JPH03264509A - 歯科接着剤用触媒ペースト状組成物 - Google Patents

歯科接着剤用触媒ペースト状組成物

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JPH03264509A
JPH03264509A JP2064565A JP6456590A JPH03264509A JP H03264509 A JPH03264509 A JP H03264509A JP 2064565 A JP2064565 A JP 2064565A JP 6456590 A JP6456590 A JP 6456590A JP H03264509 A JPH03264509 A JP H03264509A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、触媒活性が高く、肉材用レジンと歯の象牙質
との接着性の向上を図ることができるとともに、発火の
危険性がなくて保存および取扱いの容易な歯科接着剤用
触媒ペースト状組成物に関する。
発明の技術的背景 義歯床用材料、歯冠用飼料、充填用材料、矯正用接着剤
、合着用材料等に用いられる歯科用レジンとしては、例
えばメタクリル酸メチル(MMA)などのアクリル樹脂
が広く用いられている。
そして、このアクリル樹脂の重合触媒には、例えばベン
ゾイルメチルエーテル等の紫外線増感剤、あるいはカン
フ)−キノンと還元剤、色素等とからなる増感剤なとの
光重合触媒、過酸化ベンゾイル−アミン系触媒、スルホ
ン酸などの常温重合触媒が知られている。
これらの重合触媒は、重合活性が高く、モノマーに対し
て1重量%以下の割合で添加することにより、重合を速
やかに進行させることができるという利点を有している
しかしながら、これらの重合触媒は、歯科用レジンと歯
の象牙質との接着力の向上には何ら寄与するものではな
い。
一方、アルキルホウ素系の重合開始剤として1・ソーn
−ブチルボラン(以下、T、B Bと略記することかあ
る)が知られており、メタクリル酸メチルモノマーを主
成分とする歯科用接着性レジンの常温重合開始剤に用い
られている。
このTBBが配合された歯科用接着剤を歯質に塗布する
と、水、アルコール等の活性水素を有する化合物がTB
Bの助触媒となり、湿潤面からこのTBBの重合硬化が
始まるので、歯質とTBBとが良好な密着性を有するよ
うになるという利点がある。
また、TBBは象牙質コラーゲンとグラフト重合するこ
とから、象牙質に対してもっとも優れた接着性を示すも
のの一つである。
さらに、レジン硬化物中に数%含有されるTBBは、水
と反応すると、最終的にはn−ブタノールとホウ酸とに
分解されるので、歯髄為害性(歯髄に対して悪影響を及
ぼす蓋然性)が少なく、また、他の重合開始剤を使用し
た場合と比較して硬化レジンの経時的な変色も少ない。
このようにTBBは歯科用接着性レジンの重合開始剤と
して優れた性質を備えている。
しかしながら、TBBは、非常に活性が高く、取扱いが
困難であるので、実用にはTBBを部分的に酸化させて
なる部分酸化物(以下、rT B B OJと略記する
ことがある)として気密シリンダ中に封入しておき、こ
れを数滴ずつ取り出して使用されている。
ところが、このTBBOは、触媒活性が低く、通常、モ
ノマーに対し6〜7%を加える必要があるほか1、ポリ
マーを添加して重合を促進する必要が生じ、したがって
レジンの強度低下を招いたり、ポリマーが増粘すること
によって操作性が悪化する等の欠点を有している。
これらの欠点を解消するには、T’BBの酸化度を低く
することが考えられるのであるが、TBBの酸化度を低
くすると、TBBが発火し易くなるという新たな問題が
生じる。
したがって、このTBB触媒においては、高い触媒活性
を保持しつつ、発火の危険性をなくして保存および取扱
いをさらに容易にする必要がある。
発明の目的 本発明は、上記のような従来接衝に伴なう問題点を解決
しようとするものであって、触媒活性が高く、歯の象牙
質に対する歯科用レジンの接着力の向上を図ることがで
きるとともに、発火の危険性がなくて保存および取扱い
の容易な歯科接着剤用触媒ペースト状組成物を提供する
ことを目的としている。
発明の概要 本発明に係る歯科接着剤用触媒ペースI・状組成物は、
トリ−n−ブチルボランおよび/または前記トリ−n−
ブチルボラン1モルに対して0.2モル以下の酸素を反
応させて得られる前記トリ−n−ブチルボランの部分酸
化物50〜80重量部と、平均粒子径が7〜20μin
の範囲にあるアクリル酸エステル重合物を20重量%以
上含有する粒子20〜50重量部とを、不活性雰囲気下
に混合してなることを特徴としている。
本発明に係る歯科接着剤用触媒ペースト状組成物は、ト
リ−n−ブチルボランまたはその部分酸化物と、特定の
粒子とを、不活性雰囲気下に特定の割合で混合してなる
ため、トリ−n−ブチルボランが本来的に有する高い触
媒活性が低下することがなく、歯科用レジンと歯の象牙
質との接着性の向上を図ることができるとともに、発火
の危険性がなくて保存および取扱いが容易である。
発明の詳細な説明 以下、本発明に係る歯科接着剤用触媒ペースト状組戊物
について具体的に説明する。
本発明に係る歯科接着剤用触媒ペースト組成物は、トリ
−n−ブチルボランおよび/またはその特定の部分酸化
物(以下、両者をA成分と総称することがある)50〜
80重量部と、平均粒子径が7〜20Iimの範囲にあ
るアクリル酸エステル重合物を20重量%以上含有する
粒子(以下、B成分と言うことがある)20〜50重量
部とを含有している。
本発明で用いられるトリ−n−ブチルボランとしでは、
n−ブタノールとホウ酸とを用いて常法に従って得られ
るものであってもよいし、市販されているものであって
もよい。殊に、充分に精製されたものであることが好ま
しい。
また、本発明で用いられるトリ−n−ブチルボランの部
分酸化物は、上記トリ−n−ブチルボラン1モルに対し
て、0.3モル以下、好ましくは062モル以下、特に
好ましくは0.1モル以下の酸素を反応させて得られる
ものである。
本発明においては、トリ−n−ブチルボランおよび上記
の部分酸化物をそれぞれ+11独で使用してもよく、ま
たそれらを(弁用してもよい。
本発明においては、上記A成分のうち、トリ−nブチル
ボラン1モルに対して、0.2モル以下の酸素を反応さ
せて得られる上記トリ−n−ブチルボランの部分酸化物
を用いると、特に、高い触媒活性を保持しつつ発火の危
険がなくて、保存、取扱い容易な歯科接着剤用触媒ペー
スト状組成物にすることができる。
本発明に係る山科接着剤用ペースト状組成物は、上記A
成分とともに、平均粒子径が7〜20μmの範囲にある
アクリル酸エステル重合物を20重量%以上含有する粒
子(B成分)を含有している。
本発明に係る歯科接着剤用ペースト状組成物は、上記B
成分を含有しているため、特に触媒活性の低下がなくて
、しかも保存、取扱いが容易である。
アクリル酸エステル重合物の例としては、ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル
酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル
酸イソブチル、ポリメタクリル酸t−ブチル、ポリメタ
クリル酸イソデシル、ポリメタクリル酸ラウリル、ポリ
メタクリル酸トリデシル、ポリメタクリル酸ステアリル
、ポリメタクリル酸2−エチルヘキシル、ポリメタクリ
ル酸オクチル、ポリメタクリル酸シクロヘキシルおよび
ポリメタクリル酸ベンジルなどが挙げられる。
これらのアクリル酸エステル重合物は単独で使用しても
よいし、二種以上を併用してもよい。また、このような
アクリル酸エステル重合物は、粉末の状態で使用するの
が好ましい。
本発明で用いられるアクリル酸エステル重合物の平均粒
子径は、1〜100μm1好ましくは3〜50μm、特
に好ましくは4〜20μmである。
本発明においては、上記アクリル酸エステル重合物のう
ち、平均粒子径が100μm以上のものを用いるとアク
リル酸エステルの溶解速度が遅くなり、接着剤層の厚さ
(歯科でいうセメント厚み)が厚くなり、補綴物の適合
が悪くなる。
B成分は、上記アクリル酸エステル重合物(以下、B1
成分と言うことがある)の他に、他の成分(以下、B2
成分と言うことがある)を含有していてもよい。
このB2成分としては、例えば 粒径20μ以下(20μ以上では、アクリル酸エステル
重合物と同じく、セメント厚みの上から好ましくない)
の無機微粉末、即ち、ガラス粉砕微粉末、コロイダルシ
リカ等や、20μ以下のアクリル酸エステル以外のポリ
マー微粉末、即ち、ポリスチレンパウダー、ポリエチレ
ンパウダー等や20μ以下のオリゴマー微粉末、即ち、
6浦樹脂粉砕品、ロジンなどの天然樹脂粉砕品などを挙
げることができる。
これらのB2成分は、一種を単独で使用してもよいし、
二種以上を併用してもよい。
本発明において、B成分は、上記のB(成分を10重量
%以上、好ましくは20重量%以上、特に好ましくは2
5重量%以上含有している。
本発明においては、B成分のうち、トリ−n−ブチルボ
ラン1モルに対して、上記B1成分を25重量%以上の
割合で含有しているものを用いると、特に、高い触媒活
性を保持することができるとともに、発火の危険がなく
て、保存、取扱いの容易な歯科接着剤用触媒ペースト状
組戊物にすることができる。
本発明に係る歯科接着剤用触媒ペースト状組成物におい
て、上記A成分と上記B成分との含有割合は、A成分が
60〜90重量部、好ましくは50〜80重量部、特に
好ましくは55〜75重量部であり、B成分が10〜4
0重量部、好ましくは20〜50重量部、特に好ましく
は25〜45重量部である。
上記A成分の含有割合を50〜80重量部とし、0 上記B成分の含有割合を20〜50重量部とすることに
より、特に、高い触媒活性を保持することができて歯科
接着剤用レジンと歯の象牙質との接着性の向上を図るこ
とが可能てあり、しかも発火の危険がなくて、保存、取
扱いの容易な歯科接着剤用触媒ペースト状組成物にする
ことができる。
なお、上記A成分と上記B成分との混合は、通常は、窒
素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスの
存在下、すなわち不活性雰囲気下て行なわれる。
本発明に係る歯科接着剤用触媒ペースト状組成物を用い
て重合、硬化させることのできる歯科接着剤用レジンと
しては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸
イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウ
リル−トリデシル、メタクリル酸I・リゾシル、メタク
リル酸セチル−ステアリル、メタクリル酸ステアリル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸第1 クチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベ
ンジルなどのアクリル樹脂が挙げられる。
これらの中でも、メタクリル酸メチル(MMA)は特に
好ましい。
本発明に係る歯科接着剤用触媒ペースト状組成物は、た
とえば上記のメタクリル酸メチル(MMA)100重量
部に対して、通常0.5〜10重量部の割合で使用され
る。いずれにせよ、本発明に係る歯科接着剤用触媒ペー
スト状組成物は、歯科接着剤用レジンの重合反応を引き
起こすに足りる量で使用すればよい。
発明の効果 本発明の歯科接着剤用触媒ペースト状組成物は、トリ−
n−ブチルボランおよび/または前記トリ−n−プチル
ボラン1モルに対して0.2モル以下の酸素を反応させ
て得られる前記トリ−n−ブチルボランの部分酸化物5
0〜80重量部と、平均粒子径が7〜20μmの範囲に
あるアクリル酸エステル重合物を20重量%以上含有す
る粒子20〜50重量部とを、不活性雰囲気下て混合し
てなる1ま ため、触媒活性が高く、歯科接着剤用レジンと歯の象牙
質との接着性の向上を図ることができるとともに、高い
触媒活性や歯科接着剤用レジンの機械的強度の低下を招
くことがなく、しかも発火の危険がなくて、保存、取扱
いが容易である。
また、重合を促進するためのポリマーを添加する必要が
ないため、ポリマーの増粘で操作性が悪化することもな
い。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが
、本発明はその要旨を超えないかぎりこれらの例に何ら
制限されるものではない。
実施例1 ドライボックス中、N2雰囲気下で、10cm角のガラ
ス板上に、トリ−n−ブチルボラン(TBB。
日本アルキルアルミ■製)0.67gおよびポリエチル
メタクリレート粉末(新中村化学■製、「ハイバールD
−1,00J ) 0 、33 gを1士込み、スパチ
ュラを用いて混合することにより本発明に係る歯科接着
剤用触媒ペースト状組成物を調製した。
得られた崗科接着剤用触媒ペースト状組成物に3 ついて、単独での大気中での発火性、メタクリル酸メチ
ル(MMA)と混合したときの重合性、および生歯に対
する接着力のそれぞれを評価した。
結果を表1に示す。
なお、各項目の評価はそれぞれ次のようにして行なった
発火性;1滴をアクリル板上に滴下し、発火の有無で判
定した。
重合性;メタクリル酸メチル(MMA)0.5gに対し
、得られた歯科接着剤用触媒 ペースト状組底物0.05gを添加し、重合性を評価し
た。
生歯に対する接着力、TBB部分酸化物を重合触媒に用
いた歯科接着剤用レジン(サンメディカル社製、「オル
ソマイトスーパーボンド」)のTBB部分酸化物に代え
て、得られた歯科接着剤用触媒ペースト状組成物を用い
て重合させてなる歯科接着剤用レジンの生歯に対する接
着力を測定した。
実施例2 4 実施例1において、TBBの使用量を0.67gから0
.72gに変えるとともに、ポリエチルメタクリレ−1
・粉末の使用量を0.33gから0.28gに変えたほ
かは、実施例1と同様にして実施した。
結果を表1に示す。
実施例3 788650gを1ρのナス型フラスコにN2気流下で
仕込み、連続的に冷却および撹1’l’ Lながら空気
16.Qを導入し、徐々に反応させて、788部分酸化
物とした。
その後、この788部分酸化物0.67gと、ポリエチ
ルメタクリレ−1・粉末0.33gとを、実施例1と同
様にして混合することにより本発明に係る歯科接着剤用
触媒ペースト状組成物を調製し、実施例]と同様にして
実施した。
結果を表1に示す。
比較例I 788650gをIDのナス型フラスコにN2気流下で
仕込み、連続的に冷却および撹拌しなが5 ら空気22.17を導入し、徐々に反応させて得られた
788部分酸化物について、実施例]と同様にして評価
を行なった。
結果を表1に示す。
比較例2 トリ−n−ブチルボラン(TBB、ITJ本アルキルア
ルミ社製)について、実施例]と同様にして評価を行な
った。
結果を表1に示す。
] 6 表 表1から、本発明に係る歯科接着剤用触媒ペスト状組成
物は、触媒活性が高く、歯科接着剤用レジンと歯の象牙
質との接着力が優れているとともに、発火の危険性がな
いことが確認された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)トリ−n−ブチルボランおよび/または前記トリ
    −n−ブチルボラン1モルに対して0.2モル以下の酸
    素を反応させて得られる前記トリ−n−ブチルボランの
    部分酸化物50〜80重量部と、平均粒子径が7〜20
    μmの範囲にあるアクリル酸エステル重合物を20重量
    %以上含有する粒子20〜50重量部とを、不活性雰囲
    気下に混合してなることを特徴とする歯科接着剤用触媒
    ペースト状組成物。
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