JPH03243318A - 電磁波シールド成形品およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、電磁波を遮断する電磁波シールド成形品およ
びその製造方法に関する。

［従来の技術］ 従来の技術として、導電性繊維よりなる布を、樹脂成形
品の表面に設けた電磁波シールド成形品が知られている
。

［発明が解決しようとする課題］ 従来の電磁波シールド成形品は、冷熱サイクルを受ける
と、各導電性繊維の接触部分がずれ、導電性繊維間の電
気抵抗が増加する。つまり、従来の電磁波シールド成形
品は、冷熱サイクルを受けると、シールド効果が低下す
る問題点を有していた。

本発明の目的は、冷熱サイクルを受けてもシールド効果
が低下しない電磁波シールド成形品、およびその製造方
法の提供にある。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を遠戚するために、本発明の電磁波シールド
成形品は、各導電性繊維の接触部分が、前記導電性繊維
の融点よりも低い融点のろう材によって接合された布と
、この布を、表面または内部に備えた樹脂とを具備する
技術的手段を採用した。

また、電磁波シールド成形品は、次の各工程の結合より
なる製造方法によって形成される。

導電性繊維よりなる布、および前記導電性繊維より融点
の低いろう材を複数のプレス金型の間に挟んで加圧する
とともに、各導電性繊維の接触部分をろう付けする第１
工程。

この第１工程でろう付け接合された前記布を複数の成形
金型の間に形成されるキャビティ内に配し、このキャビ
ティ内に樹脂材料を供給して電磁波シールド成形品を形
成する第２工程。

なお、第１工程におけるろう材の溶融手段は、複数のプ
レス金型をろう材の融点以上に加熱する方法、布および
ろう材を、ろう材の融点以上に加熱した後に複数のプレ
ス金型で挟む方法、布およびろう材を複数のプレス金型
で挟んだ状態で布に通電し、導電性繊維の接触部分の発
熱によってろう材を溶かす方法など、種々の態様に対応
可能なものである。

また、複数のプレス金型に挟まれる際のろう材の状態は
、導電性繊維の表面にコーティングされた状態、フィル
ム状、網状、布状に設けられて導電性繊維の布に合わせ
られた状態、導電性繊維の布の表面にコーティングした
状態など、種々の態様に対応可能なものである。

［作用］ （電磁波シールド成形品の作用） 電磁波シールド成形品は、冷熱サイクルを受けると、樹
脂および導電性繊維が熱膨脹によって伸縮する。この結
果、電磁波シールド成形品の布に伸縮する力が加えられ
、布を構成する導電性繊維の接触部分にずれを生じさせ
る力が働く。しかるに、各導電性繊維の接触部分は、ろ
う材によって接合されているため、ろう材の接合力が、
ずれを生じさせる力に抗する。

この結果、電磁波シールド成形品は、冷熱サイクルを受
けても、導電性繊維の接触部分にずれが生じ難いため、
導電性繊維間の電気抵抗の増加が抑えられる。

（電磁波シールド成形品の製造方法の作用〉第１工程で
は、導電性繊維よりなる布と、ろう材とを複数のプレス
金型の間に挟んで加圧する。

すると、布がキャビティに沿う形状に形成される。

この状態で、溶融されたろう材が固まると、導電性繊維
の接触部分がろう付け接合される。この結果、布は、プ
レス金型から外されても、固まったろう材によって形が
維持される。

第２工程では、布の配されたキャビティ内に樹脂材料を
供給する。すると、導電性繊維の周囲に樹脂材料が回り
込み、布と樹脂とが一体化した電磁波シールド成形品が
形成される。

［発明の効果］ 電磁波シールド成形品は、上記作用で説明したように、
冷熱サイクルを受けても、各導電性繊維間の電気抵抗の
増加が抑えられるため、長期に亘って優れたシールド効
果を維持できる。

また、上記の製造方法によって得られた電磁波シールド
成形品は、布の一部または全部が樹脂によってモールド
されるため、冷熱サイクルを受けても、布が樹脂より剥
がれ難い。

［実施例］ 次に、本発明の電磁波シールド成形品およびその製造方
法を、図に示す一実施例に基づき説明する。

（電磁波シールド成形品の構成） 第１図に電磁波シールド成形品の断面図を示す。

まず、電磁波シールド成形品１の適用例を簡単に述べる
。を磁波シールド成形品１は、例えば、配電器、点火コ
イル等の自動車用点火装置のカバ、エンジンコントロー
ル、空調装置コントロール、変速機コントロールなどを
行う自動車用制御回路のケース、自動車用空気清浄器の
ハウジング、電話、ファクシミリ等の自動車用通信機器
のハウジングなど、自動車の各電気機器のハウジングや
、内部部品のケース等に使用されるものである。

本実施例に示す電磁波シールド成形品１は、成形材料で
ある樹脂２の内側表面に、導電性の布３を設けたもので
、厚みが約１．５〜５ｍｍはどのものである。

樹脂２は、電磁波シールド成形品１の用途に応じて選択
されるもので、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂
、ポリスチレン樹脂、ＡＢＳ樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリアミド樹脂、ＰＢＴ樹脂、ＰＥＴ樹脂等の熱可
塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂が用いられる。

布３は、銅繊維４（本発明の導電性繊維で、第２図参照
）よりなる不織布をプレスしたもので、各銅繊維４の接
触部分が、第２図に示すように、ろう材５によって接合
されている。またこの布３は、第２図に示すように、電
磁波シールド成形品１の内側表面に樹脂２によってモー
ルドされている。つまり、布３の網目に樹脂２が回り込
んで侵入することによって、布３が樹脂２に固着されて
いる。

なお、布３の厚みは、樹脂２の厚みの１７２以下に設け
られることが望ましい。これは、布３の厚みが電磁波シ
ールド成形品１の厚みの１／３を越えると、重量が重く
なり、樹脂２を用いるメリットが小さくなるためである
。

（電磁波シールド成形品ｌの製造方法〉次に、上記電磁
波シールド成形品１の製造方法の一例を、第３図ないし
第８図を用いて説明する。

電磁波シールド成形品１の製造方法は、主に第１工程と
、第２工程とからなる。

イ）第１工程は、布３およびろう材５を２つのプレス金
型６．７の間に挟んで加圧すると同時に、各銅繊維４の
接触部分のろう付けを行うもので、次に説明する。

○まず、本実施例に使用されるプレス前の布３ａについ
て説明する。

プレス前の布３ａは、銅繊維４によってなるやわらかい
綿状を呈する。この結果、プレス前の布３ａは、少なく
とも５０％以上、好ましくは１００％以上の破断伸びを
有する。なお、破断伸びとは、プレス前の布３ａを引張
った時、布が破断するまでの、布の伸び率をいう。

使用される銅繊維４は、長さが１０〜１００ｍｍ、繊維
の径が４〜３００μｍのものが主に使用される。

この理由は、長さが１０ｍｍより短いものばかりだと、
プレス前の布３ａの破断伸びが低下してしまう。逆に長
さが１００ｍｍを越えるものばかりだと、プレス前の布
３ａが伸び難く、プレスした際に布３に皺が発生してし
まう。また、径が４μｍより細いものばかりだと、強度
が低く破断伸びが低下してしまう。逆に径が３００μｍ
より太いものばがりだと、布３の厚みが厚くなり、成形
特に樹脂２の流れを阻害したり、剛性が増して布３を複
雑な形状に形成し難くなる。

また、ろう材５は、予め銅繊維４の表面にコーティング
されている。この結果、銅繊維４によってやわらかい綿
状とされた状態で、布３ａの全体にろう材５が均一に存
在する。なお、ろう材５の割合は、例えば銅繊維４の径
が５０μｍであるとすると、その銅繊維４の表面に、ろ
う材５が１〜２μｍはどコーティングされている。もち
ろん、ろう材５の割合は、上記の数値に限定されるもの
ではなく、使用用途に応じて変更可能なもので、例えば
布３の結合力を増したい場合などでは、コーテイング量
を増やすことによって、対処できる。

ろう材５は、銅繊維４より融点の低い低融点金属で、Ｐ
ｂ−３ｎ、ＰＰｂ−３ｎ−Ａ、Ｐｂ−３ｎ−Ｃｕ、Ｐｂ
−３ｎ−Ｂｉなと、銅繊維４を接合できる導電性の金属
であれば良い。

○第１工程では、まず、上記の材質よりなるプレス前の
布３ａを、ろう材５の融点（例えば２００℃）よりも、
やや高めの温度（例えば３００℃）に加熱する。この結
果、銅繊維４の表面にコーテイングされたろう材５は、
溶融する。

次に、この加熱されたプレス前の布３ａを、ろう材５の
融点よりも低い温度のプレス金型６．７の間に配する（
第３図参照）。次いで、プレス前の布３ａを、２つのプ
レス金型６．７の間に挟み、加圧する（第４図参照）。

なお、２つのプレス金型６．７の、布３に当接する面に
は、ステンレス層が設けられており、ろう材５によって
、布３とプレス金型６．７とが、固着することが防がれ
ている。この結果、２つのプレス金型６．７によって形
成された布３は、２つのプレス金型６．７がら容易に外
され、トリミング加工機によって、不要な部分が切断さ
れる（第５図参照）。

以上の第１工程によって、電磁波シールド成形品１の、
布３が形成される。

口゛）第２工程は、上記の第１工程で形成された布３を
、２つの成形金型８．９の間のキャビティ１０内に配し
、このキャビティ１０内に樹脂２材料を供給して電磁波
シールド成形品１を形成するもので、次に説明する。

０２つの成形金型８．９の間に形成されるキャビティ１
０は、電磁波シールド成形品１の外形と同一の形状の部
屋を形成する。まず、電磁波シールド成形品１の内側を
成形する一方の成形金型８に、離型剤を塗布した後、ろ
う付接合された布３を装着する（第６図参照）。次いで
、電磁波シールド成形品１の表側を成形する他方の成形
金型９にも離型剤を塗布し、一方の成形金型８に合わせ
る。続いて、他方の成形金型９に設けられた樹脂注入口
■１から、キャビティ１０内に、溶融した樹脂材料を高
圧で注入し、保圧する（第７図参照）。キャビティ１０
内に注入された樹脂２が冷却し、固化した後、２つの成
形金型８．９を離し、成形された電磁波シールド成形品
１を取り出す（第８図参照）。最後に、樹脂注入口１１
によって形成された突起１２や、周囲に形成されたパリ
を取り除き、電磁波シールド成形品１が完成する（第１
図参照）。

（実施例の作動） 次に、電磁波シールド成形品１が、冷熱サイクルを受け
た状態について、簡単に説明する。

電磁波シールド成形品１は、冷熱サイクルを受けると、
樹脂２および銅繊維４が、熱膨脹によって伸縮する。す
ると、電磁波シールド成形品１と一体の布３に、伸縮す
る力が加えられ、布３を槽底する銅繊維４の接触部分に
、ずれを生じさせる力が作用する。

ここで、ろう付が戒されていない従来の布であれば、銅
繊維の接触部分がずれてしまい、銅繊維間の抵抗が増加
し、結果として布によるシールド効果が低下してしまう
。しがるに、本実施例の布３は、銅繊維４の接触部分が
、ろう材５によって接合されているため、ろう材５の接
合力が、ずれを生じさせる力に抗し、銅繊維４間の抵抗
の増加を抑える。つまり、本実施例の電磁波シールド成
形品１は、冷熱サイクルを受けても、銅繊維４間の電気
抵抗の増加が抑えられる。

本実施例の電磁波シールド成形品１と、従来の電磁波シ
ールド成形品（比較例〉との、冷熱サイクルの影響によ
るシールド効果の測定結果を、次の表１に示す。

表１ なお、上記表１の比較例は、布にろう付を施していない
以外、実施例の電磁波シールド成形品１と同じものであ
る。冷熱サイクル試験は、１２０℃に加熱した状態を１
時間保った後、−３０°Ｃに冷却した状態を１時間保つ
サイクルを、１００回繰り返したものである。シールド
効果の測定は、アトパンテスト法を用いた。

（実施例の効果） 本実施例の電磁波シールド成形品１は、次の効果を奏す
る。

従来の銅繊維４の接触部分は、押圧による点接触であっ
たが、本実施例の接触部分は、ろう付が成されるため、
銅繊維４間の接触抵抗が減少する。

この結果、表１にも示したように、電磁波シールド成形
品ｌは、従来のものに比較して、シールド効果が高くな
る。

電磁波シールド成形品１は、冷熱サイクルを受けたり、
あるいは樹脂２が水分を含んで膨らんでも、銅繊維４の
接触部分がろう付によって接合されるため、シールド効
果の劣化が抑えられる６つまり、長期に亘って優れたシ
ールド効果を維持できる。

電磁波シールド成形品１は、布３を構成する銅繊維４が
樹脂２にモールドされるため、冷熱サイクルを受けても
、布３が樹脂２より剥がれ難い。

プレス前の布３ａは、破断伸びが、５０％以上のやわら
かい綿状に設けられたことにより、２つのプレス金型６
．７に挟まれて加圧された際に、切断箇所や皺が発生す
ることなく、複雑な形に形成することができる。

電磁波シールド成形品１は、布３による導電層を備える
ため、導電性繊維を混入させた樹脂によって電磁波シー
ルド成形品を形成したものに比較して、少ない銅繊維４
で、高いシールド効果を得ることかできる。

（変形例〉 樹脂の形成手段として、キャビティ内に樹脂を注入した
射出成形法を用いた例を示したが、圧縮成形法や、トラ
ンスファー成形法など、他の手段を用いても良い。

導電性繊維の一例として銅繊維を示したが、例えばステ
ンレスなどの他の金属繊維、表面に銅などの金属層を有
する有機繊維、炭素繊維など、他の繊維を用いても良い
。

布を不織布とした例を示したが、複雑な形に形成されな
いものであれば、トリコット織など織布を用いても良い
。

布を樹脂にモールドした例を示したが、樹脂と布とを接
着剤等の接着手段を用いて一体化させても良い。

導電性繊維をろう付する手段として、布をろう材の融点
以上に加熱して、複数のプレス金型でプレスした例を示
したが、プレス金型をろう材の融点以上の温度に加熱し
てををプレスするもの、少なくとも表面が絶縁層である
プレス金型で布をプレスした状態で布を通電して導電性
繊維の接触部分の温度をろう材の融点以上の温度に発熱
するなど、他の手段を用いて布のろう付を行っても良い
。

ろう材を導電性繊維の表面にコーティングすることによ
ってろう材をプレス前の布に配したが、他に、ろう材を
フィルム状、網状、布状に設けて導電性繊維の布に合わ
せたり、あるいはろう材を導電性繊維の布の表面に塗布
、蒸着などの手段によってコーティングするなど、他の
手段を用いても良い。

トリミング加工された布を第２工程へ供給した例を示し
たが、樹脂と布とが一体化した後に、トリミングしても
良い。

プレス金型の一部と、成形金型の一部を共通して使用し
ても良い。

布を樹脂の内側表面に設けた例を示したが、表側表面に
設けたり、両面に設けたり、あるいは布を樹脂で挟み、
積層しても良い。

本発明を自動車の各電気機器のハウジングや、内部部品
のケース等に使用される電磁波シールド成形品に適用し
た例を示したが、他の乗り物の電磁波シールド成形品は
もちろん、テレビジョン、オーディオ機器、空調装置な
ど家庭用、工業用電気機器のハウジング、通信機器のハ
ウジング、ワープロ、パソコンなどコンピュータ機器の
ハウジングなど各種電気機器のハウジングや、電気部品
のケースなどに広く適用可能なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は電磁波シールド成形品の断面図、第２図は電磁
波シールド成形品の要部断面図、第３図ないし第８図は
電磁波シールド成形品の製造工程の説明図である。 図中　１・・・電磁波シールド成形品　２・・・樹脂３
・・・布　４・・・銅繊維（導電性繊維〉　５・・・ろ
う材６．７・・・プレス金型　８．９・・・成形金型　
１０・・・キャビティ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）各導電性繊維の接触部分が、前記導電性繊維の融点
   よりも低い融点のろう材によって接合された布と、 この布を、表面または内部に備えた樹脂と を具備する電磁波シールド成形品。 ２）次の各工程の結合からなる、電磁波シールド成形品
   の製造方法。 導電性繊維よりなる布、および前記導電性繊維より融点
   の低いろう材を複数のプレス金型の間に挟んで加圧する
   とともに、各導電性繊維の接触部分をろう付けする第１
   工程。 この第１工程でろう付け接合された前記布を複数の成形
   金型の間に形成されるキャビティ内に配し、このキャビ
   ティ内に樹脂材料を供給して電磁波シールド成形品を形
   成する第２工程。