JPH03257125A - 焼付硬化性超深絞り用鋼板の製造方法 - Google Patents

焼付硬化性超深絞り用鋼板の製造方法

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JPH03257125A
JPH03257125A JP2055656A JP5565690A JPH03257125A JP H03257125 A JPH03257125 A JP H03257125A JP 2055656 A JP2055656 A JP 2055656A JP 5565690 A JP5565690 A JP 5565690A JP H03257125 A JPH03257125 A JP H03257125A
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篤樹 岡本
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、プレス成形後の塗装焼付は工程で降伏応力が
上昇する焼付硬化性があり、かつ著しく深絞り性の良好
な鋼板の製造方法に関する。
本発明により製造される鋼板は乗用車のパネル、メンバ
ー類、その他制板構造物に通用されその成形加工の容易
さを保ちつつ、使用時の強さと軽量化に寄与するもので
ある。
(従来の技術) 乗用車その他網製構造物の軽量化のため高張力鋼板を使
用するのは永年の課題となっている。しかしながら高張
力鋼板を使用すると、一般に加工性が低下し所望の形状
がでないことが多い。
そこで開発されたのが焼付硬化性鋼板であり、この鋼板
はプレス成形前には軟質で成形し易く、プレス成形後の
塗装焼付は工程(170℃l2O分前後)で硬くなる性
質を有しているため、最終製品は高強度となり、これを
利用して製品を軽量化することができる。このような焼
付硬化性鋼板は、主に鋼中の固溶炭素量を制御すること
により達成でき、プレス成形で導入された転位線上に、
塗装焼付の熱処理(170℃)中に炭素が偏析し、それ
らが転位を不動化して固着し、変形を難しくすることが
焼付は硬化の機構である。
本発明者らはそのような観点に立って固溶炭素量を制御
した焼付硬化性鋼板を開発しく日本特許登録第1389
236号、特公昭61−7452号公報)、既に乗用車
に多量に使用されている。この発明は炭素量を制御した
低炭素へQキルド綱を箱焼鈍する方法である。しかし、
近年冷延鋼板は生産性のよい連続焼鈍法で製造されつつ
あり、また乗用車には最近溶融Znめっき鋼板も使用さ
れつつあり、連続焼鈍あるいは溶融Znめっきのような
いわゆる短時間の連続焼鈍処理に適した材料成分と製法
の開発が急がれていた。
このような状況下で本発明者は先に日本特許登録第13
93891号(特公昭61−14218号公報)で冷延
鋼板を一旦箱焼鈍し、ついで溶融Znめっきする方法を
提案し、実際に現在その方法で焼付硬化性のある溶融Z
nめっき鋼板が量産されている。しかし、この方法も箱
焼鈍を採用するなど処理に要する時間が長いため経済的
不利は免れず、冷延鋼板を直接連続焼鈍してもあるいは
そのま一溶融Znめっきしても所望の特性が得られる方
法の開発が必要となっている。
このため製鋼段階で炭素含有量を著しく低くして深絞り
性、r値を向上させる成分をベースにした焼付硬化性鋼
板がいくつか提案されている。
すなわち、焼付硬化性を付与すること目的とした極低炭
素鋼板としては、例えば、特公昭61−2732号公報
では炭素量を30〜1100ppと比較的多量にして微
量のTiを添加する方法が、特公昭61−45689号
公報では炭素量70ppm以下の鋼には48/14N以
下の微量TiとNbを複合添加する方法が1案されてい
る。また炭素量70ppm以下の綱にTiとNbとBを
複合添加した例としては特公昭60−47328号公報
があるが、この場合もTl量は48/14N以下と微量
である。
しかしながら、これらの特許公報の実施例による炭素量
は30〜100pp11、窒素量は30〜60pp+s
含んでおり、このように炭素、窒素量が多い鯛では焼付
硬化量が不安定であり、実用に適しない方法であった。
ところで、焼付硬化性鋼板についてもプレス成形性が要
求されることは当然であるが、近年製品仕様が多様化し
て深絞り加工の頻度が高くなり、しかもより苛酷な絞り
成形性が求められるようになっできた。また部品点数の
削減などの要求から大型一体成形が多用されるようにな
り、従来以上の深絞り性が鋼板に求められるつつある。
ここに、「超深絞り性」とは従来の深絞り性より一段と
プレス成形性が良好で成形時に破断やしわを生じにくい
性質であり、具体的基準としては伸び49%以上、r値
2,0以上の特性を有することである。
米国特許第4.504.326号明細書には、炭素量7
0ppm以下で、TiとNb、必要に応してBを添加し
た超深絞り冷延鋼板が開示されているが、この場合には
Ti量は48/14(N−0,002)≦Tiとされ、
実質的に0.002%赳のNを含有するm(実施例によ
るとN−0,0025−0,0064%)を対象として
いる。さらに、多量の炭素を安定な(Ti、Nb) C
として固着するため、Tiのほかに多量のNbを複合添
加しているので、焼鈍温度をかなり高くしないと加工性
が悪(、製造する上で問題があるばかりでなく、特殊な
場合を除き所望とする焼付硬化性は得られない。
同様に、超深絞り性を追究する立場からの提案としては
、特公昭62−33303号公報に開示された鋼があり
、これによれば、0≦有効Ti=全Ti −48/14
N −48/32SのTiが必要とされており、このT
i量は48/14 + 48/32S≦全Tiとなるの
で、これはかなり多量のTi添加を要し、また所望とす
る焼付硬化性は得られない。
この他、極低炭素鋼でTiとB1場合によりNb。
Pを複合添加した例として、特開昭59−140333
号公報、特開昭59−193221号公報、特公昭61
−52218号公報、特公昭61−6133号公報など
があるが、これらもTtを多量に添加しCをTiCとし
て固定するもの、あるいは炭素量が本発明より多いもの
で、本発明の目的とする焼付硬化量が得られる方法では
ない。
一方、趨深絞り性と焼付硬化性の両方を満足させる方法
として、特公昭63−4899号公報が提案されている
が、S量の制限の上に、上述の有効Ti量を炭素量の4
〜20倍含む必要があり、焼付硬化量のレベルが低くか
つ変動が大きく実用的ではなかった。
このように、超深絞り性と焼付硬化性の両者を満足させ
るための従来技術にあってはTi添加量はかなり多量で
あるか、あるいは極微量に制限するものであり、これは
鋼中に多量に含まれる炭素のすべであるいは一部を、T
iおよびNbによってTiC1あるいは(Ti、 Nb
)Cとして析出させ固定し残存固溶炭素を可及的少ない
量として深絞り性を向上させるか、あるいは一定量の残
存固溶炭素を確保することにより焼付硬化性を付与させ
るとの考えによるものである。
しかしながら、このような方法では、超深絞り性と焼付
硬化性との両者を共に十分に満足させることはできず、
実用上満足できる程度に両特性が発揮されたとしても、
今後は、最終製品の焼付硬化量が鋳込みチャンスやコイ
ル位置により変動し、焼付硬化量を所望の範囲(3〜6
 kg/w*”)に制御できない問題があった。
(発明が解決しようとする諜a) 上述のような公知の鋼においては高いr値が得られ、実
用上満足できる程度の趙深絞り性が実現されるものの焼
付硬化性が不安定であり、所望とする焼付硬化量3〜6
 kgf/s+g”を鋼板全長全幅にわたって安定して
得ることは難しいという問題があり、なかなか量産寞用
化されなかった。
なお、ここで焼付硬化量が3 kgf/I1m”未満で
あると焼付硬化性が不足して最終部品の硬さが不足する
ことになる。また6 kgf/+u+”超では常温時効
性が発生し、成形前の母材の降伏応力が上昇し、伸びが
低下し、成形加工性が劣化することが本発明者らの研究
により明らかになっている。
ここに、本発明の目的は、鋼板全長全幅にわたって焼付
硬化量3〜6 kgf/ms”を安定して得ることがで
きる、実用的な焼付硬化性超深絞り用鋼板の製造方法を
提供することである。
(課題を解決するための手段) そこで、本発明者らは焼付硬化性を支配する要因を詳細
に研究した結果、焼付硬化量が変動するのは、これら従
来の技術においては、鋼中に含まれる多量の窒素のすべ
であるいは一部をTiNとして析出、固着し、一方多量
の炭素の一部を、TiCあるいは(Ti、 Nb)Cと
して析出、固定し必要量の固溶炭素を残存させることに
より焼付硬化性を付与させる方法、すなわちTiの窒化
物および炭化物を多量に形成させる方法、のためである
との結論に達した。
すなわち、本発明者らは次のような新知見を得た。
(1)窒素はTiNとして析出することを意図している
が、実際には炭素を含有したTiNとして析出し、この
析出物中の炭素量はスラブの加熱条件により変わるため
、N量が多い七N量およびスラブ加熱条件により残存固
溶炭素量が変動すること。
(2)またNを固着する以上の過剰のTiは、成分限定
下では、まずTiSを形成し、次いでTiCを形成する
ので、一定量以上のSを含有させておくと、N量やTi
量の変動があってもNはすべて固着し、かつTiCを形
成させないことが可能なこと。
(3)この場合には鋼中の炭素のほとんどすべてが固溶
状態となり焼付硬化量をきめるので、Ti、 N量など
の成分量だけでなく、スラブ加熱条件によっても焼付硬
化量の変動がほとんど生じないこと。
(4)この時の鋼中金炭素量は8〜28ppm 、望ま
しくは13〜23ppmに制御する必要があること。
(5)スラブ加熱条件が不適当な場合には、過剰のTi
は上記のTiSに変わってTi4CxSzやFeTiP
などの析出物を形成することがあり、固溶炭素量および
焼付硬化量の変動の原因になること。
(6) Mnは通常、鋼板の合金元素として添加されて
いるが、このMn量が多いとSはMnSとして析出し、
上記のTiSが形成されないので、過剰のTiはTiC
を形成し、焼付硬化量は変動すること。
(7)一方、Pの含有は過剰のTiをFeTiPとして
形成させ、Ticを形成させない点、焼付硬化量を安定
させる作用はあるが、FeTiPの析出は超深絞り性を
得る上では望ましくなく、焼付硬化性と超深絞り性を得
るには0.008%以下に著しく少なくするのが有効な
こと。
(8)さらに、近年塗装焼付温度が従来の170″Cか
ら130℃位まで低下する傾向にあるが、適量のBおよ
び/または極微量のNbの添加は常温非時効で大きな焼
付硬化性を得る上で有効なこと。
ここに、上記知見に基づいて完成された本発明の要旨と
するところは、重量%で、 C:  0.0008〜0.028%、Mn:  0.
04〜0.25%、P: 0.008%以下、  s:
o、oo3〜0.015%、sol、八Q: 0.15
%以下、 N: 0.0020%以下、Ti:  0.
003 〜0.020  %、48/14N<Ti<4
8/14N+48/32Sさらに必要に応じB: 0.
0002〜0.0015%およびNb:0.001〜0
.004%以下の1種または2種、残部Feおよび不可
避不純物 よりなる綱を溶製し、連続鋳造スラブとなした後、熱間
圧延を800℃以上で終了し、その後、冷間圧延と再結
晶焼鈍を行うことを特徴とする焼付硬化性鋼板の製造方
法である。
本発明の好適態様にあって連続鋳造スラブとなした後の
熱間圧延に際しては、 0800℃より低温に低下しないようにして800〜1
300℃にて均熱保持した後熱間圧延を開始するか、 ■800℃より低温に低下したスラブを1130〜13
00℃に均熱保持した後熱間圧延を開始するかあるいは ■800℃より低温に低下しないようにして均熱保持す
ることなり800″C以上で熱間圧延を開始するか のいずれかを採用し、次いで、熱間圧延を800℃以上
で終了する。
(作用) 本発明の構成をその作用効果とともにより具体的に詳述
する。
まず、本発明の特徴は、合金成分量、すなわちC,Mn
、N、S、PSTi必要に応じてB、Nbの含有量を厳
密に制御すること、および連続鋳造から熱間圧延までの
工程で前述のTi析出物の反応を高温で行わせることに
より硫化物の種類を制御する点にある。
合金成分に関してはP量およびN量の低減、S量の増加
の他にMn量を著しく低減しMnSをなるべく形成させ
ないことである。
熱間圧延に麗しては800℃以上で熱間圧延を終了する
この点、本発明の好適態様によれば、連続鋳造スラブは
熱間圧延開始までの間に、■鋳造徒長時間の均熱保持が
行われないか、■均熱保持しても温度を高温にしTi−
C系の析出反応が起らないようにするか、あるいは、■
−旦析出物が生成しても高温に加熱し溶解させる。
かくして本発明によればTiN中のCが減少し、また過
剰のTiはTicやTi4CzS2を形成させずTiS
のみを形成させることになる。 Mnが多いとMnSが
多量にできるためTiSが形成されず過剰のT1はTi
Cを形成し易いため望ましくなく、またN量が多いとT
iNの量が多くなりCが析出してしまうので望ましくな
いのである。
すなわち、Tj系析出反応を高温で起こさせることおよ
びMnと結合していないSを多量に含有させることの両
者の作用により熱間圧延前の段階でTi−C系の析出物
は存在しないようにすることが可能であり、この結果ス
ラブ加熱条件により固溶炭素量が変動することはなくな
る。
すなわち、軟質な鰯深絞り用鋼板にあっては焼付硬化量
3〜6 kgf/+am”を得るために必要な固溶炭素
量は8〜28ppm 、望ましくは13〜23pp+w
であるが、本発明にかかる方法によれば、溶製時に投入
した炭素量がそのまま焼付硬化量に寄与することになり
Ti添加量の変動、N量、C量の変動があっても、また
スラブの位置により多少の加熱履歴の変動があっても焼
付硬化量は変わらないことになる。
従来の技術においては投入炭素がすべて焼付硬化に有効
に利用されるわけではないので、所望の焼付硬化量を得
るのに投入炭素量を30ppm以上にしなければならな
かったが、本発明にかかる方法によれば投入炭素量は必
要最低限となりそれだけ軟質でr値が高く深絞り加工性
の良い焼付硬化性鋼板を製造できることになる。
さらに、本発明によれば必要によりBおよび/またはN
bを適量複合添加する場合、同一固溶炭素量でも焼付硬
化量を増し、従来の方法において固溶炭素量が3opp
m以上の場合と同様の焼付硬化量が得られるとの知見を
得、これを活用すれば投入するC量の制御範囲が広くな
り工業上の利点がある。
以下、本発明において用いる綱の組成および製造条件を
限定した理由を説明する。なお、本明細書において「%
」はいずれも特にことわりがない限り「重量%」である
C: 本発明においてCは焼付硬化量を支配しているので少な
ければ焼付硬化量が低く、多ければ焼付硬化量が高い、
焼付硬化量が高いと常温時効を起こし降伏応力を上昇さ
せるとともに伸びを低下させるので、通常は焼付硬化量
3〜6kgf/wm” 、多くても8 kgf/−鴎2
に制御する。
これに必要な炭素量は、本発明の如くに軟質な超深絞り
用鋼板においては8〜28pp1m、望ましくは13〜
23ppmである。高い焼付硬化量が望まれる場合は前
述のようにこの内多い炭素量、またより良好な深絞り性
が望まれる場合はこの内生ない炭素量が適している。
Mn: Mnは鋼中にあってMnSを形成しSによる熱間脆性を
防止する作用がある。しかし、本発明においてはスラブ
加熱時MnSの析出を少なくして固溶Sを増加させるこ
とが重要である。このためには−nの上限を0.25%
以下、望ましくは0.15%以下にする必要がある。0
.25%超ではMnSが形成されTiSの形成が制御さ
れ焼付硬化量の変動の原因となる。一方、0.04%未
満では熱間脆性の問題が生じるので下限を0.04%と
した。したがって、Mn量は0.04%以上0.25%
以下と限定した。
P: Pは過剰のTiをFeTiPとして析出させTiCの析
出を抑制する作用があるので焼付硬化量の制御には有効
であるが、深絞り性を劣化させるので本発明においては
著しく少なくする必要がある。すなわち、0.0’08
%超では鋼板の深絞り性が不十分となる。よって、P量
は0.008%以下と限定した。なお、焼付硬化量の制
御は本発明ではTi量を制限することにより実施する。
S: SはTiSを形成させTiCを形成させないために添加
する必要がある。Sが少ないと過剰のTiがTiaCz
SzとしてCと結合し焼付硬化量の変動の原因となる。
0.003%未満ではTiS量が不充分となって焼付硬
化量が変動し、一方0.015%超では本発明において
用いる、Mnが少ない綱では熱間脆性が生しる。よって
、C量は0.003%以上0.015%以下と限定した
sol.Al: 脱酸調整のため必要に応じ添加される。ただし、041
5%超では鋼の延性が低下する。よってsol、A(2
含有量は0.15%以下と限定した。
N: Nは少ない方が望ましい、その理由はNが0.0020
%超であるとTiNを形成した際、Cを吸収するため焼
付硬化量が変動するためである。
このためには、N含有量は0.0020%以下と限定し
た。
Ti: NをTiNとして固着し、Nによる時効を防止し、かつ
TiCを多量に形成しないよう成分調整される。 Ti
の最低限は分析できる下限、すなわち0.003%、お
よびNをすべてTiNとして固着し得る量、すなわち4
8/14N超とした。上限はすべてのTiがTiNとT
iSを形成し、TiCを形成しない範囲という意味で4
8/1411 +48/328未満とした。これ以上の
Ti量ではTiCが形成されて焼付硬化性変動の原因と
なる。一方、Ti量が0.020%超になってもTiC
が形成され易くなるのでそれをも上限値とした。
したがって、Ti含有量は、0.003〜0.020%
であって、48/14N<Ti<48/14N+48/
323と限定した。
B: 本発明においてはBは必要に応じて添加される。Bには
同一炭素量を有した鯛においても焼付硬化量を大きくす
る作用があるので焼付硬化量の安定化に有効である。た
だし、0.0002%未満ではこの効果は小さく、一方
0.0015%超では焼鈍鋼板のr値を低下させてしま
うので0.0002〜o、oois%の適量添加が望ま
しい。このようなりの作用は固溶C原子とB原子との相
互作用による転位線の強固な固着作用に起因していると
考えられ、本発明において用いる鋼のように少量の固溶
炭素を含む場合にのみ少量のB添加の効果が認められる
〜b: NbもBと同様に必要に応じ添加され焼付硬化量の安定
化に有効であり、特にNbはNbCを形成しない範囲で
結晶粒の細粒化および強化のために添加される。このた
めにはo、ooi%以上必要であり、一方Nb:0.0
04%超ではNbCが形成され焼付硬化量変動の原因に
なるし、また再結晶温度が上昇し、高温焼鈍が必要とな
る。よって、Nbの含有量はo、ooi〜0.004%
とした。
その他の不純物は極力低減させる。ただし0.2%以下
のSiやCaは添加しても材料特性に影響を及ぼさない
本発明にあって、スラブの熱間圧延までの熱履歴は前述
したように高温析出物のみを形成させるため熱間圧延を
800℃以上で終了するが、これより低い温度で圧延す
ると、前述のように圧延中にTi−C系の析出物が出て
焼付硬化量が不安定になる上に、r値が大きく低下する
からである。
熱間圧延開始までの熱履歴に関しては、本発明の好適m
様によれば、 0800℃より低温に低下しないようにして800〜1
300℃にて均熱保持した後熱間圧延を開始するか、 0800℃より低温に低下したスラブを1130〜13
00℃に均熱保持した後熱間圧延を開始するか、あるい
は 0800℃より低温に低下しないようにして均熱保持す
ることなくeoo’c以上で熱間圧延を開始するか するのである。
ここに、スラブが800℃より低温になるとT→α変態
時にTi−C系析出物が出ることがあるので焼付硬化量
が不安定になる。したがって、連続鋳造スラブを800
℃よりも低温に低下させない場合はそのまま熱間圧延し
てもよいし、また800〜1300℃の温度で均熱して
から圧延してもよい。
しかし、スラブ温度が800℃より低温になるとその部
分にはTi−C系の析出物ができる場合があるのでこれ
を溶体化させる必要がある。このためにはスラブ加熱温
度を1130℃以上にする必要が生じる。一方1300
℃超ではエネルギー的にロスが多いだけで効果がないの
でその場合上限を1300℃とした。
なお、スラブの温度は位置により100″C程度異なる
ことが多い。本明細書に示した温度は実質的に最終成品
となりかつ最終成品の材料特性に大きな影響を及ぼす部
分の温度である。スラブのコーナーなどの特殊な部分の
温度は除外される。大略スラブの幅および長さの中央部
の表面あるいは板厚中心温度で代表されると考えてよい
すでに述べたように、いずれの場合にあっても熱間圧延
の終了温度は800℃以上にする必要かある。
このようにして得られた熱延鋼板は、次いで、慣用の脱
スケール、冷間圧延、そして再結晶焼鈍、例えば連続焼
鈍による再結晶焼鈍が行われる。
なお、冷間圧延は圧下率50〜90%がよい。再結晶焼
鈍は箱焼鈍でも連続焼鈍でも溶融Zr+めっき処理に先
行する連続熱処理により行ってもよい。この再結晶焼鈍
は冷間圧延組織を再結晶させ深絞り性を同上させるのが
目的である。このための焼鈍温度は600〜900℃が
好ましい。
次いで、再結晶焼鈍済み鋼板は、特に制限はないが、必
要に応じて2%以下程度の圧下率の調質圧延をして出荷
される。
このようにして本発明により得られた冷延鋼板は、伸び
49%以上、r値2.0以上というすぐれた超深絞り性
を有するとともに焼付硬化量も3〜6kgf/mm”と
なり、しかもそれらが安傷して得られるなど、すぐれた
特性を有するものである。
次に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する
が、これはあくまでも本発明の例示であり、これにより
本発明が限定されるものではない。
実施例1 第1表に示す成分に調整された鋼Aをスラブとなした後
、該スラブを800℃以下にしないようにして1000
〜1300℃に1時間保持し熱間圧延を開始し、仕上温
度約910℃で3.211N厚まで熱間圧延し、550
℃で巻取った。これを方法■とする。
第1表 一方、スラブを一旦500 ℃に冷却し次いで加熱し種
々の温度に1時間保持後同樺の熱間圧延と巻取りを行っ
た。これを方法■とする。
これら熱間圧延板を酸洗により脱スケールした後、0.
8 mm厚にまで冷間圧延し、次いで820℃16se
cの連続焼鈍を行った。次いで圧下率0.2%の調質圧
延後焼付硬化性を測定した。すなわち、焼付硬化性は、
JrSS号引張試験片を採取後、2%の予歪を加え、次
いで170℃l2O分の熱処理をして再引張を行いその
時の降伏応力の上昇量を焼付硬化量とした。
これらの結果を第1図にグラフにまとめて示す。
方法■の結果を・で、方法■の結果をOで示す。
その結果、方法■では1130℃以上の加熱により3 
kgf/mm”以上の焼付硬化性が安定して得られてい
るのに対し、方法■ではすべてのスラブ加熱温度で安定
した焼付硬化性が得られている。
なお、この他にスラブを鋳造後そのまま直ちに1100
〜900℃で熱間圧延した場合(方法■とする)には同
一処理後3.9kgf/am”の焼付硬化量が得られて
いた。
本発明によるスラブの熱履歴を経た材料は熱間圧延、冷
間圧延、再結晶焼鈍後、所望の焼付硬化量を安定して得
られることが明らかである。
実施例2 第1表の鋼Aに示す成分をベースとしてN、Mn、S、
Pを変えた鋼を溶製し前述の方法■でかつ1220℃に
スラブを再加熱し同様の方法で冷延鋼板となし焼付硬化
量を測定した。また、3方間の引張試験(JIS S号
試験片)により焼付硬化前のr値を求めた。なお、N量
を変える場合は、Ti −48/14N量が一定になる
ようにTi量も同時に変更した。その結果を第2図に示
す。
この結果、本発明の範囲外の成分でも高い焼付硬化量が
得られることもあるが、 N ≦20 ppm Mn  50.25%(望ましくはMn≦0.15%)
S 20.003% では焼付硬化量が安定して高く、r値も十分高いこと、
またP≦0.008%では必要な焼付硬化量は保持しつ
フ、r値は著しく高いことがわかる。
実施例3 第2表に示す成分の鋼を種々のスラブ保持条件下で85
0℃以上で熱間圧延し3.211!1厚とし酸洗後、0
.8 mm厚まで冷間圧延し次いで800℃、8 se
cの連続焼鈍を行い、さらに1.2%の調質圧延を行っ
た。焼付硬化量の測定は実施例1と同じである。
引張試験はJISS号試験片にてり、C,T、3方向に
引張って求めた。
結果を第2表に併せて示す。
(以下余白) 本発明による鋼板はr値が2.2以上と高く焼付硬化量
も3〜6 kgf/ms+”の範囲内に入っていること
がわかる。これに対して 比較例13はC量が多すぎr値が低い上に焼付硬化量が
高すぎる。
比較例14はMn量が多すぎr値が低い上に焼付硬化量
が不足している。
比較例15はP量が多すきで値が低く、伸びも低い。
比較例16はS量が少なすぎ焼付硬化量が不足している
比較例17はN量が多すぎ焼付硬化量が不足している。
比較例18はC量が少なすぎ焼付硬化量が不足している
比較例19はTi量が多すぎ焼付硬化量が不足している
比較例20はTi−48/14Nが負のためr値が低く
焼付硬化量が高すぎる。
比較例21はTi−48/14N−48/32Sが正の
ため焼付硬化量が低すぎる。
比較例22はNb量が多すぎて焼付硬化量が不足してい
る上にr値と伸びが低い。
比較例23もNb量およびB量が多すぎて焼付硬化量が
不足している上にr値と伸びが低い。
比較例24は仕上温度を750℃にした以外は発明例1
に同じ場合であるが、r値と伸びが低くなり、趨深絞り
性が得られず、かつBH量はや−低い。
(発明の効果) 以上のように本発明方法によれば著しく良好なプレス成
形性、特に超深絞り性を有しつつ適当な焼付硬化能を有
した鋼板が安定して製造可能となるわけで、自動車その
他制板構造物の強度の確保と軽量化に大きく寄与するも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第2図は、本発明の実施例の結果をまとめ
て示すグラフである。 あ7図 y先イす万丈化量(リシ屍lン と値− 入うフオロ彎づNx)’i−(℃)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で、 C:0.0008〜0.0028%、Mn:0.04〜
    0.25%、P:0.008%以下、S:0.003〜
    0.015%、sol.Al:0.15%以下、N:0
    .0020%以下、Ti:0.003〜0.020% 48/14N<Ti<48/14N+48/32S残部
    Feおよび不可避的不純物 より成る組成を有する鋼を溶製し、連続鋳造スラブとな
    した後、熱間圧延を800℃以上で終了し、その後、冷
    間圧延と再結晶焼鈍を行うことを特徴とする焼付硬化性
    超深絞り用鋼板の製造方法。
  2. (2)重量%で、さらにB:0.0002〜0.001
    5%およびNb:0.001〜0.004%以下の1種
    または2種を含む組成を有する鋼を用いる請求項1記載
    の焼付硬化性超深絞り用鋼板の製造方法。
  3. (3)溶鋼を連続鋳造スラブとなした後 [1]800℃より低温に低下しないようにして800
    〜1300℃にて均熱保持した後熱間圧延を開始するか
    、 [2]800℃より低温に低下したスラブを1130〜
    1300℃に均熱保持した後熱間圧延を開始するか あるいは [3]800℃より低温に低下しないようにして均熱保
    持することなく800℃以上で熱間圧延を開始するか のいずれかを採用し、次いで、熱間圧延を800℃以上
    で終了する請求項1または2記載の焼付硬化性超深絞り
    用鋼板の製造方法。
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