JPH0325453Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は除振台に関し、例えば振動の激しい環
境下において電子天びんや電子はかり等を載置し
て、正確な計量値を得ることのできる除振台に関
する。

(ロ) 従来技術 一般に、電子はかり等においては、その設置面
に振動があると計量値に変動が生じ、正確な計量
値を得ることができない。従つてその設置に当つ
ては、できるだけ振動のない場所を選定する必要
がある。ところが、例えば生コンクリートの製造
プラント等のライン内で用いる場合のように、使
用目的等によつては振動の相当激しい場所に設置
しなければならないこともある。このような場
合、通常、電子はかり等を除振装置上に設置して
その対策としている。従来、上述の如きライン内
等において所定の精度以上の計量値を得る為に
は、床面に対して砂や砂利等によつて縁を断ち、
その上方にコンクリート製若しくは金属製の除振
装置を設置する必要があつた。従つてその据付に
は相当の費用を要するばかりでなく、設置後に容
易に移動させることができないという問題点があ
つた。更に、振動周波数や振巾等によつては、完
全に除振し得ない場合もあり、据付後に実際に使
用してみないとその効果を確めることができない
という問題点もあつた。

(ハ) 目的 本考案の目的は、安価で、しかも容易に移動さ
せることができ、しかも、振動周波数や振巾に応
じてその除振可能領域を簡単に変更することので
きる除振台を提供することにある。

(ニ) 構成 本考案の除振台は、枠体内に、下方から順に砂
層、砂・バラス混合層、バラス層、砂・グラスウ
ール混合層およびグラスウール層を積層配置し、
その最上層の上面に、板状の蓋体を被せたことに
よつて特徴付けられる。

(ホ) 実施例 本考案の実施例を、以下、図面に基づいて説明
する。

第１図は本考案実施例の縦断面図である。

枠体１は鉄板製で、上面が開口した直方体形状
に成形されている。この枠体１内には、下方か
ら、川砂層２、川砂・バラス混合層３、バラス層
４形成され、更に上方に向つて、バラス・グラス
ウール混合層５とグラスウール層６とが交互に形
成されている。最上層のグラスウール層６の上面
には、鉄板製の蓋体７が被せられている。この蓋
体７の上面に電子はかり等が載置される。なお、
蓋体７を被せて電子はかり等を載せるに当り、バ
ラス・グラスウール層５およびグラスウール層６
に水分を含有させておけば、これら各層に均一な
圧縮変形を与えることができる。この水分は、枠
体１の下面適宜箇所に穿たれた排水用孔１ａから
排出されるよう構成されている。

以上の本考案実施例において、使用するバラス
の寸法を20mmとし、川砂層２と川砂・バラス混合
層３との厚さの和を約50mm、バラス層４の厚さを
約100mm、バラス・グラスウール混合層５および
グラスウール層６の厚さをそれぞれ約50mmとし
て、台の平面寸法を600mm×800mmに形成し、その
上に電子はかりを含む計測器（総重量500Kg）を
載せ、振動源の近傍に設置して実験した。設置場
所の床面振動は、周波数50Hz〜1KHz、振巾0.9〜
2.1mmであつたが、蓋体７の上面の振動を計測し
たところ、周波数１Hz以下の振動が振巾0.05mm以
下で存在するのみであつた。載置された電子はか
りで2000ｇの重量を計測すると、最小桁（ｇ）の
変動も生じず、充分正確な計量値を得ることがで
きた。ちなみに、当該はかり台を除いて直接この
床面上に計測器を設置したとき最小２桁が変動し
て読み取ることができなかつた。

本考案は、上述の実施例に限られることなく、
各層の層数および厚さを任意に変更することがで
き、除振すべき振動の周波数および振巾、更に載
置重量に応じて、これらおよびバラス寸法を適宜
に変えることによつて、容易に最適な除振効果を
発揮させ得るものである。また、グラスウールは
ロツクウールでもよく、均等の範囲内で任意のも
のを使用することができる。

更に、上述の実施例では、除振台１基の上に電
子はかり等を１台載せた例を示したが、除振台１
基上に複数の電子はかり等を載せてもよいことは
言うまでもなく、また、第２図および第３図に本
考案の他の実施例の平面図および正面図を示す如
く、本考案になる除振台Ａを例えば４個用いて、
各台上に亘るフレームＢを組み、その上に電子は
かり等Ｃを載せることもできる。なお、以上は電
子はかりを載せてその計量値を安定化させる場合
の例を示したが、上に載せる計器はこれに限られ
ることなく、振動を好まない任意の計器を載せる
ことができるのは言うまでもない。更に、当該除
振台の上にコンプレツサ等の強制振動体を載せた
場合、床面等にその振動が伝達することを防止す
ることもできる。

(ヘ) 効果 以上説明したように、本考案によれば、枠体内
に、下方から順に砂層、砂・バラス混合層、バラ
ス層、砂・グラスウール混合層およびグラスウー
ル層を、所望厚さ、かつ、所望層数だけ重わ合わ
せ、その上面に板状の蓋体を被せて除振効果を得
ているので、その構造が簡単でしかも特殊な材料
を用いることなく、安価に製造することができ
る。また、床面に対して何ら工事を施す必要がな
く、容易に移動させることができる。更にまた、
各層の厚さや層数を、除振すべき振動の周波数や
振巾、および載置重量等に応じて容易に変更でき
るから、最適な除振効果が現れるよう、使用場所
等に適応させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の縦断面図、第２図およ
び第３図はそれぞれ本考案の他の実施例の平面図
および正面図である。 １……枠体、２……川砂層、３……川砂・バラ
ス混合層、４……バラス層、５……バラス・グラ
スウール混合層、６……グラスウール層、７……
蓋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 枠体内に、下方から順に砂層、砂・バラス混合
   層、バラス層、砂・グラスウール混合層およびグ
   ラスウール層を積層配置し、その最上層の上面
   に、板状の蓋体を被せてなる除振台。