JPH0325005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、フアンにより燃焼用空気を供給する
強制給排気式燃焼装置に関し、特に家庭用燃焼機
の燃焼用空気の整流方法の改良に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

近年、家庭用燃焼機は設置スペースを小さくす
るため製品を小形化する傾向にある。そのため、
フアンを内蔵し燃焼用空気を強制的にバーナ及び
燃焼室へ送り燃焼反応を促進し高負荷燃焼を可能
とし、燃焼室を小形にする方法が一般的に採用さ
れている。

すなわち、従来第３図に示すように、フアン６
から供給される燃焼用空気は、空気室８内を経て
一部は一次空気室１２へ至りノズル７から噴射さ
れる燃料と混合し、一次空気としてバーナ１内へ
送られる。一方残りの燃焼用空気は一次空気の流
れ方向に対して空気室の断面積が漸次減少するよ
うに設けた傾斜板９によつてバーナ１下方の仕切
板１４の多孔あるいはスリツト状開口からなる整
流孔１３を通り二次空気として炎口部２近傍を流
れ燃料と混合した一次空気と共に燃焼室３で燃料
を完全に燃焼させる構造である。

また、実開昭51−89755号公報に示されている
ように、燃料の流れにより一次空気を誘引するバ
ーナ９を燃焼室２内上部に設置するとともに燃焼
排ガスを燃焼室２下部から排出するようにし、さ
らに上記バーナ９の燃焼部を除く外壁面を囲ん
で、燃焼用空気が強制的に供給される空気室３を
形成し、空気室３を細孔４を設けた整流板５によ
り２分させた燃焼装置がある。

さらに、実開昭58−32248号公報に示されてい
るように、横方向から給気する給気フアン４と、
ガスノズル１２に至る一次空気通路１０とガスバ
ーナに至る二次空気通路１１とに仕切る一，二次
空気分割板９とを設けたものにおいて、給気口５
からガスバーナ３に至る二次空気通路１１に上流
側から縦整流板１３を取り付けた下部整流板８
と、上部整流板６とを設けた給気整流装置があ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

第３図に示す従来の空気室８における整流構造
は上記の構成となつているため、フアン６から流
出する空気は空気室８上面の整流孔１３と整流孔
１３との間の仕切板１４に衝突し流れ方向が変化
し、空気室８内を流れるとき空気同志の衝突が発
生し、流れの成分が乱れるとともに、仕切板１４
の整流孔１３からバーナの各炎口部２へ上昇する
空気の流れは、ばらばらの方向に流れてバーナに
対して垂直で一様な二次空気が供給されず、炎口
部２に形成される火炎が長く延びたり、不完全燃
焼したりする等の課題があつた。従来はこの様な
現象を抑制するため、空気室８の高さを大きくと
り空気室８内の流速を遅くし、動圧の影響を防止
する手段が採用されている。しかし、空気室８の
寸法が大きくなり製品を小形化するための障害と
なつていた。

また、実開昭51−89755号公報に示されている
燃焼装置は、単純な細孔を有する整流板であるた
め、バーナの長手方向にわたり均一で垂直な二次
空気流を得ることができず前記同様に課題があ
る。

さらに、実開昭58−32248号公報に示される給
気整流装置は、縦整流板１３，１３の間隔が広く
しかも縦整流板間の下部整流板に複数のパンチ穴
を設けていること、縦整流板の上端と上部整流板
との間に間隙を設けていることにより、縦整流板
及び下部整流板間に乱流が発生するのに伴ない、
上部整流板の空気通路より出る空気の流れ乱流と
なり、有効で垂直な上方流を得ることができない
とともに構造が複雑になるという課題がある。

本考案は以上の従来技術による空気室内の空気
流れに着目して、空気室を小形としながら二次空
気を適量で垂直で且つ均一に整流する構造の強制
給排気式燃焼装置を提供することを目的としたも
のである。

〔課題を解決するための手段〕

前記の目的を達成するための本考案の構成を実
施例に対応する第１図及び第２図を用いて説明す
ると、本考案は、フアン６、バーナ１、燃焼室
３、熱交換器４等を備え、バーナ１下部を複数の
整流孔１３を有する仕切板１４で仕切り、フアン
６よりの空気を一次空気及び二次空気として送風
する空気室８を設け、空気室８の仕切板１４の整
流孔１３下方に一次空気の流れ方向に対し空気室
８の断面積が漸次減少するよう傾斜板９を設けた
強制給排気式燃焼装置１５において、空気室８側
の各々の整流孔１３に下方に向う遮蔽壁１０ａ及
び整流壁１０ｂからなる断面略Ｌ字状の整流板１
０を遮蔽壁１０ａ先端部が一次空気の流れ方向に
向くようにして設けた技術手段を講じている。

〔作 用〕

そして、本考案は前記の手段により、フアン６
から供給される燃焼用空気は空気室８内を傾斜板
９に沿つて一次空気室１２方向へ流れる。そして
一方の一次空気はノズル７から噴射される燃焼ガ
スと混合してバーナ１に流入し炎口部２において
一次火炎を形成する。他方二次空気は傾斜板９上
方の複数の整流板１０からなる二次空気通路１１
を上昇しバーナ１の炎口部２近傍へ流れる。即
ち、二次空気は空気室８面積を除々に減少させ二
次空気路１１，１１…に対する圧力分布を均一に
させる傾斜板９と下方からの二次空気の流量を圧
力分布との比において適量に制限し且つ流入二次
空気を入口において略垂直流に調整を行なう遮蔽
壁と、遮蔽壁より導入した二次空気の流れをさら
に整流して整流孔へ流出させる整流壁とによつ
て、整流口より流出した二次空気は適量で垂直且
つ均一で乱れのない流れとなり炎口２近傍へ到達
し二次空気として供され二次火炎を形成する。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１図及び第２図に基づき以
下説明する。

１５は、燃焼室３上部に熱交換器４、排気口５
等を設け、燃焼室３下部にガス噴出ノズル７に対
向して複数の炎口部２を有するバーナ１を設ける
とともにバーナ１下方に空気室８を設け、空気室
８のノズル７と反対側にフアン６を接続させた強
制給排気式燃焼装置である。１４は、バーナ１下
方に設けられた複数の整流孔１３を有する仕切板
であり、整流孔１３の裏面には遮蔽壁１０ａ、整
流壁１０ｂよりなる断面略Ｌ字状の整流板１０
が、遮蔽壁１０ｂ先端部を一次空気流れ方向即
ち、ノズル７方向に向けて取付けられており、整
流板１０，１０間には二次空気通路１１，１１…
が形成されている。尚、整流孔を有する仕切板
は、丸、四角等の孔を複数設けた多孔板であつて
もよく、またスリツト開口を複数設けた板状体で
あつてもよい。

９は、仕切板１４下方の空気室８をフアン６側
から一次空気の流れ方向に対して空気室の横断面
積が漸次減少するように上り傾斜をもたせて取付
けた傾斜板であり、傾斜板９の先端部と仕切板１
４との間には一次空気がノズル７方向へ流出する
間隙が形成されている。

〔効 果〕

本考案は、フアン、バーナ、燃焼室、熱交換器
等を備え、バーナ下部を複数の整流孔を有する仕
切板で仕切り、フアンよりの空気を一次空気及び
二次空気として送風する空気室を設け空気室の仕
切板下方に傾斜板を設けた強制給排気式燃焼装置
において、空気室側の各々の整流孔に下方に向う
遮蔽壁及び整流壁からなる断面略Ｌ字状の整流板
を遮蔽板先端部が一次空気の流れ方向に向うよう
にして設けた構成としたので、バーナの各炎口部
へ適量で垂直且つ均一で乱れのない二次空気を供
給することが可能になり、炎口部で形成される火
炎を短くし且つ良好な燃焼を達成することができ
るとともに、燃焼室も空気室と共に従来よりさら
に小形にすることができ燃焼器全体の小形化が図
れる効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す略断面図、第２
図は第１図の部分断面図、第３図は従来の実施例
を示す略断面図である。 符号の説明、１……バーナ、２……炎口部、３
……燃焼室、４……熱交換器、５……排気口、６
……フアン、７……ノズル、８……空気室、９…
…傾斜板、１０……整流板、１０ａ……遮蔽壁、
１０ｂ……整流壁、１１……二次空気通路、１２
……一次空気室、１３……整流孔、１４……仕切
板、１５……強制給排気式燃焼装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ フアン、バーナ、燃焼室、熱交換器等を備
   え、バーナ下部を複数の整流孔を有する仕切板
   で仕切り、フアンよりの空気を一次空気及び二
   次空気として送風する空気室を設け空気室の仕
   切板下方に傾斜板を設けた強制給排気式燃焼装
   置において、空気室側の各々の整流孔に下方に
   向う遮蔽壁及び整流壁からなる断面略Ｌ字状の
   整流板を遮蔽壁先端部が一次空気の流れ方向に
   向くようにして設けたことを特徴とする強制給
   排気式燃焼装置。 ２ 傾斜板が、仕切板整流孔下方の一次空気の流
   れ方向に対し空気室の断面積が漸次減少するよ
   う設けられたものであることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の強制給排気式
   燃焼装置。 ３ 複数の整流孔を有する仕切板が、多孔板ある
   いは複数のスリツト状開口を設けた仕切板であ
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の強制給排気式燃焼装置。