JPH0325039Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はガス給湯機用の配管ユニツトに関す
る。

（考案の背景及び従来の技術） 一般にガス瞬間式給湯器は給湯配管末端に設け
た給湯器具、例えば水栓の湯側を開くことによ
り、給水配管から供給される水は初めて熱交換器
へ流動し、ここで加熱されそのまま給湯管路、給
湯配管を介して給湯器具の湯側へ流れるようにな
つている。

従つて、湯使用が前回の使用から時間がたつて
いる場合には配管中の水が冷えており、給湯器具
の湯側を開いても湯の立上り時間や、熱交換器を
出た湯が給湯配管を通つて給湯器具まで流動して
くる時間等があり、すぐには湯が出てこないとい
う不便や、湯が出てくるまでの間に給湯器具から
吐出される水が捨てられる等の不都合、不経済が
ある。

また、湯の使用を停止した後、再使用するまで
の時間が短かい場合には、前回の使用停止後熱交
換器の温度が上がり、再使用開始時湯温が急激に
上昇し、最初熱い湯がでる後沸きの問題がある。

そこで、近年給湯配管を給湯器具の近くから分
岐させて、これを給水管路に接続し、給湯器具の
不使用時に配管内の水を熱交換器を通るように循
環させて加熱し、設定温度に保温維持しておき、
給湯器具の湯側を開けば直ちに湯を吐出できるよ
うにした給湯システム（以下保温運転システムと
称す）が開発され提供されるようになつた。

そして、この保温運転システムでは、配管内の
水を循環させるためのポンプや、戻り配管を給水
管路に連絡するための管路等を必要とするため、
これらを本体内に装備した特別な湯沸器を開発し
て使用している。

従つて、この湯沸器は上記保温運転システムを
採用しない従来の一般的な給湯システムに使用す
ることができず、一方従来の一般的な給湯システ
ムに使用されている湯沸器を保温運転システムに
使用するためには現場に多数の部品を持つていて
複雑な配管工事をしなければならない。

そして、湯沸器に取りつけることにより、本来
は一般的な給湯システムに使用する湯沸器を、現
場での複雑な配管工事をせずに保温運転システム
に使用可能とするようなものは従来存在しない。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は斯る現況に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、湯沸器に着脱するだけで
一般的な湯沸器としても、保温運転システム用の
湯沸器としても使用可能にする配管ユニツトを提
供することである。

（課題を達成するための手段） 上記目的を達成するために本考案が講ずる技術
的手段は、湯沸器の下面に着脱可能に取りつける
配管ユニツトを、湯沸器の給湯管路を建物の給湯
配管に連絡する給湯接続管と、湯沸器の給水管路
を建物の給水配管に連絡する中途部に減圧弁を備
えた給水接続管と、上記給水接続管を減圧弁の下
流側において、給湯配管から分岐せしめて建物に
配管した戻り配管に連絡する中途部に水流スイツ
チとポンプを備えたリターン接続管と、湯沸器の
ガス管路を建物のガス配管に連絡するガス接続管
を備える構造とするものである。

（作 用） 而して、本考案の上記構成によれば、この配管
ユニツトを湯沸器の下面に取りつけて必要な部分
を接続しておけば、これを現場の配管に接続する
だけで、従来の一般的な湯沸器を保温運転システ
ム使用することができるし、ユニツトを取り外ず
せば保温運転をしない一般的な給湯システムの湯
沸器として使用することができる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。

配管ユニツトｂは、ケーシング２１内に中途部
に減圧弁６を備えた給水接続管７、給湯接続管
３、中途部に水流スイツチ９とポンプ１０を備
え、一端を減圧弁６の下流側において給水接続管
７に接続したリターン接続管１１、ガス接続管１
４を収容配備して構成する。

上記ケーシング２１は間口寸法及び奥行寸法が
湯沸器ａのそれと略等しい、前面を開口した箱状
に形成すると共にその開口を開口縁２２にネジビ
ス２３等で着脱自在に取着した前板２４で覆う。

また、ケーシング２１は、その上面を湯沸器ａ
の下面に突合させた状態において湯沸器ａの側面
に当接するように取付片２５を、側面部から上方
へ突出せしめて設けると共に湯沸器ａの下面から
突出する給水、給湯接続金具１７，１８とガス接
続金具１９に夫々対応する孔２６を上面に開穿す
る。

上記取付片２５には湯沸器への取付孔２７を設
ける。

一方、この配管ユニツトｂを取りつける湯沸器
ａはガス量により湯温を制御するか若しくはバー
ナー（図示せず）を間歇的に燃焼し、その燃焼の
間隔及び時間で湯温を制御する従来公知の構造、
形態を有し、その底面からは、湯沸器ａ内に配設
した給水管路４及び給湯管路１の自由端に夫々取
着した水抜栓１５，１６を有する給水、給湯接続
金具１７，１８と、ガス管路１２の自由端に取着
したガス接続金具１９が下方へ突出している一般
的な湯沸器である。

また、湯沸器ａは側面下部に配管ユニツト取付
用のネジ孔２０を有している。

而して、上記配管ユニツトｂは、湯沸器ａを保
温運転システムの湯沸器として使用するときに湯
沸器ａの下面に取着する。

この湯沸器ａ下面への取りつけは以下のように
して行なわれる。即ち配管ユニツトｂはケーシン
グ２１上面を湯沸器ａの下面に突合させ、取付孔
２７を湯沸器ａのネジ孔２０と一致せしめてネジ
ビス２８で固定することにより湯沸器ａの下部に
一体的に連結される。

この状態で湯沸器ａの給水、給湯接続金具１
７，１８と、ガス接続金具１９は保温運転用ユニ
ツトｂのケーシング２１内に、ケーシング２１上
面の孔２６を挿通して挿入される。

一方、ケーシング２１内に配設された前記給水
接続管７と給湯接続管３は夫々一端が給水接続金
具１７と給湯接続金具１８に対応し、袋ナツト２
９，３０を介してこれらに接続される。

上記給水接続管１７と給水接続管１８の他端に
は水抜栓３１，３２を有する第２給水接続金具３
３、第２給湯接続金具３４を夫々取着する。

そして、これら第２給水、給湯接続金具３３，
３４はケーシング２１下面に突出する。

またリターン接続管１１は水流スイツチ９の入
口側端部に水抜栓３９を有するリターン接続金具
４０を取着し、ガス接続管１４はユニオン継手３
５を介して一端をガス接続金具１９に接続し、他
端をケーシング２１下面から突出する。

この湯沸器ａへの取り付けは、出荷前の工場段
階で行なつてもよいし、設置現場で行なつてもよ
い。そして、配管ユニツトｂのケーシング２１下
面に突出した第２給水接続金具３３、第２給湯接
続金具３４、ガス接続管１４、ケーシング２１、
リターン接続金具４０に、建物に配管されている
給水配管５、給湯配管２、ガス配管１３、給湯配
管２から分岐した戻り配管８を夫々対応せしめて
接続する。

尚、配管ユニツトｂは工場段階で湯沸器ａに取
着した場合、湯沸器ａを保温運転をしない一般的
な給湯システムの給湯機として使用するときは、
湯沸器ａから取り外ずせばよい。

尚、第１図において３６は水量センサー、３７
は水量バルブ、３８はガスユニツトであり、いず
れもコントローラーに連絡して湯温を制御するた
めに用いられるものである。

また、保温運転用ユニツトの水流スイツチ９は
保温のための循環流の有無を検知し、循環流が無
い場合にはバーナーを保温用の燃焼から給湯用の
燃焼に切換えるためのものである。

（効 果） 本考案は上記の構成であるから以下の利点を有
する。

(1) この配管ユニツトは保温運転システム用に開
発された湯沸器ではない一般的な湯沸器に取着
して、現場の建物配管に接続することにより、
一般的湯沸器を保温運転システムの湯沸器とし
て使用することができるし、取り外ずせば勿論
保温運転を行なわない一般的な給湯システムの
湯沸器としても使用ができる。

従つて、保温運転システム用の湯沸器と保温
運転を行なわない一般的給湯システム用の湯沸
器の２種類をわざわざ用意しなくても１種類の
湯沸器で両方のシステムに対応することができ
ると共に既設の保温運転をしないシステムの給
湯装置を湯沸器と建物配管との間にこの配管ユ
ニツトを介装することにより簡単に保温運転シ
ステムの給湯装置に改造することができる。

(2) 湯沸器の給湯管路を他の給湯配管に連絡する
給湯接続管と、湯沸器の給水管路を建物の給水
配管に連絡する中途部に減圧弁を備えた給水接
続管と、上記給水接続管を減圧弁の下流側にお
いて給湯配管から分岐せしめて建物に配管した
戻り配管に連絡する中途部に水流スイツチとポ
ンプを備えたリターン接続管と、湯沸器のガス
管路を建物のガス配管に連絡するガス接続管等
保温運転に必要な設備機器を備えているので、
これを湯沸器に取りつければ従来の一般的給湯
システム用の給湯機を保温運転システムに転用
する場合のように現場で多くの接続管類や、減
圧弁、ポンプ、水流スイツチ等の器具類を用意
する必要がなく、配管、接続などの工事も簡単
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す配管ユニツト
を湯沸器に取着した状態をその機能部のみを取り
出して示す正面図、第２図は分解状態を示す斜視
図である。 ａ……湯沸器、ｂ……配管ユニツト、１……給
湯管路、２……給湯配管、３……給湯接続管、４
……給水管路、５……給水配管、６……減圧弁、
７……給水接続管、８……戻り配管、９……水流
スイツチ、１０……ポンプ、１１……リターン接
続管、１２……ガス管路、１３……ガス配管、１
４……ガス接続管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス瞬間式湯沸器の下面に着脱可能に取りつけ
   る配管ユニツトであつて、湯沸器の給湯管路を建
   物の給湯配管に連絡する給湯接続管と、湯沸器の
   給水管路を建物の給水配管に連絡する中途部に減
   圧弁を備えた給水接続管と、上記給水接続管を減
   圧弁の下流側において、給湯配管から分岐せしめ
   て建物に配管した戻り配管に連絡する中途部に水
   流スイツチとポンプを備えたリターン接続管と、
   湯沸器のガス管路を建物のガス配管に連絡するガ
   ス接続管を備えることを特徴とするガス給湯機用
   配管ユニツト。