JPH0326102B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、セメント原料などを粉砕する回転分
級機付竪型ルミに関するものである。

従来のこの種のミルは、たとえば第１図に示す
ような構成からなつている。

第１図において、ａはケーシング、ｂは羽根を
有する回転分級機、ｃは粉砕機の粉砕テーブル、
ｄは粉砕機の粉砕ローラ、ｅは粗粉案内円錐体、
ｆは被粉砕物供給シユートである。すなわち、第
１図に示す従来の竪型ミルにおいては、矢印ｇで
示すように、回転分級機ｂへの上昇ガスの経路が
反転を繰返えし、圧損が増加するとともに、該分
級機ｂの回転幅全体が有効に利用されないで、つ
まり、一部の上昇ガス流が粗粉案内円錐体ｅの内
部の短絡経路を通過し、粗粉の下降運動を妨げる
ので、分級効率がよくないなどの欠点があつた。

本発明は、回転分級機からの戻し粗粉を上昇ガ
スと交差させることなく、粉砕機に再度供給する
ことによつて、粉砕効率が上昇し、また搬送用ガ
ス流の通過経路中に障害物をなくすることによつ
て、ミル圧損の低減および排風機動力ならびにミ
ル動力の削減を図ることができる竪型ミルを提供
することを目的とするものである。

このため、本発明の構成は、ケーシングの内部
上部に回転分級機を有し、前記ケーシングの内部
下部に粉砕機を有し、前記ケーシングの外部から
該ケーシングを貫通して下先端を前記粉砕機の上
部に位置させて被粉砕物を該粉砕機に供給する被
粉砕物供給シユートを有する竪型ミルにおいて、
前記ケーシングが上部ケーシングと下部ケーシン
グとからなり、かつ、これら上部ケーシングと下
部ケーシングの間に粗粉捕集部を備え、しかも、
該粗粉捕集部の下端が前記下部ケーシングの外周
において前記被粉砕物供給シユートに連通接続さ
れていることを特徴としている。

以下、本発明の実施態様について、第２図ない
し第４図を参照しながら説明する。

第２図および第３図は本発明の第１実施例を示
し、第４図は本発明の第２実施例を示したもので
ある。

第２図において、１は上部ケーシング、２は下
部ケーシング、３は前記上部ケーシング１の内部
に設けられた羽根を有する回転分級機、４は前記
下部ケーシング２の内部に設けられた粉砕機の粉
砕テーブル、５は同じく粉砕ローラ、６は外部か
ら前記下部ケーシング２を気密的に貫通して下先
端を前記粉砕テーブル４の中央上部に位置せしめ
た被粉砕物供給シユートである。

また第２図および第３図にみられる７は前記上
部ケーシング１と下部ケーシング２の間に設けら
れた二次空気供給ダクト、８は該ダクト７からの
空気を上部ケーシング１内に導入する空気噴出
孔、９は前記下部ケーシング２の外周をとりまい
て該ダクト７の下部に設けられて下端が被粉砕物
供給シユート６に連通接続されている環状樋であ
る。すなわち、主として、空気噴出孔８と環状樋
９とにより、粗粉捕集部を構成している。

第３図および第３図に示すように構成された回
転分級機付竪型ミルにおいては、被粉砕物は被粉
砕物供給シユート６から粉砕テーブル４の上に供
給され、該テーブル４の回転と粉砕ローラ５の回
転により粉砕される。そして粉砕物は該テーブル
４の周囲から上方へ噴出する粉体搬送用空気に同
伴され、回転分級機３で粉体と粗粉とに分級さ
れ、その粗粉は該分級機３から外方へと飛び出
す。一方、第３図の矢印１０で示すように、二次
空気が二次空気ダクト７から空気噴出孔８を通つ
て上部ケーシング１と下部ケーシング２の間に供
給され、ここで、該分級機３で分級された前述の
粗粉は、前記粉体搬送用空気と交差することな
く、空気噴出孔８から噴出する二次空気の旋回流
によつて直ちに環状樋９の壁内周に押付けられて
環状樋９内に捕集され、点線矢印１１で示すよう
に、被粉砕物供給シユート６を経て粉砕テーブル
４の中央上部に確実に戻される。

第４図は、回転分級機３の構造が第２図の場合
と僅かに異なるだけで、他は同様であるので、粉
砕テーブル４および粉砕ローラ５ならびに被粉砕
物供給シユート６の一部の図示を省略してあり、
その作用および効果も第２図の場合と全く同様で
ある。

なお、上記各実施例では、環状通９の下端と被
粉砕物供給シユート６との接続は、１個所の場合
を示したが、環状通からミル内へのシユートの高
さを低くする意味で、シユートを複数個設けるな
どして、複数の個所で接続すること、つまり、戻
し口を複数個にしてもよい。

上述のように、本発明は、上下部ケーシングの
間に粗粉捕集部を設けて該捕集部の下端を下部ケ
ーシングの外周において被粉砕物供給シユートに
連通接続したから、粉砕が不充分で回転分級機に
よつて分級された粗粉を確実に粉砕機に戻すこと
ができ、かつ、粗粉の下向き流れとミル内を上昇
する粉体を含んだ粉体搬送用ガスとが交差しない
ので、粗粉の分級場からの早急な除去が可能とな
り、ミル圧損の低減る図ることができ、またミル
内上昇流の場に障害物がないことと、上昇ガス流
の方向転換が少ないこととにより、ミル圧損が一
そう低減化される。しかも、回転分級機の周方向
負荷が均一になるため、分級効率が著しく向上す
る。したがつて、本発明によれば、粉砕効率が向
上し、ミル圧損の低減および排風機動力の削減と
ミル動力の削減を図ることができるなど、本発明
の奏する効果は、きわめて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の竪型ミルの一例を示した断面立
面図、第２図は本発明の第１実施例を示した断面
立面図、第３図は第２図の切断線Ａ−Ａに沿う断
面平面図、第４図は本発明の第２実施例を示した
断面立面図である。 １……上部ケーシング、２……下部ケーシン
グ、３……回転分級機、４……粉砕テーブル、５
……粉砕ローラ、６……被粉砕物供給シユート、
７……二次空気供給ダクト、８……空気噴出孔、
９……環状樋。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ケーシングの内部上部に回転分級機を有し、
   前記ケーシングの内部下部に粉砕機を有し、前記
   ケーシングの外部から該ケーシングを貫通して下
   先端を前記粉砕機の上部に位置させて被粉砕物を
   該粉砕機に供給する被粉砕物供給シユートを有す
   る竪型ミルにおいて、前記ケーシングが上部ケー
   シングと下部ケーシングとからなり、かつ、これ
   ら上部ケーシングと下部ケーシングの間に粗粉捕
   集部を備え、しかも、該粗粉捕集部の下端が前記
   下部ケーシングの外周において前記被粉砕物供給
   シユートに連通接続されていることを特徴とす
   る、回転分級機付竪型ミル。