JPH0325924B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、直流ソレノイドによりブレーキ装
置、排水弁等を操作する洗濯機に関するものであ
る。

従来例の構成とその問題点 従来の一槽式遠心脱水洗濯機においては、第１
図に示すような構造を取つている。１は洗濯水を
受ける外槽、２は外槽１の内部に設けた洗濯兼脱
水槽で、底部にパルセータ３を、側壁には水抜き
用の多数の小穴４を設けている。５はメカケース
で、洗濯時にはパルセータ３のみを、脱水時に
は、洗濯兼脱水槽２を回転する様にモーター６の
駆動を伝達する機構を有している。モーター６
は、ベルト７およびプーリー８によりメカケース
５に駆動を伝達している。９は外槽１の排水弁、
１０はブレーキアーム、１１は排水弁９およびブ
レーキアーム１０を引つ張るソレノイド、１２は
支持板で、外槽１、モーター６、メカケース５等
が配設され、ロツド１３により外槽１４に釣支さ
れている。１５は洗濯兼脱水槽上部に設けられた
バランサー、１６は排水ホースである。

つぎに第２図を用いて、ソレノイド１１の動作
を説明する。排水弁９は、連結部材１７を介して
排水弁９に接続されている。メカケース５の内部
にはブレーキホイール１８、およびブレーキバン
ド１９を装着し、このブレーキバンド１９は、ブ
レーキホイール１８に対して圧接、離脱自在にし
て制動作用を行なうとともに、ブレーキホイール
１８の回転は、洗濯兼脱水槽２の回転に伝達され
ている。すなわち、ブレーキバンド１９が圧接し
た場合、ブレーキホイール１８は回転しないの
で、洗濯兼脱水槽２も回転しないが、洗濯時は、
ソレノイド１１には通電しないので、排水弁９
は、内蔵されたスプリング及びブレーキスプリン
グ２０の力で閉じており、またブレーキホイール
１８はブレーキバンド１９に圧接され回転しない
ので、洗濯兼脱水槽２も回転しなく、パルセータ
３のみが回転を行なつて洗濯ができる。排水及び
脱水時には、ソレノイド１１が通電され、ソレノ
イドのプランジヤ１１−ａが吸着されるので、こ
れに接続されている連結部材１７は矢印の方向へ
動く事になつて、排水弁９が開くと共にブレーキ
アーム１０が回転し、ブレーキバンド１９がブレ
ーキホイール１８から離脱し、脱水動作となる。

以上の様に、洗濯兼脱水槽２のブレーキ装置及
び排水弁９の開閉操作にソレノイド１１が使用さ
れていた。

ソレノイドには、交流ソレノイドと直流ソレノ
イドがあるが、それらは第２図、第３図に示す様
に、磁界を発生するコイル１１−ａ、吸引される
ことにより移動するプランジヤ１１−ｂおよび固
定されている固定鉄心１１−ｃから構成されてお
り、それらの特徴は次の様に上げる事ができる。

交流ソレノイドは、コイル１１−ａのリアクタ
ンス分が、抵抗分に比べて極めて大きいので、ス
トロークによつて電流が変化し、この時、ストロ
ークが大きい程、大きい電流が流れる。一方、直
流ソレノイドでは、ストロークに関係なくコイル
１１−ａの直流抵抗のみによつて定常電流が決ま
り、また吸引力は起磁力で決まり、それは電流と
巻線の積によつて与えられるので、交流ソレノイ
ドは、コイル１１−ａの銅量に対して直流ソレノ
イドより大きなストロークで大きな荷重を扱う事
ができる。それゆえ一槽式遠心脱水洗濯機におい
ては、交流ソレノイドが一般的であるが、交流ソ
レノイドにおいては、ストロークにより電流値が
変化するのでプランジヤ１１−ｂが完全に吸着し
ない状態で長時間電圧を印加すると焼損する惧れ
があり、また交流を使用するのでわずかな間〓が
生じた場合等でもうなりを発生し易い欠点があつ
た。これらの事からもわかる様に交流ソレノイド
では、プランジヤ１１−ｂと固定鉄心１１−ｃを
完全吸着させる必要があるのでプランジヤ１１−
ｂと固定鉄心１１−ｃとの衝撃音を消すために緩
衝材を使用することができなく、さらに交流ソレ
ノイドの方がプランジヤ１１−ｂの加速度が大き
く衝撃が大となる欠点があつた。従つて交流ソレ
ノイドを使用した場合には、必ず大きな衝撃音が
生じ騒音となつているが、直流ソレノイドでは前
述の様な事が無く、静音構造もとれるので性能的
には直流ソレノイドの方が有利である。ところ
が、前述した様に、一槽式遠心脱水洗濯機におい
てはストロークも10mm以上で荷重も大きくさらに
は排水・脱水時の数分間以上も連続通電する為、
吸引力と温度上昇を満足する直流ソレノイドを作
ると、コイル１１−ａは非常に大きな物になる問
題があつた。それは起磁力がコイル１１−ａの銅
線の線径によつて決定されるので、所定の負荷を
吸引する為には、かなり太い線径を使用しなけれ
ばならなく、また保持の為には10ワツト程度の電
力におさえる必要があるので、抵抗値をかなり大
きな物にしなければならなかつた。従つて、コイ
ル１１−ａの銅量が非常に大きな物となり、交流
ソレノイドの数倍も価格が高くなるという問題が
あつた。

このような事よりコイルを吸引コイルと保持コ
イルとに分巻してコイルの銅量を少なくし、かつ
吸引力を維持する考えを取入れた直流ソレノイド
もあるが、切替装置が複雑であつたり、全体とし
て雑然としたものが多く外観的にも大きくコスト
も高いものが多いと云う問題を有していた。

発明の目的 本発明はこのような従来の問題を解消し品質性
能の安定向上と、コンパクト化、軽量化、サービ
ス性の向上、コスト低減を図つた洗濯機排水弁用
ソレノイドを提供するものである。

発明の構成 本発明の洗濯機排水弁用ソレノイドは洗濯槽に
連通する排水弁を操作するソレノイドを直流ソレ
ノイドとなし、この直流ソレノイドの起磁力を発
生するコイルは、吸引力の強い吸引コイルとプラ
ンジヤ吸着后の保持をする保持コイルとに分巻
し、前記両コイルの切替スイツチと直流電源に変
換する整流回路とを、コイルを巻くボビン前側面
と外枠との間〓に配置し、前記吸引コイルの巻き
始めおよび巻き終り、ならびに保持コイルの巻き
始めおよび巻き終りのコイル処理は、前述切替ス
イツチの端子および整流回路を形成する所定の端
子にそれぞれ共用に固定接合しているので、前記
整流回路はプリント基板等で一体配線することが
できるものである。

実施例の説明 以下添附図面に基いて本発明の一実施例につい
て説明する。第４図〜第６図において、中央にシ
リンダー部２１を有するボビン２２の外周には比
較的吸引力が大きく出せる吸引コイル２３−ａ
と、プランジヤ１１−ｂが固定鉄心１１−ｃに密
着したのち、その保持をする比較的吸引力の弱い
保持コイル２３−ｂが巻かれており、それぞれの
巻き始めおよび巻終りはボビン２２の前側面に固
定した端子２４に巻付けている。ボビン２２の前
側面と外枠２５の間〓２６にはダイオード２７を
ブリツヂ状に配置して固定するプリント基板２８
が固定され所定の位置にて前述の端子２４に接続
されている。さらに前述間〓２６には吸引コイル
２３−ａおよび保持コイル２３−ｂの切替えをす
る切替スイツチ２９が、固定接点２９−ａおよび
可動接点２９−ｂにより構成して固着されてい
る。さらに前記可動接点２９−ｂに当接し、プラ
ンジヤ１１−ｂが完全に吸引されたときそのフラ
ンジ部１１−ｄにより外枠２５の一部に設けた穴
部２５−ａより出没して可動接点２９−ｂを動作
するアクチエーター３０が設けられている。可動
接点２９−ｂおよび固定接点２９−ａの端部はそ
れぞれボビン２２に固定されており、プリント基
板２８の一部より外部電源端子３１が外枠２５の
外に突出している。

上記構成において動作を説明すると、交流電源
をAB間に印加すると、ボビン２２と外枠２５の
間〓２６に設けたプリント基板２８にブリツヂ状
に固定したダイオード２７（D₁，D₂，D₃，D₄）
により全波整流されてCD間に直流電源が印加す
る。そしてプランジヤ１１−ｂが吸引される前
は、アクチエーター３０は外枠２５の前面より突
出し、切替スイツチ２９の固定接点２９−ａと可
動接点２９−ｂは閉じた状態（第６図Ｉ側）にな
つており、吸引コイル２３−ａ側に電圧がかゝる
ため起磁力が発生し、プランジヤ１１−ｂを吸引
する。この吸引コイル２３−ａは太い導線で形成
され、多量の電流を流すため入力は高く長時間運
転をすると温度が高くなり過ぎる欠点はあるが吸
引力は強く出すことができるよう設定されてい
る。そしてプランジヤ１１−ｂが完全に吸着する
とアクチエーター３０はフランジ部１１−ｄの働
きにより押下げられ、切替スイツチ２９の固定接
点２９−ａと可動接点２９−ｂは開放される（第
６図Ｏの位置）。従つて電源は保持コイル２３−
ｂに印加され電流値が下つて長時間接続しても十
分耐えるようになる。このときプランジヤ１１−
ｂは固定鉄心１１−ｃに密着し磁気回路が完全に
閉じているため吸着効果が高く少ない電流で十分
な保持力を得ることができる。

さてこのような整流回路の各端子と配線は第５
図のＸ印のイ〜ホで示す位置が第６図配線図のイ
〜ホに対応するものであり、またコイルはイ，
ロ，ハの端子に直接端末を巻くことにより自動的
に結線できるものである。

発明の効果 以上のように、本発明の洗濯機排水弁用ソレノ
イドは特に各コイルの巻き始めと巻き終りの結線
をする端子と、各コイル切替スイツチの端子およ
び整流回路端子を共用で使用しているため、不必
要な端子がなく合理的でしかも簡単な構造を得る
ことができ、したがつてコンパクトになり軽量で
コスト的にも安価にすることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例ソレノイドを取付けた脱水兼用
洗濯機の概略断面図、第２図は同排水弁部分の平
面図、第３図は従来におけるソレノイドの斜視
図、第４図は本発明の一実施例における直流ソレ
ノイドの断面図、第５図は第４図−矢視図、
第６図は同ソレノイドの配線図である。 １１……ソレノイド、１１−ａ……プランジ
ヤ、２２……ボビン、２３−ａ……吸引コイル、
２３−ｂ……保持コイル、２５……外枠、２７…
…ダイオード、２９……切替スイツチ、２９−ａ
……固定接点、２９−ｂ……可動接点。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 洗濯槽に連通する排水弁を操作するソレノイ
   ドを直流ソレノイドとなし、この直流ソレノイド
   の起磁力を発生するコイルは、吸引力の強い吸引
   コイルとプランジヤーを吸着したのちの保持をす
   る保持コイルとに分巻し、この両コイルの切替ス
   イツチと、直流電源に変換する整流回路とは、コ
   イルを巻くボビン前側面と、外枠との間〓に配置
   し、前記吸引コイルの巻き始めおよび巻き終り
   と、保持コイルの巻き始めおよび巻終りとのコイ
   ル処理は、切替スイツチの端子および整流回路を
   形成する所定の端子にそれぞれ共用に固定接合し
   て成る洗濯機排水弁用ソレノイド。