような
短時間加熱における鋼のオーステナイト化を阻害
する傾向にある。また、Siは、焼入性を高めるに
は有効であるがMnには及ばず、母材の強度を高
める作用が大きくFB性の観点からは不利である。
それ故、上限を0.50%と規制した。 Mnは、一方においては鋼のAc3点を低めるの
で鋼のオーステナイト化に有利であり、他方にお
いては焼入性を高める有効な元素である。それ
故、0.70%以上の添加が必要である。だが、1.50
%を越えると、母材強度の上昇が過大となり、引
張り強さがしばしば50Kg/mm2を越え、加工性およ
びFB性が阻害されることがあるので、上限を
1.50%とした。 Crは、SiやMnにくらべ、母材強度をあまり上
昇させることなく、焼入性を向上させる有効な元
素である。本発明では、Mnとの相乗的焼入性向
上効果を意図してCrを添加する。前記Mn量の範
囲において、有意の相剰効果を達成するためには
0.05%以上のCrが必要であるが、Cr量が0.80%を
越えると、FB性および加工性の劣化が生じやす
くなるので、上限は0.80%とした。 Bは、本発明において短時間加熱材の焼入性の
観点から極めて重要な元素である。ただし、含有
量が0.0005%よりも少ないとその効果は発揮され
ず、また0.0050%を越えてもその効果は飽和し、
かえつて鋼の清浄性を害する不都合がある。 A1は鋼の脱酸剤として添加するものであるが、
A1量は0.08%までにすることが必要である。こ
れを越す過量のA1は、鋼の清浄性を害する不都
合がある。 Tiは、Bの酸化および窒化による添加歩留の
低下を防ぐために添加する。このため、Ti無添
加でもよいが、Tiを添加した方が焼入性は安定
する。だがTiが0.05%を越えると、析出強化の作
用が大きくFB性とくに型寿命性を害することに
なるので上限規制をした。 本発明鋼板の製造に当つては、前記成分の鋼の
鋼片を常法に従い、例えば1100〜1350℃のオース
テナイト域温度に加熱した後熱間圧延に付す。熱
延条件としては仕上温度を800〜950℃の範囲と
し、巻取温度は530〜690℃の範囲とするのがよ
い。 第1図は、本発明鋼(鋼E)と比較鋼(鋼A)
とを、第2表に示した熱延条件に付して得た熱延
材の衝撃値、低歪み域n値、およびパーライト群
間の距離(第2表参照)と熱延条件(巻取温度)
との関係を示したグラフである。同図によれば、
衝撃値および低歪み域n値は、発明鋼の方が比較
鋼よりも高い値を示しており、巻取温度を本発明
が規定する550〜690℃の範囲とすることにより明
瞭な差異が現れている。 発明鋼が衝撃値において優れるのは、ボロン添
加にともなつて生成した炭窒化物がパーライトの
Fe3Cの発生核となり、細かいパーライトの分布
を呈することが一つの理由であろう。 また、低歪み域n値が優れるのは、ボロン添加
により窒素が固定されるために、歪みの伝播能が
向上するためと考える。 FB性の観点からは、とくに、衝撃値が高く、
複合成形性からは低歪み域n値が高いことが望ま
しい。また、いずれも降伏強度も低いことが必要
である。このような発明鋼における優れた特性を
得るには、熱延仕上温度を800〜950℃の範囲とす
るのが望ましい。仕上温度を800℃以下とした場
合には、熱間圧延における加工歪みが残留しやす
く、降伏強度が増加し、低歪み域n値が低下する
ことになるからである。また仕上温度を950℃以
上とした場合には、熱間圧延において表面の脱炭
および表面肌が不良となりやすい。 一方、短時間急速焼入性の観点からは、パーラ
イト群間距離が小さいことが望ましい。パーライ
ト群間距離が小さいと、短時間加熱におけるオー
ステナイト中への炭素の固溶が容易になり、均質
なオーステナイトが得られやすい。第1図によれ
ば、一般に高温巻取の場合低温巻取の場合よりも
パーライト群間距離が大きくなる傾向があるが、
本発明鋼では、巻取温度を高く設定しても、パー
ライト群間距離は大きくなりにくい。 第2図に、パーライト群間距離の異なる試料、
すなわち、1230℃に加熱した鋼Eに対し、仕上温
度840℃そして巻取温度690℃の熱延を施して得た
パーライト群間距離が9.8μの試料と、仕上温度同
じく840℃そして巻取温度730℃の熱延を施して得
たパーライト群間距離が15.4μの試料とについて、
100kHz高周波焼入(回転端面の焼入)を行つた
場合の硬度分布(端面からの深さと硬度との関
係)を示す。パーライト群間距離が小さい前者の
試料は、同一加熱条件での均質オーステナイト深
さおよび90%マルテンサイト深さが大きくかつ硬
度のバラツキが小さい。 かくして本発明によれば、コイニング、張出し
等が組み合わされた複合成形加工性に優れるよう
に、降伏強度が低く、低歪み域n値が高いという
特性を備え、かつ短時間加熱において均質な焼入
組織が得られる精密打抜き用材料が提供される。 次に具体例を挙げ、本発明をさらに説明しよ
う。 第1表に供試鋼の化学成分を示す。50mm(板
厚)×60mm(幅)×150mm(長さ)の小鋼片を1230
℃の温度に加熱した後、小型熱延機を用いて、50
mm(元厚)→32mm→20.8mm→14.6mm→10.0mm→7.0
mmに圧延し、研削加工により6.0mmとした。圧延
温度は、1150℃,1100℃,1060℃,1020℃そして
第2表に示した仕上温度であつた。圧延後第2表
および第3表に示した巻取温度で巻取り、同温度
のソルトバス中に1時間保持した後徐冷した。 第2表および第3表に、熱延材の機械的特性お
よび高周波表面焼入(950℃)特性を示す。 第2表の実験番号1〜10については、第1図お
よび第2図を参照して既に説明した。
【表】
表中*は本発明の範囲外であることを示す。
【表】
【表】
【表】
第3表の実験番号11および12では、供試鋼A
(S15C、比較鋼)およびB(S20C、比較鋼)を通
常の熱延条件に付したが、得られた熱延材は高周
波短時間焼入性が劣り、90%マルテンサイト深さ
は0.3mm以下であつた。 供試鋼C(SCR420)を通常の熱延条件に付し
て得た実験番号13の熱延材は、良好な高周波短時
間加熱特性を示したが、引張強さは50Kg/mm2をま
た降伏強度は30Kg/mm2を実質的に越え、FB性と
くに型寿命に問題がある。また低歪み域n値も低
い。 実験番号14では、用いた供試鋼Dが低炭素
(0.07%)のボロン鋼であつたため、熱延材は軟
質で加工性成形性に富むが、高周波加熱焼入性が
不十分である。 実験番号15および16は、本発明の実施例であ
り、得られた熱延材は、引張強さ50Kg/mm2以下、
降伏強度30Kg/mm2以下、低歪み域n値0.20以上
で、加工性は良好であり、また高周波表面焼入特
性も良好であつた。 実験番号17については巻取温度が低いので低歪
み域n値が低く所望の特性は得られていない。 実験番号18では、用いた供試鋼Gの炭素量が過
大であつたため、熱延材の引張強さは50Kg/mm2を
越え、良好な成形性は得られなかつた。 実験番号19では、用いた供試鋼HのSi量が高
く、熱延材の短時間加熱でのオーステナイト化が
遅く、十分な表面硬さは得られなかつた。
(S15C、比較鋼)およびB(S20C、比較鋼)を通
常の熱延条件に付したが、得られた熱延材は高周
波短時間焼入性が劣り、90%マルテンサイト深さ
は0.3mm以下であつた。 供試鋼C(SCR420)を通常の熱延条件に付し
て得た実験番号13の熱延材は、良好な高周波短時
間加熱特性を示したが、引張強さは50Kg/mm2をま
た降伏強度は30Kg/mm2を実質的に越え、FB性と
くに型寿命に問題がある。また低歪み域n値も低
い。 実験番号14では、用いた供試鋼Dが低炭素
(0.07%)のボロン鋼であつたため、熱延材は軟
質で加工性成形性に富むが、高周波加熱焼入性が
不十分である。 実験番号15および16は、本発明の実施例であ
り、得られた熱延材は、引張強さ50Kg/mm2以下、
降伏強度30Kg/mm2以下、低歪み域n値0.20以上
で、加工性は良好であり、また高周波表面焼入特
性も良好であつた。 実験番号17については巻取温度が低いので低歪
み域n値が低く所望の特性は得られていない。 実験番号18では、用いた供試鋼Gの炭素量が過
大であつたため、熱延材の引張強さは50Kg/mm2を
越え、良好な成形性は得られなかつた。 実験番号19では、用いた供試鋼HのSi量が高
く、熱延材の短時間加熱でのオーステナイト化が
遅く、十分な表面硬さは得られなかつた。
第1図は、熱延材の諸特性と熱延条件との関係
を示すグラフであり、そして第2図は、パーライ
ト群間距離が異なる熱延材の高周波焼入特性を示
すグラフである。
を示すグラフであり、そして第2図は、パーライ
ト群間距離が異なる熱延材の高周波焼入特性を示
すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量でC:0.10〜0.19%,Si:0.50%以下,
Mn:0.70〜1.50%,Cr:0.05〜0.80%,B:
0.0005〜0.005%およびA1:0.08%以下を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる複合成
形加工性および短時間急速加熱焼入れ性にすぐれ
た精密打抜き用鋼板。 2 重量でC:0.10〜0.19%,Si:0.50%以下,
Mn:0.70〜1.50%,Cr:0.05〜0.80%,B:
0.0005〜0.005%,A1:0.08%以下およびTi:0.05
%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純
物からなる複合成形加工性および短時間急速加熱
焼入れ性にすぐれた精密打抜き用鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57187353A JPS5976861A (ja) | 1982-10-27 | 1982-10-27 | 精密打抜き用鋼板 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP57187353A JPS5976861A (ja) | 1982-10-27 | 1982-10-27 | 精密打抜き用鋼板 |
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Family
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Family Applications (1)
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JP57187353A Granted JPS5976861A (ja) | 1982-10-27 | 1982-10-27 | 精密打抜き用鋼板 |
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JP (1) | JPS5976861A (ja) |
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JPS58104160A (ja) * | 1981-12-17 | 1983-06-21 | Nisshin Steel Co Ltd | 浸炭特性および焼入性に優れた精密打抜加工用鋼板およびその製造法 |
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1982
- 1982-10-27 JP JP57187353A patent/JPS5976861A/ja active Granted
Patent Citations (1)
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JPS58104160A (ja) * | 1981-12-17 | 1983-06-21 | Nisshin Steel Co Ltd | 浸炭特性および焼入性に優れた精密打抜加工用鋼板およびその製造法 |
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JPS5976861A (ja) | 1984-05-02 |
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