JPH0328485Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、操作軸を操作する際に所定の操作位
置でクリツク感を得ることができるクリツク機構
付可変抵抗器に関するものである。

従来技術 従来のこの種の可変抵抗器においては、第１図
に示すように、回転体１に保持された抵抗体２の
上を摺動する摺動子３の摺動接点４を反対側の部
分にクリツク突起保持片５を形成して該保持片５
にクリツク突起６を設けるとともに、回転体１を
覆うケース７にクリツク突起係入用凹部８を設け
て、クリツク突起６を凹部８に係入させることに
よりクリツク感を得るようにしている。ところが
従来のこの種の可変抵抗器では、クリツク突起保
持片５が摺動子３の摺動接点４を有する部分の板
面と平行に設けられているので、クリツク突起６
がケース７のクリツク突起係入用凹部８に係入し
た際にクリツク保持片５が振動し、この振動が摺
動接点４に伝わつて摺動接点４と抵抗体２との間
で接触不良を起し、電気雑音が発生する欠点があ
つた。

考案の目的 本考案の目的は、クリツク動作時に電気雑音が
生じるのを防止したクリツク機構付可変抵抗器を
提供することにある。

考案の構成 本考案は、表面に抵抗体を有する絶縁基板と、
前記絶縁基板に取付けられたケースと、前記ケー
スに軸受されている回転体と、前記回転体に保持
され前記抵抗体上を摺動する摺動接点を有する摺
動子部と、前記摺動子部と一体に形成されたクリ
ツク突起保持片に設けられたクリツク突起と、前
記ケースに形成されたクリツク突起係入用凹部と
を具備し、前記クリツク突起を前記クリツク突起
係入用凹部に係入されることによりクリツク感を
得るようにしたクリツク機構付可変抵抗器におい
て、前記クリツク突起保持片は前記摺動子部に対
して前記絶縁基板から離反する方向に折曲げたこ
とを特徴としている。

上記のように構成すると、クリツク動作時に生じ
るクリツク突起保持片の振動を、該クリツク突起
保持片と摺動子部との間の境界部分（折曲部）で
減衰させことができるので、摺動子部の摺動接点
と絶縁基板の抵抗体との間の接触不良を解消して
電気雑音の発生を抑制することができる。

実施例 以下本考案を図面の実施例に基いて詳細に説明
する。

第２図において、１１はセラミツク等からなる
絶縁基板で、この絶縁基板１１の表面には馬蹄形
の抵抗体１２と、抵抗体１２の両端につながる端
子電極１３と、抵抗体１２の内側に配設された中
心電極１４とが印刷等により形成されている。絶
縁基板１１の中心電極１４の内側に位置する部分
には回転体貫孔１５が形成され、また端子電極１
３が形成されている部分には端子取付孔１６が形
成されている。１７は絶縁基板１１の抵抗体１２
が配置されている表面を覆うケースで、このケー
ス１７の開口部付近の内側には絶縁基板１１の周
縁部に係合する係止溝１８が形成されている。ケ
ース１７にはまた回転体軸受孔１９が形成されて
いる。２０はケース１７の回転体軸受孔１９によ
り軸受されている回転体で、この回転体２０の絶
縁基板１１側に柱状のスライダ保持部２１と回転
体貫通孔１５に挿入されて支持される回転軸部２
２とを有している。回転軸部２２の先端の回転体
貫通孔１５より突出する部分はカシメられてい
る。回転体２０にはまたスダ保持部２１を同心的
に囲む周壁部２３が形成され、該周壁部２３の内
側に摺動子収納凹部２４が形成され、該回転体２
０の一部に摺動子収納凹部２４に連続する切欠き
部５２が形成されている。２６は金属板に打抜き
加工と折曲げ加工とを施して形成したスライダで
このスライダ２６は摺動子部２７とクリツク突起
保持片２８とを一体に有し、摺動子部２７は回転
体２０のスラダ保持部２１に嵌合する取付孔２９
と抵抗体１２に接する摺動接点３０と中心電極１
４に接する接点３１とを有している。クリツク突
起保持片２８は摺動子部２７の摺動子収納凹部２
４の底部２４ａに接する版状部２７ａに対してク
リツク突起保持片２８と摺動子部２７との境界部
分（折曲げ部）Ａで絶縁基板１１から離反する方
向に折曲げられている。図示の例では該クリツク
突起保持片２８が摺動子部２７に対して略直角に
折曲げられている。クリツク突起保持片２８の先
端には半球状のクリツク突起３２が形成されてお
り、このクリツク突起３２に対応するケース１７
の内側には、クリツク突起３２が接触しつつ摺動
する円筒面状の摺動面３３と、該クリツク突起３
２が係入するクリツク突起係入用凹部３４とが形
成されている。３５は端子金具で、この端子金具
３５は端子取付孔１６の端子電極１３の反対側端
縁でカシメられている。

上記実施例において、回転体２０が回転してスラ
イダ２６のクリツク突起３２がケース１７のクリ
ツク突起係入用凹部３４に落込むとクリツク感が
得られるがこの場合クリツク突起保持片２８は、
該保持片２８と摺動部２７との境界部分（折曲げ
部）Ａを支点として反り返る。そのためクリツク
突起保持片２８に生ずる振動は折曲げ部Ａで減衰
され、クリツク突起保持片２８の振動がスライダ
２６の摺動子板状部２７ａに直接伝達されること
がない。従つてクリツク動作時に抵抗体１２と摺
動接点３０との間で大きな振動が生じるのを防ぐ
ことができ、クリツク動作時に接触抵抗が変動す
ることにより生じる抵抗変動や電気雑音を大幅に
低減することができる。

尚上記実施例においては、クリツク突起保持片
２８と摺動子部２７の板状部２７ａとの間の折曲
げ部Ａが略直角を成すように形成されているが、
本考案はこれに限定されるものではなく、クリツ
ク突起保持片２８は板状部２７ａに対して絶縁基
板１１から離反する向きに折曲げられていればよ
い。

考案の効果 以上のように本考案によれば、クリツク突起保
持片を摺動子部に対して絶縁基板から離反する向
きに折曲げてクリツク突起保持片が該折曲げ部を
支点として変位するように構成したので、クリツ
ク動作時のクリツク突起保持片の振動を折曲げ部
で減衰さることができ、摺動接点と抵抗体との間
で生じる振動を抑制して接触不良等により生じる
電気雑音の発生を抑制することができる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクリツク機構付可変抵抗器の縦
断面図、第２図は本考案の実施例を示す縦断面図
である。 １１……絶縁基板、１２……抵抗体、２０……
回転体、２７……摺動子部、１８……クリツク突
起保持片、３０……摺動接点、３２……クリツク
突起、３４……クリツク突起係入用凹部、Ａ……
折曲げ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面に抵抗体を有する絶縁基板と、前記絶縁基
   板に取付けられたケースと、前記ケースに軸受さ
   れている回転体と、前記回転体に保持され前記抵
   抗体上を摺動する摺動接点を有する摺動子部と、
   前記摺動子部と一体に形成されたクリツク突起保
   持片に設けられたクリツク突起と、前記ケースに
   形成されたクリツク突起係入用凹部とを具備し、
   前記クリツク突起を前記クリツク突起係入用凹部
   に係入されることによりクリツク感を得るように
   したクリツク機構付可変抵抗器において、前記ク
   リツク突起保持片は前記摺動子部に対して前記絶
   縁基板から離反する方向に折曲げられていること
   を特徴とするクリツク機構付可変抵抗器。