JPH0327546B2 - - Google Patents

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JPH0327546B2
JPH0327546B2 JP18718085A JP18718085A JPH0327546B2 JP H0327546 B2 JPH0327546 B2 JP H0327546B2 JP 18718085 A JP18718085 A JP 18718085A JP 18718085 A JP18718085 A JP 18718085A JP H0327546 B2 JPH0327546 B2 JP H0327546B2
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JP
Japan
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fpm
reaction
methyl ester
phenylalanine methyl
fumaric acid
Prior art date
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JP18718085A
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JPS6248656A (ja
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Noryuki Ishii
Yohei Kurata
Morihiko Yamada
Akira Nakayama
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 下記式で示されるN−フマリル−L−フエニル
アラニンメチルエステル(以下FPMと略す)は
新規化合物である。 本発明に係る前記化合物は、フマル酸を原料と
したアスパラギン酸の製造(特開昭57−138383号
公報参照)や桂皮酸を原料としたフエニルアラニ
ンの製造(特開昭56−26197号公報参照)で知ら
れている、微生物を利用したアンモニア付加反応
と同様な反応又は合成化学的アンモニア付加反応
によるアスパルテーム製造の原料物質として有用
である。FPMを原料とするアスパルテームの製
造は従来方法と比較して、安価にアスパルテーム
を製造するプロセスが期待できるのでFPMは非
常に有用な物質である。本発明に従えばこの
FPMを高収率で製造することができ、このこと
は上記の観点からも非常に重要なことである。 従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 FPM及びその製造方法についての報告は従来
の文献には全く認められない。例えばシス体であ
るマレイン酸とL−フエニルアラニンメチルエス
テルを縮合させると、ジカルボン酸の無水物が得
られるとの報告(特開昭48−52741号公報)があ
るが、トランス体のフマル酸を用いるとこの反応
は進行しない。そこで、本発明者らが二塩化フマ
リルを原料とし、これを塩基例えばピリジンを用
いてジオキサン中でL−フエニルアラニンメチル
エステルと反応せしめたところ、黒褐色の固型沈
澱が得られるのみで、目的のFPMは得られなか
つた。次に、同じくジオキサン中で塩基の不存在
下に還流したところ、塩化水素の発生は認められ
たが、フマル酸誘導体は得られず、異性化したマ
レイン酸誘導体が得られるのみであつた。 上述の通り、酸無水物法又は酸塩化物法は目的
とするFPMを製造することが極めて困難である
ことが明らかになつた。そこで次に通常の脱水試
薬を用いてメタノール系若しくはメタノール/水
溶媒中でフマル酸とL−フエニルアラニンメチル
エステルとを反応せしめたところ、極めて微量で
はあるが目的のFPMが得られた。しかしながら、
これでは到底実用化するとこができないので、本
発明者らは更に研究を進め、目的とするFPMを
高収率で製造することに成功した。 問題を解決するための手段 本発明に従えば前記式で表わされる新規物質で
あるFPMが提供され、更に本発明では反応溶媒
として無水素極性溶媒を用い、この系に於いて通
常の脱水試薬を用いてフマル酸とフエニルアラニ
ンメチルエステルを反応せしめることにより目的
のFPM(トランス体)を高い収率で製造すること
ができる。 作 用 前記した通り、本発明に従えば、反応は無水素
極性溶媒〔例えばジメチルホルムアミド(以下
DMFと略す)、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、塩化メチレン、ピリジンなど〕中で、通常の
縮合剤〔例えばN,N′−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド(以下DCCと略す)、クロロギ酸エチ
ル(以下C1COOEtと略す)、ジエチルリン酸シア
ニド(以下DEPCと略す)〕などを用い、フマル
酸と例えばL−フエニルアラニンメチルエステル
の塩酸塩とを反応せしめることにより目的の
FPM(トランス体)を高収率で得ることができ
る。この反応の反応温度や反応時間には特に限定
はないが、反応温度は室温で充分であり、また反
応時間は多くとも1時間で充分である。反応終了
後は、常法の後処理(例えば塩化メチレン−飽和
NaHCO3水で抽出し、水層を2N−HClで酸性に
した後、塩化メチレンで抽出する)を行なつた
後、適当な溶媒から再結晶することにより高純度
のFPMを晶出回収することができる。フマル酸
とフエニルアラニンメチルエステルとの反応モル
比は一般には反応量論比で十分であるが、実際上
はフマル酸過剰のモル比が望ましい。 本発明に従つたN−フマリル−L−フエニルア
ラニンメチルエステルは以下のようにしてアスパ
ルテームを合成するのに使用することができる。 微生物を利用したアスパルテーム合成は、
FPM及びアンモニアからアスパルテームを生成
させることの出来る微生物の培養物又はその処理
物をFPM及びアンモニアと接触させることによ
り達成される。他方、化学合成は基質である
FPM及びアンモニア水を適当な溶媒(例えばメ
タノール)に溶解させ還流することにより達成さ
れる。 実施例 以下実施例にて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定
するものでないことはいうまでもない。 実施例 1 L−フエニルアラニンメチルエステル塩酸塩
216mgを乾燥DMF5mlに溶解させ、撹拌し乍ら、
トリエチルアミン101mgを添加した。これにフマ
ル酸116mg及びDEPC181mgを加えて2分間撹拌し
た後、トリエチルアミン101mgを添加し室温下で
10分間撹拌した後、一昼夜冷蔵放置した。次に不
溶物を濾別した後、溶媒を減圧留去し、得られた
油状物質を塩化メチレン−飽和NaHCO3水で抽
出し、水層を2N−HC1で酸性にした後、塩化メ
チレンで抽出(20ml×2回)した。無水Na2SO4
で乾燥した後、溶媒を減圧留去し、エーテル−n
−ペンタンで再結晶を行なつた。これを濾取して
乾燥し、60mgの白色結晶を得た。収率は32.5%で
あつた。 この結晶化合物はm.p.148〜149℃(不補正)で
比施光度は〔α〕25 D=+47.5(酢酸エチル、C=
1.6)で元素分析の結果は第1表に示す通りであ
つた。
【表】 また、得られた結晶のNMR−、IR−、及び
MASS−スペクトログラムの結果及び、特開昭
48−52741号公報に基づいて製造したN−マレオ
ニル−L−フエニルアラニンメチルエステルの融
点及びNMR−スペクトログラムとの比較によ
り、得られた結晶がFPMであると同定した。 この結晶を標品とし、高性能液体クロマトグラ
フイー(HPLC)による溶液中のFPM濃度測定
条件を規定し、以下の実施例に於ける反応溶液中
のFPM濃度はHPLCで測定した。このHPLCシ
ステムの条件は以下の通りである。 カラム:ODSpak F411(昭和電工(株)製) 溶離液:0.005M NH4H2PO4溶液 溶媒 水:メ
タノール(容積比1:4) 流速:0.5ml/min 検出:UV254nm 尚、原料であるフマル酸及びL−フエニルアラ
ニンメチルエステルも同じ条件のHPLCで測定し
た。 実施例 2 L−フエニルアラニンメチルエステル塩酸塩
216mgを乾燥DMF5mlに溶解させ、撹拌し乍らト
リエチルアミン101mgを添加した。これにフマル
酸116mg及びDEPC217mgを加え2分間撹拌した
後、氷冷下でトリエチルアミン101mgを添加し10
分間撹拌した。この反応液を実施例1で述べた
HPLCシステムで分析したところ、FPMは収率
70%で生成した。尚、原料の一つであるL−フエ
ニルアラニンメチルエステルは残存せず、フマル
酸の残存が認められた。副生成物の生成が認めら
れたが、これは下記の式で表わされるものと思わ
れる。 実施例 3 溶媒として乾燥ジオキサンを用い、実施例2と
同様にして室温下で1時間反応させた。HPLCシ
ステムによる反応液の分析よりFPMの収率は60
%で、フマル酸の残存は20%であつた。実施例2
と同様の副生成物が確認された。 実施例 4 溶媒として乾燥テトラヒドロフランを用い、実
施例2と同様にして室温下で、1時間反応させ
た。反応液は赤褐色であつた。HPLCシステムに
よる反応液の分析よりFPMの収率は56%で、フ
マル酸の残存は22%であつた。実施例2と同様の
副生成物の生成が確認された。 実施例 5 実施例2と同様に、但し溶媒として乾燥塩化メ
チレンを用い室温下で1時間反応させた。HPLC
システムによる反応液の分析より、FPMの収率
48%、フマル酸の残存は26%であつた。実施例2
と同様の副生成物が確認された。 実施例 6 溶媒として乾燥ピリジンを用い実施例2と同様
にして室温下で1時間反応させた。HPLCシステ
ムによる反応液の分析よりFPMの収率52%、フ
マル酸の残存は24%であつた。また実施例2と同
様の副生成物が確認された。 実施例 7 L−フエニルアラニンメチルエステル塩酸塩
216mgを乾燥DMF5mlに溶解させ、撹拌し乍らト
リエチルアミン101mgを添加した。これにフマル
酸116mg及びDCC248mgを加え室温下で1時間撹
拌した後一昼夜冷蔵放置した。この反応液を
HPLCシステムで分析した処、反応が未完全だつ
たので、反応温度を70℃に上げ1時間撹拌した
後、反応を完結させ反応液をHPLCで分析した
処、FPMの収率は24%でフマル酸の残存は38%
であつた。また実施例2と同様の副生成物が確認
された。 実施例 8 フマル酸116mgを乾燥DMFに溶解させ、撹拌し
乍らトリエチルアミン344mg及びC1COOEt130mg
を加え室温にて2時間撹拌した。この時反応液は
黒色を呈した。 これにL−フエニルアラニンメチルエステル
216mgを添加し、1時間室温にて撹拌した後、一
昼夜冷蔵放置した。この反応液をHPLCシステム
で分析したところ、FPMの収率は47%で原料物
質であるフマル酸の残存は25%であつた。また多
量体と思われる副生成物の生成がみられた。 発明の効果 以上説明したように、本発明に従えば、フマル
酸とL−フエニルアラニンメチルエステルとを原
料とし、これらを通常の縮合剤を用いて、無水素
極性溶媒中で反応せしめることにより、非常に高
収率でFPMを製造することができる。 これはプロトン供与性溶媒中での縮合剤を用い
た反応若しくは酸塩化物法ではみられない本発明
固有の効果である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 で示されるN−フマリル−L−フエニルアラニン
    メチルエステル。 2 フマル酸とフエニルアラニンメチルエステル
    を脱水試薬を用いて無水素極性溶媒中で反応せし
    めることを特徴とする上記式で示されるトランス
    −N−フマリル−L−フエニルアラニンメチルエ
    ステルの製法。
JP18718085A 1985-08-28 1985-08-28 N−フマリル−l−フエニルアラニンメチルエステル及びその製法 Granted JPS6248656A (ja)

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IL83775A (en) * 1987-09-04 1991-12-15 Dexter Chemical Corp Amino acid esters and amides of fumaric acid and pharmaceutical compositions containing them for use in the treatment of psoriasis
JP2010539183A (ja) * 2007-09-12 2010-12-16 ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ・リミテッド ボルテゾミブおよびその生成のためのプロセス

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