JPH0323862Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、フオークリフト等の産業車両に係
り、詳しくはLPGガスを燃料とする産業車両の
LPGボンベ支持装置に関する。

（従来の技術） 従来、LPGボンベの支持方式は、最も一般的
なものとして、第７図及び第８図に示すヘツドガ
ードの後部支柱を利用して支持するものが知られ
ている。これはLPGボンベ２１を固定するため
にバンド２２とバツクル２３とからなるボンベク
ランプ２４を備えたボンベ支持台２５を、左右一
対の側板２６と、該側板２６を互いに連結する３
本の支持棒２７とから構成し、そして一方の側板
２６に固着されたヒンジブラケツト２８をヘツド
ガード２９の後部支柱３０に設けた固定ブラケツ
ト３１に直立軸３２を介して回動自在に取付ける
とともに、他方の側板２６に固着した係止片３３
を他方の後部支柱３０に設けた固定ブラケツト３
４に抜脱可能の係止ピン３５を介して着脱可能に
係止した構成となつている。

すなわち、エンジンの点検、整備作業に際し、
エンジンフード３６の後方への開放時にエンジン
フード上の座席３７がLPGボンベ２１に干渉す
ることを避けるべく、該作業に先立つて前記係止
ピン３５を抜き取つてからボンベ支持台２５を直
立軸３２回りに回動させることによりLPGボン
ベ２１を車体の後方又は側方へ避退できるように
したものである。

また、他の支持方式としては、第９図に示すよ
うにボンベ支持台３８を直にウエイト３９上面に
載置した上で、ボルト４０によつて固定する方式
がある。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、前者のヘツドガードの後部支柱を利
用する支持方式の場合は、部品点数が多数に及び
コスト高となるばかりでなく、各部品の製作誤差
やボンベの重量さらには使用に伴う回動軸部の摩
耗や変形等に原因してボンベ支持台が傾き、脱着
側である係止ピンの抜き取り、挿入に困難を来た
すという不具合があり、また後者のウエイト上へ
の直付け方式の場合はウエイトにタツプ孔を製作
するのにかなりの労力を必要とするものであり、
とくに両者共、ボンベ支持装置を取付けるために
は車両に特別の加工が必要であるという点で問題
があつた。

そこで本考案は、以上の問題を解決するため
に、ウエイト吊上げ用として該ウエイトが備えて
いる既設の吊孔を利用してLPGのボンベ支持台
を固定することを、その解決すべき技術的課題と
するものである。

（問題点を解決するための手段） 上記課題解決のための技術的手段は、車体後部
のウエイト上にボンベクランプ付きのボンベ支持
台を載置するとともに、前記ウエイトに縦向きに
貫設された係止用膨出部付きの吊孔内に、ストツ
パプレートを該膨出部の下端部に係止した状態で
配置し、該ストツパプレートと前記ボンベ支持台
とを緊締具にて連結固定したことである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて具体的に
説明する。第５図に示すように、LPGボンベ１
を支持するボンベ支持台２は、車体３の後部に搭
載されたウエイト４の上面に、該ウエイト４のほ
ぼ中央部に縦向きに貫設された吊孔５を利用して
取付けられている。なお、吊孔５の内周上部には
第２図〜第４図にに示すように、２個の係止用の
膨出部６が180度の間隔で縦長に形成されており、
この膨出部６は鋳造によつて製作されるウエイト
３と同時に形成されるものである。

しかして、ボンベ支持台２は、第１図に示すよ
うに横長の形に形成され、両側のフランジ２ａ
の上端にはLPGボンベ１を固定するためのバン
ド７とバツクル８とからなるボンベクランプ９を
備え、ウエブ２ｂの中央にはボンベ用の円形の通
し孔１０を備え、さらにウエブ２ｂの下面中央に
は逆Ｕ字状をなす２個のストツパ１１を前記通し
孔１０を挟んで対称的に備えている。なお、スト
ツパ１１はボンベ支持台２をその通し孔１０を前
記吊孔５中心に整合した状態でウエイト４上に載
置したとき吊孔５内の膨出部６に上方から跨ぐよ
うにして係合可能となつている。

また、ボンベ支持台２をウエイト４上に固定す
るための円板状のストツパプレート１２は、その
中心部には固定用のボンベ１３を有し、外周面に
は２個の逃し溝１４を180度の間隔で備えている。
すなわち、上記の如く形成されたストツパプレー
ト１２は、ボンベ１３及びナツト１５を介してボ
ンベ支持台２の通し孔１０に仮付けするととも
に、その逃し溝１４を吊孔５の膨出部６に位置合
わせした状態で、該吊孔５内に上方から挿入され
るものであり、そして挿入後において、ストツパ
プレート１２を90度回動してその外周縁を膨出部
６の下端に対向させた状態でナツト１５を締付け
ると、ストツパプレート１２が膨出部６の下端に
係止され、かくしてボンベ支持台２とストツパプ
レート１２とはウエイト４に対して強固に固定さ
れることとなる（ここで、ストツパプレート１２
とボルト１３が溶接等によつて一体化されている
と、ストツパプレート１２の回動が容易に行なえ
る）。このとき、前述したようにボンベ支持台２
下面のストツパ１１が吊孔５内の膨出部６の上端
に係合して回り止めされる。

なお、この回り止めの手段については、第６図
に示すようにストツパプレート１２の上面に膨出
部６の下端部に係合可能な凹所１６を形成する構
成に変更することが可能であり、また、図示はし
ないが、ストツパプレート１２の吊孔５に対する
挿入及び挿入後の係止を容易、かつ正確に確認す
る手段として、ストツパプレート１２の逃し溝１
４の位置を示すために適宜目印をボルト１３のネ
ジ側端面に設けることが望ましい。さらに、本実
施例ではボンベ支持台２を中央の１箇所で固定す
る場合として説明したが、ウエイト４が２個の吊
孔５を左右に備えている場合は、２箇所で固定す
ることになるので、より安定した固定状態が得ら
れる。また、本実施例では膨出部６を２個とした
が、これに限定するものではなく、さらにはスト
ツパプレート１２を吊孔５の下方から挿入するよ
うにしたときは、逃し溝１４は省略することが可
能である。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案によればウエイトが
有している吊上げ用の吊孔を利用してLPGボン
ベのボンベ支持台をウエイト上に固定できるよう
にしたことにり、従来のヘツドガードの後部支柱
を利用する方式やウエイトにネジ孔を形成してボ
ルトにより直接固定する方式とは異なり、後部支
柱やウエイトに特別の加工を一切施すことなく、
簡単に取付けることが可能であり、LPGボンベ
のボンベ支持装置としてきわめて有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のボンベ支持装置の実施例を示
す斜視図、第２図はボンベ支持台のウエイトに対
する固定構造を示す縦断面図、第３図は第２図の
−線断面図、第４図は平断面図、第５図はボ
ンベ支持装置をウエイト上に固定したフオークリ
フトの全体を示す側面図、第６図は回り止め用ス
トツパの変更例を示す斜視図、第７図は従来のヘ
ツドガードの後部支柱を利用する方式のボンベ支
持装置を示す側面図、第８図は同じく正面図、第
９図はウエイトにボルトにて固定する方式のボン
ベ支持装置を示す斜視図である。 １……LPGボンベ、２……ボンベ支持台、４
……ウエイト、５……吊孔、６……膨出部、９…
…ボンベクランプ、１１……ストツパ、１２……
ストツパプレート、１３……ボンベ、１４……逃
し溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体後部のウエイト上にボンベクランプ付きの
   ボンベ支持台を載置するとともに、前記ウエイト
   に縦向きに貫設された係止用膨出部付きの吊孔内
   に、ストツパプレートを該膨出部の下端部に係止
   した状態で配置し、該ストツパプレートと前記ボ
   ンベ支持台とを緊締具にて連結固定してなる産業
   車両のLPGボンベ支持装置。