JPH03245844A - 流動床用触媒およびその調製方法 - Google Patents

流動床用触媒およびその調製方法

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JPH03245844A
JPH03245844A JP2039824A JP3982490A JPH03245844A JP H03245844 A JPH03245844 A JP H03245844A JP 2039824 A JP2039824 A JP 2039824A JP 3982490 A JP3982490 A JP 3982490A JP H03245844 A JPH03245844 A JP H03245844A
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JP
Japan
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catalyst
antimony
carrier
fluidized bed
palladium
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Application number
JP2039824A
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English (en)
Inventor
Hideetsu Fujiwara
秀悦 藤原
Soichi Yoshida
宗一 吉田
Toshiya Ikumitsu
生三 俊哉
Masamitsu Morofuji
諸藤 正光
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JSR Corp
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 太発胡は、共役ジエンとを機カルボン酸および酸素とか
ら不飽和ジエステルを製造するために使用される流動床
用触媒およびその調製方法に関するものであり、さらに
詳しくは、共役ジエンと有機カルボン酸および酸素を含
む混合ガスを流通させ、流動床反応方式によって不飽和
ジエステルを製造するた約に使用される、パラジウム、
アンチモンおよびバナジウムを必須成分とする流動床用
触媒およびその調製方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、パラジウム、アンチモンおよびバナジウムを必須
成分として含む触媒は、共役ジエンを有機カルボン酸お
よび分子状酸素により酸化的カルボキシル化して不飽和
ジエステルを合成する反応において顕著な触媒作用を有
するものとして知られている(特公昭53−15488
号公報)。また上記の金属成分に加え、さらにアルカリ
金属のカルボン酸塩、またはアルカリ金属のカルボン酸
塩とアルカリ金属のハロゲン化物との両者を助触媒とし
て含む触媒は一層高い触媒活住を有するものとして知ら
れている(同上および特公昭53−15490号公報)
この触媒を調製するた約には、パラジウム化合物並びに
アンチモン化合物およびバナジウム化合物を適当な共通
の溶媒に溶解させ、この溶液を担体に含浸させた後、担
体から溶媒を蒸発させて上記各金R源物質を担体に付着
させ、その後これを水素ガス若しくは還元力のある有機
化合物の気流中において、またはヒドラジン若しくはホ
ルマリンなどの公知の還元剤を用いて還元処理すること
により、パラジウム、アンチモンおよびバナジウムを金
属または酸化物として担体上に析出させて固定する方法
が用いられている。
例えば、特公昭53−15488号公報の実施例におい
ては、三塩化アンチモンを塩化パラジウムおよびメタバ
ナジン酸アンモニウムと共に濃度10%の希塩酸に溶解
させて含浸液を調製し、これをシリカアルミナよりなる
担体に含浸させて乾燥させ、その後水素気流によって加
熱下に還元処理を行う方法が記載されている。
さらに助触媒をも担持させる場合には、その後にアルカ
リ金属のカルボン酸塩を単独で、またはアルカリ金属の
カルボン酸塩とアルカリ金属のハロゲン化物の両者を担
持させる処理がなされる。
而して、これらの触媒は、上記各公報に記載された実施
の態様に見られるように、いずれも固定床反応方式に使
用されている。例えば特公昭53−1549[1号公報
の実施例においては、無水塩化パラジウム、三塩化アン
チモンおよびメタバナジン酸アンモニウムの所定量を1
0重量%の希塩酸に溶解させ、この溶液を、予め120
0℃で3時間焼成処理された球状のシリカアルミナ(粒
径4〜5mm、ンリカ含量10重量%)よりなる担体に
加えて含浸させ、これを乾燥した後、水素気流によって
還元処理し、続いて助触媒である酢酸カリウムと塩化セ
シウムの所定量を担持させて乾燥することによって触媒
を調製し、この触媒を内径38開のステンレス製反応管
内に充填し、この反応管に、ブタジェン、酢酸、窒素お
よび酸素よりなる混合ガスを温度140℃で流通させて
反応させ、これにより1.4−ジアセトキシ−2−ブテ
ンを生成物として得ている。
すなわち、この触媒は、担体として粒径4〜6mmの球
状のシリカアルミナを用いてなるものであり、固定床用
触媒としてを用なものということができる。
こ発明が解決しようとする問題点〕 触媒を用いる反応方式は、一般に、固定床反応方式、移
動床反応方式および流動床反応方式に大別され、いずれ
の反応方式も固有の特徴を有し、長所と共に短所をも有
する。そして、これらのうち、流動床反応方式は、触媒
層内の温度分布を均一にすることが容易であり、触媒の
内部拡散抵抗の影響を減少し得るなどの利点を有し、こ
の点において、酸化反応により発生する反応熱の除去が
必要な当該不飽和ジエステルの合成反応に有利な反応方
式である。
上記各公報に開示されている触媒は、勿論流動床反応方
式による場合においても有効であるが、実際の工業的な
流動床反応方式には決して有利なものではない。
すなわち、工業的な流動床反応方式に用いられる触媒は
、下記(1)および(2)の条件を満足することが不可
欠である。
〔1〕触媒粒子の耐摩耗性が十分に高いこと。
(2)反応条件下において、触媒粒子の流動性が良好で
あること。
触媒粒子の耐摩耗性が高いとは、触媒粒子同士あるいは
触媒粒子と反応器壁との衝突や摩擦または高速気流の影
響などによって触媒粒子が割れたり欠けたりすることが
なく、当該触媒粒子の粒径の減少速度が小さいこと、換
言すれば触媒粒子が破壊されにくいことを意味する。触
媒粒子が破壊され、その粒径が減少して行くと、当該触
媒の流動性が変化するのみならず、遂には反応ガス流に
よって触媒の微粒子が反応器外へ運び去られてしまうこ
ととなる。
このような流出する微粒子は、サイクロンやフィルター
などの手段によって捕集することも可能ではあるが、一
定の粒径以下のものは捕集することができず、散逸する
結果となる。しかも、触媒粒子の散逸は触媒成分がパラ
ジウムなどの高価なものであるときは、きわtて大きい
経済的損失を招く。
従って、工業的な流動床反応方式においては、触媒粒子
の耐摩耗性が高いことは必要不可欠な条件であり、触媒
粒子は耐摩耗性の高いものである程好ましい。
また、反応条件下において、触媒粒子の流動性が良好で
あることも、工業的な流動床反応方式を実施するたtに
不可欠な条件である。すなわち、もし触媒の流動状態に
偏りが生じたり、触媒内に大きな気泡が生じたりするよ
うな流動状態になった場合には、単に高い反応効率を得
ることが困難となるのみでなく、長期間にわたって安定
して反応を継続することも困難となる。
しかしながら、上記の条件(1)および〔2)は、互い
に相反する性質を同時に求める結果となる場合が多い。
すなわち、一般に耐摩耗性の高い粒子は固い粒子によっ
て得られるが、触媒粒子のように多孔質物質の場合には
、固い粒子は、通常粒子比重が大きく、空孔率の小さい
粒子を意味することととなる。然るに、粒子比重の大き
い粒子は一般に流動性が低く、そのため良好な流動状態
を得ることが困難であり、また、空孔率の小さい触媒は
、大きな有効面積を得ることができないので、工業的に
著しく不利である。
さらに触媒の担体は、単に触媒活性種を保持するための
基材という機能を有すればそれで足りるものではなく、
それ自体の化学的または電気的な性質並びに表面の性質
が微妙に触媒としての性質に影響を及ぼすものであり、
特に長期間にわたって反応を継続する必要のある工業用
触媒については、担体を適切に選択することはきわめて
重要である。
また、流動床用触媒のための担体として満足すべきもの
が得られた場合においても、当該担体は粉末であるため
に、実際に有用な触媒を有利に調製するた約には、種々
の困難を伴う。
〔問題点を解決するための具体的手段〕本発胡者らは、
以上のような技術的認識の下に不飽和ジエステルを合成
する反応を流動床反応方式によって実施する際に使用可
能な、パラジウム、アンチモンおよびバナジウムを必須
成分とする触媒について鋭意検討を重ねてきた結果、担
体として特定の粉末を用いて調製した触媒は、流動床用
触媒として十分好適に触媒作用を発揮し、不飽和ジエス
テルを合成する反応の工業的実施を可能とするものであ
ることを見出し、本発明はこれによって完成されたもの
である。
本発明の目的は、パラジウム、アンチモンおよびバナジ
ウムを必須成分として含有し、高い活性を有し、工業的
に有利に使用することのできる流動床用触媒を提供する
ことにある。
本発明の他の目的は、そのような流動床用触媒を有利に
調製することのできる方法を提供するにある。
本発明の流動床用触媒は、共役ジエンを有機カルボン酸
および酸素と気相において反応させて不飽和ジエステル
を製造する反応に使用される触媒であって、シリカ粉末
よりなる担体に、パラジウム、アンチモンおよびバナジ
ウムが必須成分として担持されてなることを特徴とする 特に、担体であるシリカ粉末は、 ■細孔容積が0.3〜1.5rn1/g。
■比表面積が20〜400m2/g、 ■平均細孔直径が100〜600人および■平均粒径が
20〜100 wn のものであることが好ましい。
また、本発明の流動床用触媒の調製方法は、ハロゲンを
含有しないアンチモン化合物よりなるアンチモン源物質
の溶液を担体に含浸させる工程を含むことを特徴とする
そして、特にアンチモン源物質として水溶性の有機酸ア
ンチモン錯化合物またはトリアルコキシアンチモンを用
いることが好ましい。
以下、本発明について具体的に説駄する。
CI)流動床用触媒 本発明においては、シリカ粉末よりなる担体を用い、こ
の担体にパラジウム、アンチモンおよびバナジウムを担
持させて、特定の反応のだ給の流動床用触媒を得る。
(1)担体の種類 本発明の流動床用触媒は、シリカ粉末よりなる担体によ
って構成される。シリカは、対象とする反応の原料と反
応せず、しかも十分に高い耐摩耗性を有する。触媒の担
体として通常用いられる多孔質シリカは多くの不純物を
含むものであるが、本発明において担体とされるシリカ
は高純度のものであることが好ましく、シリカとしての
純度が95重量%以上、好ましくは99重量%以上、さ
らに好ましくは99.5重量%以上のものである。これ
らの数値は、吸着されている水を除去した状態における
数値である。なお、シリカに吸着されている水は、例え
ば40Dt:で3時間以上焼成することによってその殆
どを除去することができる。
工業的に使用されている通常の担体としては、アルミナ
、シリカアルミナ、チタニア、マグネシア、シリカマグ
ネシア、ゼオライト、活性炭、珪藻土などを挙げること
ができるが、これらは、以下の理由によっていずれも好
ましいものではない。
すなわち、アルミナ、シリカアルミナ、マグネシアおよ
びシリカマグネシアは、担体を形成する物質それ自体が
、対象反応の原料である有機カルボン酸と反応して時間
の経過と共に変質してしまう。
ゼオライトも本質的にはシリカアルミナであるので、同
様である。また、チタニア、活性炭および珪藻土は、こ
のような問題はないが本質的に脆い材料であるために摩
滅速度が著しく大きく、高い耐摩耗性が得られない点で
良好な流動床用触媒を得ることができない。
(2)担体の条件 本発明において、担体として用いられるシリカ粉末の粒
子は、その細孔容積、比表面積、平均細孔直径および平
均粒径が特定の範囲内にあることが好ましい。
■細孔容積 担体粒子の細孔容積は、摩滅強度および触媒活性の両面
において重要な因子であるが、本発明における担体の粒
子は、その細孔容積が0.3〜1.5−7gの範囲内に
あることが好ましい。細孔容積が1.5mff/gより
大きい場合には触媒粒子の摩滅速度が大きくなって極端
に壊れやすいものとなり、一方0.3d/gより小さい
場合には十分に高い活性を有する触媒を得ることが困難
となる。
■・比表面積 本発明に用し)られる担体粒子は、比表面積が20〜4
00m2/gであることが好ましい。比表面積が400
m’/gを超える担体粒子の場合には、触媒粒子のll
!減速度が大きくなり、一方、20m’/gより小さい
担体粒子による場合には、実際上、有効に使用し得る高
活性の触媒を得ることが困難となる。
■平均細孔直径 担体粒子の平均細孔直径もきわめて重要な要素である。
対象とする反応を高い効率で実行するためには、用いる
担体粒子は平均細孔直径の大きいものが好ましいのであ
るが、平均細孔直径が大きくなるに従って、触媒粒子の
摩滅速度も大きくなることが判明した。本発明における
担体粒子は、平均細孔直径が100〜600人の範囲内
にあるものが好ましい。担体粒子の平均細孔直径が60
0人を超える場合には、触媒粒子の摩滅速度が大きく、
一方、平均細孔直径が100人より小さい担体粒子を用
いた場合には、高活性な触媒を調製することが困難であ
る。
■平均粒径 本発明において担体とされるシリカ粉末の粒子よ、平均
粒径が20〜100ILO+の範囲内にあることが好ま
しい。流動床用触媒において、担体粒子の平均粒径の大
きさはきわめて重要な因子であるが、本発明においては
、上記の範囲内の平均粒径ををするシリカ粉末を担体と
して用いることにより、流動床反応において良好な流動
状態を実現することができる。
平均粒径が100贋を超えるシリカ粉末を用いた場合に
は、流動層内に大きな気泡が発生しやすくて接触すべき
気相と面相の接触効率が著しく低下するため、反応効率
の低下を招く結果となる。
方、平均粒径が20卿より小さいシリカ粉末による場合
には、安定した流動状態を維持することが困難となり、
結局、定常的に反応させることが困難となる。
(3)触媒成分の濃度 ■必須成分 本発明の流動床用触媒は、上記の担体に、パラジウム、
アンチモンおよびバナジウムが担持されたものである。
担体におけるパラジウムの濃度(よ、広い範囲で変化さ
せることが可能である。通常は担体に対して金属パラジ
ウムに換算して0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
しかし、この範囲から外れた濃度であっても、その触媒
作用が失われるものではない。
最終的に得られる触媒において、パラジウムに対するア
ンチモンおよびバナジウムの比率は、通常パラジウム1
グラム原子に対していずれも0.01〜20グラム原子
とするのが好ましく、特に好ましくは0.1〜lOダラ
ム原子の範囲である。
また、バナジウムとアンチモンとの比率は特に制限され
ないが、バナジウム1グラム原子に対してアンチモンが
0.1〜10グラム原子の範囲内であることが好ましい
■助触媒成分 本発明においては、上記の必須成分に加えて、さらに助
触媒を担持させることができ、この場合に得られる触媒
は一層高い活性を有するものとなる。この助触媒とされ
る成分は、アルカリ金属のカルボン酸塩、またはアルカ
リ金属のカルボン酸塩とアルカリ金属のハロゲン化物と
の組合せである。
アルカリ金属のカルボン酸塩としては、リチウム、ナト
リウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのカルボ
ン酸塩を挙げることができ、またアルカリ金属のハロゲ
ン化物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ル
ビジウム、セシウムなどのフッ化物、塩化物、臭化物、
沃化物などを挙げることができる。
アルカリ金属のカルボン酸塩およびアルカリ金属のハロ
ゲン化物は、それぞれ2種以上が担持されたものであっ
てもよい。
これらのアルカリ金属のカルボン酸塩およびアルカリ金
属のハロゲン化物の担体に担持させるべき量は特に限定
されるものではないが、いずれも担体1gに対して0.
01〜40mmolの割合とされることが好ましい。
〔■〕流動床用触媒の調製方法 以上のように、シリカ粉末よりなる担体にパラジウム、
アンチモンおよびバナジウムが担持されてなる本発明の
流動床用触媒は、粉末状のものであるため、固定床用の
大粒径の触媒の場合と異なり、その調製には種々の困難
が伴う。しかも、担体がシリカであることにより、特別
な考慮が必要となる。
通常、金属成分を含有する触媒を調製する場合には、当
該金属化合物の硝酸水溶液が好適に用いられるが、アン
チモンは硝酸水溶液を形成しないため、アンチモンを必
須成分として含有する触媒を調製する場合には、一般に
アンチモン源物質として塩化アンチモン、特に入手の容
易な三塩化アンチモンが多く用いられており、例えば、
既述の特公昭53−15488号公報の実施例において
も、三塩化アンチモンが用いられている。
しかしながら、周知のようにハロゲン化アンチモンはい
ずれも沸点が低(て昇華性を有する化合物であり、三塩
化アンチモンは沸点が220〜223℃、100℃にお
ける蒸気圧が15〜25mmHg、150℃における蒸
気圧が100〜120 mmHgの化合物である。二の
だt1アンチモン源物質として用いられたハロゲン化ア
ンチモンが、触媒の調製の過程において蒸発、飛散する
ようなり、結局、担体に所期の量のアンチモンを担持さ
せることができない、という問題がある。特に、担体が
粉末状である場合には、担体粒子におけるアンチモンの
担持量の分布に不均一が生じやすく、また調製過程で昇
華した三塩化アンチモンが粒子上で再凝縮するために触
媒粒子が相互に固結されて大きな塊となってしまう、と
いう重大な欠点を有している。
以上のような問題を回避するためには、塩化アンチモン
を担体に担持させた後、アルカリによって中和させ、塩
化アンチモンを酸化アンチモンに分解する方法が有効で
ある。
しかしながら、この方法は、本発明の流動床用触媒の調
製には適用することができない。すなわち、本発明にお
いては、比較的高純度のシリカ粉末が担体とされるとこ
ろ、このシリカがアルカリに溶解され、この溶解したシ
リカが触媒活性点を覆うようになり、その結果、得られ
る触媒は活性の低いものとなり、極端な場合には触媒と
して全く無効なものとなる。
アルカリの代わりに、中性の中和剤である炭酸塩、例え
ば重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウムなどを用いて
中和することも可能であるが、良好な結果が得られず、
高活性の触媒を得ることはできない。
以上のように、シリカ粉末よりなる担体にアンチモンが
担持されてなる流動床用触媒の調製においては、通常は
好ましい塩化アンチモンをアンチモン源物質として用い
ることが困難であり、しかも触媒材料をアルカリ処理す
ることができず、また酸性物質を中和することができな
い、などのきわめて重大な制約を受ける。
然るに、本発駅によれば、これらの制約にもかかわらず
、活性の高い流動床用触媒を高い再現性で調製すること
のできる方法が提供される。
(1)アンチモンの担持 ■アンチモン源物質 本発明の方法においては、アンチモン源物質として、ハ
ロゲンを含有しないアンチモン化合物を用いる。工業的
に使用可能なアンチモン化合物の種類は元々少ないが、
ハロゲンを含有せず、かつ目的とする触媒のm製に好適
に使用することのできるアンチモン化合物の種類は、溶
媒に溶解して均一な溶液を形成することが条件とされる
ことも加わるため、きわめて少ない。
本発明において用いるアンチモン源物質は具体的には、
酒石酸、蓚酸、グリコール酸などの有機酸またはこれら
の塩とアンチモンとの錯化合物、並びにトリアルコキシ
アンチモンを挙げることができる。しかしながら、ピロ
アンチモン酸カリウム(KH2Sb、O,・6H20)
、三アンチモン酸カリウム(K、0・3sbios)な
どは、水に溶解して均一な溶液を形成するものであるが
、当該溶液が強いアルカリ性であるために、本発明にお
いては用いることができない。
有機酸とアンチモンとの錯化合物は、例えば難溶性の二
酸化アンチモンに酒石酸、蓚酸、グリコール酸などを加
えることによって得られる水溶性の錯体である。これら
の有機酸の塩とアンチモンとの錯化合物とは、例えば酒
石酸アンチモニルカリウムなどであり、三酸化アンチモ
ンに酒石(酒石酸水素カリウム)を加えて水溶液とした
ものもこれと同等である。
トリアルコキンアンチモンの具体例は、トリメトキシア
ンチモン、トリエトキシアンチモン、トリプロポキシア
ンチモン、トリブトキシアンチモンなどであり、これら
はいずれもアルコーノペケトン、エステノベエーテル、
炭化水素、ハロゲン化炭化水素、その他の通常の有機溶
媒に均一に溶解する。
■アンチモン源物質の担持処理 これらのアンチモン源物質を溶媒に均一に溶解させ、こ
の溶液を担体に含浸させ、溶媒を蒸発させることにより
除去し、その後焼成処理する方法により、アンチモン源
物質を、通常は酸化アンチモンの形で担持させる。
このアンチモン源物質を担持させるための溶液に、後述
するパラジウム源物質およびバナジウム源物質を共に溶
解させ、これを用いることによってパラジウム源物質お
よびバナジウム源物質をアンチモン源物質と同時に担持
させることも可能である。
アンチモン源物質としてトリアルコキシアンチモンを使
用する場合には、その溶液を担体に含浸させて溶媒を蒸
発させた後、再び水を含浸させることにより、あるいは
水蒸気と接触させることにより、トリアルコキシアンチ
モンを加水分解し、発生するアルコールを除去すること
により、アンチモンを酸化アンチモンまたはアンチモン
酸として担持させることも可能である。
アンチモン源物質が担持された触媒材料は、必要に応じ
て焼成処理に付することができる。
(4)パラジウム源物質およびバナジウム源物質の担持
〉 ■パラジウム源物質およびバナジウム源物質本発肋にお
いて、パラジウム源物質およびバナジウム源物質は、特
に限定されるものではない。
パラジウム源物質の具体例としては、例えば塩化パラジ
ウムなどのハロゲン化物、酢酸パラジウムなどの有機酸
塩、硝酸パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パラジウム
、テトラアンミンパラジウム酢酸塩などのアンミン錯体
、パラジウムアセチルアセトネートなどの有機錯体、そ
の他を挙げることができる。
バナジウム源物質の具体例としては、例えば塩化バナジ
ウム、臭化バナジウムなどのハロゲン化物、塩化バナジ
ノペ臭化バナジルなどのオキシハロゲン化物、メタバナ
ジン酸アンモニウム、硫化バナシノペ酸化バナジウム、
ンユウ酸バナジノペ酸化バナジウムアセチルアセトネー
ト、バナジウムアセチルアセトネートなどの有機錯体、
その他を挙げることができる。
■担持処理 パラジウム源物質ふよびバナジウム源物質を担持させる
方法は特に限定されるものではないが、通常はそれらの
溶液が調製され、この溶液が含浸液として担体に含浸さ
れ、必要に応じて乾燥されることにより、行われる。こ
のパラジウム源物質およびバナジウム源物質の担持は、
既述のようにそれらとアンチモン源物質との王者を溶解
した溶液を用いることによってアンチモン源物質の担持
処理と同時に行ってもよいし、王者の物質の担持処理の
それぞれを単独にに行ってもよいし、あるいは任意の王
者の物質の溶液による担持処理と残る一考の物質の溶液
による担持処理とを行ってもよい。そして、担持処理さ
れる物質の順序も特に限定されるものではない。
しかし、パラジウム源物質またはバナジウム源物質のた
めの溶媒として塩酸水溶液を用いることは避けなければ
ならない。この場合においては、塩化水素のアンチモン
に対するモル比が大きいと塩化アンチモンが生成するた
め、アンチモン源物質として塩化アンチモンを用いたと
きと同様の問題が生ずるからである。
また、溶媒として水を用いる場合には、溶液の性状が強
度のアルカリ性とならないようにすることが重要であり
、当該水溶液のpHが10以下であることが、最終的に
高い活性を有する触媒が得られる点で好ましい。
パラジウム源物質およびバナジウム源物質が担持された
触媒材料は、必要に応じて焼成処理に付することにより
、余分な有機物成分などを除去することができる。この
焼成処理は、不活性ガス中または空気中のいずれで行っ
てもよく、通常200℃以上、好ましくは300℃以上
で好適に実施することができる。
(5)還元処理 以上のようにしてアンチモン源物質、パラジウム源物質
およびバナジウム源物質が担持された触媒材料は、還元
処理に付される。この還元処理は、水素ガス、−酸化炭
素ガスなどの還元性ガスまたはメチルアルコール、エチ
ルアルコールナト(DiR光力のある有機化合物の気流
を用いる気相処理により、あるいはヒドラジン、ホルマ
リンなどの一般的に還元剤として用いられる物質もしく
はそれらの溶液を用いる液相処理により、実施すること
ができる。液相処理による場合には、還元処理が完了し
た後、例えば大気中にて通常の乾燥処理を行って乾燥さ
せることが好ましい。
この還元処理により、アンチモン、パラジウムおよびバ
ナジウムが金属または酸化物として担体上に析出し、従
ってこれらを成分とする、目的とする触媒が得られる。
(6)助触媒の担持 上記のようにして得られる触媒には、さらに既述の助触
媒を担持させることができる。これらの助触媒を担体に
担持させるたtの手段は特に制限されるものではないが
、例えばアルカリ金属のカルボン酸塩またはこれとアル
カリ金属のハロゲン化物の水溶液を担体に含浸させその
後水を蒸発させることにより、容易に担持させることが
できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例についてlするが、本発明がこれ
らに限定されるものではない。
実施例1 担体 この例においては、担体として、平均粒径が52駅、粒
径分布において全体の95重量%の粒子が20〜801
111+の範囲内にあるシリカ粉末(富士デヴイソン社
製)を用いた。
このシリカ粉末について、水銀ポロシメーターを用いて
測定された細孔容積は1.07mj!/ gおよび平均
細孔直径は287人であり、またBET法で測定された
比表面積は158m”/gであった。
必須成分の担持処理 このシリカ粉末の1000 g (約2,5j’)を秤
取し、容量101のロータリーエバポレーターに入れた
一方、三酸化アンチモン(sb20.) 137gと、
メタバナジン酸アンモニウム55.0 gと、酒石酸4
11gとを秤取し、これに純水2.13Kgを加えて撹
拌して全量を溶解させ、この溶液の全部をロータリーエ
バポレーター中に加えて担体に含浸させた。そして、フ
ラスコを回転させなから湯浴で約70℃に加温し、フラ
スコ内をアスピレータ−によって減圧状態として水を蒸
発させた。ここに得られた触媒材料を、乾燥器により1
10℃で17時間乾燥し、その後マツフル炉に入れて大
気下に400℃で3時間焼成処理を行った。
この触媒材料を冷却した後、再びこれを容量101のロ
ータリーエバポレーターに入れ、105.5 gの酢酸
パラジウムを溶解させたアセトン溶液を加え、フラスコ
を60℃に加温してアセトンを蒸発させて酢酸パラジウ
ムを担持させた。これを再び大気下に400℃で3時間
焼成処理した。
ここに得られた触媒材料について、水素気流により20
0℃で2時間、さらに400℃で2時間還元処理を行っ
て粉末状触媒を調製した。これを「触媒A、とする。
助触媒の担持処理 以上のようにして得られた触媒Aを300g採取して、
容!2Aのロータリーエバポレーターに入れた。
一方、酢酸セシウム18gと、塩化セシウム18gとを
純水64(] gに溶解させ、この水溶液を上記ロータ
リーエバポレーターに加えて含浸させ、その後水を蒸発
させて酢酸セシウムおよび塩化セシウムを担持させ、そ
の後乾燥器により120℃で17時間乾燥させ、これに
よって粉末状触媒を調製した。
これを「触媒■Jとする。
助触媒を担持させる以前の触媒Aの300gは約750
m1!の密充填容量を示し、また触媒■の密充填容量も
殆ど同等であった。
反応テスト この触媒Iの500−をメスシリンダーにより密充填状
態で採取して流動床反応装置に入れ、これに、酢酸35
容量%、ブタジェン10容量%、酸素3容量%右よび窒
素52容量%よりなる混合ガスを毎時750 jl!の
流速で流通させ、温度180℃で反応させた。
ここに用いた流動床反応装置は、内径57.2mm、長
さ59cmのステンレス製反応管を有し、反応管の下部
にはガス分散板を有すると共に、反応管の上部にはガス
の線速度を低下させて触媒粒子の上昇を防止する拡大管
部分を有し、さらに触媒粒子の散逸を防止するためのフ
ィルターを具えるものである。また、拡大管部分の上部
には、耐圧ガラスよりなる観察窓が設けられ、この観察
窓により、内部における触媒の流動状態を観察すること
ができる。
反応後のガスは、反応器上部のフィルターを通過させた
後、冷却器によって常温に冷却した。
このようにして得られた液体生成物と気体生成物を、そ
れぞれガスクロマトグラフィーによって分析し、定量を
行った。
この反応によって得られる主生成物は、1.4〜ジアセ
トキシ−2−ブテン、3,4−ジアセトキシ1−ブテン
、1−アセトキン−1,3−ブタジェンおよび二酸化炭
素であり、それぞれブタジェンからの反応選択率は、反
応を開始してから100時間を経過した時点において8
7.4%、6.0%、3.5%および3.1%であり、
1,4−ジアセトキン−2ブテンの空時収量は148.
8g/l−触媒・時間であった。
この反応における14−ジアセトキシ−2−ブテンにつ
いての反応成績として、反応開始後100時間および3
00時間を経過した時点における空時収量およびその反
応選択率を、第1表に示す。
また、反応の期間中、反応器内の触媒の流動状態を継続
的に観察したところ、きわめて良好な流動状態が安定に
維持され、所期の反応を円滑に実行することができた。
実施例2 実施例1におけるものと同様のンリカ粉末1000gを
秤取し、容量10βのロータリーエバポレーターに入れ
た。
一方、トリエトキシアンチモン242gと、バラジウム
アセチルアセトネー) 143gと、酸化バナジウムア
セチルアセトネート125gとを、十分に脱水されたク
ロロホルム2.21に溶解させ、この溶液を上記ロータ
リーエバポレーターに加えて担体に含浸させ、フラスコ
を60℃に加温しながらアスピレータ−で減圧状態とし
てクロロホルムを蒸発させた。ここに得られた触媒材料
をマツフル炉に入れ、大気下に200℃で3時間、さら
に450℃で3時間焼成処理し、続いて水素気流により
200℃で2時間、さらに400℃で2時間還元処理を
行って粉末状触媒を調製した。これを「触媒BJとする
以上のようにして得られた触媒已に対して、実施例1に
おけると同様にして助触媒の担持処理を行い、これによ
って粉末状触媒を調製した。これを「触媒■」とする。
この触媒■を用いたほかは実施例1におけると同様にし
て反応テストを行った。結果を第1表に示す。
この反応においても、反応器内の触媒はきわ於て良好な
流動状態に安定に維持されていた。
実施例3 実施例1の助触媒の担持処理における助触媒成分である
酢酸センラムを酢酸カリウムに変更したこと以外は、実
施例1と同様にして粉末状触媒を調製した。これを「触
媒■」とする。
この触媒■を用いた他は実施例1と同様にして反応テス
トを行った。結果を第1表に示す。
この反応においても、反応器内の触媒はきわめて良好な
流動状態に安定に維持されていた。
第 ■ 表 第1表において「反応成績」は1,4−ジアセトキシ−
2−ブテンについてのものであり、空時収量の単位は(
g/I!−触媒・時間)である(下記第3表および第5
表において同じ)。
耐摩耗性テスト 上記の触媒I〜■について、耐摩耗性の加速テストを実
施した。このテストに用いた装置は、第1図に示すよう
に、上下に伸びる細管部分1の上方に拡大管部分2が接
続され、細管部分1の下端には、直径0.4mmの孔が
3個形成されたガス分散板3が設けられ、このガス分散
板3の孔を介して細管部分1に空気を噴出させる空気供
給管4が接続され、また拡大管部分2の上部には導管5
を介して捕集フィルタ一部6が接続されて構成されたも
のであり、ガス分散板3の孔から噴出する空気の速度は
310m/秒である。
この装置の細管部分1内に、試料粉末を充填して空気を
供給すると、粉末は噴出する空気によって拡大管部分2
中に吹き上げられるが、大部分の粉末は拡大管部分2内
において空気の流速が低下するために落下し、細管部分
1またはその近傍において再び吹き上げられる。然るに
、この過程において粉末粒子同士あるいは粉末粒子が容
器壁と衝突しII擦されることまたは高速気流の影響に
よって破壊され、粒径が小さくなった微粒子は、気流に
より拡大管部分2から搬出され、導管5を介して捕集フ
ィルタ一部6に達し、ここで捕集される。
このような装置の細管部分1に上記触媒I〜■の各50
gを充填して処理し、一定時間が経過した時点において
捕集フィルタ一部6によって捕集された微粒子の重量を
測定した。
また、実際に工業用流動床反応装置に用いられている軽
油の接触分解用触媒rMRZ−220J (触媒化成社
製、700℃で反応に使用したもの)を、比較触媒とし
て同様の耐摩耗性テストに供した。
結果を第2表に示す。第2表において「粒子飛散率」と
は仕込み粒子の重量に対する捕集された微粒子の重量の
割合を百分率で表わしたものである。従って、粒子飛散
率の値が小さいものが耐摩耗性の高い粒子ということが
できる。
第2表の結果から、触媒1〜■は、いずれも十分に高い
耐摩耗性を有し、工業的な使用に十分耐え得るものであ
るとgB<られる。
第 表 比較例1 担体として粉末状酸化チタニウム(堺化学社!りを用い
たこと以外は、実施例1と同様にして粉末状触媒を調製
した。これを「比較用触媒1」とする。
ここに用いた担体粒子は、平均粒径が30.4um、細
孔容積が0.876−/ g、平均細孔直径が346人
であり、比表面積が118m”/gのものであった。
この比較用触媒1を用いて実施例1におけると同様にし
て反応テストを行い、さらに上記と同様にして耐摩耗性
テストを行った。結果を第3表および第4表に示す。
第3表および第4表から理解されるように、この比較用
触媒1は耐摩耗性が著しく低く、工業用触媒として使用
することは不可能である。
比較例2 比較例1におけると同様の粉末状酸化チタニウムを70
0℃で3時間焼成処理した。ここに得られた粉末は、平
均粒径が26.7um、細孔容積が0.548m1/g
、平均細孔直径が464人であり、比表面積が51.2
m”/gのものであった。
この焼成粉末を担体として用いて実施例1と同様に粉末
状触媒を調製した。これを「比較用触媒2」とする。
この比較用触媒2を用いて実施例1におけると同様にし
て反応テストを行い、さらに上記と同様にして耐摩耗性
テストを行った。結果を第3表および第4表に示す。
第3表および第4表から理解されるように、この比較用
触媒2も耐摩耗性が著しく低く、工業用触媒として使用
することは不可能である。
比較例3 アルミナ285重量%を含むシリカアルミナを担体とし
て用いたこと以外は、実施例1と同様にして粉末状触媒
を調製した。これを「比較用触媒3」とする。
ここに用いた担体粒子は、平均粒径が61JIII+、
細孔容積が0.52d/ g 、平均細孔直径が218
人であり、比表面積が116m”/gのものであった。
この比較用触媒3を用いて実施例1におけると同様にし
て反応テストを行い、さらに上記と同様にして耐摩耗性
テストを行った。結果を第3表および第4表に示す。
第3表および第4表から理解されるように、この比較用
触媒3は、工業触媒として十分高い耐摩耗性を有するが
、触媒活性が低く、かつ著しい活性の低下がみられた。
比較例4 純度99.7%のシリカ粉末であって、平均粒径が54
馴、細孔容積が1.02mj!/ g、平均細孔直径が
725人、比表面積が64m’/gのものを担体として
用いたこと以外は、実施例1と同様にして触媒を調製し
た。これを「比較用触媒4」とする。
この比較用触媒4を用いて実施例1におけると同様にし
て反応テストを行い、さらに上記と同様にして耐摩耗性
テストを行った。結果を第3表および第4表に示す。
第3表および第4表から理解されるように、この比較用
触媒4は耐摩耗性が著しく低く、工業用触媒として使用
することは不可能である。
比較例5 純度99.7%のシリカ粉末であって、平均粒径が38
膚、細孔容積が0.19d/g、平均細孔直径が316
人、比表面積が27m”/gのものを担体として用いた
こと以外は、実施例1と同様にして触媒を調製した。こ
れを「比較用触媒5」とする。
この比較用触媒5を用いて実施例1におけると同様にし
て反応テストを行い、さらに上記と同様にして耐摩耗性
テストを行った。結果を第3表および第4表に示す。
第3表および第4表から理解されるように、この比較用
触媒5は、工業触媒として十分高い耐摩耗性ををするが
、触媒活性が低く、かつ著しい活性の低下がみられた。
第 表 第 表 比較例6 実施例1におけるものと同様のシリカ粉末1000gを
秤取し、容量10βのロータリーエバポレーターに入れ
た。
一方、塩化パラジウム83.4gと、三塩化アンチモン
214.5 gと、メタバナジン酸アンモニウム55.
0 gとを濃度10%の塩酸水溶液2.13 fに溶解
させ、この溶液を上記ロータリーエバポレーターに加え
て担体に含浸させた。フラスコを湯浴で90℃に加温し
ながらアスピレータ−で減圧状態として乾燥させた。
ここに得られた触媒材料を乾燥器により110℃で一夜
乾燥させたところ、閂らかに三塩化アンチモンが昇華し
ており、事実、乾燥器の排気口には三塩化アンチモンの
結晶が多く付着しているのが認められた。しかも、乾燥
された触媒材料は、全粉末の2/3程度が固結して塊状
となっており、流動性のある粉末状態にあるものはごく
一部に過ぎなかった。
この触媒材料を破砕して粉末状とし、その400gを採
って平底の蒸発皿に入れ、還元炉内で水素気流により2
00℃で2時間、さらに400℃で2時間還元処理を行
って粉末状触媒を調製した。これを「比較用触媒6」と
する。
この還元処理の工程においては、大量の三塩化アンチモ
ンが飛散し、還元炉の排気口より出るガスを水を入れた
ガラス製トラップに導いたところ、三塩化アンチモンと
水とが反応してオキシ塩化アンモニウムの沈殿の生成が
認められた。
得られた比較用触媒6の1gを精秤して全量を溶解させ
、プラズマ発光分析を用いて各元素の定量を行い、各成
分についての仕込み量に対する担体上の担持量の割合を
求めたところ、パラジウムが99,3%、アンチモンが
24.3%、バナジウムが98.2%であり、アンチモ
ンの大半が失われていることが認められた。
この比較用触媒6の300gを採り、実施例1と同様に
して反応テストを行った。結果を第5表に・示す。
比較例7 比較例6において破砕して粉末とした触媒材料の400
gを採ってビーカーに入れ、これに濃度20重量%の重
炭酸アンモニウム水溶液1,51を加えたところ、大量
の炭酸ガスの気泡が発生して中和が行われた。30分間
放置した後、触媒材料を濾別し、2flの純水を入れた
ビーカー中に入れて十分に撹拌し、その後再び濾別した
。同様の洗浄操作を7回繰り返した後、得られた触媒材
料を乾燥器により110℃で一夜乾燥させたが、この乾
燥工程では、比較例6におけるような三塩化アンチモン
が飛散した形跡は見られなかった。
ここに得られた触媒材料について、比較例6と同様にし
て分析を行い、各成分についての仕込み量に対する担体
上の担持量の割合を求めたところ、パラジウムが98.
2%、アンチモンが79,7%、バナジウムが97.1
%であった。
この触媒材料について比較例6と同様にして還元処理を
行って触媒を調製した。これを「比較用触媒7」とする
この比較用触媒7の300gを採り、実施例1と同様に
して反応テストを行った。結果を第5表に示す。
第 表 〔発明の効果〕 以上のように、本発明によれば、パラジウム、アンチモ
ンおよびバナジウムを必須成分として含有し、共役ジエ
ンと有機カルボン酸および酸素と・により不飽和ジエス
テルを流動床反応方式によって製造する場合において、
きわめて高い活性を有し、また十分に高い耐摩耗性有す
ると共に、反応条件下において優れた流動性を有してお
り、従って実際の工業的実施に良好に適用することので
きる流動床用触媒を提供することができ、また本発明の
方法によれば、このような良好な流動床用触媒を有利に
、かつ高い再現性で調製することができる。そして、本
発明によれば、不飽和ジエステルをきわめて安価に製造
することが可能となるので、本発明の工業的な意義はき
わめて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例における耐摩耗性テストに供
された装置の構成の概略を示す説明図である。 1・・・細管部分    2・・・拡大管部分3・・・
ガス分散板   4・・・空気供給管5・・・導管  
    6・・・捕集フィルタ一部第 図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)共役ジエンを有機カルボン酸および酸素と気相にお
    いて反応させて不飽和ジエステルを製造する反応に使用
    される触媒であって、 シリカ粉末よりなる担体に、パラジウム、アンチモンお
    よびバナジウムが必須成分として担持されてなることを
    特徴とする流動床用触媒。 2)担体であるシリカ粉末は、 (1)細孔容積が0.3〜1.5ml/g、(2)比表
    面積が20〜400m^2/g、(3)平均細孔直径が
    100〜600Åおよび(4)平均粒径が20〜100
    μm のものであることを特徴とする請求項1に記載の流動床
    用触媒。 3)請求項1に記載の流動床用触媒を調製する方法にお
    いて、 ハロゲンを含有しないアンチモン化合物よりなるアンチ
    モン源物質の溶液を担体に含浸させる工程を含むことを
    特徴とする流動床用触媒の調製方法。 4)アンチモン源物質が水溶性の有機酸アンチモン錯化
    合物であることを特徴とする請求項3に記載の流動床用
    触媒の調製方法。 5)アンチモン源物質がトリアルコキシアンチモンであ
    ることを特徴とする請求項3に記載の流動床用触媒の調
    製方法。
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