JP3034934B2 - 高分子量ポリエチレン分子配向成形体 - Google Patents
高分子量ポリエチレン分子配向成形体Info
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- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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- B29K2023/00—Use of polyalkenes or derivatives thereof as moulding material
- B29K2023/04—Polymers of ethylene
- B29K2023/06—PE, i.e. polyethylene
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- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、高分子量ポリエチレンの分子配向成形体に
関する。
関する。
発明の技術的背景 超高分子量ポリエチレンは、汎用のポリエチレンに比
べ耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、引張強度などに優れ
ており、エンジニアリングプラスチックとしてその用途
が拡がりつつある。しかしながら超高分子量ポリエチレ
ンは、汎用のポリエチレンに比較して溶融粘度が極めて
高く流動性が悪いため、押出成形や射出成形によって成
形することは非常に難しい。このため超高分子量ポリエ
チレン成形体は、圧縮成形によって成形されており、一
部ロッドなどが極めて低速で押出成形されているのが現
状である。
べ耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、引張強度などに優れ
ており、エンジニアリングプラスチックとしてその用途
が拡がりつつある。しかしながら超高分子量ポリエチレ
ンは、汎用のポリエチレンに比較して溶融粘度が極めて
高く流動性が悪いため、押出成形や射出成形によって成
形することは非常に難しい。このため超高分子量ポリエ
チレン成形体は、圧縮成形によって成形されており、一
部ロッドなどが極めて低速で押出成形されているのが現
状である。
一方、特公昭37−9765号公報には、高密度ポリエチレ
ンのモノフィラメントを高倍率で延伸する方法として、
ポリエチレンの融点より高い沸点の添加剤をポリエチレ
ンの重量に対し20〜150%の範囲内で共存せしめ、得ら
れた高濃度分散体から第1次繊維状物を形成させ、次い
でこの紡出糸中にその5〜25%相当量の添加剤を残存せ
しめたまま元の長さの3〜15倍に熱延伸する方法が提案
されている。しかしながら、同公報には、高密度ポリエ
チレンとしてMFRが0.7〜5.0g/10分の汎用の高密度ポリ
エチレンが開示されているにすぎない。延伸倍率は3.4
〜11.6倍であり、得られた延伸糸の引張強度は3.5〜13.
6g/dである。
ンのモノフィラメントを高倍率で延伸する方法として、
ポリエチレンの融点より高い沸点の添加剤をポリエチレ
ンの重量に対し20〜150%の範囲内で共存せしめ、得ら
れた高濃度分散体から第1次繊維状物を形成させ、次い
でこの紡出糸中にその5〜25%相当量の添加剤を残存せ
しめたまま元の長さの3〜15倍に熱延伸する方法が提案
されている。しかしながら、同公報には、高密度ポリエ
チレンとしてMFRが0.7〜5.0g/10分の汎用の高密度ポリ
エチレンが開示されているにすぎない。延伸倍率は3.4
〜11.6倍であり、得られた延伸糸の引張強度は3.5〜13.
6g/dである。
また特開昭63−66316号公報には、分子量が60万以上
である超高分子量ポリエチレンの希薄溶液からゲルフィ
ラメントを得、次いで該フィラメントを延伸することに
より、引張特性に優れるフィラメントを得る方法が開示
されている。そしてこの公報では、具体的には分子量約
150万にも達する超高分子量ポリエチレンを原料とし、
最高で約3.1GPaの引張強度を有するポリエチレンフィラ
メントが得られると報告されている。
である超高分子量ポリエチレンの希薄溶液からゲルフィ
ラメントを得、次いで該フィラメントを延伸することに
より、引張特性に優れるフィラメントを得る方法が開示
されている。そしてこの公報では、具体的には分子量約
150万にも達する超高分子量ポリエチレンを原料とし、
最高で約3.1GPaの引張強度を有するポリエチレンフィラ
メントが得られると報告されている。
さらに特開昭60−240432号公報には極限粘度が5dl/g
以上の超高分子量ポリエチレンと脂肪族炭化水素誘導体
との混合物を溶融混練後ダイより押出し、延伸すること
によって、やはり引張特性に優れるポリエチレン延伸物
を製造する方法が記載されており、具体的には極限粘度
8.2dl/gの超高分子量ポリエチレンから最高3.04GPaの引
張強度を有する繊維が得られると報告されている。
以上の超高分子量ポリエチレンと脂肪族炭化水素誘導体
との混合物を溶融混練後ダイより押出し、延伸すること
によって、やはり引張特性に優れるポリエチレン延伸物
を製造する方法が記載されており、具体的には極限粘度
8.2dl/gの超高分子量ポリエチレンから最高3.04GPaの引
張強度を有する繊維が得られると報告されている。
ところで、Termoniaらの報告(Macromolecules、第18
巻、2246頁、1985年)によれば、ポリエチレン繊維の理
論的な極限強度は5〜19GPaと推定されており、上述し
た方法で得られる引張強度の値とは大きな差があるのが
現実である。したがって実際に得られるポリエチレン繊
維の引張強度値を、少しでも極限強度に近づけようと多
くの研究者が努力を続けている。
巻、2246頁、1985年)によれば、ポリエチレン繊維の理
論的な極限強度は5〜19GPaと推定されており、上述し
た方法で得られる引張強度の値とは大きな差があるのが
現実である。したがって実際に得られるポリエチレン繊
維の引張強度値を、少しでも極限強度に近づけようと多
くの研究者が努力を続けている。
また高分子量ポリエチレン分子配向成形体は、高強度
マルチフィラメント、ひも、ロープ、あるいは各種複合
材料の強化繊維などの用途に用いられるが、これらの用
途ではより高強度なポリエチレン繊維の出現が強く望ま
れていた。
マルチフィラメント、ひも、ロープ、あるいは各種複合
材料の強化繊維などの用途に用いられるが、これらの用
途ではより高強度なポリエチレン繊維の出現が強く望ま
れていた。
さらにまた高強度を有するポリエチレン繊維の主な用
途としては、織布が挙げられる。このような織布は、具
体的には、強化繊維、防弾布、切傷防護衣などに用いら
れるが、複合材強化繊維に用いる場合には、織成時の織
密度、接着性などの観点からさらに細いポリエチレン繊
維の出現が望まれており、また、防弾布、切傷防護衣に
用いる場合には、停弾性、耐切傷性の観点からは、強度
に優れかつ細いポリエチレン繊維の出現が望まれてお
り、また体感性の観点からは、感触に優れ、かつ細い繊
維の出現が望まれている。
途としては、織布が挙げられる。このような織布は、具
体的には、強化繊維、防弾布、切傷防護衣などに用いら
れるが、複合材強化繊維に用いる場合には、織成時の織
密度、接着性などの観点からさらに細いポリエチレン繊
維の出現が望まれており、また、防弾布、切傷防護衣に
用いる場合には、停弾性、耐切傷性の観点からは、強度
に優れかつ細いポリエチレン繊維の出現が望まれてお
り、また体感性の観点からは、感触に優れ、かつ細い繊
維の出現が望まれている。
このように高分子量ポリエチレンから製造され、かつ
引張強度などの機械的強度に優れ、しかも細い高分子量
ポリエチレン分子配向成形体(高分子量ポリエチレン繊
維)の出現が強く望まれていた。
引張強度などの機械的強度に優れ、しかも細い高分子量
ポリエチレン分子配向成形体(高分子量ポリエチレン繊
維)の出現が強く望まれていた。
ところでまた高分子ポリエチレン分子配向体を複合材
料強化用繊維として用いることもあるが、このような複
合材料強化用繊維では、繊維とマトリックスとの接着性
に優れていることが望まれている。ところがポリエチレ
ンは一般に接着性にはあまり優れていないため、接着性
を改良する手段が採用されており、その1つの方法とし
て、コロナ放電処理が知られている。
料強化用繊維として用いることもあるが、このような複
合材料強化用繊維では、繊維とマトリックスとの接着性
に優れていることが望まれている。ところがポリエチレ
ンは一般に接着性にはあまり優れていないため、接着性
を改良する手段が採用されており、その1つの方法とし
て、コロナ放電処理が知られている。
従来知られている高分子量ポリエチレン分子配向体で
は、コロナ放電処理を施すと、接着性は向上するが、引
張強度が大きく低下してしまうことがあった。
は、コロナ放電処理を施すと、接着性は向上するが、引
張強度が大きく低下してしまうことがあった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術における課題を解決
しようとするものであって、引張特性に優れ、しかもコ
ロナ放電処理を施しても引張強度がほとんど低下せず、
かつ細い高分子量ポリエチレン分子配向体たとえば高分
子量ポリエチレン繊維を提供することを目的としてい
る。
しようとするものであって、引張特性に優れ、しかもコ
ロナ放電処理を施しても引張強度がほとんど低下せず、
かつ細い高分子量ポリエチレン分子配向体たとえば高分
子量ポリエチレン繊維を提供することを目的としてい
る。
発明の概要 本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成形体
は、重量平均分子量が600,000を越え1,500,000以下であ
る高分子量ポリエチレンを、延伸して得られる分子配向
成形体であって、繊度が15デニール以下であり、かつそ
の引張強度S(GPa)とその重量平均分子量M(g/モ
ル)と繊度D(デニール)とが、式[I] で示される関係を満足することを特徴としている。
は、重量平均分子量が600,000を越え1,500,000以下であ
る高分子量ポリエチレンを、延伸して得られる分子配向
成形体であって、繊度が15デニール以下であり、かつそ
の引張強度S(GPa)とその重量平均分子量M(g/モ
ル)と繊度D(デニール)とが、式[I] で示される関係を満足することを特徴としている。
このような高分子量ポリエチレン分子配向成形体は、
重量平均分子量が600,000を越え1,500,000以下であるポ
リエチレンと稀釈剤とからなる混合物を、流動可能な温
度において、20sec-1以上の剪断速度で、かつ1×105〜
8×105dyn/cm2の剪断応力の賦与下に、前記ポリエチレ
ンをダイ内配向させながら、ダイ・ノズルから押出して
配向度が0.7以上のポリエチレン成形体を得、次いでこ
のポリエチレン成形体を延伸することによって得られ
る。
重量平均分子量が600,000を越え1,500,000以下であるポ
リエチレンと稀釈剤とからなる混合物を、流動可能な温
度において、20sec-1以上の剪断速度で、かつ1×105〜
8×105dyn/cm2の剪断応力の賦与下に、前記ポリエチレ
ンをダイ内配向させながら、ダイ・ノズルから押出して
配向度が0.7以上のポリエチレン成形体を得、次いでこ
のポリエチレン成形体を延伸することによって得られ
る。
このように本発明によれば、重量平均分子量が600,00
0を越え1,500,000以下である高分子量ポリエチレンの押
出成形条件を制御することによって、押出する際にダイ
内である程度配向させ、さらに延伸し、繊度(デニー
ル)を15デニール以下にすることによって優れた引張強
度および引張弾性率を有するポリエチレン分子配向成形
体が得られる。
0を越え1,500,000以下である高分子量ポリエチレンの押
出成形条件を制御することによって、押出する際にダイ
内である程度配向させ、さらに延伸し、繊度(デニー
ル)を15デニール以下にすることによって優れた引張強
度および引張弾性率を有するポリエチレン分子配向成形
体が得られる。
発明の具体的説明 以下本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成形
体について具体的に説明する。
体について具体的に説明する。
原料ポリエチレン 本発明により得られる分子配向成形体は、重量平均分
子量が600,000を越え1,500,000以下、さらに好ましくは
600,000〜1,000,000である高分子量ポリエチレンから製
造される。高分子量ポリエチレンの重量平均分子量は、
135℃のデカリン溶液で測定される極限粘度から計算に
よって求めることができる。たとえばChanigがJournal
of Polymer Science第36巻、91頁(1959年)に報告した
式によって計算することができる。本発明で用いられる
高分子量ポリエチレンの重量平均分子量は、耐クリープ
性の面から60万を越えることが好ましい。
子量が600,000を越え1,500,000以下、さらに好ましくは
600,000〜1,000,000である高分子量ポリエチレンから製
造される。高分子量ポリエチレンの重量平均分子量は、
135℃のデカリン溶液で測定される極限粘度から計算に
よって求めることができる。たとえばChanigがJournal
of Polymer Science第36巻、91頁(1959年)に報告した
式によって計算することができる。本発明で用いられる
高分子量ポリエチレンの重量平均分子量は、耐クリープ
性の面から60万を越えることが好ましい。
本発明で用いられる高分子量ポリエチレンは、エチレ
ンの単独重合体であってもよいし、あるいはエチレンと
少量のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。こ
のようなエチレンとα−オレフィンとの共重合体を使用
する場合には、エチレン含有量は通常95モル%以上、好
ましくは98モル%以上であることが望ましい。
ンの単独重合体であってもよいし、あるいはエチレンと
少量のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。こ
のようなエチレンとα−オレフィンとの共重合体を使用
する場合には、エチレン含有量は通常95モル%以上、好
ましくは98モル%以上であることが望ましい。
このようなα−オレフィンとしては、通常炭素原子数
3〜10のα−オレフィンが使用される。このようなα−
オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブ
テン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1
−オクテン等が用いられる。なお、上記α−オレフィン
以外にも、本発明で使用されるエチレンの特性を損なわ
ない範囲内で他の共重合成分、例えば環状オレフィン等
を共重合してもよい。
3〜10のα−オレフィンが使用される。このようなα−
オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブ
テン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1
−オクテン等が用いられる。なお、上記α−オレフィン
以外にも、本発明で使用されるエチレンの特性を損なわ
ない範囲内で他の共重合成分、例えば環状オレフィン等
を共重合してもよい。
分子配向成形体 本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成形体
は、重量平均分子量が600,000を越え1,500,000以下であ
るる高分子量ポリエチレンからなり、繊度が15デニール
以下、好ましくは12デニール以下、さらに好ましくは10
デニール以下であり、かつその引張強度S(GPa)とそ
の重量平均分子量M(g/モル)とその繊度D(デニー
ル)とが、式[I] で示される関係を満足している。
は、重量平均分子量が600,000を越え1,500,000以下であ
るる高分子量ポリエチレンからなり、繊度が15デニール
以下、好ましくは12デニール以下、さらに好ましくは10
デニール以下であり、かつその引張強度S(GPa)とそ
の重量平均分子量M(g/モル)とその繊度D(デニー
ル)とが、式[I] で示される関係を満足している。
本発明で係る高分子量ポリエチレン分子配向成形体
は、引張強度に優れるとともに引張弾性率にも優れ、引
張弾性率は20GPa以上好ましくは40GPa以上であることが
望ましい。
は、引張強度に優れるとともに引張弾性率にも優れ、引
張弾性率は20GPa以上好ましくは40GPa以上であることが
望ましい。
また上記のような高分子量ポリエチレン分子配向成形
体における分子配向の程度は、X線回折法、複屈折法、
偏光螢光法等で知ることができる。そして本発明に係る
分子配向成形体は、たとえば呉祐吉、久保輝一郎:化学
工学雑誌、第39巻、992頁(1939)に詳しく述べられて
いる半価幅による配向度、すなわち式 (ここでHは赤道線上最強パラトープ面のデバイ環に沿
っての強度分布曲線の半価幅(゜)である。)で定義さ
れる配向度Fが0.98以上、特に0.99以上となるように分
子配向されていることが望ましい。
体における分子配向の程度は、X線回折法、複屈折法、
偏光螢光法等で知ることができる。そして本発明に係る
分子配向成形体は、たとえば呉祐吉、久保輝一郎:化学
工学雑誌、第39巻、992頁(1939)に詳しく述べられて
いる半価幅による配向度、すなわち式 (ここでHは赤道線上最強パラトープ面のデバイ環に沿
っての強度分布曲線の半価幅(゜)である。)で定義さ
れる配向度Fが0.98以上、特に0.99以上となるように分
子配向されていることが望ましい。
次いで本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成
形体の製造方法について説明する。
形体の製造方法について説明する。
本発明では、上記分子配向成形体を成形するために、
上記のような高分子量ポリエチレンと稀釈剤とを混合し
て、混練する。
上記のような高分子量ポリエチレンと稀釈剤とを混合し
て、混練する。
ここで使用される希釈剤としては常温で液体の物質を
使用することもできるが、融点が25℃以上のものを使用
することが好ましい。すなわち、室温(25℃)で固体の
物質を使用することにより、ダイ・ノズルから押出され
た直後に希釈剤が固化しはじめ、ダイ内配向したポリエ
チレンの配向状態が崩れにくくなり、得られたポリエチ
レン成形体中に、分子配向が履歴として残りやすくなる
ため、良好な配向度を有するポリエチレン成形体が得ら
れる。
使用することもできるが、融点が25℃以上のものを使用
することが好ましい。すなわち、室温(25℃)で固体の
物質を使用することにより、ダイ・ノズルから押出され
た直後に希釈剤が固化しはじめ、ダイ内配向したポリエ
チレンの配向状態が崩れにくくなり、得られたポリエチ
レン成形体中に、分子配向が履歴として残りやすくなる
ため、良好な配向度を有するポリエチレン成形体が得ら
れる。
このような稀釈剤としては、室温で固体の脂肪族炭化
水素化合物あるいは室温で固体の脂肪族炭化水素化合物
誘導体が好ましく用いられる。
水素化合物あるいは室温で固体の脂肪族炭化水素化合物
誘導体が好ましく用いられる。
脂肪族炭化水素化合物としては、飽和脂肪族炭化水素
化合物を主体とし、通常分子量が2000以下、好ましくは
1000以下、さらに好ましくは800以下のパラフィン系ワ
ックスが用いられる。これら脂肪族炭化水素化合物とし
ては、具体的にはドコサン、トリコサン、テトラコサ
ン、トリアコンタン等の炭素数22以上のn−アルカンあ
るいはこれらを主成分とした低級n−アルカンとの混合
物、石油から分離精製されたいわゆるパラフィンワック
ス、エチレンあるいはエチレンと他のα−オレフィンと
を共重合して得られる低分子量重合体である中・低圧ポ
リエチレンワックス、高圧法ポリエチレンワックス、エ
チレン共重合ワックスあるいは中・低圧法ポリエチレ
ン、高圧法ポリエチレン等のポリエチレンを熱減成等に
より分子量を低下させたワックスおよびそれらのワック
スの酸化物あるいはマレイン酸変性等の酸化ワックス、
マレイン酸変性ワックス等が用いられる。
化合物を主体とし、通常分子量が2000以下、好ましくは
1000以下、さらに好ましくは800以下のパラフィン系ワ
ックスが用いられる。これら脂肪族炭化水素化合物とし
ては、具体的にはドコサン、トリコサン、テトラコサ
ン、トリアコンタン等の炭素数22以上のn−アルカンあ
るいはこれらを主成分とした低級n−アルカンとの混合
物、石油から分離精製されたいわゆるパラフィンワック
ス、エチレンあるいはエチレンと他のα−オレフィンと
を共重合して得られる低分子量重合体である中・低圧ポ
リエチレンワックス、高圧法ポリエチレンワックス、エ
チレン共重合ワックスあるいは中・低圧法ポリエチレ
ン、高圧法ポリエチレン等のポリエチレンを熱減成等に
より分子量を低下させたワックスおよびそれらのワック
スの酸化物あるいはマレイン酸変性等の酸化ワックス、
マレイン酸変性ワックス等が用いられる。
脂肪族炭化水素化合物誘導体としては、たとえば脂肪
族炭化水素基(アルキル基またはアルケニル基)の末端
もしくは内部に1個またはそれ以上、好ましくは1〜2
個、特に好ましくは1個のカルボキシル基、水酸基、カ
ルバモイル基、エステル基、メルカプト基、カルボニル
基等の官能基を有する化合物である炭素数8以上、好ま
しくは炭素数12〜50または分子量130〜2000、好ましく
は200〜800の脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミ
ド、脂肪酸エステル、脂肪族メルカプタン、脂肪族アル
デヒド、脂肪族ケトン等が用いられる。
族炭化水素基(アルキル基またはアルケニル基)の末端
もしくは内部に1個またはそれ以上、好ましくは1〜2
個、特に好ましくは1個のカルボキシル基、水酸基、カ
ルバモイル基、エステル基、メルカプト基、カルボニル
基等の官能基を有する化合物である炭素数8以上、好ま
しくは炭素数12〜50または分子量130〜2000、好ましく
は200〜800の脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミ
ド、脂肪酸エステル、脂肪族メルカプタン、脂肪族アル
デヒド、脂肪族ケトン等が用いられる。
具体的には、脂肪酸としてはカプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸などが用いられ、脂肪族アルコールとしてはラウ
リルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコ
ール、ステアリルアルコールなどが用いられ、脂肪酸ア
ミドとしてはカプリンアミド、ラウリンアミド、パルミ
チンアミド、ステアリルアミドなどが用いられ、脂肪酸
エステルとしてはステアリル酢酸エステルなどが用いら
れる。
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸などが用いられ、脂肪族アルコールとしてはラウ
リルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコ
ール、ステアリルアルコールなどが用いられ、脂肪酸ア
ミドとしてはカプリンアミド、ラウリンアミド、パルミ
チンアミド、ステアリルアミドなどが用いられ、脂肪酸
エステルとしてはステアリル酢酸エステルなどが用いら
れる。
ポリエチレンと稀釈剤との混合比率(重量比)は、こ
れらの種類によっても相違するが、一般的にいって15:8
5〜80:20、好ましくは20:80〜60:40であることが望まし
い。稀釈剤の量が上記範囲よりも低い場合には、溶融粘
度が高くなり過ぎ、溶融混練や溶融成形が困難となると
ともに、成形物の肌荒れが著しく、延伸切れなどが生じ
やすくなる傾向が生ずる。一方、稀釈剤の量が上記範囲
よりも多いと、やはり溶融混練が困難となり、また成形
品の延伸性が劣る傾向が生ずる。さらに、押出成形時に
ダイ内配向が起こりにくい傾向が生ずる。
れらの種類によっても相違するが、一般的にいって15:8
5〜80:20、好ましくは20:80〜60:40であることが望まし
い。稀釈剤の量が上記範囲よりも低い場合には、溶融粘
度が高くなり過ぎ、溶融混練や溶融成形が困難となると
ともに、成形物の肌荒れが著しく、延伸切れなどが生じ
やすくなる傾向が生ずる。一方、稀釈剤の量が上記範囲
よりも多いと、やはり溶融混練が困難となり、また成形
品の延伸性が劣る傾向が生ずる。さらに、押出成形時に
ダイ内配向が起こりにくい傾向が生ずる。
上記のような溶融混練は、一般に150〜300℃、好まし
くは170〜270℃の温度で行うことが望ましく、上記範囲
よりも低い温度では、溶融粘度が高すぎて、溶融成形が
困難となる傾向が生じ、また上記範囲よりも高い場合に
は、熱減成により超高分子量エチレン共重合体の分子量
が低下して高弾性率および高強度の成形体を得ることが
困難となる傾向が生ずる。なお上記のような溶融混練
は、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー等による乾式
ブレンドで行ってもよいし、あるいは単軸あるいは多軸
押出機を用いて行ってもよい。
くは170〜270℃の温度で行うことが望ましく、上記範囲
よりも低い温度では、溶融粘度が高すぎて、溶融成形が
困難となる傾向が生じ、また上記範囲よりも高い場合に
は、熱減成により超高分子量エチレン共重合体の分子量
が低下して高弾性率および高強度の成形体を得ることが
困難となる傾向が生ずる。なお上記のような溶融混練
は、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー等による乾式
ブレンドで行ってもよいし、あるいは単軸あるいは多軸
押出機を用いて行ってもよい。
上記のような高分子量ポリエチレンと稀釈剤との混練
物を紡糸口金より押出すことにより未延伸状態の高分子
量ポリエチレン成形体が得られる。このとき、強度に優
れた成形体を得るには、紡糸時の高分子量ポリエチレン
の剪断ずり応力が、1.0×105dyn/cm2〜8×105dyn/cm2
好ましくは2×105dyn/cm2〜8×105dyn/cm2とすること
が好ましい。また混練物を紡糸口金から押出すに際し
て、その剪断速度は20sec-1以上、好ましくは25sec-1以
上さらに好ましくは30sec-1以上であることが望まし
い。剪断応力が上記範囲より小さくなるとポリエチレン
に有効なダイ内配向を与えることができず、また上限を
越えるとメルトフラクチャーなどの乱流が発生する傾向
が生ずる。また剪断速度の上限は通常200sec-1以下好ま
しくは150sec-1以下であることが望ましい。
物を紡糸口金より押出すことにより未延伸状態の高分子
量ポリエチレン成形体が得られる。このとき、強度に優
れた成形体を得るには、紡糸時の高分子量ポリエチレン
の剪断ずり応力が、1.0×105dyn/cm2〜8×105dyn/cm2
好ましくは2×105dyn/cm2〜8×105dyn/cm2とすること
が好ましい。また混練物を紡糸口金から押出すに際し
て、その剪断速度は20sec-1以上、好ましくは25sec-1以
上さらに好ましくは30sec-1以上であることが望まし
い。剪断応力が上記範囲より小さくなるとポリエチレン
に有効なダイ内配向を与えることができず、また上限を
越えるとメルトフラクチャーなどの乱流が発生する傾向
が生ずる。また剪断速度の上限は通常200sec-1以下好ま
しくは150sec-1以下であることが望ましい。
また紡糸された溶融物にドラフト、すなわち溶融状態
での引き伸しを加えることもできる。溶融樹脂のダイ・
オリフィス内での押出速度Voと冷却固化した未延伸物の
巻き取り速度Vとの比をドラフト比として次式で定義す
ることができる。
での引き伸しを加えることもできる。溶融樹脂のダイ・
オリフィス内での押出速度Voと冷却固化した未延伸物の
巻き取り速度Vとの比をドラフト比として次式で定義す
ることができる。
ドラフト比=V/Vo このようなドラフト比は、混合物の温度およびポリエ
チレンの分子量等によるが、好ましくは6以上とするこ
とが望ましい。
チレンの分子量等によるが、好ましくは6以上とするこ
とが望ましい。
さらには繊度(デニール)の小さいポリエチレン分子
配向成形体を得るためには、ドラフト比を比較的大きく
することが有効である。
配向成形体を得るためには、ドラフト比を比較的大きく
することが有効である。
このようにして得られるポリエチレン成形体の配向度
は0.7以上好ましくは0.8以上さらに好ましくは0.9以上
であることが望ましい。なお配向度は上述のようにして
測定される。
は0.7以上好ましくは0.8以上さらに好ましくは0.9以上
であることが望ましい。なお配向度は上述のようにして
測定される。
なお高分子量ポリエチレンと稀釈剤との混練物は、押
出成形のみに限定されず、各種延伸成形容器等の製造の
場合には、射出成形によって延伸ブロー成形用のプリフ
ォームを製造することも可能である。得られた成形物の
冷却固化は、風冷、水冷等の強制冷却手段で行うことが
できる。
出成形のみに限定されず、各種延伸成形容器等の製造の
場合には、射出成形によって延伸ブロー成形用のプリフ
ォームを製造することも可能である。得られた成形物の
冷却固化は、風冷、水冷等の強制冷却手段で行うことが
できる。
次にこのようにして得られた高分子量ポリエチレンの
未延伸成形体を延伸処理すると、高分子量ポリエチレン
分子配向成形体が得られる。
未延伸成形体を延伸処理すると、高分子量ポリエチレン
分子配向成形体が得られる。
ポリエチレン成形体の延伸は、一般に40〜160℃、特
に80〜145℃の温度で行うのが望ましい。未延伸成形体
を上記温度に加熱保持するための熱媒体としては、空
気、水蒸気、液体媒体のいづれをも用いることができ
る。しかしながら、熱媒体として、前述した稀釈剤を溶
出除去することができる溶媒で、しかもその沸点が成形
体組成物の融点よりも高いもの、具体的にはデカリン、
デカン、灯油等を使用して、延伸操作を行うと、前述し
た稀釈剤の除去が可能となるとともに、延伸時の延伸む
らの解消ならびに高延伸倍率の達成が可能となるので好
ましい。
に80〜145℃の温度で行うのが望ましい。未延伸成形体
を上記温度に加熱保持するための熱媒体としては、空
気、水蒸気、液体媒体のいづれをも用いることができ
る。しかしながら、熱媒体として、前述した稀釈剤を溶
出除去することができる溶媒で、しかもその沸点が成形
体組成物の融点よりも高いもの、具体的にはデカリン、
デカン、灯油等を使用して、延伸操作を行うと、前述し
た稀釈剤の除去が可能となるとともに、延伸時の延伸む
らの解消ならびに高延伸倍率の達成が可能となるので好
ましい。
もちろん、ポリエチレンから稀釈剤を除去する手段
は、前記方法に限らず、未延伸物をヘキサン、ヘプタ
ン、熱エタノール、クロロホルム、ベンゼン等の溶剤で
処理後延伸する方法、延伸物をヘキサン、ヘプタン、熱
エタノール、クロロホルム、ベンゼン等の溶剤で処理す
る方法によっても行うことができる。このようにして高
弾性率、高強度を有する高分子量ポリエチレン分子配向
成形体を得ることができる。
は、前記方法に限らず、未延伸物をヘキサン、ヘプタ
ン、熱エタノール、クロロホルム、ベンゼン等の溶剤で
処理後延伸する方法、延伸物をヘキサン、ヘプタン、熱
エタノール、クロロホルム、ベンゼン等の溶剤で処理す
る方法によっても行うことができる。このようにして高
弾性率、高強度を有する高分子量ポリエチレン分子配向
成形体を得ることができる。
延伸操作は、一段あるいは二段以上の多段で行なうこ
とができる。延伸倍率は、所望とする分子配向およびこ
れに伴なう融解温度向上の効果にも依存するが、一般に
5〜100倍、好ましくは10〜80倍の延伸倍率となるよう
に延伸操作を行なうことが望ましい。
とができる。延伸倍率は、所望とする分子配向およびこ
れに伴なう融解温度向上の効果にも依存するが、一般に
5〜100倍、好ましくは10〜80倍の延伸倍率となるよう
に延伸操作を行なうことが望ましい。
一般には、二段以上の多段で延伸を行うことが有利で
あり、一段目では80〜120℃の比較的低い温度で押出成
形体中の稀釈剤を抽出しながら延伸操作を行ない、二段
目以降では120〜160℃の温度でしかも一段目延伸温度よ
りも高い温度で成形体の延伸操作を続行するのがよい。
あり、一段目では80〜120℃の比較的低い温度で押出成
形体中の稀釈剤を抽出しながら延伸操作を行ない、二段
目以降では120〜160℃の温度でしかも一段目延伸温度よ
りも高い温度で成形体の延伸操作を続行するのがよい。
このようにしてポリエチレン成形体を延伸すると、配
向度が0.95以上、好ましくは0.96以上、さらに好ましく
は0.98以上、特に好ましくは0.99以上であり、上記式
[I]で示される関係を満たす高分子量ポリエチレン分
子配向成形体が得られる。
向度が0.95以上、好ましくは0.96以上、さらに好ましく
は0.98以上、特に好ましくは0.99以上であり、上記式
[I]で示される関係を満たす高分子量ポリエチレン分
子配向成形体が得られる。
このようにして得られる高分子量ポリエチレン分子配
向成形体は、所望により拘束条件下に熱処理することが
できる。この熱処理は、一般に140〜180℃、特に150〜1
75℃の温度で、1〜20分間、特に3〜10分間行うことが
できる。熱処理により、配向結晶部の結晶化が一層進行
し、結晶融解温度の高温側移行、強度および弾性率の向
上および高温での耐クリープ性の向上がもたらされる。
向成形体は、所望により拘束条件下に熱処理することが
できる。この熱処理は、一般に140〜180℃、特に150〜1
75℃の温度で、1〜20分間、特に3〜10分間行うことが
できる。熱処理により、配向結晶部の結晶化が一層進行
し、結晶融解温度の高温側移行、強度および弾性率の向
上および高温での耐クリープ性の向上がもたらされる。
本発明において、高分子量ポリエチレンと稀釈剤との
溶融混合物を特定の剪断速度と剪断応力とで押出成形す
るとダイ内で分子成形体が配向され、特定の剪断速度と
剪断応力とで押出成形しない場合と比較して、機械的強
度に優れた分子配向成形体が得られる。
溶融混合物を特定の剪断速度と剪断応力とで押出成形す
るとダイ内で分子成形体が配向され、特定の剪断速度と
剪断応力とで押出成形しない場合と比較して、機械的強
度に優れた分子配向成形体が得られる。
発明の効果 本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成形体
は、機械的性質に優れるとともに細くすることが可能で
ある。この特性を利用して、本発明に係る高分子量ポリ
エチレン分子配向成形体は、高強度マルチフィラメン
ト、ひも、ロープ、織布、不織布等の産業用紡織材料の
他に、梱包用テープ等の包装材料として有用である。
は、機械的性質に優れるとともに細くすることが可能で
ある。この特性を利用して、本発明に係る高分子量ポリ
エチレン分子配向成形体は、高強度マルチフィラメン
ト、ひも、ロープ、織布、不織布等の産業用紡織材料の
他に、梱包用テープ等の包装材料として有用である。
また、フィラメント状の高分子量ポリエチレン分子配
向成形体を、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等の各
種樹脂や合成ゴム等に対する補強繊維として使用するこ
ともできる。また、このフィラメントは高強度でしかも
密度が小さいため、従来のガラス繊維、炭素繊維、ボロ
ン繊維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリイミド繊維
等を用いた成形物に比べ、特に軽量化を計れるので有効
である。ガラス繊維等を用いた複合材料と同様に、UD
(Unit Directional)積層板、SMC(Sheet Molding Com
pound)、BMC(Bulk Molding Compound)等の成形加工
を行うことができ、自動車部品、ボートやヨットの構造
体、電子回路用基板等の軽量、高強度分野での各種複合
材料用途が期待される。
向成形体を、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等の各
種樹脂や合成ゴム等に対する補強繊維として使用するこ
ともできる。また、このフィラメントは高強度でしかも
密度が小さいため、従来のガラス繊維、炭素繊維、ボロ
ン繊維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリイミド繊維
等を用いた成形物に比べ、特に軽量化を計れるので有効
である。ガラス繊維等を用いた複合材料と同様に、UD
(Unit Directional)積層板、SMC(Sheet Molding Com
pound)、BMC(Bulk Molding Compound)等の成形加工
を行うことができ、自動車部品、ボートやヨットの構造
体、電子回路用基板等の軽量、高強度分野での各種複合
材料用途が期待される。
さらに本発明に係る高分子量ポリエチレン分子配向成
形体は、コロナ放電処理を施すと、接着性は大きく改良
されるが、引張強度はほとんど低下しない。
形体は、コロナ放電処理を施すと、接着性は大きく改良
されるが、引張強度はほとんど低下しない。
以下本発明を実施例によって説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
れら実施例に限定されるものではない。
実施例1 分子量7.8×105(135℃のデカリン中で測定した極限
粘度が8.3dl/g)であるエチレン−プロピレン共重合体
(エチレン含有量99.8%)とパラフィンワックス(融点
69℃、分子量490)との20:80(重量比)の混合物を、以
下の条件で溶融紡糸した。
粘度が8.3dl/g)であるエチレン−プロピレン共重合体
(エチレン含有量99.8%)とパラフィンワックス(融点
69℃、分子量490)との20:80(重量比)の混合物を、以
下の条件で溶融紡糸した。
まず該混合物に、プロセス安定剤として3,5−ジメチ
ル−tert−ブチル−4−ハイドロキシトルエンを高分子
量エチレン−プロピレン共重合体100重量部に対して0.1
重量部配合した。次いで該混合物をスクリュー式押出機
を用いて、設定温度190℃で溶融混練を行ない、引続き
該溶融物を押出機に付属するオリフィス径2mmの紡糸ダ
イより剪断速度33sec-1、剪断応力2.3×105dyn/cm2、ダ
イ温度180℃の条件下で溶融紡糸した。紡糸繊維を180cm
のエアーギャップで46倍のドラフト比で引き取り、空気
中にて冷却、固化し、未延伸繊維を得た。この未延伸繊
維の配向度は0.92であった。
ル−tert−ブチル−4−ハイドロキシトルエンを高分子
量エチレン−プロピレン共重合体100重量部に対して0.1
重量部配合した。次いで該混合物をスクリュー式押出機
を用いて、設定温度190℃で溶融混練を行ない、引続き
該溶融物を押出機に付属するオリフィス径2mmの紡糸ダ
イより剪断速度33sec-1、剪断応力2.3×105dyn/cm2、ダ
イ温度180℃の条件下で溶融紡糸した。紡糸繊維を180cm
のエアーギャップで46倍のドラフト比で引き取り、空気
中にて冷却、固化し、未延伸繊維を得た。この未延伸繊
維の配向度は0.92であった。
さらに該未延伸糸を以下の条件で延伸し、配向繊維を
得た。四台のコデットロールを用いて三段延伸を行なっ
た。このとき第1延伸槽および第2延伸槽の熱媒はn−
デカンであり、温度はそれぞれ110℃、120℃であり、ま
た第3延伸槽の熱媒はトリエチレングリコールであり、
温度は143℃であった。槽の有効長はそれぞれ50cmであ
った。延伸に際しては第1コデットロールの回転速度を
0.5m/分として、第4コデットロールの回転速度を変更
することにより所要の延伸比の繊維を得た。第2コデッ
トロールおよび第3コデットロールの回転数は、安定延
伸可能な範囲で適宜選択した。初期に混合されたパラフ
ィンワックスは、大部分が第1延伸槽および第2延伸槽
中で抽出された。延伸比は第1コデットロールと第4コ
デットロールの回転速度比より計算によって求めた。
得た。四台のコデットロールを用いて三段延伸を行なっ
た。このとき第1延伸槽および第2延伸槽の熱媒はn−
デカンであり、温度はそれぞれ110℃、120℃であり、ま
た第3延伸槽の熱媒はトリエチレングリコールであり、
温度は143℃であった。槽の有効長はそれぞれ50cmであ
った。延伸に際しては第1コデットロールの回転速度を
0.5m/分として、第4コデットロールの回転速度を変更
することにより所要の延伸比の繊維を得た。第2コデッ
トロールおよび第3コデットロールの回転数は、安定延
伸可能な範囲で適宜選択した。初期に混合されたパラフ
ィンワックスは、大部分が第1延伸槽および第2延伸槽
中で抽出された。延伸比は第1コデットロールと第4コ
デットロールの回転速度比より計算によって求めた。
得られた配向繊維の弾性率、引張速度および破断伸度
は、オリエンテック社製テンシロンRTM−100型引張試験
機を用い、室温(23℃)にて測定した。このときのクラ
ンプ間の試料長は100mm、引張速度は100mm/分であっ
た。該配向繊維の弾性率は、初期弾性率で、応力−歪曲
線の接線の傾きから求めた。計算に必要な繊維断面積は
密度を0.960g/ccとして重量から計算で求めた。また延
伸繊維の配向度を求めた。
は、オリエンテック社製テンシロンRTM−100型引張試験
機を用い、室温(23℃)にて測定した。このときのクラ
ンプ間の試料長は100mm、引張速度は100mm/分であっ
た。該配向繊維の弾性率は、初期弾性率で、応力−歪曲
線の接線の傾きから求めた。計算に必要な繊維断面積は
密度を0.960g/ccとして重量から計算で求めた。また延
伸繊維の配向度を求めた。
結果を表1に示す。
実施例2 分子量1.11×106(135℃のデカリン中で測定した極限
粘度が10.6dl/g)であるエチレン−1−ブテン共重合体
(エチレン含有量99.9%)と実施例1に記載したパラフ
ィンワックスとの20:80(重量比)の混合物を実施例1
に記載したのと同様の方法で溶融紡糸した。ただし、剪
断速度は25sec-1であり、剪断応力は2.8×105dyn/cm2で
あり、ダイ温度190℃であった。このときの未延伸繊維
の配向度は0.92であった。
粘度が10.6dl/g)であるエチレン−1−ブテン共重合体
(エチレン含有量99.9%)と実施例1に記載したパラフ
ィンワックスとの20:80(重量比)の混合物を実施例1
に記載したのと同様の方法で溶融紡糸した。ただし、剪
断速度は25sec-1であり、剪断応力は2.8×105dyn/cm2で
あり、ダイ温度190℃であった。このときの未延伸繊維
の配向度は0.92であった。
さらに該未延伸糸を実施例1に記載の方法で延伸し、
延伸繊維を得た。
延伸繊維を得た。
結果を表2に示す。
上記のようにして得られた高分子量ポリエチレン繊維
について引張強度Sと、重量平均分子量Mと、その繊度
Dとの関係を表3に示す。
について引張強度Sと、重量平均分子量Mと、その繊度
Dとの関係を表3に示す。
実施例3 実施例1で製造した試料2のポリエチレン繊維を、巴
工業社製のコロナ放電処理装置で、バー状電極を用い、
電極間を1.0mmに設定し、照射量75W/m2・minで1回コロ
ナ放電処理した。処理後の繊維の引張強度は、3.30GPa
(保持率94%)であった。
工業社製のコロナ放電処理装置で、バー状電極を用い、
電極間を1.0mmに設定し、照射量75W/m2・minで1回コロ
ナ放電処理した。処理後の繊維の引張強度は、3.30GPa
(保持率94%)であった。
比較例1 分子量2.2×106(135℃のデカリン中で測定した極限
粘度で17.0dl/g)であるポリエチレンとデカリンとの5:
95(重量比)の混合物を、以下の条件で紡糸した。
粘度で17.0dl/g)であるポリエチレンとデカリンとの5:
95(重量比)の混合物を、以下の条件で紡糸した。
まず該混合物100重量部に対し、プロセス安定剤とし
て3,5−ジメチル−tert−ブチル−4−ハイドロキシト
ルエンを0.1重量部配合し、窒素シールしたセパラブル
フラスコに投入し、180℃の加熱下に1時間撹拌し、均
一な溶液とした。
て3,5−ジメチル−tert−ブチル−4−ハイドロキシト
ルエンを0.1重量部配合し、窒素シールしたセパラブル
フラスコに投入し、180℃の加熱下に1時間撹拌し、均
一な溶液とした。
次いで該溶液を紡糸筒に投入し、窒素雰囲気下180℃
の温度にて2時間静置し、溶液の脱泡を行った。該溶液
を直径2mmの紡糸ダイよりドラフトを2倍以上かけるこ
となく30cm下に位置する凝固槽(水浴)に押出し、ゲル
状フィラメントとした。このゲル状フィラメントを1m/
分の速度でボビンに巻取った後、ボビンをn−ヘキサン
槽に室温で浸漬し、ゲル状フィラメントの液成分である
デカリンをn−ヘキサンに置換した。さらに、n−ヘキ
サン槽から取出し50℃の真空下で充分乾燥した。
の温度にて2時間静置し、溶液の脱泡を行った。該溶液
を直径2mmの紡糸ダイよりドラフトを2倍以上かけるこ
となく30cm下に位置する凝固槽(水浴)に押出し、ゲル
状フィラメントとした。このゲル状フィラメントを1m/
分の速度でボビンに巻取った後、ボビンをn−ヘキサン
槽に室温で浸漬し、ゲル状フィラメントの液成分である
デカリンをn−ヘキサンに置換した。さらに、n−ヘキ
サン槽から取出し50℃の真空下で充分乾燥した。
続いて窒素シールした熱管内に、乾燥繊維を50cm/min
で供給し、4台のコデットロールを用いて三段延伸を行
った。熱管の有効長はそれぞれ50cmで、このとき第1熱
管内温度は110℃、第2熱管内温度は130℃、第3熱管内
温度は140℃であった。延伸比は第1コデットロールと
第4コデットロールの回転比で求め、この時の延伸比は
60倍であった。第2、第3コデットロールの回転速度は
安定運転可能な範囲で適当に選択した。得られたポリエ
チレン繊維の物性は極限粘度14.0dl/g、繊維21デニー
ル、引張強度2.85GPaであった。
で供給し、4台のコデットロールを用いて三段延伸を行
った。熱管の有効長はそれぞれ50cmで、このとき第1熱
管内温度は110℃、第2熱管内温度は130℃、第3熱管内
温度は140℃であった。延伸比は第1コデットロールと
第4コデットロールの回転比で求め、この時の延伸比は
60倍であった。第2、第3コデットロールの回転速度は
安定運転可能な範囲で適当に選択した。得られたポリエ
チレン繊維の物性は極限粘度14.0dl/g、繊維21デニー
ル、引張強度2.85GPaであった。
該ポリエチレン繊維を、実施例3と同一条件下でコロ
ナ放電処理を行った。処理後の繊維の引張強度は、1.75
GPa(保持率61%)であった。
ナ放電処理を行った。処理後の繊維の引張強度は、1.75
GPa(保持率61%)であった。
実施例4 分子量6.7×105(135℃のデカリン中で測定した極限
粘度が7.4dl/g)であるエチレン重合体と実施例1に記
載したパラフィンワックスとの20:80(重量比)の混合
物を実施例1に記載したのと同様の方法で溶融紡糸し
た。ただし、剪断速度は41sec-1であり、剪断応力は2.5
×105dyn/cm2であり、ドラフト比40であった。このとき
の未延伸繊維の配向度は0.94であった。
粘度が7.4dl/g)であるエチレン重合体と実施例1に記
載したパラフィンワックスとの20:80(重量比)の混合
物を実施例1に記載したのと同様の方法で溶融紡糸し
た。ただし、剪断速度は41sec-1であり、剪断応力は2.5
×105dyn/cm2であり、ドラフト比40であった。このとき
の未延伸繊維の配向度は0.94であった。
さらに該未延伸糸を実施例1に記載の方法で延伸し、
延伸繊維(試料−8)を得た。
延伸繊維(試料−8)を得た。
結果を表4に示す。
上記のようにして得られた高分子量ポリエチレン繊維
について引張強度Sと、重量平均分子量Mと、その繊度
Dとの関係を表5に示す。
について引張強度Sと、重量平均分子量Mと、その繊度
Dとの関係を表5に示す。
実施例5 実施例4で製造した試料8のポリエチレン繊維を、実
施例3と同様にしてコロナ放電処理した。処理後の繊維
の引張強度は、2.92GPa(保持率94%)であった。
施例3と同様にしてコロナ放電処理した。処理後の繊維
の引張強度は、2.92GPa(保持率94%)であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−282417(JP,A) 特開 昭62−191507(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 6/04,6/46
Claims (1)
- 【請求項1】重量平均分子量が600,000を越え1,500,000
以下である高分子量ポリエチレンを延伸して得られる分
子配向成形体であって、 繊度が15デニール以下であって、 その引張強度S(GPa)とその重量平均分子量M(g/mo
l)とその繊度D(デニール)とが、式[I] で示される関係を満足し、かつ、 バー状電極を用い、電極間を1.0mmに設定して照射量75W
/m2・minでコロナ放電処理した後の引張強度保持率が94
%以上であることを特徴とする高分子量ポリエチレン分
子配向成形体。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-29056 | 1989-02-08 | ||
JP1-318454 | 1989-12-07 | ||
JP31845489 | 1989-12-07 | ||
JP2905690 | 1990-02-08 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03279413A JPH03279413A (ja) | 1991-12-10 |
JP3034934B2 true JP3034934B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=26367200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02276797A Expired - Fee Related JP3034934B2 (ja) | 1989-12-07 | 1990-10-16 | 高分子量ポリエチレン分子配向成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3034934B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006136323A1 (en) * | 2005-06-23 | 2006-12-28 | Teijin Aramid Gmbh | Bullet proof laminate and trauma pack |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9163335B2 (en) * | 2011-09-06 | 2015-10-20 | Honeywell International Inc. | High performance ballistic composites and method of making |
WO2023127876A1 (ja) * | 2021-12-27 | 2023-07-06 | 東洋紡エムシー株式会社 | 超高分子量ポリエチレン繊維 |
-
1990
- 1990-10-16 JP JP02276797A patent/JP3034934B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006136323A1 (en) * | 2005-06-23 | 2006-12-28 | Teijin Aramid Gmbh | Bullet proof laminate and trauma pack |
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Publication number | Publication date |
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JPH03279413A (ja) | 1991-12-10 |
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