JPH03281049A - 加工性の高い高炭素鋼線材用熱延素材の製造方法 - Google Patents

加工性の高い高炭素鋼線材用熱延素材の製造方法

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JPH03281049A
JPH03281049A JP7670690A JP7670690A JPH03281049A JP H03281049 A JPH03281049 A JP H03281049A JP 7670690 A JP7670690 A JP 7670690A JP 7670690 A JP7670690 A JP 7670690A JP H03281049 A JPH03281049 A JP H03281049A
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Toshio Fujita
利夫 藤田
Kenichi Amano
虔一 天野
Shozaburo Nakano
中野 昭三郎
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、硬鋼線、ワイヤローブ、ばね用劇線、PC
鋼線、ゴム補強用鋼線等の高強度、高り靭性綱線の素材
として好適な加工性の高い熱延講材の製造方法に関する
ものである。
(従来の技術) 高炭素硬鋼線であるピアノ線やタイヤコード)は、熱延
素材に伸線加工と熱処理とを繰り返し力えることにより
、所定の線径に仕上げると共に、JIS等の規格を満足
する高強度を得ている。「時に絞り値や捻回値等の延靭
性についても、各利用途に応じた適正な値に保持する必
要がある。
ここにピアノ線は、圧延材に熱処理を加えることなく最
終径に伸線するいわゆる直引き加工が刺されることが多
く、線材中心部に認められる中l[偏析が加工性を大き
く左右することは周知の事貞である。またタイヤコード
については、自動車に軽量化への要請に伴って、高張力
化が進められているが、そのためには素材である線材の
内部に欠陥がないことが重要である。特に線材中心部に
見られる中心偏析は伸線加工中の断線を招くおそれがあ
り、生産性や歩留りの低下につながる。また断線に至ら
すとも加工中に微小クラックを生成して加工後の延靭性
を劣化させ、最終製品の品質特性を損なうことになる。
さらに極細線に加工されるため、介在物の影響も大きく
、とくに硬質のアルミナ等は悪影響を及ぼすので、延伸
しやすい低融点組成の介在物に形態制御されているとは
いえ、より一層の清浄化が要求されている。しかしなが
ら介在物の浮上、分離を促進して鋼の清浄度を高めるた
めには、溶鋼過熱度を高くする必要があるが、従来技術
では溶鋼過熱度を高くすると、逆に中心偏析程度は悪化
することから、両者を満足させることは極めて難しかっ
た。
このような弊害をもたらす中心偏析は、連続鋳造で得ら
れる鋳片の場合、特に凝固先端部の凝固収縮のほか、凝
固シェルのバルジングなどによって生じる空隙の真空吸
収力も加わって、凝固先端部にC,P、Sなどの濃化溶
鋼成分が吸込まれる結果、鋳片の断面中心部に正偏析と
なって残るものであり、かかる中心偏析に起因して線材
圧延後の中心偏析部に粒界セメンタイトの析出やミクロ
マルテンサイトの生成、さらにはミクロ組織の不均一な
どが生じる結果、伸線加工性が劣化するものと考えられ
る。
かかる中心偏析の防止策として、例えば2次冷却帯域に
おける電磁撹拌などが試みられたが、セミミクロ偏析ま
でを軽減するまでには至ってなくその効果は十分とはい
えない。
また、鋳片の凝固末期に一対のロールを用いて大圧下を
施すいわゆるインラインリダクション法(鉄と鋼第60
年(1974)第7号875〜884頁)の適用も試み
られたが、この方法では、未凝固層の大きい鋳片領域に
おける圧下が不十分な場合には凝固界面に割れが発生し
、逆に圧下が十分である場合に叫鋳片の厚み中心部に強
い負偏析が生じる等の問題があった。
その他、特開昭49−121738号公報には、鋳片の
凝固先端部付近でロール対による軽圧下を施して、該部
分の凝固収縮量を圧下により補償する方法が、また特開
昭52−54623号公報には、鋳造金型を用いて鋳片
の凝固完了点近傍を大圧下する方法がそれぞれ提案され
ている。
しかしながらロールによる軽圧下の場合には、複数対の
ロールにより数m/+*の圧下を施したとしても、ロー
ルピッチ間に生じる凝固収縮やバルジングを十分に防止
することができず、また圧下位置が適切でないとかえっ
て中心偏析が悪化する不利があった。他方、鍛造金型を
用いて鋳片の凝固完了点近傍を大圧下する方法は、イン
ラインリダクション法のようなロールによる大圧下に比
べて凝固界面が割れにくく、また負偏析も極力回避する
ことが可能で、セミマクロ偏析まで改善できることが明
らかになっているものの、依然として未凝固層の大きい
鋳片領域における圧下が不十分だと凝固界面に割れが発
生し、逆に圧下が十分すぎると鋳片の中心部に強い負偏
析が生じる不利があり、さらには未凝固層の小さい領域
を圧下してもその効果が得られないことから、最適な圧
下条件を模索しているのが現状である。
従って鋳片に生成する中心偏析を飛躍的に改善するまで
には至ってなく、鋼種や用途によっては鋳片段階におい
て拡散焼鈍などを施して対処しているのが実情であり、
大幅なコストアップにもなっている。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、連続
鋳造法を利用する場合であっても、中心偏析の生成を極
力低減すると共に、鋼の清浄度を高め、もって伸線加工
時における断線の防止を可能ならしめた加工性の高い高
炭素鋼線材用熱延素材の有利な製造方法を提案すること
を目的とする。
(課題を解決するための手段) すなわちこの発明は、 C: 0.4〜1.0wt%(以下単に%で示す)、S
i:0.1〜1.5%および Mn : 0.3〜2.0% を含み、かつ Co : 0.05〜1.OO%、 Cu : 0.05〜1.00  %、Nb : 0.
010〜0.20%およびB : 0.0005〜0.
0050  %のうちから選んだ少なくとも一種を含有
し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる溶鋼
を、溶鋼過熱度:25℃以上で連続鋳造し、その際、鋳
片内部溶鋼が凝固を完了するクレータエンド近傍にて、
取鍋中溶鋼のC含有量(C0)に対する鋳片軸心部にお
けるC含有量(C)の比C/C,が0.8〜1.05を
満足すべき鍛圧加工を施し、ついで熱間圧延を行うこと
を特徴とする加工性の高い高炭素鋼線材用熱延素材の製
造方法(第1発明)である。
またこの発明は、溶鋼の成分組成が、 C:0.4〜1.0%、 Si:0.1〜1.5%および Mn : 0.3〜2.0% を含み、かつ Co : 0.05〜1.00%、 Cu : 0.05〜1.00%、 Nb : 0.010〜0.20%およびB : 0.
0005〜0.0050  %のうちから選んだ少なく
とも一種を含有し、さらに V : 0.05〜1.00  %、 Cr : 0.05〜1.00%およびNi : 0.
05〜1.00 % のうちから選んだ少なくとも一種を含有し、残部はFe
および不可避的不純物の組成になる加工性の高い高炭素
鋼線材用熱延素材の製造方法(第2発明)である。
(作 用) まず、この発明において溶鋼の成分組成を上記の範囲に
限定した理由について説明する。
C:0.4〜1.0% 硬鋼線やPC鋼線、ビードワイヤ、タイヤコードなどの
用途から加工後の強度を補償する必要があり、C量は0
.4%を下限とした。C量を高めるほど高強度の鋼線を
得ることができるが、反面で高C化は材料を脆化させ加
工中の断線発生頻度を高める。特に1.0%を超えると
線材圧延後の制御冷却中に、旧オーステナイト粒界に網
目状のセメンタイトが析出し、その後の伸線加工性を大
きく阻害するので、上限は1.0%に定めた。なお特に
タイヤコードのような高強度、高加工性材では、0.6
5〜0.85%程度が好適である。
Si : 0.1〜1,5% Siは、脱酸剤としてだけでなく、マトリックスの強化
を図る上で有用な元素であり、少なくとも0.1%を必
要とする。
第1図に、0.75%C−0,70%Mn鋼について、
Si量を種々に変化させてパテンティング処理を行った
場合の引張り強さ(T、S、)および絞り(R,^、)
を示したが、Si量の増加に伴って引張強さが向上して
いる。
一方S4は、A c I4を上げる作用があり、とくに
1.5%を超えて含有されると高温変態するため、R,
A、の急激な低下を招く。かかる理由からSiの含有量
は0.1〜1.5%の範囲とした。
なおパテンティングの強度を上げておけば、伸線加工度
を増さなくても最終線径で高強度を得ることが可能で、
延靭性の低下が少な(なる。従って高強度でかつ十分な
延性を確保する場合には、とくに0.4〜1.0%程度
とするのが好ましい。
Mn : 0.3〜2.0% Mnは、siと同様、脱酸剤として作用するだけでなく
、鋼の脆化をもたらすSを固定し、またさらには焼入性
を向上させて強度及び延性を高める上でも有用な元素で
あるが、含装置が0.3%に満たないとその添加効果に
乏しく、一方2.0%を超えると高価となるばかりか熱
間圧延後の制御冷却あるいは加工途中の熱処理工程にお
いてミクロマルテンサイトの生成を促し、伸線加工性を
害するので、063〜2.0%の範囲で添加するものと
した。
Co : 0.05〜1.00% Coは、パーライト変態の促進元素としてもを効に寄与
し、とくに他の焼入れ性向上元素と複合添加した場合に
威力を発揮する。しかしながら添加量が0.05%未満
ではその効果がなく、一方1.00%を頓えて添加して
もその効果は飽和に達し、また経済性の面でも不利とな
るので、0.05〜1.00%の範囲で添加するものと
した。
Cu : 0.05〜1.00%、 Cuは、微細析出物の析出硬化によって高強度化を達成
するのに有効に寄与し、その効果は0.05%以上で発
揮されるが、1.00%を超えるとかえって延性を損な
うので、0.05〜1.00%の範囲で添加するものと
した。
Nb : 0.010−0.20% Nbは、オーステナイト結晶粒度を微細化し、特に圧延
後あるいは熱処理後の延性改善に有効に作用して加工性
を高める効果を有するが、0.010%未満ではその効
果が小さく、一方0.20%を趙えるとかえって延性が
劣化するので、0.010〜0.20%の範囲で添加す
るものとした。
Boo。0005〜0.0050% Bは、鋼中のNを固定し、加工中の歪時効による延性の
低下を防ぐと共に、伸線速度の増大の面でも有利である
。しかしながら含を量が0.0005%に満たないとそ
の添加効果に乏しく、一方0.0050%を超えるとフ
リーBによって延性が劣化するだけでなく、鋳片の表面
性状も悪化するので、0.000乏〜0.0050%の
範囲で添加するものとした。
v : 0.05〜1.00% ■は、焼入性向上元素であると同時に炭窒化物生成元素
であり、強度の向上に有効に寄与する。
その効果を発揮させるためには、少なくとも0.05%
の添加を必要とする。しかしながら一方で■は、焼入性
を著しく向上させる作用があるため、あまりに多量に添
加すると伸線加工途中のパテンティングにおいてパーラ
イト組織が得られず、マルテンサイトやベイナイト組織
が発生してその後の加工がかえって困難となるおそれが
あるので、上限を1.00%に定めた。
第2図に、■量の異なる5WRH72^、 5.5ww
1φ圧延線材の強度を示す。
同図より明らかなように、v4が0.05%以上の範囲
においてT、S、の良好な向上がみられる。
ただ炭窒化物の溶解温度が約950″Cと低いため伸線
加工途中で中間パテンティングされる場合には、その析
出強化作用はあまり期待できない。従って熱処理が不要
の直引き材の強度向上にとりわけ有効である。
Cr : 0.05〜1.00% Crは、変態点を幾分下げ、パーライトラメラ−スペー
シングを小さくするので、熱間圧延後あるいは熱処理後
の強度を上昇させると共に、加工硬化も大きく、低加工
度で高い強度が得られるので、延靭性の低下が小さくな
るという利点があり、その効果を発揮させるためには、
少なくとも0.05%の添加を必要とする。
しかしながらCrも、■と同様、焼入性を著しく向上さ
せる元素であるので、あまりに多量に添加すると伸線加
工途中のパテンティングにおいてパーライト組織が得ら
れず、マルテンサイトやベイナイト組織が発生してその
後の加工がかえって困難となるおそれがあるので、上限
を1.00%(好ましくは0.3%)に定めた。
N3:0゜05〜1.00% この発明鋼の場合、中心偏析が顕著に改善されるので、
例えばCの増量による強度向上も容易に図り得るが、こ
の場合時効脆化が懸念されるので、マトリックスの延性
劣化を防ぐ目的からNiを添加する。
第3図に、0.80%C−0,6%Mn鋼の中間パテン
ティング後の強度(T、S、)と絞り(R,^、)に及
ぼすNiの影響について調べた結果を示す。
同図に示したとおり、強度のみならずとくに絞りの改善
に有効である。
従ってこの発明では、Niを0.05%以上添加するも
のとした。しかしあまりに多量に添加することは製造コ
ストが高くなり好ましくないので、上限を1.00%に
定めた。
なおオーステナイト結晶粒度を微細化する上で^lも有
効に作用し、線材の延性向上効果は大きく、加工性を高
めることは可能であるが、用途によっては大型のアルミ
ナ系介在物が伸線加工性を害する場合もある。従って必
要に応じて添加することは何ら支障なく、その添加量は
0.005〜0.030%が適している。
さてこの発明では、上述したような好適成分組成になる
溶鋼の連続鋳造に際し、溶鋼過熱度=25℃25°鋳込
んだのち、鋳片の内部溶鋼が凝固を完了するクレータエ
ンド近傍にて鍛圧加工を施すことによって、取鍋中溶鋼
のC含有量(C0)に対する鋳片軸心部におけるC含有
量(C)の比C/c。
を0.80〜1.05に制御する。
ここに鍛圧加工によってC/CO比の制御が可能な理由
は、次のとおりである。
すなわち内部溶鋼の凝固末期には、Cの濃化が進んだ溶
鋼がクレータエンド近傍に存在するため、そのまま凝固
すれば中心偏析となるわけであるが、凝固前に鍛圧加工
を施すと、かようなC濃化溶鋼は上方に押し出される結
果、中心部におけるC濃度はさほど上昇することはない
。従って鍛圧加工の実施時期をCの濃化程度に応じて調
節すれば、鋳片軸心部におけるC含有量を調整できるわ
けである。
第4図に、5WRH82Bを用い、この発明に従い連鋳
片に連続的に鍛圧加工を行ったもの、ならびに鍛圧加工
を行わない従来法に従い得たものから、鋳片軸心部のC
Z CO比が種々に異なる鋼材を採取し、線材に圧延し
た後、カッピー断線の生じ易い伸線条件(ダイスアプロ
ーチ角度−25°)で伸線したときの断線発生状況につ
いて調べた結果を示す。
同図に示したとおり、C/C,比が0.8未満の負偏析
率の大きい場合、および逆にC/C,比が1.1を紹え
る正偏析率の大きい場合にはいずれも、カッピー断線が
生じた。この理由は、線材横断面中心部におけるパーラ
イト組織の不均一あるいは粒界セメンタイトの析出が原
因と考えられる。
従ってこの発明では、鍛圧加工によって制御すべき鋳片
軸心部におけるC /C0比を0.80〜1.05の範
囲に限定したのである。
なお、好ましい鍛圧加工法としては、発明者らが先に特
開昭60−82257号公報において開示した連続鍛圧
法がある。
ところで発明者らは、伸線加工性の一層の改善を目指し
てさらに研究を重ねたところ、連続鋳造時における溶鋼
過熱度ΔTを25℃以上とすることが、所期した目的の
達成に関し、極めて有効であることの知見を得た。
第5図に、5WRH72Aを用い、鍛圧加工なしの場合
(従来法)およびC/ Co = 1 、0を目標とし
て鍛圧加工を施した場合(発明法)の、鋳込み時におけ
る溶鋼過熱度ΔTと極細線に加工した時の断線指数との
関係を示す。
同図より明らかなように、従来法では、断線指数はΔT
が約20℃で最小を示し、それよりも低温側および高温
側では非金属介在物および中心偏析の影響が強く、いず
れも断線指数は悪化する傾向にあった。
これに対し、この発明法では、ΔTに関係なしにC/C
,を制御することができ、低温側では断線指数を従来の
約1/2に、さらにΔTを25℃以上とした場合には介
在物の浮上、分離が促進される結果、断線指数は大幅に
改善されている。
それ故、この発明では、連続鋳造時における溶鋼過熱度
ΔTを25℃以上に規定したのである。しかしなからΔ
Tがあまりに高いと連続鋳造時、鋳片に割れが発生する
といった問題が生じるので、ΔTは85℃以下とするの
が好適である。
(実施例) 第1表に示す化学組成になる溶鋼(記号A−J)を、連
続鋳造し、その際、溶鋼過熱度を31〜33℃に調整す
ると共に、引き抜き中の鋳片に対し、鋳片内部の溶鋼が
凝固を完了するクレータエンド近傍にて、鋳片軸心部の
C/C,比を0.98〜1.Olの範囲に制御して連続
的に鍛圧加工を施し、ブルームを製造した。なお比較の
ため、従来どうり溶鋼過熱度を20℃に調整し、鍛圧加
工を施さないもの(従来例)および施したもの(比較例
)も同時に製造した。
ついで分塊後、鋼片ミルおよび線材ミルにて5.5鴎φ
に熱間圧延した。このとき、途中の圧延温度履歴はいず
れも同一条件になるよう配慮した。なお5.5mφ仕上
げ圧延後の巻取り温度は850℃とし、その後の冷却は
ステルモアラインでの制御冷却とした。
これらの圧延線材の緒特性について調べた結果を第2表
に示す。
ここに引張試験片は、圧延コイルの両端部及び中央部の
3ケ所から採取したリングより連続サンプリングした合
計50本の平均値で示す、またセンタースポット(ナイ
タールエッチ後、断面中央部の目視で黒く見える部分)
の有無はマクロ組織から判定し、そのサンプルは引張試
片採取コイルがら約300kgを10分割して採取し、
その横断面を対象とした。なおセンタースポットはその
程度を問わず有無で表した。
第2表より明らかなように、この発明に従い得られた適
合例には中心偏析を示すセンタースポットは全く認めら
れず、またミクロマルテンサイトや粒界セメンタイトの
析出もなかった。
これに対し従来例のA、BおよびCにはいずれも、セン
タースポットが認められ、中心偏析が存在していた。ま
た溶鋼過熱度=20℃で鍛圧加工を施した比較例の^1
. BlおよびC1には、センタースポットは認められ
なかったものの、これら王者には絞り値に明瞭な差異が
あり、適合例はいずれも、従来例および比較例に比べて
かなり高い値を呈し、加工性の良いことがうかがえる。
そこでこれらの鋼についてドローベンチヲ用い、カッピ
ー破壊促進法(ダイスアプローチ角度25°)により伸
線性について調査した。
その結果を第3表に示す。なお試験片は連続して10本
ずつ採取し、その平均値で示した。
同表から明らかなように、鍛圧加工を施さない従来例は
C量によって幾分具なるものの早期に破断に至るのに対
し、適合例はいずれも94.3%以上の直引き性を有し
ていた。
また溶鋼過熱度:20℃で鍛圧加工を施した比較例も9
4.3%以上の加工性を有していたが、絞り、捻回値お
よび屈曲値が適合例よりも劣っていた。
さらに適合例は、促進試験法であるにもかかわらず、い
ずれも高い延性を示し、しかも絞りについても従来例で
はバラツキが7〜10%であったのに対し適合例のそれ
は3〜4%と非常に安定しており、加工性が良好ことが
実証された。
この理由は、中心偏析が皆無になったことに加え、非金
属介在物の浮上、分離が促進され、その結果清浄性が極
めて向上したことによるものと考えられる。
(発明の効果) かくしてこの発明に従い、連続鋳造時に溶鋼過熱度を2
5℃以上に調整すると共に、鍛圧加工を連続的に付与し
鋳片軸心部のC/C,を制御することによって、特に伸
線加工後の延靭性を顕著に改善し、従来鋼のように断線
を招くことなく高加工度まで加工することができる。こ
のことは熱処理省略によるコストダウンにもつながるし
、また従来からとられている中心偏析軽減のための種々
の制約を解消することが可能となるばかりか、品質の安
定化に寄与するところ大である。
またCo+ Cu、 Nb、  B、  V、 Crあ
るいはNiを添加することによって鋼線の強度や延靭性
に優れた加工性の高い高炭素鋼線を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、パテンティング材のSi量と強度及び捻回値
との関係を示したグラフ、 第2図は、圧延線材のv量と強度との関係を示したグラ
フ、 第3図は、パテンティング材のNi量と強度及び絞りと
の関係を示したグラフ、 第4図は、圧延線材のCZ CO比とカッピー断線発生
数との関係を示したグラフ、 第5図は、鍛圧加工なしの場合(従来法)およびこの発
明従い鍛圧加工を施した場合の、鋳込み時における溶鋼
過熱度ΔTと極細線に加工した時の断線指数との関係を
示したグラフである。 特 許 出 願 人 川崎製鉄株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、C:0.4〜1.0wt%、 Si:0.1〜1.5wt%および Mn:0.3〜2.0wt% を含み、かつ Co:0.05〜1.00wt%、 Cu:0.05〜1.00wt%、 Nb:0.010〜0.20wt%および B:0.0005〜0.0050wt% のうちから選んだ少なくとも一種を含有し、残部はFe
    および不可避的不純物の組成になる溶鋼を、溶鋼過熱度
    :25℃以上で連続鋳造し、その際、鋳片内部溶鋼が凝
    固を完了するクレータエンド近傍にて、取鍋中溶鋼のC
    含有量(C_0)に対する鋳片軸心部におけるC含有量
    (C)の比C/C_0が0.8〜1.05を満足すべき
    鍛圧加工を施し、ついで熱間圧延を行うことを特徴とす
    る加工性の高い高炭素鋼線材用熱延素材の製造方法。 2、溶鋼の成分組成が、 C:0.4〜1.0wt%、 Si:0.1〜1.5wt%および Mn:0.3〜2.0wt% を含み、かつ Co:0.05〜1.00wt%、 Cu:0.05〜1.00wt%、 Nb:0.010〜0.20wt%および B:0.0005〜0.0050wt% のうちから選んだ少なくとも一種を含有し、さらに V:0.05〜1.00wt%、 Cr:0.05〜1.00wt%および Ni:0.05〜1.00wt% のうちから選んだ少なくとも一種を含有し、残部はFe
    および不可避的不純物の組成になる請求項1記載の製造
    方法。
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