JPH03279413A - 高分子量ポリエチレン分子配向成形体 - Google Patents

高分子量ポリエチレン分子配向成形体

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JPH03279413A
JPH03279413A JP2276797A JP27679790A JPH03279413A JP H03279413 A JPH03279413 A JP H03279413A JP 2276797 A JP2276797 A JP 2276797A JP 27679790 A JP27679790 A JP 27679790A JP H03279413 A JPH03279413 A JP H03279413A
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    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2023/00Use of polyalkenes or derivatives thereof as moulding material
    • B29K2023/04Polymers of ethylene
    • B29K2023/06PE, i.e. polyethylene

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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、高分子量ポリエチレンの分子配向成形体に関
する。
発明の技術的背景 超高分子量ポリエチレンは、汎用のポリエチレンに比べ
耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、引張強度などに優れて
おり、エンジニアリングプラスチックとしてその用途が
拡がりつつある。しかしながら超高分子量ポリエチレン
は、汎用のポリエチレンに比較して溶融粘度が極めて高
く流動性が悪いため、押出成形や射出成形によって成形
することは非常に難しい。このため超高分子量ポリエチ
レン成形体は、圧縮成形によって成形されており、一部
ロッドなどか極めて低速で押出成形されているのが現状
である。
一方、特公昭37−9765号公報には、高密度ポリエ
チレンのモノフィラメントを高倍率で延伸する方法とし
て、ポリエチレンの融点より高い沸点の添加剤をポリエ
チレンの重量に対し20〜150%の範囲内で共存せし
め、得られた高濃度分散体から第1次繊維状物を形成さ
せ、次いでこの紡出糸中にその5〜25%相当量の添加
剤を残存せしめたまま元の長さの3〜15倍に熱延伸す
る方法が提案されている。しかしながら、同公報には、
高密度ポリエチレンとしてMFRが0.7〜5.0g/
10分の汎用の高密度ポリエチレンが開示されているに
すぎない。延伸倍率は3.4〜11.6倍であり、得ら
れた延伸糸の引張強度は3.5〜13.6 g/dであ
る。
また特開昭63−66316号公報には、分子量が60
万以上である超高分子量ポリエチレンの希薄溶液からゲ
ルフィラメントを得、次いて該フィラメントを延伸する
ことにより、引張特性に優れるフィラメントを得る方法
が開示されている。
そしてこの公報では、具体的には分子量約150万にも
達する超高分子量ポリエチレンを原料とし、最高で約3
.1GPaの引張強度を有するポリエチレンフィラメン
トが得られると報告されている。
さらに特開昭60−240432号公報には極限粘度が
5 d fl / g以上の超高分子量ポリエチレンと
脂肪族炭化水素誘導体との混合物を溶融混線後ダイより
押出し、延伸することによって、やはり引張特性に優れ
るポリエチレン延伸物を製造する方法が記載されており
、具体的には極限粘度8.2dN/gの超高分子量ポリ
エチレンから最高3.04GPaの引張強度を有する繊
維が得られると報告されている。
ところで、TerIIonjaらの報告(MacroL
Ilolecules。
第18巻、2246頁、1985年)によれば、ポリエ
チレン繊維の理論的な極限強度は5〜19GPaと推定
されており、上述した方法で得られる引張強度の値とは
大きな差があるのか現実である。したがって実際に得ら
れるポリエチレン繊維の引張強度値を、少しても極限強
度に近づけようと多くの研究者が努力を続けている。
また高分子量ポリエチレン分子配向成形体は、高強度マ
ルチフィラメント、ひも、ロープ、あるいは各種複合材
料の強化繊維などの用途に用いられるが、これらの用途
ではより高強度なポリエチレン繊維の出現が強く望まれ
ていた。
さらにまた高強度を有するポリエチレン繊維の主な用途
としては、織布が挙げられる。このような織布は、具体
的には、強化繊維、防弾布、切傷防護衣などに用いられ
るが、複合材強化繊維に用いる場合には、織成時の織密
度、接着性などの観点からさらに細いポリエチレン繊維
の出現が望まれており、また、防弾布、切傷防護衣に用
いる場合には、停弾性、耐切傷性の観点からは、強度に
優れかつ細いポリエチレン繊維の出現か望まれており、
また体感性の観点からは、感触に優れ、かつ細い繊維の
出現が望まれている。
このように高分子量ポリエチレンから製造され、かつ引
張強度などの機械的強度に優れ、しかも細い高分子量ポ
リエチレン分子配向成形体(高分子量ポリエチレン繊維
)の出現が強く望まれていた。
ところでまた高分子ポリエチレン分子配向体を複合材料
強化用繊維として用いることもあるが、このような複合
材料強化用繊維では、繊維とマトリックスとの接着性に
優れていることが望まれている。ところがポリエチレン
は一般に接着性にはあまり優れていないため、接着性を
改良する手段が採用されており、その1つの方法として
、コロナ放電処理が知られている。
従来知られている高分子量ポリエチレン分子配向体では
、コロナ放電処理を施すと、接着性は向上するが、引張
強度が大きく低下してしまうことがあった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術における課題を解決し
ようとするものであって、引張特性に優れ、しかもコロ
ナ放電処理を施しても引張強度かほとんど低下せず、か
つ細い高分子量ポリエチレン分子配向体たとえば高分子
量ポリエチレン繊維を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成形体は、
重量平均分子量が600.000を越える高分子量ポリ
エチレンを、延伸して得られる分子配向成形体であって
、繊度が15デニール以下であり、かつその引張強度S
 (GPa)とその重量平均分子量M(g1モル)と繊
度D(デニール)とが、式[I1 で示される関係を満足することを特徴としている。
このような高分子量ポリエチレン分子配向成形体は、重
量平均分子量が600,000を越えるポリエチレンと
稀釈剤とからなる混合物を、流動可能な温度において、
20SeC−1以上の剪断速度で、かツI X 10’
 〜8 x 105dyn /e−の剪断応力の賦与下
に、前記ポリエチレンをダイ内配向させながら、ダイ・
ノズルから押出して配向度が0.7以上のポリエチレン
成形体を得、次いでこのポリエチレン成形体を延伸する
ことによって得られる。
このように本発明によれば、重量平均分子量が600.
000を越える高分子量ポリエチレンの押出成形条件を
制御することによって、押出する際にダイ内である程度
配向させ、さらに延伸し、繊度(デニール)を15デニ
ール以下にすることによって優れた引張強度および引張
弾性率を有するポリエチレン分子配向成形体が得られる
発明の詳細な説明 以下本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成形体
について具体的に説明する。
原料ポリエチレン 本発明により得られる分子配向成形体は、重量平均分子
量が600,000を越え、好ましくは600.000
を越え1,500,000以下、さらに好ましくは60
0,000〜1,000゜000である高分子量ポリエ
チレンから製造される。高分子量ポリエチレンの重量平
均分子量は、135℃のデカリン溶液で測定される極限
粘度から計算によって求めることができる。たとえばC
hantgがJournal of’ Po1yser
 5cience  第36巻、91頁(1959年)
に報告した式によって計算することができる。本発明で
用いられる高分子量ポリエチレンの重量平均分子量は、
耐クリープ性の面から60万を越えることが好ましい。
本発明で用いられる高分子量ポリエチレンは、エチレン
の単独重合体であってもよいし、あるいはエチレンと少
量のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。この
ようなエチレンとα−オレフィンとの共重合体を使用す
る場合には、エチレン含有量は通常95モル%以上、好
ましくは98モル%以上であることが望ましい。
このようなσ−オレフィンとしては、通常炭素原子数3
〜10のα−オレフィンが使用される。
このようなα−オレフィンとしては、具体的には、プロ
ピレン、■−ブテン、3−メチル−■−ブテン、■=ペ
ンテン、4−メチル−I−ペンテン、■−ヘキセン、■
−ヘプテン、l−オクテン等が用いられる。なお、上記
α−オレフィン以外にも、本発明で使用されるエチレン
の特性を損なわない範囲内で他の共重合成分、例えば環
状オレフィン等を共重合してもよい。
分子配向成形体 本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成形体は、
重量平均分子量が−600,000を越える高分子量ポ
リエチレンからなり、繊度が15デニール以下、好まし
くは12デニール以下、さらに好ましくは10デニール
以下であり、がっその引張強度S (GPa)とその重
量平均分子量M(g1モル)とその繊度D(デニール)
とが、式[I] %式%[I] で示される関係を満足している。
本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成形体は、
引張強度に優れるとともに引張弾性率にも優れ、引張弾
性率は20GPa以上好ましくは40GPa以上である
ことが望ましい。
また上記のような高分子量ポリエチレン分子配向成形体
における分子配向の程度は、X線回折法、複屈折法、偏
光螢光法等で知ることができる。そして本発明に係る分
子配向成形体は、たとえば呉祐吉、久保輝一部:化学工
学雑誌、第39巻、992頁(1939)に詳しく述べ
られている半価幅による配向度、すなわち式 90° −H/2 配向度F− 90″ (ここでHは赤道線上最強パラトープ面のデノくイ環に
沿っての強度分布曲線の半価幅(0)である。)で定義
される配向度Fが0.98以上、特に0.99以上とな
るように分子配向されていることが望ましい。
次いて本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成形
体の製造方法について説明する。
本発明では、上記分子配向成形体を成形するために、上
記のような高分子量ポリエチレンと稀釈剤とを混合して
、混練する。
ここで使用される希釈剤としては常温で液体の物質を使
用することもてきるが、融点が25℃以上のものを使用
することが好ましい。すなわち、室温(25℃)で固体
の物質を使用することにより、ダイ・ノズルから押出さ
れた直後に希釈剤が固化しはじめ、ダイ内配向したポリ
エチレンの配向状態が崩れにくくなり、得られたポリエ
チレン成形体中に、分子配向が履歴として残りやすくな
るため、良好な配向度を有するポリエチレン成形体が得
られる。
このような稀釈剤としては、室温で固体の脂肪族炭化水
素化合物あるいは室温で固体の脂肪族炭化水素化合物誘
導体が好ましく用いられる。
脂肪族炭化水素化合物としては、飽和脂肪族炭化水素化
合物を主体とし、通常分子量が2000以下、好ましく
は1000以下、さらに好ましくは800以下のパラフ
ィン系ワックスが用いられる。これら脂肪族炭化水素化
合物としては、具体的にはトコサン、トリコサン、テト
ラコサン、トリアコンタン等の炭素数22以上のn−ア
ルカンあるいはこれらを主成分とした低級n−アルカン
との混合物、石油から分離精製されたいわゆるパラフィ
ンワックス、エチレンあるいはエチレンと他のα−オレ
フィンとを共重合して得られる低分子量重合体である中
・低圧ポリエチレンワックス、高圧法ポリエチレンワッ
クス、エチレン共重合ワックスあるいは中・低圧法ポリ
エチレン、高圧法ポリエチレン等のポリエチレンを熱減
成等により分子量を低下させたワックスおよびそれらの
ワックスの酸化物あるいはマレイン酸変性等の酸化ワッ
クス、マレイン酸変性ワックス等が用いられる。
脂肪族炭化水素化合物誘導体としては、たとえば脂肪族
炭化水素基(アルキル基またはアルケニル基)の末端も
しくは内部に1個またはそれ以上、好ましくは1〜2個
、特に好ましくは1個のカルボキシル基、水酸基、カル
バモイル基、エステル基、メルカプタン、カルボニル基
等の官能基を有する化合物である炭素数8以上、好まし
くは炭素数12〜50または分子量130〜2000、
好ましくは200〜800の脂肪酸、脂肪族アルコール
、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪族メルカプタン
、脂肪族アルデヒド、脂肪族ケトン等が用いられる。
具体的には、脂肪酸としてはカプリン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸なとが用いられ、脂肪族アルコールとしてはラウリル
アルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール
、ステアリルアルコールなどが用いられ、脂肪酸アミド
としてはカプリンアミド、ラウリンアミド、パルミチン
アミド、ステアリルアミドなとか用いられ、脂肪酸エス
テルとしてはステアリル酢酸エステルなどが用いられる
ポリエチレンと稀釈剤との混合比率(重量比)は、これ
らの種類によっても相違するか、−船釣にいって15:
85〜80 : 20、好ましくは20 : 80〜6
0:40であることが望ましい。
稀釈剤の量が上記範囲よりも低い場合には、溶融粘度が
高くなり過ぎ、溶融混線や溶融成形が困難となるととも
に、成形物の肌荒れが著しく、延伸切れなどが生じやす
くなる傾向が生ずる。一方、稀釈剤の量が上記範囲より
も多いと、やはり溶融混練が困難となり、また成形品の
延伸性が劣る傾向が生ずる。さらに、押出成形時にダイ
内配向が起こりにくい傾向が生ずる。
上記のような溶融混練は、一般に150〜300℃、好
ましくは170〜270℃の温度で行うことが望ましく
、上記範囲よりも低い温度では、溶融粘度が高すぎて、
溶融成形が困難となる傾向が生じ、また上記範囲よりも
高い場合には、熱減成により超高分子量エチレン共重合
体の分子量が低下して高弾性率および高強度の成形体を
得ることが困難となる傾向が生ずる。なお上記のような
溶融混線は、ヘンシェルミキサー V型ブレンダー等に
よる乾式ブレンドで行ってもよいし、あるいは単軸ある
いは多軸押出機を用いて行ってもよい。
上記のような高分子量ポリエチレンと稀釈剤との混線物
を紡糸口金より押出すことにより未延伸状態の高分子量
ポリエチレン成形体が得られる。
このとき、強度に優れた成形体を得るには、紡糸時の高
分子量ポリエチレンの剪断ずり応力が、1、  OX 
105dyn /cjt 〜8x 105dyn /c
−好ましくは2X 105dyn /d 〜8X 10
” dyn /C−とすることが好ましい。また混線物
を紡糸口金から押出すに際して、その剪断速度は20 
sec ”以上、好ましくは25sec−1以上さらに
好ましくは305ec−1以上であることが望ましい。
剪断応力が上記範囲より小さくなるとポリエチレンに有
効なダイ内配向を与えることができず、また上限を越え
るとメルトフラクチャーなどの乱流が発生する傾向が生
ずる。また剪断速度の上限は通常200sec−1以下
好ましくは150sec −’以下であることが望まし
い。
また紡糸された溶融物にドラフト、すなわち溶融状態で
の引き伸しを加えることもできる。溶融樹脂のダイ・オ
リフィス内での押出速度VOと冷却固化した未延伸物の
巻き取り速度Vとの比をドラフト比として次式で定義す
ることができる。
ドラフト比−V / V 。
このようなドラフト比は、混合物の温度およびポリエチ
レンの分子量等によるが、通常は3以上、好ましくは6
以上とすることが望ましい。
さらには繊度(デニール)の小さいポリエチレン分子配
向成形体を得るためには、ドラフト比を比較的大きくす
ることが有効である。
このようにして得られるポリエチレン成形体の配向度は
0.7以上好ましくは0.8以上さらに好ましくは0.
9以上であることか望ましい。なお配向度は上述のよう
にして測定される。
なお高分子量ポリエチレンと稀釈剤との混線物は、押出
成形のみに限定されず、各種延伸成形容器等の製造の場
合には、射出成形によって延伸ブロー成形用のプリフォ
ームを製造することも可能である。得られた成形物の冷
却固化は、風冷、水冷等の強制冷却手段で行うことがで
きる。
次にこのようにして得られた高分子量ポリエチレンの未
延伸成形体を延伸処理すると、高分子量ポリエチレン分
子配向成形体が得られる。
ポリエチレン成形体の延伸は、一般に40〜160℃、
特に80〜145℃の温度で行うのが望ましい。未延伸
成形体を上記温度に加熱保持するための熱媒体としては
、空気、水蒸気、液体媒体のいづれをも用いることがで
きる。しかしながら、熱媒体として、前述した稀釈剤を
溶出除去することができる溶媒で、しかもその沸点が成
形体組成物の融点よりも高いもの、具体的にはデカリン
、デカン、灯油等を使用して、延伸操作を行うと、前述
した稀釈剤の除去か可能となるとともに、延伸時の延伸
むらの解消ならびに高延伸倍率の達成が可能となるので
好ましい。
もちろん、ポリエチレンから稀釈剤を除去する手段は、
前記方法に限らず、未延伸物をヘキサン、ヘプタン、熱
エタノール、クロロホルム、ベンゼン等の溶剤で処理後
延伸する方法、延伸物をヘキサン、ヘプタン、熱エタノ
ール、クロロホルム、ベンゼン等の溶剤で処理する方法
によっても行うことができる。このようにして高弾性率
、高強度を有する高分子量ポリエチレン分子配向成形体
を得ることができる。
延伸操作は、−段あるいは二段以上の多段で行なうこと
ができる。延伸倍率は、所望とする分子配向およびこれ
に伴なう融解温度向上の効果にも依存するが、一般に5
〜100倍、好ましくは10〜80倍の延伸倍率となる
ように延伸操作を行なうことが望ましい。
一般には、二段以上の多段で延伸を行うことが有利であ
り、−段目では80〜120℃の比較的低い温度で押出
成形体中の稀釈剤を抽出しながら延伸操作を行ない 二
段目以降では120〜160℃の温度でしかも一段目延
伸温度よりも高い温度で成形体の延伸操作を続行するの
がよい。
このようにしてポリエチレン成形体を延伸すると、配向
度が0.95以上、好ましくは0.96以上、さらに好
ましくは0.98以上、特に好ましくは0.99以上で
あり、上記式[I]で示される関係を満たす高分子量ポ
リエチレン分子配向成形体が得られる。
このようにして得られる高分子量ポリエチレン分子配向
成形体は、所望により拘束条件下に熱処理することがで
きる。この熱処理は、一般に140〜180℃、特に1
50〜175℃の温度で、1〜20分間、特に3〜10
分間行うことができる。熱処理により、配向結晶部の結
晶化が一層進行し、結晶融解温度の高温側移行、強度お
よび弾性率の向上および高温での耐クリープ性の向上が
もたらされる。
本発明において、高分子量ポリエチレンと稀釈剤との溶
融混合物を特定の剪断速度と剪断応力とで押出成形する
とダイ内で分子成形体が配向され、特定の剪断速度と剪
断応力とて押出成形しない場合と比較して、機械的強度
に優れた分子配向成形体が得られる。
発明の効果 本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成形体は、
機械的性質に優れるとともに細くすることが可能である
。この特性を利用して、本発明に係る高分子量ポリエチ
レン分子配向成形体は、高強度マルチフィラメント、ひ
も、ロープ、織布、不織布等の産業用紡織材料の他に、
梱包用テープ等の包装材料として有用である。
また、フィラメント状の高分子量ポリエチレン分子配向
成形体を、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等の各種
樹脂や合成ゴム等に対する補強繊維として使用すること
もできる。また、このフィラメントは高強度でしかも密
度が小さいため、従来のガラス繊維、炭素繊維、ボロン
繊維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリイミド繊維等
を用いた成形物に比べ、特に軽量化を計れるので有効で
ある。ガラス繊維等を用いた複合材料と同様に、U D
 (Unit Directional)積層板、S 
M C(SheetMolding Compound
)   B M C(Bulk MoldingCo■
pound )等の成形加工を行うことができ、自動車
部品、ボートやヨツトの構造体、電子回路用基板等の軽
量、高強度分野での各種複合材料用途が期待される。
さらに本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成形
体は、コロナ放電処理を施すと、接着性は大きく改良さ
れるが、引張強度はほとんど低下しない。
以下本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1 分子量7.8x105 (135℃のデカリン中で測定
した極限粘度が8.3dj!/g)であるエチレン−プ
ロピレン共重合体(エチレン含有量99.8%)とパラ
フィンワックス(融点69℃、分子量490)との20
+80(重量比)の混合物を、以下の条件で溶融紡糸し
た。
まず該混合物に、プロセス安定剤として3.5−ジメチ
ル−tert−ブチル−4−ハイドロキシトルエンを高
分子量エチレン−プロピレン共重合体100重量部に対
して0.1重量部配合した。次いて該混合物をスクリュ
ー式押出機を用いて、設定温度190℃で溶融混練を行
ない、引続き該溶融物を押出機に付属するオリフィス径
2關の紡糸ダイより剪断速度33sec−1、剪断応力
2.3X105dyn/cd、ダイ温度180℃の条件
下で溶融紡糸した。紡糸繊維を180cmのエアーギャ
ップで46倍のドラフト比で引き取り、空気中にて冷却
、固化し、未延伸繊維を得た。この未延伸繊維の配向度
は0.92であった。
さらに該未延伸糸を以下の条件で延伸し、配向繊維を得
た。回合のコデットロールを用いて三段延伸を行なった
。このとき第1延伸槽および第2延伸槽の熱媒はn−デ
カンてあり、温度はそれぞれ110℃、120℃であり
、また第3延伸槽の熱媒はトリエチレングリコールてあ
り、温度は143℃であった。槽の有効長はそれぞれ5
0cmであった。延伸に際しては第1コデツトロールの
回転速度を0.5m/分として、第4コデツトロールの
回転速度を変更することにより所望の延伸比の繊維を得
た。第2コデツトロールおよび第3コデツトロールの回
転数は、安定延伸可能な範囲で適宜選択した。初期に混
合されたパラフィンワックスは、大部分が第1延伸槽お
よび第2延伸槽中で抽出された。延伸比は第1コデツト
ロールと第4コデツトロールの回転速度比より計算によ
って求めた。
得られた配向繊維の弾性率、引張速度および破断伸度は
、オリエンチック社製テンシロンRTM−100型引張
試験機を用い、室温(23℃)にて測定した。このとき
のクランプ間の試料長は1oosm、引張速度は100
mm/分であった。該配向繊維の弾性率は、初期弾性率
で、応力−歪曲線の接線の傾きから求めた。計算に必要
な繊維断面積は密度を0.960g/ecとして重量か
ら計算で求めた。また延伸繊維の配向度を求めた。
結果を表1に示す。
表 試 料 延伸倍率  繊 度  強 度 弾性率 伸 
び 配向度(倍)  (デニーリ  (GPa)  (
GPa)   (%)  (F)試料−1304,28
,09gl、5  4.6  0.97試料−2403
,23,519B、6  4.3  0.911試料−
3502,53,89122,14,20,98試料−
4552,24,12131,34,00,99実施例
2 分子量1.11x106 (135℃のデカリン中で測
定した極限粘度が10. 6 dB’/ g)であるエ
チレン−1−ブテン共重合体(エチレン含有量99.9
%)と実施例1に記載したパラフィンワックスとの20
:80(重量比)の混合物を実施例1に記載したのと同
様の方法で溶融紡糸した。
ただし、剪断速度は255ec−1であり、剪断応力は
2.8x105dyn /c−てあり、ダイ温度190
”Cであった。このときの未延伸繊維の配向度は0,9
2てあった。
さらに該未延伸糸を実施例1に記載の方法で延伸し、延
伸繊維を得た。
結果を表2に示す。
表2 試料−5 試料−6 試料−7 延伸倍率 (倍) 2 0 0 繊度 (デニーリ 5.2 4.2 3.4 強度 (GPa) 3.24 3.65 4.02 弾性率 (GPa) 80.3 102.7 120.9 伸び (%) 4.5 4.3 4.1 配向度 (F) 0.97 0.98 0.99 上記のようにして得られた高分子量ポリエチレン繊維に
つい、て引張強度Sと、重量平均分子量Mと、その繊度
りとの関係を表3に示す。
表 実施例3 実施例1で製造した試料2のポリエチレン繊維を、巴工
業社製のコロナ放電処理装置で、バー状電極を用い、電
極間を1.C1mに設定し、照射量75W/d・5hi
nで1回コロナ放電処理した。処理後の繊維の引張強度
は、3.30GPa (保持率94%)であった。
比較例1 分子量2.2X106 (135℃のデカリン中で測定
した極限粘度で17. 0 dj? /g)であるポリ
エチレンとデカリンとの5:95(重量比)の混合物を
、以下の条件で紡糸した。
まず該混合物100重量部に対し、プロセス安定剤とし
て3,5−ジメチル−tert−ブチル−4−ハイドロ
キシトルエンを0.1重量部配合し、窒素シールしたセ
パラブルフラスコに投入し、180℃の加熱下に1時間
撹拌し、均一な溶液とした。
次いで該溶液を紡糸筒に投入し、窒素雰囲気下180℃
の温度にて2時間静置し、溶液の脱泡を行った。該溶液
を直径2■mの紡糸ダイよりドラフトを2倍以上かける
ことなく3OcIn下に位置する凝固槽(水浴)に押出
し、ゲル状フィラメントとした。このゲル状フィラメン
トを1m/分の速度でボビンに巻取った後、ボビンをn
−ヘキサン槽に室温で浸漬し、ゲル状フィラメントの液
成分であるデカリンをn−へキサンに置換した。さらに
、n−ヘキサン槽から取出し50℃の真空下で充分乾燥
した。
続いて窒素シールした熱管内に、乾燥繊維を50 am
 / winで供給し、4台のコデットロールを用いて
三段延伸を行った。熱管の有効長はそれぞれ50cmで
、このとき第1熱管内温度は110”C1第2熱管内温
度は130℃、第3熱管内温度は140℃であった。延
伸比は第1コデツトロールと第4コデツトロールの回転
比で求め、この時の延伸比は60倍であった。第2、第
3コデツトロールの回転速度は安定運転可能な範囲で適
当に選択した。得られたポリエチレン繊維の物性は極限
粘度14.0dN/g、繊維21デニール、引張強度2
.85GPaであった。
該ポリエチレン繊維を、実施例3と同一条件下でコロナ
放電処理を行った。処理後の繊維の引張強度は、1.7
5GPa (保持率61%)であった。
実施例4 分子量6.7xlO5(135℃のデカリン中で測定し
た極限粘度が7.4clfI/g)であるエチレン重合
体と実施例1に記載したパラフィンワックスとの20:
80(重量比)の混合物を実施例1に記載したのと同様
の方法で溶融紡糸した。
ただし、剪断速度は415ec−1であり、剪断応力は
2. 5 X 105dyn /c−てあり、ドラフト
比40てあった。このときの未延伸繊維の配向度は0.
94てあった。
さらに該未延伸糸を実施例1に記載の方法で延伸し、延
伸繊維(試料−8)を得た。
結果を表4に示す。
表4 試 料 延伸倍率 (倍) 繊度 (デニール) 強 度 弾性率 伸 び 配向度 (GPa)  (GPa)  (%)  (F)上記の
ようにして得られた高分子量ポリエチレン繊維について
引張強度Sと、重量平均分子量Mと、 その繊度りとの関係を表5に示す。
表 実施例5 実施例4て製造した試料8のポリエチレン繊維を、実施
例3と同様にしてコロナ放電処理した。
処理後の繊維の引張強度は、2.92GPa (保持率
94%)であった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 重量平均分子量が600,000を越える高分子量ポリ
    エチレンを延伸して得られる分子配向成形体であって、
    繊度が15デニール以下であり、かつその引張強度S(
    GPa)とその重量平均分子量M(g/mol)とその
    繊度D(デニール)とが、式[ I ] s>([M/2×10^6]+3.0)×D^−^0^
    .^0^7^4…[ I ]で示される関係を満足するこ
    とを特徴とする高分子量ポリエチレン分子配向成形体。
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