JPH0327701Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は複数台のプレスを列設して自動化した
プレスラインにおいて各プレスの金型後方に通し
た１本のフイードバーのアドバンス・リターン駆
動装置に用いられる送り長さ微量調整装置に関す
るものである。

従来、プレスラインのフイードバーのアドバン
ス・リターン駆動装置では、駆動源に動力的に連
結されて送り方向に揺動するレバーの先端部とフ
イードバーとをリンクを介して連結していた。レ
バーは支点と先端部との中間部を駆動されて揺動
するものが一般的であり、そのために起る先端部
の撓みや、各連結部のクリアランスや、フイード
バーの慣性などにより、フイードバーの送り長さ
を設計値と一致させることが難しい。そこでレバ
ーの支点位置を調整したり、或はあらかじめ送り
長さが小さくなると予想して支点位置を決めたり
してもなお現物で調整しなければならず、調整作
業が煩雑であるなどの欠点があつた。

本考案の目的はこれらの欠点を除き、レバーの
先端部とリンクとの連結部に偏心ブツシユを設
け、偏心量を変えることによつて送り長さの微量
調整が容易にでき、偏心ブツシユが交換し易いの
で調整作業が容易となり、多くの工数が節約でき
る送り長さ微量調整装置を提供することにある。
以下本考案の実施例について図面を参照して説明
する。

第１図及び第２図において、プレスラインを示
している。列設したプレス１の金型後部に通した
フイードバー２に往復動を与えるアドバンス・リ
ターン装置３が設けられている。フイードバー２
の他端部には材料供給装置４が設けられ素材をフ
イードバー２に供給し各プレス１に搬送して加工
する。

第３図において、アドバンス・リターン駆動装
置３の構造を示している。モータ５に連結された
フライホイール６にはクラツチ・ブレーキが内蔵
されている。フライホイール６は回転軸７に回転
自在に支持されており、クラツチはフライホイー
ル６の回転力を回転軸７に接続し、断としたとき
ブレーキは回転軸７を停止させる。回転軸７には
小径のギヤ８が固定され、これとかみ合う大径の
ギヤ９がカム軸１０に固定されている。カム軸１
０は送り方向に平行に機体に回転自在に設けら
れ、ドラムカム１１が固定されている。ドラムカ
ム１１はその中心部を軸１０に固定され、軸１０
と同心のその外周部は、軸１０の中心方向から見
た側面形が円形で、軸１０方向の両側面がカム面
１１ａに形成され、かつ軸１０の180゜反対側をそ
の中心部に対して一方が送り方向に、他方がその
逆方向にほぼ等距離ずつ変位させ、これらの変位
の頂部間をら線で連続させた形状とし、変位の合
計がリフト量となつた送りカムである。カム軸１
０と平行な上下２本のガイドロツド１２，１２が
機体に設けられ、これに摺動自在に案内されたス
ライダ１３には、軸１０の中心と同じ高さで、軸
１０方向に間隔をあけてドラムカム１１に向けて
突設した２本の軸回りに回転自在で、かつドラム
カム１１のカム面１１ａを挾んで当接するローラ
１４，１４が設けられている。従つてスライダ１
３はドラムカム１１の回転によりそのローラ１
４，１４がドラムカム１１のカム面１１ａ，１１
ａに追従するので、送り方向及びその逆方向にド
ラムカム１１のリフト量に等しいストロークで往
復動を行なう。レバー１５はスライダ１３のスト
ロークの中心下方の機体に一端が枢着され、スラ
イダ１３に回転自在に設けたピニオン１６に立設
した偏心ピン１７と偏心ブツシユ１８を介して係
合している。ピニオン１６は下方のガイドロツド
１２に設けたラツク１９とかみ合い、スライダ１
３がストロークの中央にあるときピニオン１６の
偏心ピン１７は中心から上方に偏心し、また偏心
ブツシユ１８もその位置で上方に偏心して偏心ピ
ン１７に固定されている。スライダ１３が左右の
ストローク端にくるときピニオン１６は左右に
90゜回転する。レバー１５の上端部には、送り方
向を向けて機体に設けたガイドロツド２０に案内
された移動体２１とリンク２２とが後述するとこ
ろにより連結され、リンク２２の他端がフイード
バー２に連結されている。

第４図乃至第７図において、レバー１５の先端
部には第４図、第５図に示すようにガイド部１５
ａが固定されており、ガイド部１５ａは第６図に
示すように横断面が凸形をしている。ガイド部１
５ａの凸形をかかえるようにして摺動自在に設け
られた適合部材２３にはピン２４が立設されてい
る。ピン２４はガイドロツド２０に案内されてい
る移動体２１を回転自在に貫通し、先端部には偏
心ブツシユ２５を第７図に示すようにすりキー２
６で回り止めしてはめ、偏心ブツシユ２５の外径
にリンク２２の一端をはめ、当板２７をピン２４
の端面に固定して抜け止めしている。偏心ブツシ
ユ２５は第４図に示すレバー１５が直立した位置
で第７図に示すようにピン２４の中心から上方に
偏心量ｌだけ偏心して固定されている。偏心ブツ
シユ２５は当板２７を取りはずせば容易に抜き出
して交換できるようになつており、偏心量の異な
るものを準備しておいて調整を容易にする。リン
ク２２の他端はフイードバー２に連結されてい
る。

次に作用について述べる。第８図において、点
Ａはレバー１５の支点を表わし角θはレバー１５
がスライダ１３のピニオン１６に立設した偏心ピ
ン１７により偏心ブツシユ１８を介して駆動され
た時のスライダ１３のストローク端における垂直
方向となす角度を示している。すなわちレバー１
５は揺動端において垂直方向から両側へ角θずつ
倒れ、レバー１５の先端部のガイド部１５に適合
した適合部材２３のピン２４は移動体２１をガイ
ドロツド２０に沿つて距離Ｓだけ移動させる。更
に偏心ブツシユ２５の偏心量ｌの偏心方向も角θ
だけ倒れるので、ａ＝lsinθだけ偏心ブツシユ２
５の中心は距離Ｓの外側に移動する。レバー１５
の揺動端において偏心ブツシユ２５の中心の移動
量はＳ＋2aとなり、偏心ブツシユ２５を交換し
て偏心量ｌを微量調整することにより距離Ｓ＋
2aを微量調整することができる。すなわち、偏
心ブツシユ２５にリンク２２を介して連結したフ
イードバー２の送り長さはほぼＳ＋2aに等しく、
フイードバー２の送り長さの微量調整が可能で、
レバー１５の撓み、各部のクリアランスの変化、
フイードバー２の慣性などによるフイードバー２
の送り長さが設計値と異なる場合の調整が容易で
ある。

以上の説明から明らかなように本考案によれ
ば、揺動するレバーの先端部に適合する適合部材
のピンに偏心ブツシユを着脱自在に設けたのでフ
イードバーの送り長さの微量調整が容易となり、
使用によるアドバンス・リターン装置の各部のク
リアランスの変化による送り長さの変化にも容易
に対応でき、多くの工数を節約できるなど、実用
上の効果と利点は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はプレスラインの平面図、第２図はその
正面図、第３図はアドバンス・リターン装置を示
し、ａは平面図、ｂは正面図、ｃは右側面図、第
４図は要部正面図、第５図はその縦断面側面図、
第６図はその一部断面の平面図、第７図は第６図
の矢視図、第８図は作用の説明図である。 １はプレス、２はフイードバー、３はアドバン
ス・リターン装置、４は材料供給装置、５はモー
タ、６はフライホイール、７は回転軸、８はギ
ヤ、９はギヤ、１０はカム軸、１１はドラムカ
ム、１２はガイドロツド、１３はスライダ、１４
はローラ、１５はレバー、１５ａはガイド部、１
６はピニオン、１７は偏心ピン、１８は偏心ブツ
シユ、１９はラツク、２０はガイドロツド、２１
は移動体、２２はリンク、２３は適合部材、２４
はピン、２５は偏心ブツシユ、２６はすべりキ
ー、２７は当板である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 その下端を機体に枢着され、動力源から駆動さ
   れて送り方向に揺動するレバーの先端部を、機体
   に案内されて送り方向に往復動自在の移動体に係
   合させ、この移動体にリンクを介してフイードバ
   ーを連結したフイードバーのアドバンス・リター
   ン駆動装置において、 前記レバーの先端部にレバーの長さ方向に摺動
   自在に、かつ回り止めされて設けられた適合部材
   ２１と、 適合部材２１に、送り方向と直角な水平方向を
   向けて立設され、前記移動体を回転自在に貫通す
   るピン２４と、 ピン２４に回り止めされ、かつ嵌脱自在に固定
   され、ピン２４と偏心したその外周に前記フイー
   ドバーに連結したリンクの他端を回転自在に連結
   させた偏心ブツシユ２５と、 を具備することを特徴とする送り長さ微量調整装
   置。