JPH0325323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ビデオデイスクやコンパクトデイ
スク等のデイスクをデイスク情報処理装置のター
ンテーブルに位置決保持させるデイスク・クラン
パーに関するものである。

（従来の技術） 従来からデイスク情報処理装置としては、ビデ
オデイスクとコンパクトデイスクとの両方を再生
できる様にしたタイプのものが考えられている。
このデイスク情報処理装置においては、デイスク
をターンテーブル上にクランパーで保持させる際
に、デイスクの中心孔にクランパーの位置決用テ
ーパ部を係合させて、デイスクの中心をターンテ
ーブルの回転中心に合せる様にしている。

しかし、ビデオデイスクとコンパクトデイスク
は中心孔の直径の値が異なるため、一つのクラン
パーではビデオデイスクとコンパクトデイスクと
の両方を一つのターンテーブルで保持させること
が出来ないものであつた。

従つて従来から、ビデオデイスク用のクランパ
ーとコンパクトデイスク用のクランパーを一つの
デイスク情報処理装置に位置切換可能に設けて、
この二つのクランパーを切り換えることにより、
ビデオデイスクとコンパクトデイスクとの一方を
クランプ出来る様にしたものが考えられている。
第４図及び第５図はその例を示したものである。

この第４図、第５図において、回転軸１には取
付ブラケツト２が回動可能に装着され、この取付
ブラケツト２の回動方向両端部にはビデオデイス
ク駆動用のスピンドルモータ３とコンパクトデイ
スク駆動用のスピンドルモータ４が夫々取り付け
られている。そして、スピンドルモータ３，４の
出力軸５，６にはターンテーブル７，８が装着さ
れている。また、ターンテーブル７，８に対して
はクランパー９，１０が進退動可能に設けられて
いる。

この様な構成においては、第４図に示した如く
ターンテーブル７を上方に向けると、ターンテー
ブル７にビデオデイスクを保持させることがで
き、又、第５図の如く、取付ブラケツト２を回動
させてターンテーブル１０を上方に向けると、タ
ーンテーブル１０にコンパクトデイスクを保持さ
せることができる。

（考案が解決しようとする問題点） この様に上述した構成では、二つのクランパー
９，１０を使用するため、これに伴い、クランパ
ー９，１０を回転させる駆動源も二つ必要であつ
た。このため、従来は上述した如く二つのスピン
ドルモータ３，４でクランパー９，１０を回転駆
動するようにしていた。

しかし、この様に二つのスピンドルモータ３，
４でクランパー９，１０を回転駆動させる構成と
した場合には、これらを切り換える機構も必要で
あるため、部品点数が非常に多くなつてしまうと
共に、装置全体が大型化し、また、コストも非常
に高くなり、組立も複雑であつた。

そこで、この考案は、部品点数が少なく、コン
パクトで安価に製作でき、組立が簡単なデイスク
情報処理装置のデイスク・クランパーを提供する
ことを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） この目的を達成するため、この考案は、ターン
テーブルと此れに対して進退動するクランパ本体
との間でデイスクを挟持させる際に、前記クラン
パ本体に設けたテーパ部を前記デイスクの中心孔
に係合させて、前記デイスクの中心位置決めをさ
せる様にしたデイスク情報処理装置のデイスク・
クランパーにおいて、クランパ本体にデイスク位
置決部材を弾性部材を介してクランパ本体の進退
方向に移動可能に設けると共に、少なくとも二段
のテーパ部を前記デイスク位置決部材に設け、デ
イスク位置決部材のいずれかのテーパ部がデイス
クの中心孔と係合するとき、これと同時にクラン
パ本体がターンテーブルとの間でデイスクを挟持
し得る様に、クランパ本体とデイスク位置決部材
との間の間隙を設定した構成としたデイスク情報
処理装置のデイスク・クランパーとしたことを特
徴とするものである。

（作用） この様な構成によれば、ターンテーブル上に中
心孔が小さくデイスクを載せて、クランパ本体を
ターンテーブルに対して進出させると、クランパ
本体の位置決部材に設けた複数のテーパ部の径が
小さいものがデイスクの中心孔に係合して、デイ
スクの中心がターンテーブルの中心に一致させら
れる。また、ターンテーブル上に中心孔が大きい
デイスクを載せて、クランパ本体をターンテーブ
ルに対して進出させると、クランパ本体の位置決
部材に設けた複数のテーパ部の径が大きいものが
デイスクの中心孔に係合して、デイスクの中心が
ターンテーブルの中心に一致させられる。

（実施例） 以下、この考案の実施例を第１図〜第３図に基
づいて説明する。

第１図において、１１はデイスク情報処理装置
の図示しないシヤーシに固定されたスピンドルモ
ータ、１２はスピンドルモータ１１の出力軸であ
るスピンドル、１３はスピンドル１２に固定され
たターンテーブルである。このターンテーブル１
３は、下端部が閉成された筒部１３ａと、この筒
部１３ａの上開放端部外周に突設されたフランジ
１３ｂを有する。そして、ターンテーブル１３は
筒部１３ａの下部の閉成端部１３ｃがスピンドル
１２に固定され、このスピンドル１２の上端部は
筒部１３の上方に若干突出している。

この様なターンテーブル１３の上方にはデイス
ク・クランパー１４が配設されている。このデイ
スク・クランパー１４は、クランパ本体１５と、
デイスク位置決部材１６と、ガイド軸としてのネ
ジ１７と、スプリング１８を備えている。

このクランパ本体１５は、筒部１５ａと、この
筒部１５ａの下端部外周に突設されたデイスク保
持用のフランジ１５ｂと、筒部１５ａの上端部を
閉成する上壁１５ｃと、この上壁１５ｃの上面中
央部に突設された軸部１５ｄと、この軸部１５ｄ
の上端部に突設された抜防止用フランジ１５ｅを
備えている。そして、上述したシヤーシにはクラ
ンパアームが昇降自在に設けられ、このクランパ
アームの自由端部に軸部１５ｄが回転自在に保持
される。これにより、クランパ本体１５はターン
テーブル１３に対して進退自在に設けられてい
る。

上述した上壁１５ｃには上下に貫通するガイド
軸取付用のネジ孔１５ｆが形成されている。この
ネジ孔１５ｆには、デイスク位置決部材１６の移
動範囲を決定するネジ１７の上端部が螺合されて
いる。尚、ネジ１７の上端部は接着剤等でネジ孔
１５ｆに固定されている。図中、１７ａはネジ１
７の頭部である。

デイスク位置決部材１６は、小径軸部１６ａ
と、この小径軸部１６ａの上部に設けられた大径
軸部１６ｂを有すると共に、中央にスピンドル挿
通孔１６ｃを有する。そして、小径軸部１６ａの
外周面にはコンパクトデイスク用の第１のテーパ
部１６ｄが形成され、大径軸部１６ｂの外周面に
はビデオデイスク用の第２のテーパ部１６ｅが形
成されている。この様に第１、第２のテーパ部１
６ｄ，１６ｅは二段に設けられている。また、上
述したガイド用のネジ１７は、大径軸部１６ｂの
段付孔１６ｆに摺動自在に挿通されて、デイスク
位置決部材１６をクランパ本体１５に保持してい
る。これにより、デイスク位置決部材１６はター
ンテーブル１３に対して所定範囲内で進退出来る
ようになつている。このクランパ本体１５とデイ
スク位置決部材１６との間にはスプリング１８が
弾性部材として介装されていて、このスプリング
１８はデイスク位置決部材１６をターンテーブル
１３側にバネ付勢している。これによりデイスク
位置決部材１６はスプリング１８を介してクラン
パ本体１５の進退方向に移動可能に設けられてい
る。

次に、この様な構成のデイスク情報処理装置に
おけるデイスク・クランパーの作用を説明する。

この様な構成によれば、第２図に示した如く、
ターンテーブル１３上に中心孔１９ａが小さいコ
ンパクトデイスク１９を載せて、クランパ本体１
５をターンテーブル１３に対して進出させると、
クランパ本体１５のデイスク位置決部材１６に設
けた第１のテーパ部１６ｄがコンパクトデイスク
１９の中心孔１９ａに係合して、コンパクトデイ
スク１９の中心がターンテーブル１３の中心に一
致させられる。

また、第３図に示した如く、ターンテーブル１
３上に中心孔２０ａが大きいビデオデイスク２０
を載せて、クランパ本体１５をターンテーブル１
３に対して進出させると、クランパ本体１５のデ
イスク位置決部材１６に設けた第２のテーパ部１
６ｅがコンパクトデイスク２０の中心孔２０ａに
係合して、ビデオデイスク２０の中心がターンテ
ーブル１３の中心に一致させられる。そして、第
２図、第３図の場合も、デイスク１９又は２０は
クランパ本体１５とターンテーブル１３との間で
挟持され、この際デイスク位置決部材１６とクラ
ンパ本体１５との間には間隙Ａが形成された状態
となる。従つて、デイスク位置決部材１６はデイ
スク１９又は２０の中心孔１９ａ又は２０ａの角
部にスプリング１８の弱いバネ力のみで係合させ
られることになり、クランパ本体による大きなク
ランプ力は中心孔１９ａ又は２０ａの角部に作用
することはない。

（考案の効果） この考案は、以上説明したように、クランパ本
体にデイスク位置決部材を弾性部材を介してクラ
ンパ本体の進退方向に移動可能に設けると共に、
少なくとも二段のテーパ部を前記デイスク位置決
部材に設け、デイスク位置決部材のいずれかのテ
ーパ部がデイスクの中心孔と係合するとき、これ
と同時にクランパ本体がターンテーブルとの間で
デイスクを挟持し得る様に、クランパ本体とデイ
スク位置決部材との間の間隙を設定した構成とし
たので、部品点数が少なく、コンパクトで安価に
製作でき、組立を簡単に行うことができる。しか
も、デイスクのクランプ力はクランパ本体とター
ンテーブルとの間で生じさせ、デイスク位置決部
材のテーパ部による位置決はスプリングのバネ力
のみで行うようにしているので、スプリングのバ
ネ力を小さく設定することにより、長期の使用に
よつてもデイスク中心孔の角部の摩耗等が大きく
つたりして、中心孔の偏摩耗が生ずる様な事態の
生ずる虞を遥かに少なくできる。しかも、デイス
クは位置決部材のテーパ部とターンテーブルとの
間及びクランパ本体とターンテーブルとの間の２
箇所（主にクランプ力は後者）で挟持されること
になるので、正確な位置決めとデイスクの確実な
クランプとを達成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るデイスク情報処理装置
のデイスク・クランパーの一実施例を示す概略説
明図、第２図及び第３図は第１図に示したデイス
ク情報処理装置のデイスク・クランパーの使用状
態を示す概略説明図、第４図及び第５図は従来の
デイスク・クランパーの概略説明図である。 １３……ターンテーブル、１４……デイスク・
クランパー、１５……クランパ本体、１６……デ
イスク位置決部材、１６ｄ……第１のテーパ部、
１６ｅ……第２のテーパ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ターンテーブルと此れに対して進退動するクラ
   ンパ本体との間でデイスクを挟持させる際に、前
   記クランパ本体に設けたテーパ部を前記デイスク
   の中心孔に係合させて、前記デイスクの中心位置
   決めをさせる様にしたデイスク情報処理装置のデ
   イスク・クランパーにおいて、 前記クランパ本体にデイスク位置決部材を弾性
   部材を介してクランパ本体の進退方向に移動可能
   に設けると共に、少なくとも二段のテーパ部を前
   記デイスク位置決部材に設け、 デイスク位置決部材のいずれかのテーパ部がデ
   イスクの中心孔と係合するとき、これと同時にク
   ランパ本体がターンテーブルとの間でデイスクを
   挟持し得る様に、クランパ本体とデイスク位置決
   部材との間の間隙を設定したことを特徴とするデ
   イスク情報処理装置のデイスク・クランパー。