JPS5849159Y2 - 圧造成形機の素材供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、圧造成形機の素材供給装置に関する改良に
係り、所要長さずつ間歇的に供給されるべき長尺素材の
１回当りの供給量を容易に変更可能ならしめんとするも
のである。

ところで、ボルトフォーマ−などのような圧造成形機に
於ては、加工される素材として長尺のものが用いられ、
これを所要長さずつ間歇的に供給して機内で切断させた
後、その切断された素材に対し所定の圧造加工を施すよ
うにされている。

かかる圧造成形機への素材供給は、間歇的に回転する少
なくとも上下−組の素材供給ロールで、長尺素材の先端
が機内の素材ストッパーに当たるまで該素材を送り込ま
せることにより行なわれるのが通例であるから、１回当
りの素材供給量は、上記ロールの１回当りの回転量と機
内の素材ストッパーの位置とによって決定されることに
なり、従ってその素材供給量を変更するには、上記ロー
ルの１回当りの回転量と素材ストッパーの位置とを共に
調整する必要がある。

然して素材ストッパーの位置の調整は、比較的に容易で
あるが、素材供給ロールの回転量の調整は、非常に面倒
であり、従ってこの調整を遠隔的に行なわせるには、か
なりの困難が伴なう。

本考案は、圧造成形機の素材供給装置における上記した
ような従来の問題点に対処して、所要長さずつ間歇的に
供給されるべき長尺素材の１回当りの供給量を容易に変
更可能ならしめるため、素材供給ロールを一方向へのみ
間歇的に回転させるラチェット機構と該機構へ往復運動
を与える往復駆動機構との間へ、トラブルジヨイントの
利点を利用したストローク調節の可能な伝動機構を介在
させて、上記ロールの１回当りの回転量をたやすく調整
できるようにしたものである。

以下これを図面に示す実施例について詳述する。

図に於て１は図示しない圧造成形機の素材供給側に設置
されるロール支持台であって、これには上下２個の素材
供給ロール２，３を一組として、少なくともその一組、
図例では前後二組が回転自在に支持されている。

これら上下の素材供給ロール２，３間は、夫々の回転軸
４，５に嵌着されて噛合する同径の伝動歯車６，７で、
互に反対方向へ等速回転するように拘速され、更に図例
では、下方の素材供給ロール３，３間も、夫々の歯車７
．７へ噛合する中間噛車８で、同方向へ等速回転するよ
うに拘速されている。

９は圧造成形機内の素材ストッパー（図示せず）へ向か
って矢印方向に供給されるべき長尺素材であって、上記
した上下の素材供給ロール２，３間に第２図の如く挾ま
れ、該各ロールの回転によって長さ方向への送りがかげ
られるものとする。

１０は上記の各ロール２，３を一方向へのみ間歇的に回
転させるためのラチェット機構であって、図例では、下
方に位置するいずれか１個の素材供給ロール３の回転軸
５上に嵌着されたラチェットホイール１１と、その回転
軸５で揺動自在に支持された従動アーム１２と、該アー
ムの先端にピン１３で枢支されて上記ラチェットホイー
ル１１に噛合させるべくバネ１４で弾力的に附勢された
送り爪１５と、前記中間歯車８の支軸１６に枢支されて
上記ラチェットホイール１１に噛合させるべくバネ１７
で弾力的に附勢された逆止爪１８とからなり、１９は必
要に応じてラチェット機構１０の間歇送り機能を喪失さ
せるべく上記送り爪１５をラチェットホイール１１から
バネ１４に抗して後退させるための流体圧もしくは電磁
力で押し出されるプランジャである。

２０は上記のラチェット機構１０へ往復運動を与えるた
めのクランク、エキセンもしくはカムを用いた往復駆動
機構であって、図例では、適当な駆動源によって常時回
転させられる駆動軸２１及び該軸上のカム２２と、この
カムの近くへ支軸２３で揺動自在に枢支された駆動アー
ム２４及び該アームにピン２５で枢支されたカムフォロ
ワー２６と、このカムフォロワーを上記カム２２のカム
面へ当接させるべく駆動アーム２４を弾力的に附勢する
押しバネユニット２７とからなり、２８は該ユニットの
基端を枢支する支軸、２９は同じく該ユニットの先端を
駆動アーム２４へ連接するピンである。

２然して上記したラチェット機構１０の入力端と往復駆
動機構２０の出力端との間、即ち図例における各機構ご
とに備えられた従動アーム１２及び駆動アーム２４の各
先端間は、本来ならば１本の、もしくは実質的に１本化
されたリンクで連結されるが、本考案に於ては、それら
両端間に次のようなストローク調節の可能な伝動機構３
０が介在せしめられている。

この機構３０は、上記従動アーム１２の先端にピン３１
で前端を連接させた従動リンク３２と、上記従動アーム
２４の先端にピン３３で後端を連接させた駆動リンク３
４と、それら両リンク３２．３４間にあって支軸３５で
該各リンクの方へ揺動自在に枢支された伝動アーム３６
と、上記従動リンク３２の後端にピン３７で下端を連接
させた調整アーム３８と、この調整アーム３８を上記の
伝動アーム３６の仮想揺動面と同一ないし平行な仮想面
内で揺動自在ならしめるべく前者のアーム上端を支軸３
９で枢支するスライドブロック４０と、該ブロックを上
記伝動アーム３６の支軸３５に向かって進退させるべく
上下方向に案内するスライドガイド４１と、このガイド
４１に沿Ｌ・支持されて上記のブロック４０が螺合され
る送りネジ４２と、この送りネジ４２を随時回転させる
駆動源としての例えばモータ４３とで構成されている。

そして上記した駆動リンク３４の前端は、伝動アーム３
６の支軸３５から特定の距離を保たせるべく、ピン４４
を用いて該アームに連接されているが、従動リンク３２
の後端は、上記支軸３５からの距離を特定しないで伝動
アーム３６の長さ方向に変位自在ならしめるべく、ピン
３７で支持されたローラ４５を介して、伝動アーム３６
の往動方向への前側面４６へ転り接触するようにして当
接せしめられており、なお図中の４７は上記の当接状態
を維持させるべく従動すンク３２を弾力的に附勢する押
しバネユニットであって、その基端は支軸４８により枢
支され、先端は上記リンク３２にピン４９で連接されて
いる。

上記した構成に於て、往復駆動機構２０のカム２２を図
中の矢印方向へ回転させると、このカム２２にカムフォ
ロワー２６を介して当接している駆動アーム２４は、支
軸２３を支点として、図中の矢印方向へ揺動させられる
。

かかる駆動アーム２４の往復運動は、伝動機構３０の駆
動リンク３４を介して伝動アーム３６に伝えられ、支軸
３５を支点にしてこのアーム３６を図中の矢印方向へ揺
動させた後、更に従動リンク３２を介してラチェット機
構１０の従動アーム１２へ伝えられる。

するとラチェットホイール１１に対する送り爪１５及び
逆止爪１８の作用によって、該ホイールが上記従動アー
ム１２の往動時のみ図中の矢印方向へ間歇的に回転させ
られ、卑にこの間歇回転が、各伝動歯車６，６，７，７
及び中間歯車８を介して上下の各素材供給ロール２，２
，３，３へ伝えられるため、それらの各ロール間に挾ま
れた長尺素材９は、図中の矢印方向へ間歇的に供給され
る。

従って長尺素材９の上記各ロールによる１回当りの供給
量は、該各ロールに伝えられる１回当りの回転量、即ち
往復駆動機構２′０から伝動機構３０を介してラチェッ
ト機構１０へ伝えられる往復運動のストロークによって
、決定されることになる。

然して伝動機構３０における従動リンク３２と該リンク
の後端にピン３７で連接された調整アーム３８とは、そ
のピン３７を中間支点とするトラブルジヨイントを構成
しており、従動リンク３２の前端を従動アーム１２の先
端へ連接しているピン３１が該ジヨイントの可動支点、
調整アーム３８の上端をスライドブロック４０に枢支し
ている支軸３９が同じく固定支点に夫々相当する○そし
て素材供給ロール２，３を回転させるのに必要な駆動力
は、その中間支点であるピン３７に対して、従動リンク
３２と調整アーム３８とが成す角度を大きくする方向へ
、つまりローラ４５を押す方向へ伝動アーム３６の前側
面４６で加えられる。

従ってかかる構成によれば、トラブルジヨイントの倍力
効果をうまく活用して、ラチェットホイール１１に強力
な回転力を与えることができ、駆動源側の負担を軽くし
て素材供給ロール２，３を軽快に回転させ得る。

また伝動アーム３６が、上記トラブルジヨイントの中間
支点を介して可動支点へ伝え得る往復運動のストローク
は、往復運動機構２０から上記アーム３６へ伝えられて
くる往復運動のストロークが一定であるにも拘らず、上
記の中間支点に備わるローラ４５がアーム前側面４６の
伺処へ当接させられているかによって相異し、その中間
支点、即ち図例のローラ４５が伝動アームの支軸３５か
ら遠いほど長くなり、近いほど短くなる。

一方、上記したトラブルジヨイントにおける固定支点の
位置は、該支点に相当した支軸３９を備えるスライドブ
ロック４０の昇降によって移動させることができ、従っ
て図例の中間支点に配置されたローラ４５の位置も、ア
ーム前側面４６の長さ方向に沿って変位可能である。

そこでモータ４３等の駆動源を動作させて、スライドブ
ロック４０が螺合している送りネジ４２に正もしくは逆
方向の回転を与えると、該送りネジの回転方向に応じて
上記ブロック４０がスライドガイド４１に沿い上昇もし
くは下降させられ、調整アーム３８を介してローラ４５
の位置を変位させるため、伝動機構３０がラチェット機
構１０へ伝えるべき往復運動のストロークは長短いずれ
かへ調節され、従って最終的には、長尺素材９０１回当
りの供給量が変更されることになる。

なお上記したようなトラブルジヨイントの固定支点の移
動によって実現されるストローク調節では、最も大きな
荷重の加わる中間支点部分を構造の簡単な単なるリンク
継手とすることができるため、機構的にみて無理がなく
、該支点部分の耐久性に何等問題を来さない。

然もストローク調節が行われる固定支点側の支軸３９に
は、中間支点のピン３７へ加えられた全荷重のうちで、
調整アーム３８の長さ方向への余力だけしか加わらない
ため、その支軸３９をもつスライドブロック４０とスラ
イドガイド４１との間に、該両者間の接触面圧を極端に
高めるような負担が掛からず、従って素材供給運転の最
中であっても、送りネジ４２でスライドブロック４０を
移動させようとするときの該ブロックとスライドガイド
４１との間の滑り摩擦抵抗があまり犬でないため、比較
的軽快にそのブロック４０を移動させ得る。

それ故に、上記した運転中でのストローク調節が容易に
行なえ、モータイ３等を使用しての遠隔的な調節操作も
簡単に実現できるほか、スライドブロック４０とスライ
ドガイド４１との間の接触面圧が小であることにより双
方の接触面の摩耗が少ないため、当該調節部分の耐久性
を損ねることがない。

以上の如く、本考案は、少なくとも上下−組の素材供給
ロールを用いて長尺素材を圧造成形機内へ所要長さずつ
間歇的に供給せしめようとする素材供給装置につき、上
記の素材供給ロールを一方向へのみ間歇的に回転させる
ラチェット機構と該機構へ往復運動を与える往復駆動機
構との間へ、トラブルジヨイントが利用された伝動機構
を介在させて、素材供給ロールの回転時に該ジヨイント
の倍力効果を利用可能ならしめ、且つこのトラブルジヨ
イントにおける固定支点の移動によって上記往復運動の
ストローク調節を可能ならしめ得るようにしたものであ
るから、このような本考案によれば、素材供給ロールに
よる長尺素材の間歇的な供給を強力に然も容易且つ軽快
に行わせることができ、加えてその素材の１回当たりの
供給量を装置全体の運転中でも容易に変更でき、更にこ
の変更操作を遠隔的に可能となし得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す側面図、第２図は第１図
のＩ−Ｉ線よりみた断面図、第３図は同じ＜ｎ−ｎ線よ
りみた断面図である。 ２．３・・・・・・素材供給ロール、９・・・・・・長
尺素材、１０・・・・・・ラチェット機構、１１・・・
・・・ラチェットホイール、１２・・・・・・従動アー
ム、１５・・・・・・送り爪、２０・・・・・・往復駆
動機構、２２・・・・・・カム、２４・・・・・・駆動
アーム、３０・・・・・・伝動機構、３１・・・・・・
ピン（可動支点）、３２・・・・・・従動リンク、３４
・・・・・・駆動リンク、３６・・・・・・伝動アーム
、３７・・・・・・ピン（中間支点）、３８・・・・・
・調整アーム、３９・・・・・・支軸（固定支点）、４
０・・・・・・スライドブロック、４１・・・・・・ス
ライドガイド、４２・・・・・・送りネジ、４３・・・
・・・モータ、４５・・・・・・ローラ、４６・・・・
・・前側面、４７・・・・・・押しバネユニット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長尺素材を所要長さずつ間歇的に圧造成形機へ供給する
   少なくとも上下−組の素材供給ロールと、該各ロールに
   一方向への間歇的な回転を伝えるラチェットホイールお
   よび該ホイールに噛合する送り爪と、該爪を支持して上
   記ホイールの回転軸上で摺動自在な従動アームと、該ア
   ームに前端で連接されて押動時にラチェットホイールを
   回転させる方向へ配置された従動リンクとを有し、且つ
   回転するカム等に応動して揺動するよう枢支された駆動
   アームと、該アームの先端に後端で連接されて前端で上
   記従動リンクの後端へ向けられた駆動リンクとをも有す
   る装置に於いて、上記駆動リンクの前端は、該リンクと
   前記従動リンクとの間でこれら両リンク方向へ摺動自在
   に枢支した伝動アームに連接され、従動リンクの後端に
   は、上記伝動アームの仮想揺動面と同一ないし平行な仮
   想面内で揺動自在なるように上端を枢支した調整アーム
   の下端が連接されて、これらの従動リンクと調整アーム
   とが、該両者間の連接ピンを中間支点とし、従動リンク
   前端と前記従動アームとの連接ピンを可動支点とし、調
   整アーム上端の支軸を固定支点とするようなトラブルジ
   ヨイントを構成すると共に、上記中間支点は、該支点に
   備えたローラを介し、従動リンクを後方へ附勢している
   バネ圧で前記伝動アームの前側面に転り接触するよう当
   接させられ、更に上記調整アーム上端の支軸は、スライ
   ドガイドで上下方向へ案内されるスライドブロックに備
   えられ、且つこのブロックが上記ガイドに沿った送りネ
   ジに螺合されていることを特徴とする圧造成形機の素材
   供給装置。