JPH0328295Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は前面開口部に複層のエアカーテンを形
成する冷凍・冷蔵オープンシヨーケースに関す
る。

（従来の技術） 従来から複層のエアカーテンを前面開口部に形
成するようにした冷凍・冷蔵オープンシヨーケー
スとして種々の構造のものがある。

このような冷凍・冷蔵オープンシヨーケースと
して前面が大きく開口された断熱壁の下壁部、背
壁部、及び上壁部に沿つて、仕切壁材を配設し、
これによつて一対の風通路を形成して、この一対
の風通路に循環される空気によつて複層のエアカ
ーテンを形成するようにしたオープンシヨーケー
スがある。

上述のオープンシヨーケースにおいては各風通
路に対してそれぞれ送風機が配設されており、こ
の送風機は吹出口あるいは吸入口近傍に配置され
ている。さらに一方の風通路（内側の風通路）に
は蒸発器が配設されており、冷気流と保護用気流
の複層エアカーテンを形成している。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、一般的に、エアカーテンを形成する
ようにしたオープンシヨーケースにおいては、シ
ヨーケースの下部の風通路に送風機を設けてい
る。上述のように、シヨーケース下部の風通路に
送風機を設けた場合、送風機からの吹出口までの
距離は十分長いため、吹出口における横方向の風
速分布は良好となる。

ところが、送風機と吸込口との間は距離が短い
ため、吸込口での横方向の風速度分は、送風機に
近い部分は強く、送風機から遠い部分は弱くなつ
てしまい、エアカーテンが吸込口付近で乱れてし
まう。その結果、冷却能力を大きくしなければな
らないという問題点がある。一方、吸込口付近の
横方向風速分布を均一化するべく、送風機と吸込
口との間に抵抗板とを設けた場合、風通路の抵抗
が大きくなるので、大型の送風機が必要となると
いう問題点がある。

さらに、送風機をシヨーケース底部に設ける場
合、シヨーケース底の形状が複雑となり、ゴミ及
び食品のクズがたまりやすく、しかも清掃が困難
であり、不衛生となつてしまう。また、シヨーケ
ース底部を水洗いしようとした場合、送風機の存
在により電気的安全性に欠けるという問題点があ
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案による冷凍・冷蔵オープンシヨーケース
では、断熱壁の背壁部の中央付近で、第１の仕切
板が左右方向に切欠かれて、第１及び第２の風通
路を連通する連通部が形成されており、この連通
部を左右方向に互いに独立する複数の開部に分割
する分割部材と、この連通部を塞ぐようにして配
設され、各開部に対応してそれぞれ開口部が形成
され、これら開口部のそれぞれにフアンが配置さ
れた板体と、上記の複数の開部のうち予め定めら
れた開部で第１の風通路を塞ぐ閉塞部材と、複数
の開部のうち残りの開部で第２の風通路を塞ぐと
ともに上記の残りの開部で第１の風通路を連絡す
るフード部とを有し、第２の通風路にはフード部
の上流側に蒸発器が配置されていることを特徴と
している。

（実施例） 以下本考案について実施例によつて説明する。

まず、第１図を参照して、本考案による冷凍・
冷蔵オープンシヨーケースの構成について説明す
ると、前面が大きく開口された断面略コ字形状の
断熱壁１の内側には、断熱壁１の下壁面１ａ、背
壁面１ｂ、及び上壁面１ｃに沿つて順次、第１の
仕切板２及び第２の仕切板３が配設されて、保護
気流循環用の第１の風通路４及び冷気流循環用の
第２の風通路５が形成される。第１の仕切板２は
背壁面１ｂの中央付近において、左右に切欠かれ
て、第１の風通路４と第２の風通路５とを連通す
る連通部６が形成されている。この連通部６の中
央部分は上方に延在しており、即ちこの連通部６
の中央部分は他の部分に比べて大きく開口されて
いる。

この連通部６には一端部（上端部）にフランジ
部７ａを備えた板体７が一端（上端）を断熱壁１
に固着され、他端（下端）を第２の仕切板３に固
着されて、配設されている。この時、板体７のフ
ランジ部７ａは断熱壁１と第１の仕切板２との間
に配設され、これによつて、第１の風通路４は上
下に分割閉塞されている。板体７には等間隔に３
個の円形の開口部が設けられており、各開口部に
はそれぞれ送風機（フアン）８，９及び１０が配
設されている。板体７の裏面には板体７を３分割
するようにして区画板７ｂ及び７ｃが固着されて
おり、またこの区画板７ｂ及び７ｃの上端はフラ
ンジ部７ａに、一側端は断熱壁１に固着されてい
る。区画板７ｂの下端には左方向に延在する蓋部
材７ａが設けられており、この蓋部材７ｄによつ
て第１の風通路４の一部が塞がれている。また区
画板７ｃの下端には右方向に延在する蓋部材７ｅ
が設けられており、この蓋部材７ｅによつて第１
の風通路４の一部が塞がれている。即ち蓋部材７
ｄおよび７ｅによつて第１の風通路４はその中央
部分のみが開口されていることになる（開口部７
ｆ）。

板体７の表面には板体７で塞さがれなかつた連
通部の中央開口部７ｇとフアン９とを連結するた
めの両端が開口されたフード部１１が設けられて
おり、フード部１１の一端開口１１ａは上記の連
通部の中央開口部７ｇに連結され、他端開口部１
１ｂはフアン９に連結されており、さらにこのフ
ード部１１の一端面１１ｃは第２の仕切板３に固
着されている。そして、このフード部１１によつ
てフアン９はフアン８及び１０から独立してい
る。即ち、これら板体７及びフード部１１によつ
てフアンケースが構成されており、連通部６はこ
のフアンケースによつて覆われているとともに、
フアン８，９及び１０はフアンケースによつて互
いに分離されていることになる。断熱壁１の背壁
部１ｂの下部には、即ち、上記のフアンケースの
下方には、第２の風通路５中に蒸発器１２が配設
されている。

第１図、第２図及び第３図を参照して、上述の
冷凍・冷蔵シヨーケースのエアカーテンの形成に
ついて説明する。

フアン８，９及び１０の駆動によつて第１の風
通路４及び第２の風通路５を通つて空気が循環さ
れ、前面エアカーテンが形成される。

エアカーテンａ１を形成する空気は吹出口１３
ａから吹き出されて、吸込口１３ｂから吸込され
る。第１の風通路４を通る空気は、開口部７ｆを
通つて板体７の裏側へ達し、フアン９を通つて、
フード部１１の一端開口部１１ａから、再び第１
の風通路４へはいり、吹出口１３ａから前面開口
部へ吹き出され、外部からの熱の侵入を防止する
（〓で示す）。

一方、エアカーテンａ２を形成する空気は、吹
出口１４ａから吹き出されて、吸入口１４ｂから
吸入される。第２の風通路５を通る空気は蒸発器
１２で冷却された後、両側のフアン８及び１０を
通つて、再び第２の風通路５にはいり、吹出口１
４ｂから冷風となつて前面開口部へ吹き出され、
外部からの熱の侵入を防止するとともに貯蔵室１
４内を冷却する。（で示す） このように上述の実施例では冷気流循環用の第
２の風通路５には２台のフアン８，１０が対応
し、保護気流循環用の第１の風通路４には１台の
フアン９が対応しているから、蒸発器１２の存在
によつて冷気流の循環抵抗が増しても、冷気流が
第１の風通路４に吸い込まれることが少なくなり
エアカーテンの乱れが少なくなる。一方、フアン
８，９及び１０は背壁部の中央付近に配設されて
いるから、吹出及び吸入口において、横方向にお
ける風速分布がなくなり、その結果エアカーテン
の乱れが少なくなる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案による冷凍・冷蔵オ
ープンシヨーケースによれば、送風機が風通路の
略中央部に配置されているから、吹出及び吸入口
において、横方向における風速分布がよくなり、
エアカーテンの乱れが少なくなる。また、第１の
風通路と第２の風通路の連通部に送風機が配置さ
れているから、即ち、第１の風通路と第２の風通
路にまたがつて送風機を配置することが可能であ
るから、風通路の厚さを狭くすることができ、そ
の分庫内スペースを広くとることができる。

さらに、横方向の風速分布を良くするため、従
来のように風通路に抵抗板等を設ける必要がな
く、送風機を小型化することができる。また、シ
ヨーケース底部に送風機が設置されていないか
ら、清掃が容易であり、また、底部の水洗いが簡
単にでき、しかも送風機に水がかかることもない
ので安全である。さらに、送風機の配置位置は背
壁部の略中央であるから、即ち吸入口及び吹出口
から最も遠い位置に送風機が配置されているか
ら、騒音対策上も有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による冷凍・冷蔵オープンシヨ
ーケースの要部を一部破断して示す分解斜視図、
第２図は保護用気流の循環を示すための断面図、
第３図は冷却用気流の循環を示すための断面図で
ある。 １……断熱壁、２……第１の仕切板、３……第
２の仕切板、４……第１の風通路、５……第２の
風通路、６……連通部、７……板体、８，９，１
０……送風機（フアン）、１１……フード部、１
２……蒸発器、１４……貯蔵室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面が開口された断熱壁の上壁部、背壁部、及
   び下壁部に沿つて、該断熱壁より間隔をおいて順
   次第１及び第２の仕切板が配設されて、保護気流
   循環用の第１の風通路と、冷気流循環用の第２の
   風通路とが形成されて、前記前面にエアカーテン
   を形成するようにした冷凍・冷蔵オープンシヨー
   ケースにおいて、前記背壁部の中央付近で、前記
   第１の仕切板が左右方向に切欠かれて、前記第１
   及び前記第２の風通路を連通する連通部が形成さ
   れており、該連通部を左右方向に互いに独立する
   複数の開部に分割する分割部材と、該連通部を塞
   ぐようにして配設され、各開部に対応してそれぞ
   れ開口部が形成され、該開口部のそれぞれにフア
   ンが配置された板体と、前記複数の開部のうち予
   め定められた開部で前記第１の風通路を塞ぐ閉塞
   部材と、前記複数の開部のうち残りの開部で前記
   第２の風通路を塞ぐとともに該残りの開部で前記
   第１の風通路を連絡するフード部とを有し、前記
   第２の風通路には前記フード部の上流側に蒸発器
   が配置されていることを特徴とする冷凍・冷蔵オ
   ープンシヨーケース。