JPH0329427B2 - - Google Patents

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JPH0329427B2
JPH0329427B2 JP57165838A JP16583882A JPH0329427B2 JP H0329427 B2 JPH0329427 B2 JP H0329427B2 JP 57165838 A JP57165838 A JP 57165838A JP 16583882 A JP16583882 A JP 16583882A JP H0329427 B2 JPH0329427 B2 JP H0329427B2
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spherical
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、布団や防寒衣料等の詰綿として用い
る嵩高にして、かつ圧縮率が大きく、回復性にす
ぐれ、しかも軽量で保温性に富むダウンライクの
球状詰綿材料を製造する方法ならびに装置に関す
る。 従来、詰綿材料としては繊維を一定方向に略平
行に絡合させてシート状としたものが代表的であ
つたが、その理想的なものとして羽根がある。 羽根を使つた布団や防寒衣料は、詰綿量が少量
でも嵩が高くて暖かく、しかも収納すときには小
さく折り畳むことができて場所をとらず、更に再
使用に際して嵩回復にすぐれていることから極め
て実用性の高いものであるが、値段が高く、高級
であるところから近時、羽根の特性を備えた詰綿
材料を人工的に得る試みが各方面でなされてい
る。例えば特公昭51−39134号公報には、その1
つとして繊維塊を一定のユニツト内に挿入し、回
転摺擦運動を与えて球状体とすることが提案され
ており、また、特公昭53−4456号公報では中空状
の球状体からなる詰物素材が開示されている。 更に最近、公告された特公昭57−48号公報によ
れば短繊維よりなる繊維集合体を機械的な延伸作
用により塊形成に必要な量だけ分離独立させた
後、連続的に制限される空間区域に導き、該区域
において機械的なもみ作用を該繊維集合体に与
え、直径が10〜50mm、密度が0.03g/cm3以下の球
体もしくはそれに近い形状を有する塊状の繊維集
合体を多数形成せしめる方法が述べられている。 しかしながら本発明者らは、人工的な詰綿材料
を作成するに際し、その基本的な物性を検討した
結果、前記各方法によつて得られた詰綿ではダウ
ンライクな物性において未だ充分満足できない点
があることを知るに至つた。 そして、本出願人はかかる物性の検討の結果さ
きに特願昭57−43384号(特開昭58−159780)を
もつて好適な詰綿材料を提供した。即ち、この詰
綿材料は、繊維が3〜10デニールで捲縮率が15%
以上の短繊維90〜10重量%と、繊維度が前記短繊
維より小さく、かつ0.7〜4デニールで捲縮率が
15%未満の合成重合体からなる短繊維10〜90重量
%よりなり、しかもそれら両短繊維が互いにもつ
れ合つている直径10〜50mm、密度0.03g/cm3以下
の実質的に均一な密度の球状体からなる材料であ
る。 ところが、本発明者らは、更に上記の如き詰綿
材料の製造を行なうにあたり、種々の摩擦作用を
試みたところ、摩擦面の運動に驚くべき事実を見
出した。それは従来の球状体の製法が直線運動あ
るいは回転摺擦運動に偏つていて、その運動が極
めて単調であり、詰綿材料としての物性の改善に
制約をもつことである。 かくして本発明は従来の摩擦作用の単調さを打
破し直線運動と回転円運動との交差せる運動を利
用し、短繊維集合体に実質的に改善された球状形
態を付与することを目的とするものである。 又、本発明は、上記形態を付与することによつ
て詰綿材料として好適な物性を与えることも他の
目的とするところである。 しかして上記目的を達成する本発明の特徴は、
塊形成に必要な所要量だけ、分離独立させた短繊
維集合体を低融点繊維を配合して作り、これを、
1つは直線運動により、他の1つは円運動により
互いに交叉する方向に運動する対向摩擦面間に導
入し、該摩擦面で前記両運動の交差により前記短
繊維集合体に実質際に球状の形態を付与すると共
に該球状の形態を加熱融着させる方法ならびに該
方法を実施するに好適な装置にある。 以下、更に上記本発明についてその詳細を説明
する。 先ず、上記本発明における基本的な特徴は1つ
が直線運動をし、他の1つが円運動する互いに対
向して交差運動する摩擦面を利用し、所要量に分
離独立させた短繊維集合体をその間に導入し、そ
の間で両運動の交差された総合的な運動を付与す
ることである。 ここで本発明に用いる摩擦面を構成する素材と
しては織布、編布、不織布などの布帛や、ゴム
板、木板、サンドペーパー等、種々の摩擦作用を
付与できるものが使用可能であるが、これらは一
般的形態として直線運動をする摩擦面としてはベ
ルトコンベア、一方、円運動をする摩擦面として
は回転板として利用される。しかし勿論、他の形
態として利用することを妨げるものではない。 そして、上記両摩擦面は、その間で短繊維集合
体に機械的な運動を付与する関係上、両摩擦面間
の対向間隔ならびに摩擦面の摩擦係数がそれに応
じて選定されなければならない。 両摩擦面間の間隔としては、通常、好ましい間
隔は20mm以下であり、より好ましくは1〜10mmで
ある。20mmを超え、間隔が広くなると詰綿の球体
の大きさを大きくしなければならないか、あるい
は、小さい場合には有効な揉み作用を与えること
ができなくなる。 一方、対向摩擦面の摩擦係数も、余りに小さす
ぎては、滑りが起り、充分な揉みによる球状形態
の付与は望まれない。コンベアベルトと回転板と
に夫々、種々の摩擦面構成素材を用いて、実用に
適した球状形態に対する摩擦係数を実験的に求め
たところ、両摩擦面の摩擦係数(μ、但し傾斜法
μ=tanθによる測定)は共にμ≧0.4であること
が好ましいことが判明した。 とりわけ回転板がμ≧0.4、コンベアがμ≧0.5
であることはより好ましく、更に回転板がμ≧
0.5、コンベアがμ≧0.7であればきわめて物性の
優れた詰綿材料を形成することができることが知
見された。 又、前記直線運動、円運動の何れを間わず、摩
擦面の交差運動速度も短繊維集合体に球状の形態
を付与する上から考慮することが好ましく、この
速度は適宜、設定可能であるとしても両者間に余
り速度差を設けることは適切ではない。 即ち、直線運動をするコンベアベルトの速度が
早く、円運動をする回転板の回転速度が遅い場合
には揉みによる球状形態の付与が充分に行なうこ
とができず、又、コンベアベルトの速度が遅く、
回転板の速度が早い場合には余りに揉み作用が過
ぎ、所要の球状形態を得るに至らないばかりか、
生産能率の低下が起り工業上の有利さが失なわれ
る。 そこで直線運動と、円運動との各速度について
も種々の実験を試みた。 その結果によれば一般的には回転板の回転数
(r、pm)はベルト速度(m/min)の略10〜16
倍程度が良好であることが分つた。 しかし、短繊維の種類に応じ若干の変動があ
り、又、特殊な球状形態を得るためには必らずし
も上記範囲に限定されない場合がある。 次に本発明による詰綿製造に用いられる短繊維
集合体は例えば特定の短繊維A,BとCとを適当
な割合で混合した後、フラツトカード、ローラー
カード、ランダムウエバー等の開繊機にかけて繊
維を充分に開繊混合したウエブを作り、これを機
械、風力又は人力等で必要な大きさの繊維塊にカ
ツトしたり、引き抜いたりして分離し形成するこ
とによつて得る。 ここで前記分離された独立した短繊維集合体の
重量は好ましくは5〜1000mgより好ましくは40〜
650mgである。 そして上記短繊維集合体に配合する各短繊維の
好適な例としては、短繊維Aは、ポリエステル、
ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、羊毛
等各種の天然或いは合成繊維があるが、就中ポリ
エステル系繊維は効果面より最も好ましい。この
短繊維Aの繊度は、3〜10デニールが用いられ、
4〜7デニールであれば一層好ましい。また捲縮
率として、15%以上有することが好ましく、18%
以上であればより好ましい。但し捲縮率の上限
は、製造面からの制約により30%程度である。短
繊維Aの繊度と捲縮率は、特性の範囲からはずれ
て繊度が大き過ぎると、圧縮し難くなり感触も粗
硬になる等の問題が現われ、逆に繊度や捲縮率が
小さ過ぎると嵩高に乏しく、腰のないへたり易い
ものになる等の欠点が出る。 尚、ここでいう捲縮率とは、2cm3/デニール負
荷時の繊維長をa、50mg/デニール負荷時の繊維
長をbとすれば(b−a)×100/b(%)で表わ
されるものである。 又、上記短繊維Aの繊維長は、20〜100mmが良
く、30〜80mmであれば一層好ましく、これよりも
良くても短かくても球状に成型し難い。尚、単一
の繊維長のみでなく、繊維長の異なるものを用い
ても良い。 一方、前述したもう1つの短繊維Bとしては、
ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリ
エチレン等各種の合成繊維が用い得るが、中でも
ポリエステル系繊維は本発明の諸効果が得易くて
好ましい。短繊維Bの繊度は、短繊維Aのそれよ
り小さく、且つ0.7〜4デニールが好ましく、1
〜3デニールであればより好ましい。また捲縮率
は、15%以下が良く、10%以下であればより好ま
しく、7%以下であればさらに好ましい。これら
が上記の如き特定範囲からはずして繊度や捲縮率
が大きくなり過ぎると、圧縮し難く、感触が粗硬
となり、またコンパクトに収納していたものを再
使用する際に、これを軽く叩くなどした時の嵩回
復性、所謂ビードバツク性が悪くなり、逆に繊度
が小さ過ぎると嵩高に乏しく腰のないものになる
等の欠点が出る。短繊維Bの繊維長は20〜100mm
が好ましく、30〜80mmであれば一層好ましい。そ
して、これよりも長くても短かくても球状成型が
難しくなる。尚この場合も繊維長の異なるものを
用いても良い。 短繊維A及びBは一成分のみよりなる繊維のみ
でなく、異質の重合体、粘度の異なる同種の重合
体などを同芯乃至偏芯、又はサイドバイサイド型
に複合した所謂複合繊維をも含むものである。ま
た短繊維A及びBには中空繊維及び多孔性繊維も
含まれる。特に短繊維Aには中空複合繊維を使用
すると捲縮を与え易く、しかも堅牢であり、更に
軽くて嵩高性にすぐれ、保温性も良いため好まし
い。この場合中空率は、通常5〜30%程度であ
る。 本発明に於いては、上記の特定された短繊維A
及びBをさらに下記の様に特定の比率で配合する
ことが好適である。即ち、短繊維Aの配合比率は
90〜10重量%が好ましく、80〜20重量%であれば
より好ましく、70〜30重量%であればさらに好ま
しい。一方、短繊維Bの配合比率は10〜90重量%
が好ましく、20〜80重量%であればより好まし
く、30〜70重量%であればさらに好ましい。この
範囲を越えて短繊維Aが多いと、圧縮し難く、感
触粗硬となり、ビートバツク性も悪くなり、逆に
短繊維Bが多いと、嵩高性が乏しく、腰もなくビ
ートバツク性も不良となる。 尚、本発明の効果を損わない範囲で短繊維A、
短繊維B以外の成分、例えば素材、繊度、捲縮率
の異なるものなどを20%程度以下配合しても良
い。これらの繊維としては、ポリアミド、ポリエ
ステル、ポリプロピレン等の合成繊維や羊毛等の
天然繊維がある。 また、本発明に於いては低融点合成繊維を配合
することが肝要であり、前記短繊維Cはかかる低
融点繊維である。低融点合成繊維とは前記短繊維
よりも低い融点、即ち通常20℃以上、好ましくは
30℃以上低い融点を持つ成分を少くとも一部に有
するものである。即ち、低融点合成繊維には上記
の如き低融点成分単独から成るものの他、低融点
成分と、これとは上記温度差以上の高融点を有す
る異質若しくは同質の重合体などをサイドバイサ
イド型又は同芯乃至偏芯型に複合した所謂コンジ
ユゲート繊維をも含むものである。 上記の低融点成分としては、ポリエステル系、
ポリアミド系、ポリアクリルニトリル系、ポリエ
チレン等のポリマーの他、各種変性乃至共重合し
たポリマーも含まれる。 低融点合成繊維の繊度は、熱融着に際して、細
いと接着密度が高くなり、又太いと接着強度が大
きくなるため、通常1〜15デニール、好ましくは
1.5〜10デニールである。一方繊維長は、通常2
〜200mm、好ましくは5〜100mmである。 低融点合成繊維は、前記繊維100重量部に対し、
100重量部以下、好ましくは2〜50重量部、更に
好ましくは3〜40重量部、特に好ましくは4〜30
重量部配合混綿すると良い。低融点合成繊維の配
合量が100重量部を越えると、中綿材料が粗硬と
なるばかりでなく、嵩高性等の他の物性が低下す
る。 かくして叙上のような摩擦面構成を利用し、か
つ短繊維集合体を素材として同素材を対向摩擦面
間に導入し、両摩擦面の交差された運動により球
状形態の詰綿材料を得るが、この詰綿材料は上記
各短繊維A,B及びCの各繊維が互いにもつれ合
つて構成された直径10〜50mm、密度0.03g/cm3
下の実質的に均一な密度の球状体から成るもので
ある。各繊維が互いにもつれ合つているとは、繊
維1本に着目した場合に、周辺に存在する1本乃
至複数方の他の繊維と互いに交差したり、ねじれ
合つたりしてもつれ合つているものであつて、糸
巻きに糸を巻いた様に単に重なり合うだけで成る
ものではない。また、実質的に均一な密度の球状
体とは、球状或いはこれに近い形状のみでなく、
細長いものや扁平に近いものなどの繊維塊を含む
もので、要するに従来の連続した綿層と異なり、
独立した繊維塊であればよい。そして、これらの
表面部、中間部、中心部の繊維の詰まり具合を見
た場合に、特に表面部に繊維が密に存在する等の
ことがなく、全体として実質的に均一な密度で繊
維が存在するものである。その直径は、10〜50mm
が好ましく、20〜40mmであれば一層好ましい。密
度は0.03g/cm3以下が好ましく、0.02g/cm3以下
であれば尚好ましい。直径が小さ過ぎると、嵩が
減り、逆に大き過ぎると繊維塊の接触部分に隙間
ができ保温性が低下して好ましくない。また、密
度が高過ぎると嵩高性に劣り、圧縮もし難くな
り、感触も硬くて好ましくない。 そして、前記短繊維集合体はその配合中に低融
点合成繊維を含有するため、球状の形態が戻らな
いように融着固型化することが実施され、熱風、
赤外線等により後工程で該繊維の融点以上、前記
短繊維A,Bの融点以下の温度で加熱融着され
る。 また、詰綿材料構成要素の一部又は全部を配合
前に、或いは繊維塊とした後に油剤、シリコン
系、弗素系等の平滑剤で処理して繊維間静摩擦係
数を0.45以下、好ましくは0.20以下とすると良
い。この場合、弾性重合体や柔軟剤等を併用して
も良い。 そして、本発明の詰綿材料は適当な側地に包む
などして布団などの寝装品や防寒保温を必要とす
る衣服等に用いられる。 次に、本発明の第2の特徴をなす前記詰綿材料
の製造装置につき添付図面を参照しその実施例を
説明する。 第1図は本発明詰綿材料の製造装置の1例を示
し、スライバー切断を含む供給機構1と、供給さ
れた短繊維集合体を球状形態に成型する摩擦面機
構2と、球状に成型された詰綿を受止し、加熱し
て送出する加熱装置を含む送出機構3の各部を連
設することによつて構成されている。 このうち、先ず、供給機構1は、図示装置では
スライバーSを収容したケンス11、該ケンス1
1よりスライバーSを取り出し給送する複数のガ
イドローラー12、ガイドリンク13、フイード
ローラー14、ニツプローラー15、カツターロ
ーラー16、更に、第1図では図示していない
が、第2図で図示する導管17の各部を含んで構
成されており、カツターローラー16の近傍には
空気導管18に連結されてエアノズル19が開口
している。 勿論、この場合、カツターローラー16の使用
に代え、他の切断方式、機械ちぎり方式を利用し
てもよい。 一方、供給された短繊維集合体を球状形態に成
型する摩擦面機構2は、図示例においてはローラ
ー又はプーリー21,21′,21″間にわたつて
掛架され、適宜、駆動源によつて進行方向に回動
するコンベアベルト22と、該コンベアベルト2
2の上方に配設された回転板23からなつてお
り、回転板23は駆動モーターMの軸よりチエン
24等を介して連動するスプロケツトホイル又は
プーリ25の軸26に軸着されて該軸26に対し
偏心して回動する偏心カム27を介して取付板2
8により回動円運動可能に取り付けられており、
前記コンベアベルト22との対向面には前述した
20mm以下の所要の間隔が保持されている。 そして、このコンベアベルト22及び回転板2
3の互いに対向する面には編布、織布、不織布な
どの布帛又はゴム板、木板、サンドペーパーなど
からなる摩擦面構成素材が貼着あるいは取替可能
に取着されている。この摩擦面構成素材はコンベ
アベルト22側と、回転板23側において必らず
しも同一である必要はないが、少くとも0.4以上
の摩擦係数(傾斜法)を有していることが好適な
ことは前述の通りである。 又、回転板23は一方向のみの回転に限らず正
逆両駆動モーターを利用することにより正逆両方
向への回動も可能であるが、詰綿を得る揉み作用
を与えるまでは少くとも、同一方向とすることが
好ましい。 なお、図では回転板23を上部としているが回
転板を下部に配置することも充分、考えられ、
又、摩擦面機構としてコンベアベルト22及び回
転板23に代え、他の直線運動ならびに円運動を
行なう機構を適宜、利用することも同様である。 図中、29はコンベヤベルト22のガイド板、
31はコンベアベルト22の終端における球状詰
綿送出用エアーパイプである。 次に前記摩擦面機構2に続いて配置される詰綿
送出機構3は、前記コンベアベルト22終端に連
続し、作成された詰綿S′を受け止め、後送するシ
ユーター32に連続して回転ドラム33が下向傾
斜状に設けられており、図では更に該回転ドラム
33内に赤外線ヒータ等の加熱装置34が設置さ
れていて回転ドラム32内を落下する詰綿S′を加
熱し得るような構成が採用されている。 図中、35は回転ドラム33駆動用モーター、
36,37は回転ドラム受止回動機構である。 しかし、詰綿送出機構3は前記の如き回転ドラ
ム33に限らず、コンベアベルト、あるいはネツ
トコンベアの如き搬送機構であつてもよく、又、
加熱装置34も必らずしも赤外線ヒータに限ら
ず、他の加熱装置でもよい。しかし、低融点繊維
を含有する球状の詰綿の場合には加熱装置を設け
て融着させることが有利である。 本発明製造装置は、叙上の如き構成を具備して
なり、前述したように特定の短繊維A及びBを適
当に混合した後、フラツトカード、ローラーカー
ド、ランダムウエバー等の開繊維にかけて繊維を
充分に開繊、混合したウエブを作成し、スライバ
ーSとなした後、これをスライバー切断装置で必
要な大きさの繊維塊にカツトして次の摩擦面機構
のコンベアベルト22及び回転板23からなる対
向摩擦間に導入すると、短繊維集合体にはコンベ
アベルト22の直線運動と、回転板23の円運動
との交差された運動が加えられ、所要の揉み作用
が与えらえて短繊維集合体は球状形態に成型さ
れ、後続の送出機構3へ送出される。殊に上記揉
み作用は直線運動と、円運動との交差運動である
からその運動は極めて円滑であり、短繊維集合体
に効果的な球状形態を与える。 かくして得られた本発明による詰綿材料は前述
した詰綿としてきわめて好ましいダウンライクな
物性を示すものである。即ち、先ず初期の嵩高性
が挙げられる。通常、同重量の試料を採ると、最
も嵩が高いのはダウンであり、これは比較すると
一般の中綿材料は概して約半分、良いものでも7
割程度の嵩に過ぎない。これに対して本発明に係
る詰綿材料は天然ダウンに優るとも劣らない嵩高
され得られるのである。次に本発明の詰綿材料は
天然ダウンと同様の高圧縮性が得られる。天然ダ
ウンは、高嵩高にも拘らず、逆に圧縮に要する荷
重が小さくで済み、非常に小さな容積に圧縮する
ことができるので、これを収納する時に場所を取
らない利点がある。一方、一般の詰綿材料では圧
縮応力をダウンと同等若しくはそれ以上に小さく
することは可能であるが、この様な場合嵩高性の
悪くなるのが常であり、且つまた圧縮応力が小さ
過ぎると腰のないものになつて好ましくない。こ
の様に従来一般の詰綿ではダウンのように嵩高性
と圧縮性並びに適度の腰を両立させることができ
ないのである。これに対して本発明の詰綿材料は
圧縮応力がダウンと同程度で、従つてコンパクト
に収納することができると共に使用時に適度の腰
もあつてしかも先に述べたように嵩高性もあり、
この両者が両立できるのである。更に、本発明に
よる詰綿のもう1つの特性は嵩復元性にある。 上記のようにコンパクトに収納した後再びこれ
を使用する時嵩が充分回復しなければならない。
長時間コンパクトな形で収納しておくと詰綿は次
第に歪み、復元力が無くなつてくるため、従来の
詰綿では嵩回復が悪い。この点ダウンの回復後の
嵩高は初期の嵩高と相俟つて至極良好である。特
に手で叩くなどの機械的な力を加えた時の回復性
(ビートバツク性)にすぐれているが、本発明に
よる詰綿材料もまたビートバツク性を含む嵩回復
性は従来の詰綿材料にないすぐれたものがある。
また、ドレープ性が悪く体に沿わない布団や衣服
は折角体温で暖められた空気が隙間から散逸する
のであるが、本発明による詰綿材料は肌沿いも良
くて暖められた空気を逃がさず、また上記の様に
使用時には何時も嵩高であることと相俟つて保温
性は良好である。 さらに天然ダウンは硬くもまた柔らか過ぎもせ
ず、適度にソフトな肌ざわりを有するが、本発明
によるものもまた同様のすぐれた肌ざわりを持つ
ものであり、あらゆる点で天然ダウンに優るとも
劣らない性能を有するのである。 また、低融点合成繊維を配合して融着した本発
明による詰綿材料は、より一層使用中、洗濯時の
中綿のくずれやからみがなく、へたりも少なく且
つまた側地からの中綿の吹き出しも少なくてより
好ましい。 さらに上記のように種々のすぐれた性能を有す
るが簡易な構造であるため極めて安価で経済的に
生産でき、その工業的利用価値は極めて大きい。 以下、更に実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。文中、部は重量部を示す。 実施例 1 繊度6デニール、繊維長65mmの中空複合ポリエ
ステルステープル50部、繊度1.5デニール、繊維
長38mmのポルエステルステープル20部、繊度3デ
ニール、繊維長64mmの低融点接着性ポリエステル
ステープル20部に巾0.3mm、長さ3mmにカツトし
た捲縮アルミニウム蒸着ポリエステルフイルム10
部を配合し、予め混綿機で混綿した後、ローラー
カードにてカーデイングを行ない、カードウエブ
とした後、該カードウエブを分割、収束してスラ
イバーとなし、第1図に図示した装置に供給し
た。なお、中空複合ポリエステルステープルなら
びにポリエステルステープルはシリコン系平滑剤
処理を行なつた。 次いで、上記スライバーをカツターローラーで
長さ約3cm、重量約100mgに切断し、回転板とコ
ンベアベルトからなる摩擦面機構の両摩擦面間に
導入して次の条件、即ち 回転板−コンベア対向面間隔 5mm コンベアベルト速度 7.2m/min 回転板回転速度 104回/分 で各コンベアベルト、回転板の摩擦面の表面材料
を変え、かつ摩擦係数を変えて丸める操作を行な
つた。なお、この丸めた詰綿はその後、回転ドラ
ム内で150℃で10秒加熱され、含有されていた低
融点接着性ポリエステルステープルを融着した。
得られた詰綿は直径が10〜50mmで密度は0.015〜
0.025g/cm3であつた。 そして、上記各摩擦面の表面材料、摩擦係数を
変えた各場合における夫々の詰綿の外観、感触に
ついて視認、触感により夫々実用上の評価と求め
たところ、第1表の如き結果が得られた。 なお、表中における表面材料の各摩擦係数は、
前記した傾斜法によるものであり、下記方法に拠
る。 基準面上に76gの荷重をかけた31mm×31mmの試
料を載せ、基準面を水平位置から1度/秒の速さ
で傾斜させて試料が滑り出す角度(θ)(基準面
と水平面とのなす角)を読み、tanθを摩擦係数と
した。 なお、基準面にはポリエステル綿混平織物(ポ
リエステル65%、綿35%、60番単糸、織密度経
120本、緯68本)を用い、同織物の経方向に試料
を滑らせた。
【表】 上記第1表に記載した各実験例を図表に示した
のが第3図である。 これら第1表ならびに第3図図表よりみて、コ
ンベアベルトならびに回転板の摩擦係数は何れも
0.4以上が実用に要求されていることが理解され
とりわけ回転板が0.5以上でコンベアベルトの摩
擦係数が0.7以上であれば極めて好適な結果が得
られることが首肯される。 実施例 2 繊度4デニール、繊維長68mm、捲縮率が21.8%
のポリエステル短繊維A50部、繊度1.5デニール、
繊維長40mm、捲縮率7.5%のポリエステル短繊維
B50部、融点130℃のポリエステルからなる繊度
4デニール、繊維長50mmの低融点合成繊維20部を
配合、カードウエブを分割切断し、前記実施例1
の実験番号5の表面材料からなる摩擦面構成で前
記実施例1に記載の間隔速度条件により丸めた
後、150℃で2分間加熱して直径20〜40mm、密度
0.013〜0.018g/cm3の詰綿材料を得た。なお、短
繊維Aはシリコン系平滑剤処理を行つた。 一方、上記のカードウエブを切断した短繊維集
合体を別に上部が下部より高表面速度で回転する
特公昭57−48号公報記載の一対のコンベアベルト
間に導入し低速側を8.5m/min、高速側を8.5
m/minとして前記集合体に揉み作用を加えて同
様に加熱した。 得られた詰綿材料単体は直径10〜40mm、密度
0.022〜0.03g/cm3であつた。 次に上記両者の初期嵩高、圧縮応力、ビートバ
ツク回復率について測定しその評価を行つた。第
2表にその結果を示す。 なお、各種測定評価は次の方法に拠つた。 12cm角の側地2枚を重ね周囲を縫い合わせた袋
内に中綿材料4gを詰めて測定試料とした。イン
ストロンにより上記試料を5mmまで圧縮した。 初期嵩高:初荷重(1.3g/cm2)時の厚さ(mm) 圧縮応力:5mmまで圧縮した時の応力(g/cm2) を求めた。 次に試料に70g/cm2の高荷重を24時間負荷した
後、除重して5分間放置して自然回復せしめ、次
いで試料をタンブラー乾燥機にて5分間回転、振
動を与えてビートバツクせしめたものの初荷重の
厚さを測定し、初期嵩高に対する比をビートバツ
ク回復率とした。
【表】 例
上記表から本発明方法によるものは、初期嵩
高、圧縮応力が共に適度であり、コンパクトに収
納後再使用に際してのビートバツク回復率が大き
いことが知見される。 なお、上記詰綿材料を夫々幅1.5m、長さ2m
のふとん側地に入れたところ、嵩高性、柔かさ、
耐圧縮疲労性の良好なふとんを得ることができた
が、特に本発明方法によるものには型くずれやへ
たりが少なく良好であつた。 以上のように本発明方法は前述したような種々
の特性を有する詰綿を得ることができると共に、
その装置として、コンベアベルトと回転板による
直線運動と円運動の交差運動を基本とし、単なる
直線運動同志あるいは円運動同志と異なる自然な
揉み作用を短繊維集合体に与えると共に加熱装置
を有して球状に丸めた状態が戻らない融着固型化
する特長があり、夫々の速度の選定によつて工業
生産をも有利ならしめ、工業的生産設備として充
分、期待のもたれる装置である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る製造装置の1例を示す概
要図、第2図は同装置の要部拡大斜視図、第3図
は本発明における摩擦面機構で各摩擦面の摩擦係
数を変えた場合の実用範囲を示す図表である。 1……短繊維集合体供給機構、2……摩擦面機
構、3……送出機構、22……コンベアベルト、
23……回転板、26……駆動軸、27……偏心
カム、33……回転ドラム、34……加熱装置、
S……スライバー、S′……詰綿。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 塊形成に必要な所要量だけ分離、独立させた
    低融点繊維配合の短繊維集合体を、1つは直線運
    動により、他の1つは円運動により互いに交差す
    る方向に運動する対向摩擦面間に導入し、該摩擦
    面間の前記連動により前記短繊維集合体に実質的
    に球状の形態を付与し、のち、加熱することによ
    り融着させることを特徴とする球状詰綿材料の製
    造方法。 2 対向摩擦綿の直線運動する摩擦面がコンベア
    ベルトであり、円連動する摩擦面が回転板である
    特許請求の範囲第1項記載の球状詰綿材料の製造
    方法。 3 対向摩擦面の双方が0.4以上の摩擦係数を有
    する特許請求の範囲第1項又は第2項記載の球状
    詰綿材料の製造方法。 4 対向摩擦面が20mm以下の間隔を有して位置す
    る特許請求の範囲第1項、第2項又は第3項記載
    の球状詰綿材料の製造方法。 5 独立短繊維集合体が5〜1000mgの重量を有す
    る特許請求の範囲第1〜4項の何れかに記載の球
    状詰綿材料の製造方法。 6 スライバーを切断し、所要量の低融点繊維配
    合短繊維集合体を形成供給する供給機構と、前記
    供給機構により供給される短繊維集合体を受け、
    球状形態の詰面に摩擦形成する摩擦面機構と、前
    記摩擦面機構から送り出される球状形態の詰綿を
    受止し、加熱して送出する加熱装置を含む送出機
    構を連続して設けてなり、前記摩擦面機構は、進
    行方向に回動する無端コンベアベルトと、該ベル
    ト上に配設され、モーターに運動する駆動軸に取
    り付けられた偏心カムを介して偏心回動する回転
    板を含み、その対向する面が互いに摩擦面を有し
    てその間を通過する短繊維集合体に互いに交差す
    る運動を付与すると共にこれに続く送出機構は加
    熱装置により前記運動により付された球状形態が
    戻らないうちに融着固型化することを特徴とする
    球状詰綿材料の製造装置。 7 摩擦面機構の互いに対向する摩擦面が20mm以
    下の間隔である特許請求の範囲第6項記載の球状
    詰綿材料の製造装置。 8 摩擦面機構の互いに対向する摩擦面が布帛、
    ゴム板、木板、サンドペーパーからなる群より選
    られた1つを具備する特許請求の範囲第6項又は
    第7項記載の球状詰綿材料の製造装置。 9 摩擦面機構の互いに対向する摩擦面が共に
    0.4以上の摩擦係数を有する特許請求の範囲第6
    項、第7項又は第8項記載の球状詰綿材料の製造
    装置。 10 詰綿送出機構が赤外線ヒーターを内蔵した
    回転ドラムである特許請求の範囲第6項乃至第9
    項の何れか各項に記載の球状詰綿材料の製造装
    置。
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