JPH0325727Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は被掃除面を擦る回転叩き体を回転さ
せるためのエアタービンと、そのエアタービンを
回転させるべく吸引空気を導くタービン吸口と、
それとは別に吸引空気を導くバイパス吸口と、そ
のバイパス吸口から吸引された空気を前記エアタ
ービンの一側において案内するバイパス風路と、
前記バイパス吸口を開閉する開閉部材とを備えた
電気掃除機の床用吸込具に関するものである。

（従来の技術） 一般に、この種の床用吸込具においてじゆうた
んの掃除を行う場合には、前記開閉部材によりバ
イパス吸口が閉鎖され、塵挨を含む吸引空気はタ
ービン吸口側に導かれる。そして、その吸引空気
の空気流により前記エアタービンが回転され、こ
れに伴つて前記回転叩き体が作動されることによ
り、被掃除面がかき上げられて塵挨が掃除機本体
側に吸引されるように構成されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、前記構成によると、じゆうたんの掃
除時に吸引空気がエアタービンを通過するため、
吸引空気中に糸くず又は毛髪等が混入している
と、それらがエアタービンの羽根等に絡みついて
その除去作業が大変面倒になるばかりでなく、絡
みついた糸くず等によつてエアタービンの回転効
率が悪くなるという問題点があつた。又、掃除中
に床用吸込具を持ち上げて回転叩き体を床面から
離したとき、その回転叩き体が無負荷となるため
にエアタービンが異常に高速回転して大きな騒音
が発生する問題点があつた。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は前記問題点を解決するためになされ
たものであり、エアタービン吸口とタービン室と
吸入管とを前後方向に略直列的に配置し、前記タ
ービンの周囲に放射状に固定配置された多数の羽
根の前記バイパス風路側の端面に、それぞれピン
を突設し、それ等のピンを円盤状の側板の外周部
に環状に透設した小孔に嵌合して連結し、その側
板には、それぞれ前記エアタービンの軸線を中心
とする円周上に透設され、エアタービンに吹付け
られた空気の一部を前記バイパス風路に逃す複数
の円弧状の開口を設けたものである。

（作用） 従つて、この考案の床用吸込具においては、吸
引空気中に混入した糸くず又は毛髪等が前記開口
３７を通つてバイパス風路１２側に導かれるた
め、その除去作業の手間を省くことができるとと
もに、回転叩き体２７が無負荷になつても、エア
タービン８の高速回転を一定のところで抑制し
て、大きな騒音の発生を防ぐことができる。

（実施例） 以下、この考案を具体化した一実施例を図面に
基づいて説明する。

第１，２図に示すように、吸込具本体１は上ケ
ース２と下ケース３とから構成され、その後部
（第１図の上方）中央には掃除機本体の延長管
（図示しない）に接続される吸入管４が傾動自在
に取着されているとともに、下ケース３の前部下
面には吸込口５が左右に延びるように透設されて
いる。吸込具本体１の内部には前記吸入管４に連
通するタービン室６が形成され、その内部には左
右に延びる軸７によりエアタービン８が回転可能
に支持されるとともに、タービン室６の前面には
エアタービン８を回転させるべく前記吸込口５か
らの吸引空気を導くタービン吸口９が形成され、
これらは第１図に示すように略直列状に配置され
ている。

又、前記タービン吸口９に隣接する左方位置に
はタービン吸口９とは別に吸込口５からの吸引空
気を導くバイパス吸口１１が設けられ、そのバイ
パス吸口１１の後方部分はバイパス吸口１１から
吸引された空気を前記エアタービン８の左側にお
いて前記吸入管４に向けて案内するバイパス風路
１２となつている。なお、第２図に示すように前
記タービン室６とバイパス風路１２とは連通可能
に接続されている。

前記バイパス吸口１１の左右両側を形成するよ
うに下ケース３に立設された左右一対の支持壁１
３の上端間には前記バイパス吸口１１を開閉する
ための板状の開閉部材１４が上端の軸部１５にて
回動可能に支持され、その軸部１５は上ケース２
の保持片１７により上方から組付保持されてい
る。そして、開閉部材１４は左右の連動機構１
９，２０を介して左側のじゆうたん用操作体２１
と右側の床・畳用操作体２２とにそれぞれ作動連
結されていて、じゆうたん用操作体２１が押し下
げ操作された時には第２図に実線で示すように開
閉部材１４が前記バイパス吸口１１を閉鎖する閉
鎖位置に配置されるとともに、床・畳用操作体２
２が操作された時には同図に鎖線で示すように開
閉部材１４がバイパス吸口１１を開放する開放位
置に配置されるようになつている。

一方、前記下ケース３の左右両側壁前部内面に
は、所定間隔をおいて斜め上下に延びる前後一対
の案内板２３が形成され、各案内板２３間には左
右一対の軸受部材２４がそれぞれ斜め上下に移動
可能に支持されている。両軸受部材２４間には前
記吸込口５の上方を左右に延びる軸２５が回転可
能に架設支持され、その軸２５上にはゴム又は合
成樹脂等の弾性及び可撓性を有する材料によつて
帯板状に構成され、かつ吸込口５より外部に露出
して被掃除面を擦る弾性板２６を備えた回転叩き
体２７が180度ねじつた状態で固定されている。
又、前記軸２５の右端部には前記回転叩き体２７
と一体回転するように歯付きプーリ２８が装着さ
れ、その歯付きプーリ２８と前記エアタービン８
を支持する軸７の駆動歯部２９との間には歯付き
ベルト３０が張設されている。

そして、じゆうたんの掃除時において前記じゆ
うたん用操作体２１の操作により開閉部材１４が
閉鎖位置に配置された時には、吸込口５からの塵
挨を含む吸引空気がタービン吸口９を介してター
ビン室６内に導入され、そのタービン室６内にお
ける空気流によつてエアタービン８が回転され、
前記歯付きベルト３０等を介して回転叩き体２７
が回転され、その弾性板２６がじゆうたん面をか
き上げるようになつている。又、前記床・畳用操
作体２２の操作により開閉部材１４が前記開放位
置に配置された時には、吸込口５からの塵挨を含
む大部分の吸引空気が前記バイパス吸口１１、バ
イパス風路１２及び吸入管４を通つて掃除機本体
側へ吸引されるようになつている。

ところで、前記エアタービン８はバイパス風路
１２に面した円盤状の左側板３２と、これとは反
対側の椀状の右側板３３と、両側板３２，３３間
を左右に延び放射状に配置された複数の羽根３４
とから構成されている。前記各羽根３４の右端は
右側板３３の内側面に固着され、又各羽根３４の
左端面即ち前記バイパス風路１２側の端面にはピ
ン３５が突設され、この各ペン３５が左側板３２
の外周部に環状に突設した小孔３６に嵌合するこ
とにより、各羽根３４の左端部が左側板３２に対
して移動不能にかつ強固に連結支持されている。

さらにこの左側板３２には、それぞれ前記エア
タービン８の軸線を中心とする円周上に透設さ
れ、エアタービン８に吹付けられた空気の一部を
前記バイパス風路１２に逃がす複数の円弧状の開
口３７が設けられている。

従つて、上記のように構成された電気掃除機の
床用吸込具においては、じゆうたんの掃除時に吸
込口５及びタービン吸口９を介してタービン室６
内に導入された吸引空気はエアタービン８を回転
させた後吸入管４側に直進するが、前記左側板３
２に開口３７が形成されているため、第１図に矢
印で示すように吸引空気の一部はバイパス風路１
２側に流出する。それゆえ、吸引空気中に糸くず
又は毛髪等がある場合でも、それらがバイパス風
路１２側に向かう空気流にのつて各開口３７から
エアタービン８の外部に導き出され、各羽根３４
に絡みつく糸くず又は毛髪等の量を少なくするこ
とができる。すなわち、従来のエアタービンにお
いては開口３７を有しないため、エアタービン８
に吹付けられた全ての吸入空気はエアタービン８
を通過して吸入管４５に向かつて直進し、これに
よつて各羽根３４には大量の糸くず又は毛髪等が
絡みつき、その除去作業が大変面倒であつたり、
エアタービン８の回転に支障を来たしたりした
が、前記したこの実施例におけるエアタービン８
の構成によればこうした不都合を解消することが
できる。

又、吸込具本体１を持ち上げて回転叩き体２７
を無負担とした状態でエアタービン８の回転数を
計測したところと、この実施例では約17000rpm
という結果が得られ、左右各側板に開口を設けな
い従来のものは約22000rpmという結果が得られ
た。従つて、この実施例では約5000rpm減少させ
ることができ、その分だけ騒音を低くおさえるこ
とができた。なお、前記開口３７の大きさを適宜
変更してバイパス風路１２側に逃げる吸引空気を
適量に調整すれば、エアタービン８の回転数を適
当に低く設定することもできる。

考案の効果 以上詳述したように、この考案は羽根の一端部
を支持しかつバイパス風路に面したエアタービン
の側板に、そのエアタービンに吹付けられた空気
の一部をバイパス風路に逃す開口を設けたことに
より、バイパス風路側に逃げる吸引空気流に乗せ
て糸くず又は毛髪等をエアタービンの外部に導き
出すことができて、その除去作業の手間を省くこ
とができ、又、掃除中に床用吸込具を持ち上げて
回転叩き体を無負荷にした場合、エアタービンの
高速回転を一定のところで抑制して大きな騒音の
発生を防ぐことができるばかりでなく、エアター
ビンの両側が側板によつて支持されているので強
度が増し、組付時や使用時の破損を防止し得ると
いう優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した一実施例におけ
る床用吸込具を上ケースを取外した状態で示す平
面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図である。 図において８はエアタービン、９はタービン吸
口、１１はバイパス吸口、１２はバイパス風路、
１４は開閉部材、２７は回転叩き体、３２は左側
板、３７は開口である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 左右に延長された吸込口５を下面に透設した吸
   込具本体１と、前記吸込口５の上方に於いて左右
   方向の軸線の周りに回転可能に配置され、被掃除
   面を擦る回転叩き体２７と、前記吸込口５の後方
   に設けられ、吸入管４に連通するタービン室６
   と、そのタービン室６内に於いて左右方向の軸線
   の周りに回転可能に配置され、前記回転叩き体２
   ７を回転させるためのエアタービン８と、前記タ
   ービン室６の左右一側に配置され、前記吸入管４
   に連通するバイパス風路１２と、前記吸込口５と
   タービン室６との間に設けられ、前記エアタービ
   ン８を回転させるべく吸引空気を導くタービン吸
   口９と、前記吸込口５とバイパス風路１２との間
   に設けられたバイパス吸口１１と、そのバイパス
   吸口１１を開閉する開閉部材１４とを備えた床用
   吸込具に於いて、 前記タービン吸口９とタービン室６と吸入管４
   とを前後方向に略直列的に配置し、前記エアター
   ビン８の周囲に放射状に固定配置された多数の羽
   根３４の前記バイパス風路１２側の端面に、それ
   ぞれピン３５を突設し、それ等のピン３５を円盤
   状の側板の外周部に環状に透設した小孔３６に嵌
   合して連結し、その側板３２には、それぞれ前記
   エアタービン８の軸線を中心とする円周上に透設
   され、エアタービン８に吹付けられた空気の一部
   を前記バイパス風路１２に逃す複数の円弧状の開
   口３７を設けたことを特徴とする電気掃除機の床
   用吸込具。