JPH032423B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、組立完了した車両の調整あるいは検
査を行なうべく構成された車両のテストラインに
関するものである。

（従来技術） 近年、自動車生産工場における省力化へ向つて
の努力には、目ざましいものがあり、特に、車両
組立ラインについては、ほとんどの作業がオンコ
ンベア方式のもとで行なわれており、省力化の極
地に到達しているといつても過言ではない。しか
るに、車両組立ラインを出た車両の調整あるいは
検査を行なうための工程は、例えば、実開昭58−
47151号公報に示されるように、定置式テストで
行なわれているのが現状であり、車両組立ライン
との対比において、あまりにも隔差がありすぎ
る。即ち、これらテスト工程において、定置式を
採用する限り、各種テスト装置の配置等を工夫し
ても、各装置設置場所へ車両を移送する手段を人
手に頼らざるを得ない以上、省力化には限界があ
り、自動車生産工場全体の省力化を企図する上で
解決を要する大きな課題とされている。

（発明の目的） 本発明は、上記課題を解決せんとしてなされた
もので、その目的は、各種のテスト項目をコンベ
アテストライン上で連続的に行ない得るように
し、且つ人手を必要とする調整工程をまとめて配
置して、テストライン全体における省力化を図ら
んとすることにある。

（発明の構成） 本発明は、上記目的達成のため、車両の組立精
度を検査・調整するトーイン兼サイドスリツプテ
ストラインおよびヘツドライトテストラインなど
の人手による作業を要する調整ラインと、該調整
ラインの後段側に配置されるものであつて、組立
や調整の適否を検査判別するサイドスリツプテス
トラインおよびブレーキテストラインなどの人手
による作業を要しない検査ラインとを備えた車両
のテストラインにおいて、前記調整ラインには、
車両の連続的搬送が可能な如く連続的に結合され
たコンベアと、車両の連続搬送中に検査および調
整を行い得る如く前記コンベアと同期して搬送さ
れる検査・調整装置とを付設する一方、前記検査
ラインは、前記コンベアに連続して結合される搬
送用コンベアと、該搬送用コンベアの前段側およ
び搬送用コンベア間に配置され、サイドスリツプ
テストおよびブレーキテストなどを行うべく構成
された各種検査装置とを付設して、テストライン
全体の中における作業効率の向上を図り得るよう
にすることを特徴としている。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例
にかかる車両のテストラインを説明する。

このテストラインは、車両組立ライン１の後尾
に連続配置されるもので、トーイン兼サイドスリ
ツプテストライン２、ヘツドライトテストライン
３、サイドスリツプテストライン４およびブレー
キテストライン５とによつて構成されている。

前記トーイン兼サイドスリツプテストライン２
は、前記車両組立ライン１の後段側に配置された
コンベア６と、該コンベア６に設けられ、車両Ｃ
の前輪７および後輪８を載置する前輪用ローラ１
０，１０および後輪用ローラ１１，１１，１１，
１１（ホイールベースの異なる車両に適合させる
ため４個設けられている）からなるテスター９
と、前記前輪用ローラ１０，１０をチエーン１２
を介して駆動させるモータ１３とからなつてい
る。符号１４はコンベア６を駆動させるモータで
ある。そして、前記前輪用ローラ１０は、第２図
図示の如く、その回転軸１５に対して軸方向移動
可能な如く取付けられており、前輪用ローラ１０
の軸方向移動量をポテンシヨメータ１６で検出し
つつトーイン調整を行ない得るようになつてい
る。即ち、トーイン調整は、車両Ｃをコンベア６
で搬送しつつ実施されるのである。上記した如
く、本実施例においては、前記テスター９が、車
両の連続搬送中に検査および調整を行い得る如く
前記コンベア６と同期して搬送される検査・調整
装置を構成することとなつているのである。符号
１７はチエーン１２と噛合すべく回転軸１５端部
に軸支されたスプロケツトである。

前記ヘツドライトテストライン３は、前記コン
ベア６の後段側に配置され且つ該コンベア６より
早いスピードで駆動されるコンベア１８と、該コ
ンベア１８上方に架設されたレール１９に沿つて
往復走行する台車２０と、該台車２０から昇降自
在に垂設されたスクリーン２１と、前記台車２０
を駆動させるモータ２２と、該モータ２２をコン
ベア１８駆動用のモータ２５と同期運転させるた
めの同期手段２３とによつて構成されている。符
号２４はレール１９を架設するための支柱であ
る。しかして、このヘツドライトテストライン３
においては、コンベア１８上を一定速度で搬送さ
れる車両Ｃの移動速度と同期して移動するスクリ
ーン２１にヘツドライトを照射することにより、
コンベア１８上にてヘツドライトのテスト、例え
ば照射方向の上下・左右の適否検査および調整を
行なうのである。この時、コンベア１８のスピー
ドを前のテスト手段のコンベア６より早くしてい
るので、車両Ｃとスクリーン２１との間隔を充分
確保し得る車両距離をとることができる。上記し
た如く、本実施例においては、前記スクリーン２
１が、車両の連続搬送中に検査および調整を行い
得る如く前記コンベア１８と同期して搬送される
検査・調整装置を構成することとなつているので
ある。

これらトーイン兼サイドスリツプテストライン
２およびヘツドライトテストライン３は、人手に
よる作業、即ち調整作業が必要なテストラインと
されているので、調整ラインＡとして前段側にま
とめて連続配置されている。そして、両テストラ
インを構成するコンベア６，１８は、車両の連続
的搬送が可能な如く連続的に結合されており、そ
の下方には、作業者を収容すべきピツト２６が設
けられている。

前記サイドスリツプテストライン４は、第３図
図示の如く車両の前輪を載せる測定用踏板２７，
２７と、両踏板２７，２７間にあつてこれらを連
結するリンク機構２８と、両踏板２７，２７の左
右動の和を検出するポテンシヨメータ２９とから
なる検査装置からなつており、コンベア１８から
自動送りされる車両の前輪を踏板２７，２７上で
自走させ、踏板２７，２７の左右動の和をサイド
スリツプ量として測定する。なお、ここでは、サ
イドスリツプの有無を検出するだけであり、調整
は行なわれない。

前記ブレーキテストライン５は、回転ローラ３
０，３０上に載せた車輪を自動的に制動させて、
抵抗値を測定する公知の検査装置からなつてお
り、前記サイドスリツプテストライン４の後段側
に配置されている。符号３１および３２は制動時
における車輪の逸脱を防止するストツパーであ
る。

そして、前記サイドスリツプテストライン４と
ブレーキテストライン５との間には、搬送用のコ
ンベア３３が設けられている。符号３４はコンベ
ア３３を駆動させるモータ、３５はテスト終了後
の車両を次工程に移送する搬送用コンベアであ
る。

これらサイドスリツプテストライン４およびブ
レーキテストライン５は、組立や調整の適否を検
査判別するだけで、人手による作業を要しないテ
ストラインとされているので、検査ラインＢとし
て前記調整ラインＡの後段側にまとめて配置され
ている。

上記の如き構成において、本実施例のテストラ
インは、オンコンベア方式のテスト手段で構成さ
れ、しかも、ライン全体としてコンベアで連続的
に結合されることとなるのである。

次に、図示の車両のテストラインの作用を説明
する。

車両組立ライン１から送られてきた車両Ｃは、
トーイン兼サイドスリツプテストライン２におい
て、コンベア６上を搬送されつつトーイン調整を
行なわれた後、ヘツドライトテストライン３にお
いても、コンベア１８上を搬送されつつヘツドラ
イトのテストおよび調整を実施される。次いでサ
イドスリツプテストライン４において、コンベア
１８から自動送りされる車両の前輪のサイドスリ
ツプの有無を検出した後、搬送用のコンベア３３
でブレーキテストライン５に送られて、ブレーキ
テストを実施され、その後搬送用コンベア３５に
て次の工程に搬送される。なお、サイドスリツプ
テストおよびブレーキテストにて不適格とされた
車両は、再調整にまわされる。

（発明の効果） 叙上の如く、本発明によれば、車両の組立精度
を検出・調整するトーイン兼サイドスリツプテス
トラインおよびヘツドライトテストラインなどの
人手による作業を要する調整ラインであつて、車
両の連続的搬送が可能な如く連続的に結合された
コンベアと、車両の連続搬送中に検査および調整
を行い得る如く前記コンベアと同期して搬送され
る検査・調整装置とを備えたものを前段側にまと
めて連続配置するとともに、組立や調整の検査判
別するサイドスリツプテストラインおよびブレー
キテストラインなどの人手による作業を要しない
検査ラインであつて、前記コンベアに連続して結
合される搬送用コンベアと、該搬送用コンベアの
前段側および搬送用コンベア間に配置され、サイ
ドスリツプテストおよびブレーキテストなどを行
うべく構成された各種検査装置とを備えたものを
後段側にまとめて配置して、人手による作業を要
する調整ラインにおける作業者の作業効率を向上
せしめるとともに、人手による作業を要しない検
査ラインにおける作業者の人員削減を図るように
したので、テストライン全体において作業効率の
向上、即ち省力化を図ることができるという優れ
た効果があり、自動車生産工場における省力化に
寄与すること大である。

【図面の簡単な説明】

第１は本発明の実施例にかかる車両のテストラ
インの側面図、第２図は第１図におけるトーイン
兼サイドスリツプテストラインの要部断面図、第
３図は第１図におけるサイドスリツプテストライ
ンの平面図である。 ２……トーイン兼サイドスリツプテストライ
ン、３……ヘツドライトテストライン、４……サ
イドスリツプテストライン、５……ブレーキテス
トライン、６，１８，３３……コンベア。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車両の組立精度を検査・調整するトーイン兼
   サイドスリツプテストラインおよびヘツドライト
   テストラインなどの人手による作業を要する調整
   ラインと、調整ラインの後段側に配置されるもの
   であつて、組立や調整の適否を検査判別するサイ
   ドスリツプテストラインおよびブレーキテストラ
   インなどの人手による作業を要しない検査ライン
   とを備えており、前記調整ラインは、車両の連続
   的搬送が可能な如く連続的に結合されたコンベア
   と、車両の連続搬送中に検査および調整を行い得
   る如く前記コンベアと同期して搬送される検査・
   調整装置とを備える一方、前記検査ラインは、前
   記コンベアに連続して結合される搬送用コンベア
   と、該搬送用コンベアの前段側および搬送用コン
   ベア間に配置され、サイドスリツプテストおよび
   ブレーキテストなどを行うべく構成された各種検
   査装置とを備えていることを特徴とする車両のテ
   ストライン。