JPH0327420Y2

JPH0327420Y2 -

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Publication number: JPH0327420Y2
Application number: JP1985041993U
Authority: JP
Priority date: 1985-03-22
Filing date: 1985-03-22
Publication date: 1991-06-13
Also published as: JPS61158165U; US4722491A

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はクローズドフエースリール、詳しく
は、ベース部材に、スプールと、該スプールに釣
糸を巻取る回転体と、該回転体の駆動機構とを支
持した本体部分と、該本体部分を覆うカバーとか
ら成るクローズドフエースリールに関する。

（従来の技術）一般、此種リールは、前記ベース部材に取付脚
を設け、この取付脚を釣竿のリール取付部に取付
け、前記釣竿と共にカバーの外周部上面側部分を
握つて使用されるのである。

通常、此種リールは、実開昭58−70771号公報
に示されているように、円板状の支持体と、該支
持体の前面から前方に向つて突出する筒軸とから
成るベース部材の前記筒軸に、前記スプール及び
回転体を支持し、また、前記支持体の後方側に複
数のギヤをもつた駆動機構を支持すると共に、前
記カバーを前記スプールの軸線と直交する方向に
分割して、有底筒状の分割カバーを形成し、これ
ら分割カバーの分割端部を前記支持体の外周部両
側に螺着などの取付手段により取付け、前記ベー
ス部材における支持体の下端部を、取付脚を介し
て釣竿のリール取付部に装着するようにしてい
る。

（考案が解決しようとする問題点）所で、スプールに釣糸の一端部を取付けたり、
スプール部分に釣糸が咬み込んだり、或いは釣糸
が切れたりした場合、前記前側分割カバーを取外
して前記釣糸の咬み込みなどを直すのであるが、
前記前側分割カバーは、前記支持体に対し回転
し、前記スプールの軸方向前方に移動させて前記
支持体から取外す必要があるため、リール取付部
が釣竿外周面に対し中心側に凹状に変位している
釣竿の前記リール取付部に装着した場合、この装
着状態で、前記前側分割カバーを取外し可能にす
るには、この前側分割カバーを前記釣竿の外周面
に対し所定距離離反させて、該前側分割カバーが
スプールの軸方向前方に移動したとき、この前側
分割カバーの前端縁部分が凹状の前記リール取付
部の前方端縁部に当接しないようにする必要があ
る。この結果、釣竿と共にカバーの外周部上面側
部分を握つて使用する場合、握り幅が大きくなつ
て、握り難くなる問題があつた。

又、前記カバーは断面円形に形成する必要があ
つて、このカバーを、握る手にフイツトできる任
意の形状に形成することができるし、又、前記各
分割カバーと前記支持体との間に環状の段ができ
るため、釣竿と共に前記カバーの外周部上面側部
分を握つて使用する場合、握持する手に前記段部
が食い込んで痛いばかりか、握り心地が悪かつた
のであり、又、回転部分への注油、或いは内部に
水が入つた場合の清掃時などには、前記前側及び
後側分割カバーを支持体からそれぞれ取外す必要
があつて、非常に面倒であつた。

本考案は前記した従来のクローズドフエースリ
ールにおける問題点を解消しようとするものであ
つて、目的は、リール取付部が釣竿外周面に対し
中心側に凹状に変位している釣竿の前記リール取
付部に装着する場合でも、カバーを、前記リール
取付部の凹みに制約を受けることなくこの凹状の
リール取付部に近づけることができると共に、こ
のカバーを、握る手にフイツトできる任意の形状
に形成することができ、また、カバーの外周部上
面部分の握り部に段ができないようにし得て、し
かもスプール部分に釣糸が咬み込んだ場合など各
分割カバーを開かなくても、一方の分割カバーの
みを開いて、本体部分を全体的に大きく露出させ
ることができるようにする点にある。

（問題点を解決するための手段）しかして本考案は、ベース部材１に、スプール
２と、該スプール２に釣糸を巻取る回転体３と、
該回転体３の駆動機構４とを支持した本体部分Ａ
と、該本体部分Ａを覆うカバーＢとから成るクロ
ーズドフエースリールにおいて、前記カバーＢ
を、前記スプール２の軸方向で、かつ、該スプー
ル２の径方向中央部側を通る位置から２分割し
て、これら分割カバー２０，３０の一方を、前記
本体部分Ａに固定し、他方を前記本体部分Ａ又は
該本体部分Ａに固定の分割カバーに開閉可能に枢
着すると共に、枢着した前記分割カバーと、本体
部分Ａ又は該本体部分Ａに固定の分割カバーとの
間に閉鎖状態を維持する維持手段を設けたもので
ある。尚、本考案において、「径方向中央部側」
とは、径方向中央は勿論、径方向中央の近くを含
むものである。

（作用）本体部分Ａを覆うカバーＢは、スプール２の軸
方向に分割して、その一方の分割カバーをスプー
ル２の径方向に開放し得るようにしているため、
リール取付部が釣竿外周面に対し中心側に凹状に
変位している釣竿の前記リール取付部に装着する
場合でも、カバーＢを、前記リール取付部の凹み
に制約を受けることなくこの凹状のリール取付部
に近づけることができるのである。このため、釣
竿と共にカバーＢの外周部上面側部分を握つて使
用する場合における握り幅を小さくでき、それだ
け無理なく握ることができるのであり、しかも、
前記カバーを、握る手にフイツトできる任意の形
状に形成することができて、更に、前記カバーＢ
の外周部上面部分の握り部に段ができないように
することができるので、握り心地を良好にできる
のである。又、前記カバーＢは、スプール２の軸
方向で、かつ、スプール２の径方向中央部側を通
る位置から２分割しているため、カバーを大形に
することなく、機能部分を大きく開放できるので
あり、この結果、スプール２に釣糸が咬み込んだ
りした場合などの作業を楽に、かつ、容易に行な
うことができるのである。又、前記カバーＢは開
閉可能に枢支して、その閉鎖状態を維持する維持
手段が設けてあるため、この閉鎖手段を、係止孔
と該係止孔に係合する係合突起とを設けるだけの
簡単な構造で、しかも、係合突起の係止孔との係
合を解除するだけの簡単な操作で、分割カバーを
開閉できるし、また、止めねじ、止めピンなどを
用いて閉鎖状態を維持する場合でも、これら維持
手段の個数を少なくでき、それだけ簡単に開閉す
ることができるのであり、また、開閉する側の分
割カバーに機能部品を装着する場合でも、この分
割カバーに装着した機能部品を、固定側の機能部
品に対し正確に係合させることができるのであ
る。

（実施例）図示したクローズドフエースリールは、ベース
部材１に、スプール２と、該スプール２に釣糸を
巻取る回転体３と、該回転体３の駆動機構４とを
支持した本体部分Ａと、該本体部分Ａを覆うカバ
ーＢとから成り、又、前記ベース部材１は、円板
状の支持体１２と、該支持体１２の前面から前方
に向つて突出する筒軸１３とを備え、この筒軸１
３の外周に前記スプール２を回転可能に支持し、
また、筒軸１３の中心孔に回転軸５を回転及び摺
動自由に支持し、該回転軸５の前端に環状端縁を
もつた椀形の前記回転体３を取付けて、この回転
体３に、前記スプール２から引出した釣糸を引掛
けて前記スプール２に巻取るための糸掛体６を半
径方向に進退自由に設けると共に、前記回転軸５
の後端部を前記支持体１２の後面よりも後方に突
出させて、該回転軸５の後端部にピニオンギヤ４
１を摺動自由に支持し、該ピニオンギヤ４１と前
記回転軸５の後端との間に前記回転軸５を前記支
持体１２に対し後方側に付勢するリターンばね７
を介装する一方、前記支持体１２に、後方に向つ
て突出する腕（図示せず）を突設して、該腕に、
前記ピニオンギヤ４１と噛合するマスターギヤ４
２をもつたハンドル軸（図示せず）を回転自由に
支持し、前記カバーＢに枢支する操作レバー８の
押操作により前記回転軸５及び椀形回転体３を前
記リターンばね７に抗して前記支持体１２の前方
側に移動させると共に、前記糸掛体６を椀形回転
体３内に後退移動させて、この糸掛体６による釣
糸のロツクを解除し、又、前記ハンドル軸の回転
操作により回転軸５及び椀形回転体３を回転し、
前記糸掛体６を椀形回転体３の外側に突出させ
て、この糸掛体６により、引出した釣糸を引掛け
て、該釣糸を前記スプール２に巻取るようにして
いる。

尚、前記筒軸１３の先端外周面には、軸心に対
し偏位した位置を中心とする円形であつて、前記
軸心に対し最も遠い位置の高位部が前記筒軸１３
外周面と同一平面に位置し、この高位部と対称位
置が前記軸心に対し最も近い低位部となるカム１
４を設けて、前記回転体３の前方側への移動によ
り前記糸掛体６が前記カム１４の低位部に落込ん
で前記回転体３内に後退し、また、この状態で前
記回転体３が回転することにより、前記糸掛体６
が前記カム１４の高位部に持上げられて回転体３
の外側に進出するようにしている。又、前記ベー
ス部材１の筒軸１３には、前記スプール２の一側
面と対向するドラツグワツシヤ９を支持し、又、
前記支持体１２には、前記ドラツグワツシヤ９の
前記スプール２への押付力を調整する調整体９１
と、ドラツグつまみ９２とを回転可能に支持して
いる。

しかして、第１，２図に示した実施例では、前
記カバーＢを、前記スプール２の軸方向で、か
つ、該スプール２の径方向中央部側を通る位置か
ら上下に２分割して、前後方向に長い椀形の分割
カバー２０，３０を形成し、これら分割カバー２
０，３０のうち、下側分割カバー２０の中央部を
取付脚１１と一体に形成し、この取付脚１１を取
付ねじで前記支持体１２に取付けることにより、
前記下側分割カバー２０を前記支持体１２に固定
するのである。そして、前記下側分割カバー２０
の長さ方向後端部両側に、前記スプール２の軸心
に対し直交する１対の横孔２１を設け、また長さ
方向前端部両側に１対の係止孔２２を設ける一
方、前記上側分割カバー３０の長さ方向後端部
に、前記スプール２の軸心に対し直交する１対の
横軸３１を一体に突設して、この横軸３１の前記
横孔２１への嵌合により前記上側分割カバー３０
を、前記横軸３１を中心として前記下側分割カバ
ー２０に対し開閉可能に枢着し、また枢着した上
側分割カバー３０の長さ方向前端部に、１対の係
合突起３２を一体に設けて、この係合突起３２と
前記係止孔２２とにより前記上側分割カバー３０
の閉鎖状態を維持する維持手段を構成し、前記係
合突起３２の前記係止孔２２への嵌合により前記
上側分割カバー３０の閉鎖状態を維持する如く成
したのである。尚、前記カバーＢは、スプール２
の径方向中央部を通る位置で分割する他、スプー
ル２の径方向中央部近くを通る位置で分割しても
よい。

以上の構成において、前記各分割カバー２０，
３０は、合成樹脂により各別に成形するのであつ
て、下側分割カバー２０の前端部には、立上片２
３を突設して、該立上片２３の先端にリング状の
釣糸ガイド２４を取付けている。又、下側分割カ
バー２０に設ける前記係止孔２２は、第４，５図
の如く幅方向内側から外側に向つて狭くなるよう
に形成している。

又、前記上側分割カバー３０の後端部には、開
放窓３３と、ガイド孔３４とを設けて、前記開放
窓３３に、１対の短軸３５を介して前記操作レバ
ー８を枢支し、また、前記ガイド孔３４部分に、
前記調整体９１に係合するドラツグレバー９３を
移動自由に支持しており、又、前端部には、前記
釣糸ガイド２４の上縁部に当接する押付片３６
と、釣糸の導出孔３７とを設けている。

又、上側分割カバー３０に設ける前記横軸３１
は、第６，７図の如く分割端面に対し下方に突出
する支持片３８を介して一体で、かつ外側方に向
つて短寸に形成するのである。又、前記各係合突
起３２は、第３図の如く基部を薄肉とし、先端に
係止部３２ａと摘み部３２ｂとを設けており、前
記摘み部３２ｂを外側から摘んで前記基部を撓ま
せた状態で、前記係止孔２２に挿嵌し、前記基部
の弾性復元により前記係止部３２ａを前記係止孔
２２の孔縁に係止させる如く成すと共に、前記摘
み部３２ｂを前記係止孔２２から下側分割カバー
２０の表面に露出させ、この摘み部３２ｂを外部
から摘むことができるようにしている。

又、前記各分割カバー２０，３０の分割端部に
は、肉厚方向の段を介して互いに嵌合する嵌合片
２０ａ，３０ａを設け、これら嵌合片２０ａ，３
０ａの嵌合により各分割カバー２０，３０におけ
る分割端面の表面を面一状に成している。尚、前
記嵌合片２０ａ，３０ａを設けることなく、各分
割端面を突合わせて、表面が面一状となるように
してもよいことは勿論である。

又、前記各分割カバー２０，３０の前記ハンド
ル軸との対向部分には、ハンドル軸に適合する大
きさの凹入部（図示せず）を設けている。

又、前記上側分割カバー３０の長さ方向中央部
には、前記支持体１２の上面に当接するリブ３０
ｂを設けている。

又、前記下側分割カバー２０には、前記ドラツ
グ摘み９２を外部に露出させるための窓孔（図示
せず）を設けている。

又、前記調整体９１は、前記支持体１２に螺着
する調整ねじ９１ａとこの調整ねじ９１ａに相対
回転不能に支持し、外周に複数個の係合凹溝９１
ｃをもつた調整筒９１ｂとから成り、この調整筒
９１ｂの回転により前記調整ねじ９１ａを螺進又
は螺退させて、前記スプール２に押付ける前記ド
ラツグワツシヤ９の初期荷重を設定し、前記係合
凹溝９１ｃに係合させる前記ドラツグレバー９３
の移動操作により、前記ドラツグワツシヤ９の押
付力、即ちドラツグ力を調整する如く成してい
る。尚、前記係合凹溝９１ｃは、断面凹形に形成
する他、第９図の如く断面Ｖ形に形成してもよ
い。この場合、例えば、前記ドラツグレバー９３
を前記上側分割カバー３０に枢支すると共に、こ
のドラツグレバー９３の先端に、前記係合凹溝９
１ｃに係合する係合歯９４を設け、前記ドラツグ
レバー９３の揺動操作により前記ドラツグ力を調
整する如く成している。

又、図示した取付脚１１は、下側分割カバー２
０と一体に形成しているが、その他前記支持体１
２と一体に形成してもよい。この場合、前記下側
分割カバー２０は、取付脚１１と別個に形成し
て、該取付脚１１に取付ければよい。

尚、図中９５は板ばね、９６は止め輪である。

本考案は以上の如く構成するもので、上側分割
カバー３０の横軸３１を、支持片３８を撓ませな
がら下側分割カバー２０の横孔２１に挿嵌して、
上側分割カバー３０を、前記横軸３１を中心とし
て開閉可能に枢着すると共に、上側分割カバー３
０の係合突起３２を外側から摘んで撓ませながら
下側分割カバー２０の係止孔２２に挿嵌して係止
し、上側分割カバー３０の閉鎖状態を維持するの
である。

又、釣糸のスプール２への取付時、回転部分へ
の注油時、内部に水が入つた場合の清掃時、スプ
ール２部分に釣糸が咬み込んだり、或いは釣糸が
切れたりしたときなど、カバーＢを開くときは、
下側分割カバー２０の係止孔２２から表面に露出
する係合突起３２の摘み部３２ｂを摘んで係止部
３２ａの係止孔２２との係合を離脱すると共に、
上側分割カバー３０を下側分割カバー２０に対し
押上げることにより、上側分割カバー３０を、前
記横軸３１を中心として簡単に開くことができる
のである。また、前記カバーＢは、スプール２の
軸方向で、かつ、スプール２の径方向中央部側を
通る位置から２分割されているため、カバーＢを
大形にすることなく、スプール２、回転体３及び
駆動機構４などの機能部分を大きく開放できるの
であり、この結果、釣糸のスプール２への取付け
などの作業を楽に、かつ、容易に行なうことがで
きるのである。また、前記上側分割カバー３０を
開閉可能に枢着しているため、この上側分割カバ
ー３０にドラツグレバー９３及び操作レバー８を
支持しても、上側分割カバー３０を、その枢着位
置を支点として閉じることにより、前記ドラツグ
レバー９３を調整体９１に正確に係合させること
ができ、又、前記操作レバー８を前記回転軸５の
後端に正確に係合させることができるのである。

又、前記上側分割カバー３０は、スプール２の
径方向に開き得るから、リール取付部が釣竿外周
面に対し中心側に凹状に変位している釣竿の前記
リール取付部に装着する場合でも、前記下側分割
カバー２０を、前記リール取付部の凹みに制約を
受けることなくこの凹状のリール取付部に近づけ
ることができるのであり、従つて、釣竿と共にカ
バーＢの外周部上面側部分を握つて使用する場合
における握り幅を小さくでき、それだけ無理なく
握ることができるのであり、しかも、前記カバー
Ｂを、該カバーを握る手にフイツトできる任意の
形状に形成することができるので、握り心地を良
好にできるのである。また、前記取付脚１１にお
ける脚首部１１ａにおける前後方向の幅を充分に
広くでき、取付脚１１の強度を高めることができ
るのである。

尚、以上説明した実施例では、下側分割カバー
２０を取付脚１１と一体に形成したが、その他こ
の下側分割カバー２０は、取付脚１１と別に形成
して、該取付脚１１或は支持体１２に固定しても
よい。又、上側分割カバー３０は、その長さ方向
後端部を下側分割カバー２０の後端部に枢着する
と共に、各分割カバー２０，３０の前端部に維持
手段を設けて、上側分割カバー３０を前後方向に
開閉可能としたが、その他例えば第１０〜１２図
に示す如く上側分割カバー３０の左右方向一端部
で、長さ方向中央部を、前記支持体１２の一側部
にヒンジＣにより枢着すると共に、第１２図の如
く各分割カバー２０，３０の左右方向他端側の長
さ方向両端部に、第１図に示した維持手段と同様
の係止孔２２と係合突起３２とから成る維持手段
を設け、上側分割カバー３０の閉鎖状態を維持す
る如く構成してもよい。

又、上側分割カバー３０に横軸３１を一体に設
け、下側分割カバー２０に横孔２１を設けたが、
その反対に、上側分割カバー３０に横孔２１を設
け、下側分割カバー２０に横軸３１を設けてもよ
いのであつて、その枢着手段は特に限定されるも
のでない。

又、上側分割カバー３０の後端側を下側分割カ
バー２０の後端側に枢着し、各分割カバー２０，
３０の前端側に維持手段を設けたが、その反対
に、上側分割カバー３０の前端側を下側分割カバ
ー２０の前端部に枢着し、各分割カバー２０，３
０の後端側に維持手段を設けてもよい。

又、上側分割カバー３０の閉鎖状態を維持する
手段として、下側分割カバー２０に設ける係止孔
２２と上側分割カバー３０に設ける係合突起３２
とを用いたが、その他、例えば前記上側分割カバ
ー３０に、前記係合突起３２に代わる突出片を前
記下側分割カバー２０の側部と重合するように突
設して、この突出片と下側分割カバー２０の前記
突出片と重合する重合部とに、貫通するねじ孔を
設け、このねじ孔に止めねじを螺着して上側分割
カバー３０の閉鎖状態を維持するようにしてもよ
いし、また、前記突出片と下側分割カバーの前記
突出片と重合する重合部とに、前記ねじ孔に代え
て貫通孔を設け、この貫通孔に止めピンを嵌合し
て上側分割カバー３０の閉鎖状態を維持するよう
にしてもよいし、また、前記下側分割カバー２０
の一側部に係合突部を突設すると共に、上側分割
カバー３０の一側部に、前記係合突部に係合する
フツク部をもつた止め具を枢着して、そのフツク
部の係合突部との係合により上側分割カバー３０
の閉鎖状態を維持するようにしてもよいのであつ
て、その閉鎖状態を維持するための構造は特に限
定されるものでない。

又、以上の実施例では、下側分割カバー２０
を、取付脚１１を介して支持体１２に固定し、上
側分割カバー３０の後端部を前記下側分割カバー
２０の後端部に開閉可能に枢着すると共に、各分
割カバー２０，３０の前端部に維持手段を設けた
が、その他例えば第１３，１４図に示す如く上側
分割カバー３０の前記リブ３０ｂ部分を前記支持
体１２の上端部に取付ねじＤにより固定し、前記
取付脚１１を設けた下側分割カバー２０の後端部
を上側分割カバー３０の後端部に第１図のものと
同様に枢着すると共に、各分割カバー２０，３０
の前端部に第１図と同様の維持手段を設けてもよ
い。この場合、前記本体部分Ａは、上側分割カバ
ー３０と下側分割カバー２０及び取付脚１１を介
して釣竿のリール取付部に装着されるのであり、
また、この装着した状態において、前記維持手段
によるカバーの閉鎖状態を解除すると、下側分割
カバー２０に対し上側分割カバー３０が開放し、
この上側分割カバー３０とともに前記本体部分Ａ
も動くことになる。

又、以上の実施例では、カバーＢを、スプール
２の軸方向に対し上下に分割したが、その他第１
５，１６図の如く例えば左右に分割して、その一
方の分割カバー２０ａの下端部で、長さ方向中央
部に取付脚１１を一体に設け、この取付脚１１
を、第１図と同様、取付ねじＥにより支持体１２
に取付けて、前記一方の分割カバー２０ａを前記
支持体１２に固定し、他方の分割カバー３０ａの
下端部で、長さ方向中央部を、前記分割カバー２
０と一体に形成した取付脚１１或は該取付脚１１
に結合する前記支持体１２に枢着すると共に、各
分割カバー２０ａ，３０ａの上端部で、長さ方向
中央部に、第１図と同様、係止孔２２と係合突起
３２とから成る維持手段を設けて、前記分割カバ
ー３０ａの閉鎖状態を維持する如く構成してもよ
い。

（考案の効果）以上の如く本考案は、本体部分Ａを覆うカバー
Ｂを、前記スプール２の軸方向で、かつ、該スプ
ール２の径方向中央部側を通る位置から２分割し
たから、リール取付部が釣竿外周面に対し中心側
に凹状に変位している釣竿の前記リール取付部に
装着する場合、分割カバーを、前記リール取付部
の凹みに制約を受けることなくこの凹状のリール
取付部に近づけることができるので、釣竿と共に
カバーＢの外周部上面側部分を握つて使用する場
合における握り幅を小さくでき、それだけ無理な
く握ることができるのであり、全体として非常に
握り易いのである。

しかも、前記カバーＢを、該カバーを握る手に
フイツトできる任意の形状に形成することができ
て、更に、釣竿と共に握るカバーＢ表面の上面側
部分を、スプール２の軸方向に連続させて段がで
きないようにし得るので、握り心地を良好にでき
るのである。

その上、スプール２及び該スプール２に釣糸を
巻取る回転体３を含む本体部分Ａを全体に覆うこ
とができながら、スプール２の軸方向で、かつ、
スプール２の径方向中央部側を通る位置から２分
割しているため、カバーＢを大形にすることな
く、スプール２及び回転体３などの機能部分を大
きく開放できるのである。従つて、スプール２に
釣糸の一端を取付けたり、スプール２部分に釣糸
が咬み込んだり、或は釣糸が切れた場合は勿論、
注油、内部の清掃などの作業を楽に、かつ、容易
に行なうことができるのである。

更に、前記カバーＢは開閉可能に枢支して、そ
の閉鎖状態を維持する維持手段を設けているた
め、この閉鎖手段を、係止孔と該係止孔に係合す
る係合突起とを設けるだけの簡単な構造で、しか
も、係合突起の係止孔との係合を解除するだけの
簡単な操作で、分割カバーを開閉できるし、ま
た、止めねじ、止めピンなどを用いて閉鎖状態を
維持する場合でも、これら維持状態の個数を少な
くでき、それだけ簡単に開閉することができるの
である。又、開閉する側の分割カバーに機能部品
を装着する場合でも、この分割カバーに装着した
機能部品を、固定側の機能部品に対し正確に係合
させることができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案リールの一実施例を示す拡大縦
断側面図、第２図は同背面図、第３図は維持手段
部分の断面図、第４図は取付脚と一体に形成した
下側分割カバーのみの側面図、第５図は同正面
図、第６図は上側分割カバーのみの側面図、第７
図は同正面図、第８図はドラツグ調整体部分の断
面図、第９図は同部分の別の実施例を示す断面
図、第１０図〜第１２図は主要部のみの別の実施
例を示すもので、第１０図は縦断面図、第１１図
は第１０図の右側面図、第１２図は第１０図の左
側面図、第１３図は更に主要部のみの別の実施例
を示す縦断面図、第１４図は第１３図にける部分
断面図、第１５図及び第１６図は更に主要部のみ
の別の実施例を示すもので、第１５図は縦断面
図、第１６図は第１５図の右側面図である。Ａ……本体部分、Ｂ……カバー、１……ベース
部材、２……スプール、３……回転体、４……駆
動機構、２０，３０……分割カバー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ベース部材１に、スプール２と、該スプール２
に釣糸を巻取る回転体３と、該回転体３の駆動機
構４とを支持した本体部分Ａと、該本体部分Ａを
覆うカバーＢとから成るクローズドフエースリー
ルにおいて、前記カバーＢを、前記スプール２の
軸方向で、かつ、該スプール２の径方向中央部側
を通る位置から２分割して、これら分割カバー２
０，３０の一方を、前記本体部分Ａに固定し、他
方を前記本体部分Ａ又は該本体部分Ａに固定の分
割カバーに開閉可能に枢着すると共に、枢着した
前記分割カバーと、本体部分Ａ又は該本体部分Ａ
に固定の分割カバーとの間に閉鎖状態を維持する
維持手段を設けたことを特徴とするクローズドフ
エースリール。