JPH0326567Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、高温ヒータ用のリード線等として
用いられる高温耐熱リード線に関し、更に詳しく
はこの種リード線の塵埃放出防止に関する。

〔従来の技術〕

各種製造装置に用いられるヒータは大容量高温
を要するため、このヒータへの給電用リード線或
いはケーブルも当然高温にさらされるため、その
絶縁体としては、アスベスト等の耐熱繊維層が用
いられる。

しかしながら、この種の耐熱繊維は塵埃を生ず
るので、半導体素子の製造等においては好ましく
無く、塵埃放出防止対策を施す必要がある。

このため従来は、耐熱繊維の外周に耐熱管状体
を施したり、耐熱非通気テープを巻装したりして
いた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

外周部に耐熱繊維絶縁層を施した高温リード線
において、該耐熱繊維部よりの塵埃の放出を阻止
するため、従来は、上記のごとく、耐熱繊維の外
周に充実質非通気性部材を施していた。このよう
な充実質非通気性部材を施した場合は一応塵埃の
放出は阻止されるものの、高温リード線の放熱も
妨げられるため、、リード線自体の老化や接続部
の疲労をまねく所となり装置の寿命を短縮してし
まう欠点があつた。

そこでこの考案は、上記従来の欠点を除去し、
塵埃の放出を阻止しながら放熱可能なリード線を
提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記この考案の問題点を解決するためこの考案
によれば、導体と、この導体の外周に設けられる
耐熱繊維層と、この耐熱繊維層の外周に設けられ
る連続微気孔性耐熱樹脂層とを備えてなるリード
線を構成する。

この構成において、耐熱繊維層の外周部に窪み
部又は突起部を設けてその部分又は隣接部に気室
を設ければ、放熱効果が増進するので好都合であ
る。

またこの構成において、連続微気孔性耐熱樹脂
層は延伸多孔質四弗化エチレン樹脂を用いれば、
90％以上の空孔率の連続気孔が経済的に得られ、
かつ良好な放熱が得られるので好都合である。

〔作用〕

この考案によれば、塵埃の生ずる耐熱繊維層の
外周には連続微気孔性耐熱樹脂層が設けられ、こ
の連続微気孔性耐熱樹脂層として延伸多孔質四弗
化エチレン樹脂層を用いれば、0.1ミクロン程度
の平均孔径の連続気孔が得られるので、有効な放
熱が得られる一方、塵埃の放出が阻止される。

〔実施例〕

第１図、第２図及び第３図はそれぞれこの考案
による異なる実施例のリード線の斜視図である。

第１図に示すリード線１は、導体２の外周に円
筒状の耐熱繊維層３を設け、その外周に連続微気
孔性耐熱樹脂層４を設けて形成されている。ここ
で、耐熱繊維層３の材質としては例えばアスベス
トや集成マイカ等が用いられる。

又、連続微気孔性耐熱樹脂層４としては、例え
ば延伸多孔質四弗化エチレン樹脂が用いられる。
この延伸多孔質四弗化エチレン樹脂部材は例えば
特公昭51−18991号公報に記載の方法によつて製
造され、平均孔径0.1ミクロンから0.5ミクロン程
度の連続微気孔を有するテープ又はフイルムを
得、これを耐熱繊維層３の外周に横巻き又は縦添
えして設けて連続微気孔性耐熱樹脂層４となされ
る。その結果、導体２より発する熱は、耐熱繊維
層３内を通過して、連続微気孔性耐熱樹脂層４の
連続微気孔を介して外部に放出される。。しかし
ながらこの連続微気孔は平均孔径が0.1ミクロン
程度であるので、耐熱繊維層３より発生する塵埃
を通過放出させることは無い。従つて塵埃の放出
を阻止しながら放熱可能なリード線が得られ、長
寿命な高温リード線となる。

第２図に示すリード線５においては、導体６の
外周に設けた耐熱繊維層７の外周部に、縦方向の
窪み部８が設けられ、連続微気孔性耐熱樹脂層９
との間に気室が形成され、放熱し易いように考慮
されている。

更に第３図に示すリード線１０においては、導
体１１の外周の耐熱繊維層１２の外周に縦方向に
沿う突起部１３が設けられ、この突起部１３の隣
接部或いは突起部１３間と連続微気孔性耐熱樹脂
層１４との間に広範囲な気室が形成され一段と放
熱効果が高められている。

尚上記各実施例において、導体２，６，１１は
単線、撚り線、編み線、その他任意の線材或いは
それらの組み合わせ体を用いることができる。

〔考案の効果〕

上記の通りこの考案によれば、導体と、この導
体の外周に設けられる耐熱繊維層と、この耐熱繊
維層の外周に設けられる連続微気孔性耐熱樹脂層
とを備えてなるリード線を構成することにより、
耐熱繊維層よりの塵埃の放出を阻止しながら良好
な放熱が得られるリード線が提供でき、結局長寿
命な高温リード線を提供する所となり、産業上の
効果大なるものがある。

尚、この考案は上記実施例に限定されるもので
は無く、例えば導体を撚り導体としたり、耐熱繊
維層の断面形状を多角形状にするなど、この考案
の思想の範囲内で種々変更実施しても同様な効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、及び第３図はそれぞれこの考
案による異なる実施例を示すリード線の斜視説明
図である。 １，５，１０……リード線、２，６，１１……
導体、３，７，１２……耐熱繊維層、４，９，１
４……連続微気孔性耐熱樹脂層、８……窪み部、
１３……突起部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 導体と、この導体の外周に設けられる耐熱繊
   維層と、この耐熱繊維層の外周に設けられる連
   続微気孔性耐熱樹脂層とを備えてなるリード
   線。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のリー
   ド線において、耐熱繊維層は、その外周部に気
   室を形成する窪み部を有することを特徴とする
   リード線。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のリー
   ド線において、耐熱繊維層は、その外周部に、
   隣接部に気室を形成する突起部を有することを
   特徴とするリード線。 (4) 実用新案登録請求の範囲第１項から第３項の
   いずれかに記載のリード線において、連続微気
   孔性耐熱樹脂層は、延伸多孔質四弗化エチレン
   樹脂からなることを特徴とするリード線。